まぁ、おれのショートショート読め。
「真紅、用意はできたかい?」
「またせたわね、いつでもよくてよ」
「それじゃさっそく行くよ!」
そう言った瞬間、蒼星石の鋏が真紅の前髪を切り落とす。
「どうだい? なかなか似合ってると思うよ」
蒼星石が不敵に微笑む。
「そうね、でももう少し短いほうが好みだわ」
真紅は何事もなかったように平然と答える。
このやりとりは永遠に続くかとさえ思われた。
だが、数分で決着はついた。いともあっさりと。
「まさか庭師の力がこれほどのものとはね」
「気に入ってもらえた?」
「あなたならカリスマ美容師になれるわ」
そういうと真紅は満足そうにその場をあとにした。
すると、順番を待っていた雛苺が蒼星石に飛びつく。
「ヒナも綺麗キレイにしてもらうのー」
「はい、じゃあまずは椅子に座ってね」
蒼星石は優しく雛苺を誘導し、散髪を始めた。
Fin