「か〜な〜り〜あ〜」
「へ?誰かしら?」
金糸雀が目覚めると、そこは一面緑で埋め尽くされた草原だった。
「俺だよ俺」
声が聞こえると目の前にいきなり中年の男の顔が入ってきた。
「きゃああああ!」
「そう驚くなよ。俺はデュードってんだ」
「デュード?聞いたこともないかしら」
「おいおい。俺のことも知らねえのか。まあいいこの先俺が何するかは言わなくても分かるよな。策士だしよ」
金糸雀は一瞬きょとんとするが
「へ?と、当然かしら!」
と胸を張って言うのだった。
「なら話は早い。よっと」
「あ!何するつもりかしら!」
デュードは金糸雀を抱きかかえた。
「あれに入れるんだよ」
デュードが指差した先にあるものはよく工事現場などに設置されている仮設トイレだった。
「トイレ?」
金糸雀は少し考えた結果次のような結論に達した。
「まさか!金糸雀がトイレをするところを盗撮しようという作戦かしら?でも検討はずれかしら。金糸雀はトイレなんてしないのかしら!」
「バカが。ちげーよ」
そう言ってデュードは金糸雀を仮設トイレに放り投げた。
「っで!乱暴かしら〜」
金糸雀は投げられた時に打ち付けた腰を押さえながら立ち上がった。
丁度その時便器の中が目に入った。簡易式のためフタなどついているはずもない。
「うげ!この臭さは一体何なのかしら〜!」
すると外からデュードの声が
『タンクの中は大量のクソと尿でいっぱいだぜ。今からこいつをシェイクだ!」
そういうデュードはいつの間にか大型ダンプカーに乗っていた。
ダンプカーのバンパーには、大きなショベルがあり、荷物を乗せると真っ逆様に荷台に落とせるようになっていた。
ショベルには金糸雀の入った仮設トイレが固定されている。
『あ〜ん!臭いかしら〜!早く出してほしいかしら〜!』
「準備オーケーだな。それじゃシェイク開始!」
デュードはショベルを動かすレバーを入れた。
仮設トイレの乗ったショベルは段々と上に向かって動いていく。
『ど、どうなってるのかしら〜!』
さらにショベルは動き、運転席の真上まで来た。
『あ〜!何か汚いものが漏れてきたかしら〜!』
「まだシェイクしてないぜ!そら!」
さらにレバーを入れると、ショベルはさらに動き、仮設トイレを真っ逆様の状態にした。
『ぎゃ〜!茶色いものがぶっかかったかしら〜!臭し汚いかしら〜!うえええ』
「よし、今度は戻すぜ!」
デュードはレバーを引いた。
ショベルは今度は逆に動き出す。仮設トイレからはどろどろとした汚い液体が溢れ出した。

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