「どうやら元気になったみたいかしら」 

桜田ジュンを、くんくん探偵を真剣なまなざしで見ている真紅の隣から見つめながら金糸雀は思った。 

雛苺が七番目のドールに倒されてしまって以来、彼は元気が無かった。 
しかし、彼は自分のマスターである草笛みつ(通称みっちゃん)との出会いにより 
また以前のような元気を取り戻しつつあった。 

「あのジュンという人間、思ってたよりも根性があるかしら。侮れないかしら!」 

一緒に日々を過ごしてきた人を失う寂しさ・・・。 
その寂しさを雛苺がどうなってしまったかを知らないとはいえ、克服するのは 
本当に勇気がいる事である。 

その事について、金糸雀は本気で感心していた。 
そしてなぜか、ジュンに愛着を感じてしまっていた。 

「で、でも、このローゼンメイデン一の策士・金糸雀には敵わないかしら!」 

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桜田家から自分の家に帰ってきた金糸雀は、ベランダのドアを開けた。 

「ただいま帰ったかしら」 

と言っても、今草葉家には誰もいない。 
みつは残業で夜遅くまで帰って来れないのだ。 
そのはずだった。 

「みっちゃん?」 

家の中から物音がした。 

・・・もうみっちゃんが帰っているのだろうか。 

「みっちゃ・・・!」 

だが、家の中から姿を現したのは金糸雀のマスターでは無かった。 

「始めまして、お姉さま。」 

その白いドレス・・・柔らかな、しかし禍々しい笑み。 

「私は貴方の末の妹、雪華綺晶と申します」 

ローゼンメイデン第七ドール・・・雪華綺晶。 
雛苺を苦しめ、ついにはその命を奪った張本人だ。 

「あなた・・・!よくも雛苺をやってくれたかしら!手加減はしないかしら!」 

許さない・・・! 

金糸雀はいきり立つ。 

「ピチカート!」 

しかしピチカートが金糸雀にたどり着く前に、雪華綺晶の薔薇が金糸雀の体を締め付ける。 

「あっ!」 

金糸雀の体が完全に雪華綺晶の薔薇に捕らえられた。 

「・・・私は貴方のローザミスティカなんて要らない。私が欲しいのは」 

雪華綺晶がゆっくりと口を開いた。 

「貴方の心」 

そう言葉を発すると同時に、雪華綺晶の目から怪しい光が発せられた。 

「こ、これは・・・?」 

一瞬にして、周りの光景が変わった。 

「さあ、歌って・・・金糸雀」 

雪華綺晶が金糸雀の側に近づいてくる。 
そして・・・。 

「きゃあっ!」 

服を脱がし始めた。 
下着を脱がされ、金糸雀の小さく膨らんだ乳房と綺麗な性器が露になる。 

「な、何をするかしら!」 

金糸雀が顔を赤くしながら叫ぶ。 

「教えてあげるわ。愛しい愛しいお姉さま」 

そう言うと、雪華綺晶は金糸雀の胸を撫で回し始めた。 

「あん!」 

雪華綺晶は乳首を摘んだりひっぱったりしながら、丹念に金糸雀の胸を揉む。 

「んあ・・・だ、め・・・かし・・・ら・・・!」 

初めての感覚と、他人に胸を揉まれる快感に、金糸雀は戸惑う。 
雪華綺晶は口をゆっくりと金糸雀の胸に近づける。 

「ああん!やめてかしら!だめえ!」 

雪華綺晶が金糸雀の乳首を舌で舐め回す。 

「あ・・あん・・・やめ・・・あっ!」 

なんという快感。 

金糸雀の体が震えだす。 
少しづつ濡れだしてきた金糸雀の秘部に、雪華綺晶が手を伸ばす。 

「や・・・だ・・あん!あん!はあああん!」 

雪華綺晶が手を動かすと、電流のようなものが金糸雀の背中を走った。 

きもちいい。 

口からよだれが垂れるのに気づかないくらいに、金糸雀は強い快感を感じずには居られなかった。 

「淫乱ね・・・金糸雀?もうこんなに濡らして・・・。そんなに気持ちがいいの?」 

「そんな・・・カナは・・・カナは・・・ひっ!」 

雪華綺晶が金糸雀の秘部に目を向け、顔を近づける。 

「乙女の最も大事な所・・・ここを穢されては・・・」 

言いながら雪華綺晶は上目使いに金糸雀を見て・・・ 

「もうアリスにはなれない」 

瞳孔の開いた目をカッと見開いた。 

「!」 

金糸雀の顔色が変わる。 

「駄目、駄目ぇ!やめて!お願いかしら!」 

必死に哀願する。 

「かわいそうな金糸雀・・・せめて貴方の好意を抱いている人物に・・・」 

そう言うと雪華綺晶は立ち上がり、後ろへと下がっていく。 
そしてその隣にはいつの間にか人が立っていた。 

「え!?」 

その人物とは、自分がよく知っている顔だった。 

「ジュ、ジュン!?どうしてこんな所にいるかしら!?早く逃げて・・・!?」 

様子がおかしい。 

金糸雀がそう感じた矢先に、ジュンが金糸雀の胸を掴み、揉み始めた。 

「な、や、止めるかしら!ジュン、やめ・・・!?」 

ジュンは金糸雀の秘部に手を回し、強く擦り始めた。 

「あううっ!」 

ジュンが少しづつ指を金糸雀のなかに入れていく。 

「あっ、はあ、ああん!」 

何故ジュンがこんな事を・・・? 

そんな事をうっすらと頭の片隅に考えるも、それ以上に 
快感があまりにも強く、金糸雀はただ喘ぐ事しか出来なかった。 

「あっ、あうっ・・・あん・・・っ!」 

気持ちが良すぎる。 
無理やりこんな事をされているのに。 
それも・・・あのジュンに。 
それとも、ジュンだから・・・? 

「ジュ・・・っ!」 

瞬間、金糸雀が絶望する。 
あまりにも気持ちが良かったので、すっかり忘れていた。 
ジュンが、ズボンのチャックを下ろす。 
そして硬くなったそれを、金糸雀の秘部にあてがった。 

「いや、いやぁ!やめてやめて、やめ・・・」 

ジュンは全く表情を変えることなく、腰を金糸雀に押しつけた。 
一気にジュンのそれは金糸雀のなかに入り込む。 

「ああああああっ!!」 

激痛が下腹部に走り、金糸雀は絶叫を挙げる。 

「あ・・・あ・・・」 

ジュンに侵入された金糸雀の秘部から、血が流れ出す。 

「かわいそうな金糸雀・・・貴方は」 

横からその状況を眺めていた雪華綺晶が、悲しそうな顔をしながら口を開いた。 
そして。 

「穢れてしまった」 

一瞬にしてその顔が邪悪な笑顔に変わった。 

「ひ・・・ひ・・・」 

穢れた。完璧なる穢れ無き至高の少女、アリスを目指してるローゼンメイデンにとって 
その穢れはよりも辛い地獄を意味する。 

「あぐうっ!?」 

そんな絶望にくれている金糸雀など全く無視して、ジュンが腰を振り始めた。 
さらに強い痛みが金糸雀を襲う。 

「あああ!痛い、痛いかしら!止めて、ジュン、やめてぇぇ! 
 助けてぇ、みっちゃん!みっちゃん!みっちゃ・・・あううっ!」 

いくら叫ぼうが、どれだけ涙を流そうが、誰も助けになど来なかった。 
延々とジュンは腰を振り続ける。 

「はあ、はあ、ぐすっ・・・み・・・ちゃ・・・」 

ほとんど金糸雀が諦めかけていたその時、ジュンの腰を振るリズムが突然早くなりだした。 

「!?」 

すぐに金糸雀はそれがどういうことかに気づいた。 

「や、やあ・・・」 

しかし抵抗する間もなく、金糸雀のなかに熱いそれは放出された。 
腹部の奥に感じる熱い熱。 

「うっ・・うっ・・・お、父様ぁ・・・ひぐっ」 

だめだ。 
自分はもう絶対にアリスになんかなることは出来ない。 

「かわいそう・・・かわいそう・・・でももう大丈夫。さあ、あなたの・・・!」 

しかし顔は笑っている雪華綺晶がそう言いかけて、口を閉ざす。 

「早い・・・もう来たのね。さすがはお姉さま達・・・。さようなら、愛しい金糸雀・・・。 
 希望の光が貴方を再び包み込みますように・・・」 

そういい残すと、雪華綺晶は光とともに消え、それと同時にジュンもかき消えた。 

「うっ、うっ・・・」 

どういうことだろう・・・。 

金糸雀はそう考えたが、しかし今はもうどうでも良かった。 

終わった。 
自分は終わったのだ。 
もう自分は・・・ 

「金糸雀!」 

「!」 

名前を叫ばれて目を開ける。 
先ほどまでの激痛と心の痛みが嘘のように晴れていた。 
目の前にはジュンと真紅、そして翠星石が立っていた。 
ふと気がつくと、自分は横になりジュンに支えられていた。 

「ジュ、ジュン・・・!それに、真紅達も・・・一体どうなって・・・?」 

ここは・・・草笛家だ。 
先ほどまで自分がいた場所ではない。 

呆けている金糸雀に、真紅が言葉をかける。 

「おそらく貴方は七人目に心の隙間を狙われ、幻覚を見せられていたのよ金糸雀」 

「心の隙間・・・?」 

心の隙間・・・。 
自分にそんなものが? 

自分にはそんなものは無いと、ずっと思っていた。 

けど・・・ 

「まーったく!油断なんかしてるからですぅ!これだからチビカナは! 
 ・・・金糸雀まで居なくなったら、残されたやつらはどうすればいいです? 
 あのデカ人間はきっとショックで頭がラリっちまいやがるですぅ。 
 そこんとこよぉーく考えろですぅ!」 

「翠星石・・・」 

そうだ。 
何故自分があれ程ジュンに愛着を・・・否。憧れを抱いたのか。それは・・・。 
翠星石には全てお見通しだったのだ。 

「大丈夫か?お前、泣いてみたいたけど・・・」 

ジュンに声をかけられ、金糸雀は我に帰る。 

「・・・う、ううん、なんでもないかしら!カナは平気のへっちゃらかしら!」 

言い、金糸雀は思う。 

そうだ。全ては幻だったのだ。良かった。本当によかった。 
そういえば、幻とはいえ、無理やりとはいえ、自分はさっきジュンと・・・。 

そう考えて、少し、ほんの少しだけ、残念に思ってしまう自分に驚いた。 

「ふーん、そうか。ならいいんだけど、ってなんだよ?人の顔じっと見て」 

いつの間にか金糸雀は、ジュンをみつめていた。 
慌てて首を振り、 

「べ、べべべ別にぃ、どうもしないかしら!」 

顔を赤くして、金糸雀は目を反らした。 

(幻とはいえジュンにあんなことをされただなんて、絶対に言えないかしら!) 

「こーらー、チビ金糸雀!ホントの事を言うですー!」 

翠星石が疑いの眼差しで金糸雀を睨み付ける。 

「ほ、本当かしら!」 

その時、ただいまー、と仕事を終えたミツの声を聞き、金糸雀は思う。 

今日の晩御飯も、玉子焼きかしら! 

おわり 

カナすまんorz許せ リクであった金糸雀編だが。 
長すぎなうえにすまんが感想頼む 

脱字発見orz気づいた人は足しといてくれ  つ[死] 

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