室内は針の筵状態。皆それぞれ───どっかから調達してきた───パソコンのモニターを見ながらちらちらとジュン
の一挙一動を監視していた。
事の起こりはnのフィールドでのこと。いつぞやの時のようにのりの事でnのフィールドを真紅の後を付いて行く形で
歩いていた時、水銀燈と薔薇水晶がアリスゲームで───戦っていた。
慌てて臨戦態勢をとる雛苺、翠星石、蒼星石、金糸雀。ただちにカエルとナメクジとヘビのにらみ合い、三竦み状態に
陥った───それを解いたのは、新たな乱入者だった。
「おとう……さま」
ラプラスの魔が連れてきた者は真紅の呟きが全てを現す通りの人物であった。
「私の可愛い人形たち。私の求める、完全なる少女、アリスは──桜田ジュン、君がそうだ!」
「ぼっ!僕!?」
ボクハオトコナデスケド。
薔薇乙女たちがの視線がジュンに集まる中、その隙を付くようにさっさと立ち去るラプラスたち。終始無言で、こめか
みを解すように揉んでいたラプラスの姿に、ジュン以外気づく者はいなかった。
かくしていかな協定や談合、裏取引が行われたのか知らないが、翌日には薔薇乙女たちが一同に会し、ジュンを監視
し始めた───ジュンを真似れば、アリスになれると信じ。
その第一段階が、パソコンでのネットショッピングであった。