「あん! ちょっと…激しいですぅ!」 
 嬌声を上げる翠星石に構わず、ジュンは責め立てた。 
 ジュンと翠星石が事に及んでいるベッドの回りには、股間から──膣とお尻の穴から、ドロッとした精液を 
滴らせ、力なく横たわる真紅、雛苺、蒼星石、水銀燈、金糸雀、薔薇水晶の姿があった。 
 ある者は性交の余韻に浸り、ある者は疲労により意識を手放していた。 
「人間!…ジュン! あっあっ、もうだめですぅ! ジュンも。早く。いきやがれですぅ〜〜!!!」 
 目を虚ろにして叫び、絶頂を迎える翠星石に構わず、ジュンは自分本位で腰を振り続けた。 
 何が彼をここまで駆り立てたのか。それは人数であった。 

 最初、真紅が来た時は一人と対して変わらなかった。雛苺がきても、やっと戦略が取れる程度に変わっただけ。 
 だけど翠星石が来た瞬間、電撃が走る思いだった。四人! 四人だ! 四人パーティだ。興奮が止まらなかっ 
た。今年は来る! とまで思った。 
 蒼星石が来た時は正直へこんだ。五人。時代を先取りし過ぎでは? 皆はついてこれないのでは? 僕の胸 
に僅かな失望感ともしかしたらの期待感がうまれる。 

 金糸雀が来た時は、祝砲を挙げたかった。原点回帰、これに尽きる。こればかりは、ついてこれない奴が悪い。 
僕? 勿論付いてこれるさ! でも、多分、これは欧米版だと思った。金糸雀の喋りが変だから。日本語版スッ 
タフがおいおいパッチを出すだろう。 

 蒼星石が一端離れた時は、マジかよ! 鍛えたのにと思ったが戻ってくれてよかった。 

 しかし、この後がよろしくなかった。 

 水銀燈、薔薇水晶が来た時は「馬車」この一言に尽きた。 そして、その言葉が僕を苛み、ついにこうした 
(合意ではあるが便宜上)陵辱劇にまで発展した。馬車は嫌だから。 

 ぐたっりした翠星石を離すと、股間からぼとっぼとっと先ほど出した精液が滴り落ちる。 
 さて次はと、獲物を物色したときに、ジュンの頭の中に、天啓が訪れる。 
 大規模MMO。 

「僕は何て愚かだったんだろう。過去を見てばかりだ。なんで今現実を見ない」 
 自責の念に駆られたジュンは、伏している真紅を抱きしめた。 
「ごめん」 

 そんなジュンたちを見て、荒い息を吐きながら翠星石はこう思った。 

───エッチシーンが入ってるなら、ただのエロゲーではないか? 
  

                                  〜完〜 

  意味も落ちもありません。 

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