3体の人形達もすっかり寝静まった深夜の0時頃、ジュンは3つ並んでいる鞄のうちの1つに近づいていった。 
音をたてないように慎重に鞄を開ける。その中には薔薇乙女の第5ドール、真紅が眠っていた。 
(やっぱこうやって見るとかわいいよな・・・。) 
そんなことを考えながらジュンはぼうっとした眼で真紅を見つめていた。普段は小憎らしいことばかり言ってくる真紅だが、寝ている姿はまさにかわいい人形そのものである。そんな人形を見ているうちに、ジュンの中には真紅に触ってみたいという欲望が湧き上がっていた。 
(触りたい・・・でも起きるかもしれないし・・・もしそうなったら軽蔑されてしまうし・・・でも・・・。) 
そんな堂々巡りな考えをしているうちに、口は半開きになり、息が荒くなり、手は真紅と自分の間をうろうろしていた。しかし、ジュンも一応男の子である。欲望に逆らうことはできず、恐る恐る伸ばされた手はいつの間にか真紅に触れていた。 
(あっ・・・触ってしまった・・・。でもこうなったら後には引けないし・・・。) 
真紅の顔を、首筋を、胸を、触れるか触れないかぐらいの触り方で這うように撫でていく。ジュンの顔は何かにとりつかれたような表情をしていた。 

(あっ・・・・・・。んっ・・・・・・。やっ・・・・・・。) 
真紅は起きていた。実はジュンが鞄を開けたときから目を覚ましていたのだが、ジュンが何をするのか気になったので、眠ったふりをして様子を見ていたのである。 
(まったく・・・。私に言ってくれれば体くらい触らせてあげるのに。だって私は人形。触ってもらうということは愛されているということだもの。) 
真紅はジュンが自分の体を触ることに、不快感ではなく幸福感を感じていた。 
(でも、寝ている主人の体に勝手に触るなんて下僕としては最低ね。ここは下僕としての躾をきちんとしておかないと。) 
そう考えると、真紅はいきなり目を開いた。 

「あっ・・・・・・。」 
「どうしたの、ジュン?」 
真紅はいきなりジュンを責め立てることはせず、ジュンに質問をする。ジュンの手は真紅からはなれ、顔はみるみるうちに青ざめていく。 
「何をしていたの、ジュン?」 
「し、真紅・・・・・・。いやっ、その・・・・・・これは・・・・・・。」 
ジュンの頭は混乱してしまい、何を言えばいいのかも分からなくなる。 
「ごっ、ごめんっ!」それだけ言うと、ジュンはあわてて布団にもぐろうとする。そこに、 
「待ちなさい、ジュン。」 
真紅は声をかけた。ジュンは恐る恐る真紅の方を振り向く。 
「あなた、私の体を触っていたのでしょう。なんていやらしい。最低だわ。」 
「う・・・ぅぅ・・・。」 
真紅に軽蔑されたと思ったジュンは、深くうなだれる。 
「・・・いいわ。」 
「えっ?」 
「私の体を触らせてあげるわ。」 
「・・・え・・・えぇ!?どうして・・・そんな・・・。」 
思いがけない真紅の言葉にジュンは動揺する。 
「あら、ジュンは私の体を触りたくないの?」 
「そ・・・そりゃあ・・・って、い、いや・・・でも・・・。」 
「触りたくないの?」 
「さ・・・・・・触りたい・・・・・・。」 
思わず本音が漏れてしまった。すると真紅は、小さく笑みを浮かべながら頭に付けているヘッドドレスをはずした。 

真紅はヘッドドレスを部屋の隅に放り投げた。 
「・・・・・・?」 
ジュンは何をやっているんだというような表情をしている。 
「何ぼうっとしているの。早く取ってきなさい。」 
「な、なんで僕が!」 
さも当然だという風に言う真紅にジュンは抗議する。 
「取ってきてくれたら、私の下着を見せてあげるわ。」 
「えっ、・・・・・・真紅の・・・・・・下着・・・・・・。」 
「さあ、早く取ってきなさい。」 
真紅の下着という誘惑に勝つことができず、ジュンは憮然とした表情をしながらもヘッドドレスを取りにいく。 
「ほら、取ってきてやったぞ。」 
「そこにおいて。・・・・・・じゃあいくわよ。」 
そう言うと、真紅はゆっくりとドレスのすそを持ち上げていく。ジュンは真紅の脚から眼を離すことができないでいる。焦らされるような感覚に、ジュンの興奮は高まっていく。 
そして、ついに真紅の下着が見えた。暗くてよく分からないが、白い、手ざわりのよさそうな下着が目の前にある。ジュンは恥ずかしそうに目をそらしながらも、下着を凝視している。真紅は微笑ましそうな顔をしてジュンを見つめている。 
「もっとよく御覧なさい。」 
その言葉に、ジュンはもっと顔を近づけようとする。すると、 
「はい、ここまでよ。」と 
そう言って真紅はすそを下ろしてしまった。 
「あ・・・・・・。」 
少し残念そうな顔をするジュン。 
「今のじゃこの程度よ。さあ、次にいくわよ。」 

真紅はヘッドドレスを持つと、部屋の窓を開けて外に放り投げた。 
「さあ、取ってきて頂戴。」 
「いいかげんにしろよ!なんで僕が!」 
「取ってきてくれたら、今度は私の体にさわらせてあげるわ。」 
「う・・・・・・分かったよ。」 
真紅の体に触りたいという気持ちは抑えられず、しぶしぶ下に降りていくジュン。すぐにヘッドドレスを持って帰ってくる。 
「ありがとう、ジュン。さあ、どうぞ。」 
ジュンはごくっと唾を飲む。緊張のあまり手が震えだす。 
「・・・じゃ、じゃあ触るからな。」 
そろそろと腕を伸ばすュン。まず真紅の両腕に触れる。そこから胸に移動させ、小さなそれを揉み始める。人形ながらも柔らかいその感触にジュンは興奮してくるのがわかる。 
「ん・・・・・・んっ・・・・・・あっ。」 
真紅から小さく喘ぎ声が漏れる。横に向けたその顔は恥じらうように赤みを帯びている。 
今まで聞いたことのない真紅の声に、初めて見る真紅の顔にジュンの興奮はさらに高まっていく。 
「あっ・・・・・・っはぁ・・・・・・あんっ。」 
「は・・・・・・はぁっ。」 
興奮のあまりジュンの息づかいも激しくなってくる。しだいに手の動きも激しくなっていく。 
「あんっ・・・・・・だ・・・め・・・・・・ジュン・・・もっと・・・優しく・・・。」 
真紅の言葉にもジュンは興奮を抑えることができない。普段自分を下僕扱いしている真紅が自分にいじられているということがジュンに快感を与える。しだいに他の場所も触ろうと、手を真紅の下半身に動かす。脚をひとしきり撫でたあと、手をスカート部の中に入れる。 
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・あ・・・あぁ・・・・・・。」 
太股を撫で回したあと、手を真紅の秘所にやろうとする。 
「あぁ・・・・・・んっ・・・・・・だめ、そこは・・・・・・やめなさいっ!」 
バシッ! 
真紅はいきなりジュンの頬をビンタした。かなり力が強かったのか、ジュンは手を止めて目を丸くしている。 
「優しくしなさいって言ったでしょう!レディーにあんな乱暴に触るなんてまるでケダモノだわ。よく覚えておきなさい。」 
「ごめん・・・その・・・つい・・・。」 
しゅんとしてうつむくジュンに、真紅はため息をついた。 

「さあ、これで最後よ。紅茶を淹れてきて頂戴。」 
「今度は何をしてくれるんだ?」 
ジュンはもはや観念したといった感じで聞き返す。 
「・・・私の中に入れさせてあげるわ。」 
「い・・・入れる・・・・・・って、え・・・・・・えぇ!?」 
真紅の衝撃的な言葉に、まさか人形とそのような行為に及ぶことなんて想像もしていなかったジュンは、その場面を一瞬想像して激しく赤面する。 
「さあ、行きなさい。」 
真紅に促され、ジュンはふらふらと視点の定まらないような顔をして下に降りていく。しばらくして、ジュンが紅茶を持って帰ってきた。それを真紅の前に置く。 
「遅いわ。もっと早く淹れてきなさい。」 
一言文句を言って、真紅はカップを手に取り、ゆっくりと飲み始めた。ジュンはそれを落ち着かない様子で眺めている。 
やがて紅茶を飲み干した真紅はジュンに真っ直ぐ目を向けた。 
「さあ、始めるわよ。まず下着を脱がして頂戴。」 
ジュンはそろそろと真紅のスカート部の中に手を入れ、下着に手をかけてゆっくりと引き下ろしていく。真紅がドレスのすそを持ち上げると、真紅の秘所が現れた。 
「こ・・・こに・・・・・・入れればいいのか?」 
「そうよ、ジュン。」 
念を入れて確認したジュンは、パンツを下ろし、真紅の上に覆いかぶさるように四つん這いになり、ゆっくり腰を下ろしていく。 
「んっ・・・・・・んぁっ・・・・・・ああっ!」 
「くっ・・・・・・うっ・・・・・・。」 
痛そうに声をあげる真紅に、ジュンは心配になる。 
「大丈夫・・・なのか・・・?」 
「だいじょう・・・・・・ぶよ。・・・・・・もっと・・・・・・お願い・・・。」 
その言葉にジュンはさらに奥まで入れる。そしてゆっくりと腰を動かしていく。 
「ん・・・・・・ああん・・・・・・ぁん。」 
もっと真紅の声が聞きたくて、もっと真紅を感じたくてジュンは激しく腰を動かす。 
「あっ、あっ、ああっ、んっ!」 
「真紅・・・・・・真紅・・・・・・。」 
ジュンに快感が昇ってくる。 
「真紅・・・・・・もう・・・・・・いきそ・・・・・・。」 
「ジュン・・・私・・・も・・・あんっ!」 
「あ・・・・・・ああぁぁぁああああ!」 
「ジュン・・・あ・・・んあぁぁぁぁあああ!」 

二人とも服を着終え、向かい合っている。 
「ジュン、これからは私に触りたいときは私に言いなさい。ただし周りに誰もいないときにやるのよ。」 
「うん・・・分かったよ。」 
照れ臭そうにそう言うと、お互いに寝床に向かい、眠りについた。 

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突発的に書いてみました。ていうか初SSがエロってどうなんだろう・・・。 
テーマは「躾」、タイトルは「二人の約束」です。 
SS職人ではないので今後も書くかどうかはわかりませんが。 
読んで下さった方には感謝を。 

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