SでもMでも両方こなす蒼い子書きやすい
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深夜、桜田家に泊まっている蒼星石はゆっくりと寝床の鞄を開け、起き上がる。辺りを見回すと、そこはジュンの私室だった。
4個の鞄が並べられており、蒼星石の鞄は一番端の方にある。そして彼女のすぐ隣にある鞄は双子の姉の翠星石の物だ。
しかし、中に双子の姉が居ない事は分かっている。
何故ならつい先程ジュンと2人で寝室を出て行く物音を聞いたからだ。
蒼星石は真紅と雛苺を起こさないよう、静かに鞄から出た。そしてたまたま視界に入った時計は、深夜2時を指している。
翠星石もドールとはいえ、1人の乙女。深夜、2人の男女が足音を忍ばせて2人きりの場所を目指して、する事など容易に想像できる。
(ジュン君、やっぱり君は翠星石と……)
以前から薄々怪しいとは思っていたが、嫌な予感が的中してしまったらしい。
蒼星石は静かに溜息を着くと、あの2人と同様に静かに寝室を出た。
蒼星石は1階に降りた所で、すぐに鏡の部屋から漏れる物音に気付いた。無意識に蒼星石は物音1つ立てずに鏡の部屋の方へ歩く。
蒼星石と鏡の部屋との距離が縮まるに連れ、彼女の耳にその物音が鮮明に響いた。
――2人が声を潜めて戯れ合ってる音。翠星石の興奮気味で、どこか嬉しそうな“見つかってしまうですよ”という潜めた声が微かに
聞こえる。その直後に“見つかりっこないさ”という、僕の翠星石を汚す汚らわしいジュン君の声。ああ、こんな汚い声耳に入れたくない。
蒼星石は鏡の部屋を開けた。
「こんばんは、僕の翠星石」
「……!」
半裸で絡み合ったままの状態で固まってるジュンと翠星石の思考が働くのに、数秒の間を要した。
「そ、蒼星石……! こ、これは違うのですぅ……」
我に返った翠星石は圧し掛かっているジュンを突き放すと、着衣の乱れを直すのも忘れ弁解し始めた。
しかし蒼星石は言い訳には応じず、双子の姉の手を握った。
「翠星石、ここじゃなんだから向こうで話そうか」
「…………」翠星石はコクリ、と頷いた。
何とか冷静さを取り戻そうとしている翠星石はやっと着衣の乱れに気付いたのか、急いでそれを直し始める。
「別に直さなくても大丈夫だよ、翠星石」蒼星石は笑顔で制した。「……後で脱がすから」
「……はい……ですぅ」
「じゃあ、行こうか。“僕の翠星石”」
蒼星石は双子の姉の手を引くと、ジュンを完全に無視して居間へ行ってしまう。
「……な、なんだってんだよ。邪魔しやがって」
ジュンは吐き捨てるようにそう呟くと、急いで2人の後を追った。
夜の暗い居間は、異様な静けさが支配していた。昼間や朝の騒々しさが嘘のようだ。
この居間と同じように、どんな物でも必ず普段とは違う一面を持っている物だ。それは面倒見のいいしっかり者の双子妹と
なかなか素直になれず、つい憎まれ口を叩いてしまう可愛いらしい双子の姉、この2人の関係も同じ。
蒼星石は翠星石とソファーに座り、言った。
「駄目だよね、翠星石。僕という物がありながら、あんな奴と」
「ご、ごめんですぅ……」
「今度からしないって約束する?」
「そ、それは……」
翠星石は黙り込み、ジュンを見た。
蒼星石に完全に無視を決め込まれた上に“あんな奴”扱いされたジュンは、眉を顰めて言った。
「なあ、蒼星せ――」
「約束するの? どうなんだい、翠星石?」
蒼星石は愛しい双子の姉にそう問い詰め、ジュンの発言を遮った。翠星石は黙り込んだまま。
「……無視しないで聞いてくれよ、蒼星石」
「…………」
ジュンは怒りを含んだ声で言ったが、蒼星石はまたしても無反応。ジュンは眉間にしわを寄せ、立ち上がった。
「いい加減にしろよ、蒼星石! なんなんだよ! いくらお前でも僕と翠星石の関係に口挟む権利ないだろッ!」
ジュンの怒鳴り声に翠星石は震え上がり俯いた。
蒼星石はやっとジュンに反応する。挑発的な微笑を浮かべ、怒声を放った張本人を見た。そして彼女は鋏を取り出すと
その刀身の腹の部分をジュンの右足に思い切り叩き付けた。
「――いぎゃあ!」
ジュンは足に走る激痛に悲鳴を上げると、床に倒れた。――あはは、いいザマ。
蒼星石はソファーに座りながら倒れているジュンの左足へもう一度鋏を叩き付けた。笑いながら。
「そ、蒼星石……」翠星石は震えながら言った。「私が悪いんですぅ、だからやるなら翠星石を……」
「大丈夫だよ、後でちゃんと翠星石にもお仕置きしてあげるから。……罰として、いつもの“アレ”10分延長ね♪」
「…………」
翠星石は双子の妹の、発言の内容とは裏腹に踊るような明るい声の返答に再び俯いてしまった。
アレ、とは何の事だ。と呻きながらジュンは考えたが見当もつかない。
蒼星石はソファーから降りると、仰向けに倒れるジュンの太股にまたがり、ズボンのホックを外しチャックを下ろし始めた。
ジュンは蒼星石の奇行に顔を紅潮させつつ怒鳴る。
「な、何するんだよ!」
蒼星石はそれを無視して、ジュンのズボンを下着ごと引きずり下ろそうとする。ジュンのプライドもさすがに
2人の女の子の前で性器を晒す事は決して許さない。両足に走る激痛に耐えつつも、何とか抵抗した。
「蒼星石……な、何するつもりですか」
蒼星石は服を脱がすのを一時中断し、微笑みながら翠星石の質問に答えた。
「――去勢」
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Sな蒼の子書いて来た。今日の投下はここまでです。
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蒼星石の言葉を聞き、ジュンの表情は一気に青ざめた。
「お、お前……まさか……」
「翠星石に2度と手が出せないように、こんなの切らなきゃ。ね?」
鋭利な鋏をチョキチョキと鳴らし、蒼星石はニッコリと微笑んだ。そして再びジュンのズボンに手を掛ける。
そうはさせまいと、ジュンが必死にズボンを抑える。
「ま、待ってくれ蒼星石!」
「……うるさいなぁ、声出せないように喉でも切るかな」
そう言うと蒼星石は鋏を振り上げた。ジュンは反射的に頭部を守ろうと両手、両腕で顔を覆う。
そのせいでズボンの守りは手薄になってしまい、蒼星石はニヤリと笑うともう片方の手で器用にズボンごと下着に手を掛け
一気に膝まで下ろす。
ついにジュンの恥部があらわとなってしまった。
「何だか君とそっくりだね、ソレ」
蒼星石は興醒めしたように溜息を着き、ジュンの性器を指差した。
「特別大きい訳でも無ければ、小さいって訳でもないし、普通で面白くないね。いっそ包茎だったら笑えたのに、つくづく面白みがない。
あ、君の汚いソレ、隠しちゃ駄目だからね。そんな事したら千切りにするよ、君のソレ」
「…………」
言うまでもなくジュンのプライドはズタズタだった。歯を食い縛り、悔しさと恐怖で今にも泣きそうな顔をしている。
「大丈夫。おとなしくしてたら、一思いにザックリ切ってあげるからさ。尿道にブスリと刺されたり、縦に切られたりするの嫌でしょ?」
「そ、蒼星石!」翠星石は震えながら双子の妹の名を呼んだ。
「なぁに?」
「お願いです蒼星石、何でもするですから……ジュンは許してやって欲しいですぅ……」
「何でもするの?」
“何でもする”という発言にピクリと反応した蒼星石は問うた。翠星石は何か嫌な予感を感じつつも、コクリと頷いた。
「じゃあ、ジュン君の去勢は翠星石がやってね」
「え……」
蒼星石は微笑を浮かべながら、鋏を翠星石に手渡した。そして戸惑う翠星石に、蒼星石は悪戯な口調で言った。
「何でもやってくれるんでしょう? だったらジュン君の去勢を君がやってよ」
「そ、そんな……」
「ほら、早く」
「……できないですぅ」
ポツリ、とそう呟くと、翠星石は手渡された鋏を落とした。
「自分の言った事も守れないだなんて、悪い子だね、翠星石」
蒼星石は震える翠星石の背中に肩を回すと、自身の傍へ引き寄せた。着衣が乱れたままの愛しい双子の姉を
とろん、とした虚ろな目で舐めるように見つめる。
「――悪い子には、お仕置き……」
蒼星石は口元から甘い呟きを漏らすと、優しく翠星石をソファーの上に押し倒した。
蒼星石は翠星石の上に圧し掛かると、懐から小瓶を取り出した。
「……その薬、なんか嫌ですぅ」
「飲んだ後はあんなに喜んでるくせに」
蒼星石は小瓶を開け、中の液体を双子の姉に飲ませた。翠星石が小瓶の中身を飲み干したのを確認すると、蒼星石は
双子の姉の上から降りて惨めな姿を晒すジュンを見た。
「薬が効き始めるまで少し時間があるから、暇潰しに君で遊ぼうかな」
蒼星石はソファーに座りながら、床に倒れるジュンの性器を足で踏みつけた。
「翠星石に免じて今すぐ去勢するのは勘弁してあげるよ。でも、僕って気が変わりやすいから
僕の機嫌を損ねないように気をつけてね。そんな事したらすぐに去勢だよ」
「…………」
「じゃあ手始めに、僕の足でも舐めてよ」
蒼星石はニッコリと笑うと、ジュンの目の前に自身の足を付き付ける。
ジュンにも男としてのプライドはある。そう簡単に屈服したくはなかった。
「……嫌だ……」
ジュンは口から出た言葉が予想以上に弱々しい物だったのに驚いた。どうしてもっと覇気のある声が出ないのかと
ジュンは心の中で自身の喉を責めた。
「――じゃあ去勢」
蒼星石はジュンの拒否に興醒めしたような冷めた表情になり、床に落ちている鋏を拾い上げた。
そして鋏を開き、2本の鋭利な刃物はジュンの性器を捉えた。これで鋏を閉じれば、ジュンは自身の性器と別れる事となる。
鋏が閉じる――
「うわああああッ!」
ジュンは恐怖に駆られ叫び、閉じようとしている鋏を両手で押さえた。素手で刃物を掴めば、当然手は血だらけとなる。
血まみれの手でジュンは必死に性器を守ろうと鋏を押さえる。移動しようにも足が痛み動けない。骨にヒビでも入ってるのだろうか。
痛みと恐怖に怯える表情、その表情にプライドなど微塵も無かった。
翠星石は目の前に繰り広げられている地獄絵図を少しでも見ないように、耳を塞ぎ、ソファーの端で震えていた。
ジュンの為に、蒼星石に飛び付いて止める程の勇気は、翠星石には無かった。
「いやだあああああああ!」
「ああ……その顔、その鳴き声、その目……意外と可愛い表情するじゃないか。もっと鳴いてよ、僕だけの為に」
蒼星石はクスクスと微笑すると、鋏を閉じる力を強くした。徐々に鋏が閉じて行く。
「ひやあああ! やめてええええええ!」
「ほらほら、どうしたのジュン君? もっと力入れないと切られちゃうよぉ?」
「舐める! なめる! なめるぅ!」
泣きながらジュンはその単語を繰り返し叫んだ。もうあれこれ言い訳する余裕など無いのだろう。
蒼星石は鋏を閉じるのをやめると、その鋏を床に置いた。刀身にはジュンの血が付着している。
ジュンは恐怖のあまりに泣いてしまっていた。嗚咽を漏らし、畏怖に満ちた涙目で蒼星石を見ていた。
――ああ、ゾクゾクする。
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今日はここまで
……家族にこれの原稿見られたorz
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ジュンを屈服した快感に酔い痴れている蒼星石は、翠星石の様子がおかしい事に気付いた。
虚ろな目、微かに乱れた呼吸。……さっき飲ませた媚薬が効いて来たようだ。
「……蒼星石、またアレをやるですか……? 私は我慢なんて体に悪い事したくないです」
「大丈夫だよ。あ、言っとくけど我慢できなかったら、ジュン君を去勢しちゃうからね。
翠星石がちゃーんと10分我慢できれば、ジュン君の去勢は免除してあげるよ」
「10分なんて無理ですぅ……せめて3分……」
「駄目、10分♪ ――ん?」
蒼星石は意地悪な口調で言った直後、足に妙な感覚が走り、足元を見てみた。ジュンが自分の足を
音を立てながら舐めまわしていた。蒼星石は思わずニヤけると、必死に舌を動かすジュンの顔面を蹴り飛ばした。
「う……」
「指令変更、舐めるのは後でいいよ。――じゃあ始めようか、翠星石」
蒼星石は翠星石の腰に手を回し、撫で始めた。媚薬の効果もあってか、翠星石の呼吸が荒くなる。
そして蒼星石は手を離すと、ソファーの上に仰向けに倒れて見せた。両手をだらりと上げ、上半身の服を脱ぎ始める。
上半身が下着姿になった蒼星石は、上半身の下着をたくし上げた。白い腹部があらわとなり、後少しで乳房が見えるギリギリの位置だ。
翠星石は体の奥底から熱い物が込み上げてくる感覚に耐えながら、半裸の蒼星石を見て、ゴクリ、と生唾を飲む。
はぁはぁ、と息を荒げ、無意識の内に蒼星石の体へと手を伸ばそうとする。しかし翠星石はハッとして、慌てて手を引っ込めた。
双子の姉の反応を楽しみつつ、蒼星石は自分のズボンを太股の辺りまで下ろした。
「――蒼星石ぃ!」
翠星石は興奮気味に双子の妹の名を叫ぶと、半裸の蒼星石の体に飛びついた。だらりと上げていた蒼星石の腕を押さえる。
「もう……我慢できないですぅ……!」
「ふぅん、じゃあジュン君は去勢だね」
「そんなぁ……」
「まだ1分も経ってないよ。翠星石はえっちだなぁ、僕の体がそんなに欲しいの?」
「……ひどいですぅ……」
「我慢できずに僕にえっちな事したら、罰としてジュン君のちょん切るからね」
「うぅ……」
翠星石は名残惜しげに蒼星石の上からどいた。
その後も蒼星石は虚ろな目線を向けて親指を咥えたり、耳を甘噛みしたり耳元で愛の言葉を囁いたり
首筋に舌を這わせたりと、翠星石を誘惑し続けた。普段の蒼星石からは想像も付かないような妖艶な色気を用いて。
檻の中に居る飢えた動物に、外から餌をちらつかせるような物だ。
蒼星石が翠星石を焦らし続けて、もう9分ほど経った頃だろうか。翠星石は媚薬と蒼星石の誘いに懸命に耐えていた。
「……カラダが……熱……い」
「よく頑張ったね、翠星石。あと1分くらいだよ。1分経ったら好きにしていいからね」
そう言った蒼星石の視界に、ふと完全に存在を忘れていたジュンが映った。まだ泣いているようだ。
そしてジュンの恥部を見て、蒼星石は思わず吹き出してしまった。……ジュンの性器が興奮した状態になっていた。
「無様な姿だね、ジュン君」
「…………」
蒼星石はそう言うと、片腕で翠星石を自分の元へ抱き寄せた。まるで“彼女は僕の物”だと誇示しているかのように。
そしてあの水銀燈を思わせる酷薄な笑みを浮かべてジュンを見下ろした後、抱き寄せた翠星石の耳元で囁く。
「――10分経ったよ」
この一言で翠星石は“待ってました”と言わんばかりに、半裸の蒼星石を乱暴に押し倒した。
やっと生殺しの状態から開放された翠星石は、押し倒した蒼星石の顔を両手で掴むと、乱暴に唇を重ねた。
蒼星石はすぐに双子の姉の舌が口に入り込んで来るのを感じ、反射的に自身の舌と絡ませる。
双子は淫らな水音を鳴らし、甘く小さく喘ぎながら濃厚なキスを堪能した。
翠星石は蒼星石と唇を重ねたまま、器用に彼女の下着を乱暴に引き千切った。小振りな乳房があらわとなる。
傍から見れば蒼星石が翠星石に強姦されているように思える。しかし、蒼星石の表情には余裕があった。
「いつもより激しいね、翠星石。……焦らし過ぎちゃったかな……?」
「蒼星石ぃ……蒼星石ぃ……!」
双子の妹の名を連呼しながら、翠星石は蒼星石の乳房にむしゃぶり付く。――あの薬よく効くなぁ。
「んっ……」
蒼星石は甘く喘ぎ、翠星石はまるで蜜でも舐めているかのように、蒼星石の胴全体を舐め回している。
たまに乳首を唇ではんだり吸ったりなどの刺激を与え、愛しい双子の妹に快感を与え続ける。
呼吸がやや乱れ始めて来た蒼星石は愛しげな眼差しで愛しい双子の姉を見つめ、呟く。
「大好きだよ……僕の、翠星石……」
舌が胴に這う感覚に悶えつつも、蒼星石は自身の上に覆い被さる翠星石を抱きしめた。翠星石も舌を這わせるのをやめると
蒼星石の背中に手を回し、小振りな胸に顔をうずめ、抱きしめ合った。
蒼星石はつくづく嫌気が刺していた。性的な支配でしか姉への愛を表現できない不器用さに。
姉の最愛の人に嫉妬し、姉を暴力で奪い返そうとする独占欲、嫉妬心の強さに。こんな事をして快感を得ている自分に。
翠星石も不器用な妹の愛を受け入れてくれているのは、彼女なりの優しさなのだろうか。
(翠星石がジュン君を好きなのは分かってる。……そんなの嫌だ、僕だけを見て欲しい……)
――嫌な女だよね、僕。
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今回ここまでっす
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