投下します。
エロなし翠星石×ジュン。しかもちょっと無駄な長さに・・・。
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「・・・・いいですよ、チビ人間・・・」
頬を染め、恥ずかしげに呟く翠星石。
夜のジュンの部屋。
彼のベッドの上で、彼女は一糸纏わぬ姿で横たわっていた。
「え、で、でも・・・・」
ベッドの前に立つ少年──ジュンは、戸惑うように翠星石の裸体を見る。
人形である証の関節、柔らかそうな質感の肌。
「そ、そんなに見るな、ですぅ・・・・」
翠星石は気恥ずかしげに目を伏せるが、体はジュンの視線から隠そうと
はしなかった。
(な、なんなんだよ・・・)
翠星石を前に、ジュンは混乱していた。
食事の後、部屋に入ったジュンを出迎えたのが、今のようにベッドに横た
わった翠星石だった。彼女の頬は上気し、瞳は切なそうに潤み、ジュンに
向けられている。
(さ、誘ってるのか・・・?)
人付き合いに弱いジュンでも、ここまで露骨な態度であれば翠星石がな
にを期待しているのかうっすらと想像がつく。
(でも──)
顔を軽くうつむかせ、ジュンは内心で呻いた。
(なんで体がキュ○ピー人形?!)
一方、翠星石は。
(──ふっふっふっ、チビ人間め焦ってるですぅ)
・・・苦悩するジュンを密かに眺めながら、満足げにほくそえんでいた。
(わたしの魅力に惑わされても、体がキューピ○人形ではなにも出来ない
です。そうやって悶え苦しみやがれですぅ)
作戦を思いついたのは、昼間テレビで眼前にぶら下がったニンジンを必死
で追う馬を見た時だった。ここまで上手くいくとは思わなかったが、今の
ジュンは完全にお預け状態。苦悩するジュンの姿に翠星石は笑いを堪える
のが大変だった。
(でもこれは序の口ですぅ。もっとも〜っといたぶってやるですぅ)
ジュンに見えない角度で、翠星石はキラリと目を光らせた。
「チビ人間・・・わたしは魅力ないですか?」
翠星石が発した声に、ジュンははっとして顔を上げた。
ジュンの視線と、翠星石の視線が交わる。寂しげなその瞳に、ジュンは
自分の胸がどきりと高鳴ったのを確かに感じた。
(そ・・・そんな顔すんなよ・・・)
いつもは憎たらしい翠星石の顔から、今は目を離すことが出来ない。頬が赤く、
そして熱くなっているのがわかる。
(俺・・・俺・・・)
そうしてジュンが悩む間も、翠星石は切なそうにこちらを見ている。
(と、とりあえず、放っておいちゃだめだよな・・・)
意を決し、ゆっくりと彼女に近づく。急に近づかれて驚いたのか、慌てる翠星石
を優しく抱き起こし、
「翠星石・・・・・・」
そっとその唇に口付けた。
一瞬、翠星石は何が起こったか理解できなかった。
自分の唇に触れている。ジュンの唇が、自分の唇に触れている・・・・
状況を把握した瞬間、翠星石の頬はボンと音を立てて真っ赤になった。
(な、な、なにしやがるですか〜!!)
パニック状態となり、ジュンから離れようとする。だが首から下が○ューピー人形
では満足に動く事すら出来ない。さらに髪を優しく撫でるジュンの手の感触が、翠
星石の抵抗心を溶かしていく。
(チビ人間のくせに、チビ人間のくせにっ・・ですぅ)
心の言葉だけは抗いながらも、翠星石は目を閉じ、ジュンへと身?を任せた──。
結局、その後何事もなく二人は眠りについた。
それに関しては翠星石の目論見どおり、ジュンは翠星石になにも出来なかったのだが
──
(・・・・・・・ちょっと残念だったですぅ)
ジュンの腕に抱かれながら、かすかな声で翠星石は呟いた。
<おわり>
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以上です。
どうやってキュー○ーになったかは深くつっこまないでください、
ギャグなので・・・。