「まーた勉強しているです」 

翠星石がジュンの部屋を覗きながら呟く。 

あんなに勉強ばかりして・・・。 
ジュンは本当に学校とやらに行く気なのだろうか? 
今まで考えた事が無かったが、もしもジュンが学校に行くようになれば、 
以前みたくジュンと過ごすことは出来なくなるだろう。 
今でさえ、ジュンは勉強に励んでいるので、以前よりも会話が少なくなっているというのに。 
これ以上一緒に過ごす時間が減るだなんて・・・。 

「・・・・・」 

翠星石は不満だった。 
どんどんジュンは変わっていってしまう。 
弱くて臆病であったジュンが。 
翠星石は気づかない振りをしているが、本当はもうとっくに気づいていた。 

ジュンに変わって欲しくない。 
ずっと弱いまま、家に閉じこもって、翠星石と一緒に居ればよい。 

そう思っていた。 

「・・・ジュンは学校へなんか行きません。行っちゃ駄目です」 

そう呟くと、翠星石は勢い良く扉を開けた。 

「こらーチビ人間!お茶の時間ですよ!とっとと準備をしやがれですぅ!」 

ジュンに向かって叫ぶ。 

「・・・性悪人形。邪魔するなよ、今勉強してるんだ。お茶くらい自分で入れろよ」 

ジュンが振り向くことなく言った。 
ジュンがまるで相手をしてくれないので、翠星石の不満がますます高まる。 

こうなったら・・・ 

「そんな勉強したって無駄ですぅ!チビ人間なんて、どうせ一生引き篭もりですよ。とっとと諦めろですぅ」 

・・・ジュンの努力を否定する。ジュンはきっと怒るだろう。 
だが、気を引く事が出来る。そう思って、軽い気持ちで翠星石はその言葉を口にした。 

「・・・なんだと?もう一度言ってみろこの性悪人形・・・」 

ジュンが振り向く。 

予感的中!とことん単純な野郎ですぅ。 

翠星石は嬉々としながらそう考えた。 

だが、予感は外れていた。いや、的中しすぎていたのだ。 

そんな事は露知らず、翠星石はさらなる言葉を口にする。 

「何度でも言ってやるですぅ、この駄目チビ人間!お前みたいな弱虫は、社会に出ても役に立たなくって 
 爪弾きにされるだけですぅ。どうせ学校へ行ったって皆に苛められて終わりですよ!」 

ジュンの目が見開かれる。翠星石は続けた。 

「まあ・・・翠星石は優しいですから?お前みたいなチビ駄目人間のヒッキーでも 
 慰めてやらない事も無いですよ?例えばその・・・だ、抱っことか、キキキ、キ、 
 キ・・・キス、とか・・・?か、勘違いするなですよ、翠星石は別に・・・」 

翠星石は知らなかった。自分の言葉がどれだけジュンの心を傷つけたのかを。 
ジュンはもはや翠星石の最後の言葉を聞いてはいなかった。 

「・・・お前・・・!よくも・・・よくも言ったな・・・!僕の気持ちなんかちっとも知りやしないくせに!」 

ジュンが怒りで顔を真っ赤に染めながら、いつの間にか翠星石に詰め寄っていた。 
翠星石はすぐにジュンが本気で怒っているということに気がついた。 

「な・・・なに本気になってるですか、このチビ駄目おばか人間!そんなんだからお前はいつまでたっても 
 ヒッキーなんですよ!この短気!のろま!」 

翠星石が必死に言い返す。が。 

「黙れ!!!!」 

ジュンが怒鳴る。 

ひっ、と翠星石が背中をびくっとさせる。 

「お前なんかに・・・・お前なんかに、僕の気持ちが・・・!」 

ジュンがゆっくりと翠星石に歩み寄る。 

「や、止めるです、ジュン」 

怖い。 
こんなに怒るだなんて考えてなかった。 

ジュンは翠星石を殴ってやりたい気持ちだった。 
だが、口は悪くても翠星石は女の子だ。体だって小さい。 
だからといって、ジュンの怒りが消える訳ではないのだ。 

「このっ・・・!」 

ジュンは翠星石の体を強引に掴むと、床に叩きつけた。 

「あっ・・・!」 

翠星石が悲鳴をあげる。 

「こいつ・・・お仕置きしてやる!」 

ジュンが翠星石を床に押し付けたまま、手を振り上げた。 

「ジュ、ジュン、やめ・・・」 

言い終わらないうちに、ジュンが手を振り下ろし翠星石のお尻を強く叩いた。 

「痛い!」 

翠星石が叫ぶ。 

お尻なら強くぶっても大丈夫・・・ジュンはそう考えた。 

何度も何度も翠星石のお尻を強く叩く。 

「痛い!痛い!止めるです、ジュン!」 

だがジュンは、決して止めることなく叩き続ける。 

「あっ!あっ!」 

痛い。痛い。痛い。 

ジュンを傷つけ、ジュンを怒らせ、ついにはその仕返しを受ける事になった。 
いろんな痛みが翠星石を襲う。 

だが同時に、不思議な感覚を翠星石は味わっていた。 
叩かれているお尻はものすごく痛い。 
だが、今自分はジュンに構ってもらっている。 

ジュンにお尻を叩かれている。 
ジュンが、お尻を・・・。 

「んっ!あんっ!あっ!」 

叩かれる度に不思議な快感が増していく。 
これはどういうことなのだろう? 

翠星石は不安を感じてきた。 

「ジュン、悪かったです!全部翠星石が悪かったです!ごめんなさいですぅ!だから、叩くのを止めるです!」 

翠星石は謝る。 
早く叩かれるのを終わらせないと、自分が変になってしまうように感じられた。 

だが、ジュンはそれを謝罪とは受け取らなかった。 

コイツがこんなに簡単に謝るだなんて・・・なにか企んでるな! 

「そんな事言ったって、僕は騙されないぞ!この性悪人形!」 

「そ、そんなつもりじゃ・・・」 

ジュンは一応力を加減してぶっていたのだが、もう止めた。 

全力でぶってやる。 

ジュンはますます力を込めて翠星石をぶち始めた。 

「ああ!!んっ!!はあっ!!やあっ!!」 

激痛。 

あまりの痛みについに翠星石は泣き始めてしまった。 
だが、痛みがひどくなればなるほど、快感も高まっていく。 

「あっ!!ん!!あんっ!!」 

涙をぼろぼろこぼしながら、しかし翠星石ははっきりと快感を感じていた。 
口からよだれが垂れる。すこしずつ濡れてきていることに翠星石は気づいた。 

痛い。痛い。痛い。なのに・・・。 

「あ!!ん!!ジュ、ジュン・・・!や、め・・はあん!!」 

快感が限界まで高まる。 

ただ、ジュンに構ってもらいたかった・・・それだけだったのに。 
こんなことになるだなんて・・・でも・・・。 

翠星石が声を上げて泣きじゃくるので、ジュンはとても気分が良かった。 

ざまあみろ。 
これで性悪人形も少しは懲りたろう。 

そう考えていた時だった。 

「ああああんっ!!!!」 

翠星石の体を快感が貫いた。 
体がビクビクと痙攣する。 

「!?」 

翠星石があまりにも大きな声を出して体を痙攣させるものだから、ジュンは動揺する。 

「ど、どうした、翠星石!?」 

「あ、あう・・・・。ジュ・・・ン・・・」 

翠星石があえぐ。 
ジュンは、一気に罪悪感と後悔の念が押し寄せてきた。 

「す、翠星石・・・僕は・・・!」 

怒りのあまり我を失っていたジュンは、ようやく正気に戻る。 

何をやっているんだ僕は・・・こいつの口が悪いだなんて事、初めから分かっている事じゃないか。 
それなのに・・・。自分よりもずっと体の小さい翠星石を・・・。 
それに、こいつがあんな事言うだなんて、なにかおかしい。 
そういえば最近勉強ばかりしていて、こいつらに構っていなかったような気がする。 
もしかしてこいつは、ただ単に僕の気を引きたくてあんな事をしただけなんじゃ・・・? 

翠星石は、ぼんやりとした表情でジュンを見ていた。 
顔は赤く紅潮し、体はまだ痙攣していた。 

「ご、ゴメン、翠星石・・・。いくら怒っていたからって、お前は途中で謝ったのに、僕は・・・。 
 大丈夫か?今、真紅たちを呼んでくるから・・・」 

こいつは今僕の事をきっと恨んでいるだろう。 
仕方がない。ほとんど虐待も同然だった。 

ジュンは震えていた。 

「あ、待つですジュン・・・!」 

ジュンが部屋から出ようとするところを翠星石が引き止める。 

ジュンはどうやら自分の行いを悔い、反省しているようだ。 

ジュンの考えとは裏腹に、あれだけの事をされたにも関わらず 
翠星石は全くと言って良いほどジュンに対して悪感情を抱いていなかった。 
たしかに、ジュンにひどくぶたれるというのは計算違いだった。 
だけど、それは悪感情になるどころかむしろ・・・・。 

この状況において、翠星石の頭がフル回転する。 

結果的にジュンは、翠星石に負い目を感じている・・・。 
今なら、翠星石の言う事ならなんだって聞いてくれるに違いない。 

「翠星石は平気ですけど・・・。こんなにお尻が痛くては歩けないですぅ。 
 仕方が無いですから・・・ジュン、翠星石を抱っこするです」 

翠星石がにっこりしながら告げた。                end 

>>754でいってたやつだが。   
翠超むずいな・・・話し方に個性ありすぎorz期待に応えられなくて悪いが感想たのむわ 

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