雛苺と出会って五日が経った。
昨日は徹夜で仕事をしたからさすがに疲れて一日中寝てしまった。
だからその分も今日は雛苺と楽しく過ごそうと思う。
「雛苺。今日は何をしようか」
「じゃあジュンも一緒にヒナのフィールドで遊ぶの」
「ヒナのフィールド?」
「そうなの。とっても楽しいのよ」
「へえ。じゃあ行ってみようか」
そして僕は雛苺と一緒にヒナのフィールドに向かう。
押入れの大きな鏡が入り口らしい。でも人形とこうして生活してる時点で今までの常識など通用しないのは分かる。
だからあっさりと僕は信じて中に入る。
中はメルヘンチックな空間だった。
「ここがヒナのフィールドなのか」
「そうなの。確かNのフィールドとも言うの」
「へえ」
「やけに楽しそうだね」
後ろから声がする。僕と雛苺が振り向くとそこには短い髪の人形が立っていた。

「蒼星石なの。遊びに来たの」
「蒼星石?雛苺の友達なの」
「君が雛苺のマスター?僕はローゼンメイデンの第四ドールの蒼星石」
蒼星石と名乗るドールは丁寧に挨拶をするとすぐに顔を上げた。
「雛苺。今から僕とアリスゲームを行ってもらう」
「蒼星石ぃ。ヒナはジュンと遊んでるの。そんなの嫌なの」
「わがままは許されないよ。雛苺。嫌なら僕を倒せば良いだけの話だ」
「うにゅう。ヒナ嫌なの」
「・・・じゃあ僕にローザミスティカを渡してもらうよ」
蒼星石はそういうといきなり大きな鋏を持って雛苺に攻撃を仕掛けた。
「雛苺!」
僕は叫ぶ。だが雛苺はすぐに避けていた。
「蒼星石。本気なのね」
「ああ。アリスゲームを潤滑に進めなければ。お父様はお怒りだ」
「ヒナ。怒ったの」
雛苺はいきなり周りの人形を蒼星石に飛ばす。だが蒼星石はそれを鋏で弾き飛ばす。
だが蒼星石の両腕に細い蔦が絡まる。鋏を落として大の字になってしまう。
「しまった」
「蒼星石。もらったの」
雛苺は蒼星石の胸に手を伸ばす。だが
「ちょっと何やってるの!?」
やけに高い声が響き渡る。
雛苺は思わず手を止めてしまう。
そして二体の人形は声の方を向く。もちろん僕も。

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 雛苺と蒼星石の戦いを止めたキャラを
 1:真紅 2:水銀燈
 このどちらが良いか選んでください。
 票数より選んだ理由を書いてくれたらその内容で決めようと思います。
 両方のバージョンが形は出来てるので明日の夜には書きます。
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振り返るとそこには紅い服の雛苺より少し大きな人形が立っていた。
「だっ!?」
「真紅なの。いったいどうして来たの?」
僕の言おうとした言葉は雛苺がさえぎる。だが名前が分かった。真紅か。
「私は戦う気配がしたから来たの。そしたらあなたと蒼星石が戦ってるじゃない。驚いたわ」
「でも真紅はどうして?まさか真紅もヒナと戦うの?」
「違うわよ。翠星石が頼んできたから協力しただけだわ。蒼星石がアリスゲームに乗ったから止めてほしいと」
「・・・そうか翠星石は君に頼んだのか」
蒼星石はいつの間にか雛苺の蔦の拘束を解いていると思えば鋏を拾っていた。
「真紅。僕はお父様の意思を尊重してアリスゲーム参加を決意したんだ。翠星石には邪魔しないように言ってくれ」
「蒼星石。姉妹で戦うなんて愚かな事だわ。ローザミスティカを奪う以外にも方法があるでしょ」
「・・・そうなの。ヒナもジュンと遊んでた方が楽しかったの。戦うのは・・・」
人形達は話し合っている。だが僕はひとつの疑問が浮かんだ。
「ちょっと待てよ。ローザミスティカを奪われたら負けた方はどうなるんだ?」
「あなたは誰?さっきからずっと居たらしいけど」
「えっとね。ヒナと契約したジュンって言うの」
「へえ。あなたが雛苺のミーディアム」
「ああ。僕が雛苺と契約した桜田ジュンだ。真紅って言ったね。どうなるんだ負けると?」

「動かなくなってただの人形になるわ」
真紅はあっさりと言い放つ。僕はショックだった。
「・・・つまり雛苺はもし負けたらもう話せなくなるのか?」
「ええそうよ。まだ実際は誰も負けてないけどアリスゲームが始まったらそうなるわ」
「真紅。君は知らないのか。もうアリスゲームは始まってるよ」
「えっ!?どういうことなの!?」
「そうなの。どういう意味なの?」
2人は急に声色が変わった。特に真紅のほうはさっきまでより声が上ずっていた。
「第七ドールの薔薇水晶が何者かに襲撃されてローザミスティカを失った」
「なっ!?薔薇水晶が」
「だから僕も決意したんだ。誰かがアリスゲームを始めた。このまま負けるのは嫌だ」
「ちょっと待つの。蒼星石はどうしてそんなの知ってるの?ヒナは知らないの」
「私もよ。いったいなにが」
「Nのフィールドで薔薇水晶が倒れていた。しかもローザミスティカも精霊も失っていた」
「蒼星石。あなたまさか」
「ああ。僕は姉妹全員を疑っている。そして誰にもやられる気は無い。次は覚悟してもらう」
「ちょっと待ちなさい」
「そうなの。待つの!」
真紅と雛苺が呼びかけるが蒼星石は去っていった。
そこには僕と雛苺と真紅が残されていた。

「・・・驚いたわ。まさか薔薇水晶がやられていたなんて」
「そうなの。薔薇水晶を倒すなんて信じられないの」
「・・・まあとりあえず私は家来の元に帰るわ。私は家来は心配性ですぐに泣くから」
「ああ。そういえば真紅もマスターガ居るんだ」
「ええそうよ」
さすがに驚いた。口調はかなりお嬢様っぽいし家来なんて言ってる。いったい誰がマスターなんだろ?
「あなたはさっき私の家来がどんなのか興味を持ったでしょう」
「なっ!?」
「まあ良いわ。隠すこともないし話すわ。ただのOLよ。みっちゃんと呼んでと言ってうるさいけど
私は家来としか呼ばないことにしてるの。そしたらすぐ泣いて・・・。まあ良いわじゃあさようなら」
「ああ」
「私は真紅。ローゼンメイデンの第五ドール。機会があればまた会いましょう」
そうして真紅も去っていった。僕も雛苺と元の世界に帰る。
長い一日が終わる。

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書き終えました。
真紅という意見も水銀燈という意見も多くて迷いましたが、>>99さんの考察が鋭いので
結局真紅を採用しました。
ちなみに真紅のマスターのみっちゃんは何となく意外性を追求しました。
今後翠星石と金糸雀も登場次第マスターもさりげなく出す予定です。
では最後に。
真紅と水銀燈のそれぞれに投票してくれた皆さん。読んでくれた皆さん。続きが楽しみな皆さん。
続きも楽しみにしてください。

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