朝、引き篭もりの身体には射るかのごとく眩く感じる光が、
昨夜カーテンを閉め忘れた窓から侵入して来る。
「う…ん…。」
寝ぼけ眼を擦りながらジュンはのろのろと上体を起こした。
「あら?やっと起きたの?定時に起きられないなんて使えない下僕ね。」
聞きなれた声が耳に入る。
言うまでもない、真紅だ。
「うるさいな…僕が何時起きたって関係ないだろ…大体下僕ってのもいい加減…。」
まだ完全に覚醒してない為途切れ途切れの言の葉で反論しながら、ジュンは愛用している眼鏡を手探りで探す。
「はい。」
と、突然眼鏡らしきものが眼前に現れた。
おそらく、真紅が差し出してくれたんだろう。
「…ああ、…サンキュ。」
差し出された眼鏡を受け取り、装着する。
「…ん?」
装着し終えたところで段々と頭が回り始め、やがてあることに気づく。
「どうかしたの?」
すぐ隣から声が聞こえる。
「…何でお前が僕のベットで…ってうわ!」
隣で寝転がっている真紅をみやり、仰天した。
ジュンの瞳に入ってきた真紅は、何も身に纏っていなかったからだ。
「あら?自分で剥いておいてその反応はないんじゃないの?」
「じ、…自分でって…僕が!?」
「そうよ。それ以外に誰がいるのかしら。桜田”夜の野獣”ジュン?それに…。」
ベッドの脇に置いてあった己の服を真紅は掴み、ジュンに見せた。
「どうしてくれるのよ。ジュンの汚い汁でガビガビになっちゃったじゃない。」
「う、嘘だろ!?」
その真紅の服には、射精した跡がこれでもかと言うくらい明確に残っている。
(本当に僕がやったのか?う〜ん…)
昨晩の記憶を引っ張り出す。
(…確か昨日は僕が通販で頼んだ物が届いて……。)
徐々にその記憶が再生されていく。