自分で書いてみますた。
「…う…あぁ…暇だ…」
12月27日。
特にやる事も無い昼下がり。
大きな欠伸が一つ、二つと増えていく。
6畳一間の汚れた部屋に虚しく響く溜息。
「…コンビニ…あぁ、…動くのだりぃ…」
…正直休日なんていらねーよな。
暇だし、無駄に疲れるだけだし。
なんかなぁ、こう…刺激的な休日をだな…
ガッシャァアアアアーン!!!!!!
四散する破片。
幾つか俺の頬を掠っていった。
野球の球が玄関まで転がっていった。
…糞ガキが。
「おいガキ供ォッ!!!あん」
「デスゥ」
「………」
な、なんだこれ…
子供…?
否、猫…?
否、………人形……?
「デスゥスゥ!!」
…あ?
なんだこいつ…
ボール返せってか?
人ん家の硝子割っといて…
いや、それよりもこいつは一体…
「…お前、こっち来な」
「スゥ??」
「…ボール返してやるからよ…な?」
…こいつが何か知りてぇ!!!
マジ興味そそられる…
早く来いよUMAァアアアア!!!!
「…デスゥ…」
「…よしよし、良い子だ」
…刺激的な休日…になるかもな…
「デスゥ…スゥスゥ!」
…俺の読みは当たった。
こいつは人形だ。
喋る人形なんて信じられるか?
初めは電池かなんかが入ってるのかと。
…だが違った。
こいつは間違いなく生きてやがる。
…生きた人形…
「スゥ…デスゥデスゥ!!」
「おぉ、すげぇすげぇ」
…俺の事が気に入ったらしい。
小さな身体を目一杯動かして踊る人形。
…本当に面白い。
「すげぇなお前、いや、大したもんだよ」
…この言葉に気持ちは無い。
ただこいつを煽ててるだけ。
…煽てに煽てて…
…あぁ、壊したい。
「…デスゥ!」
「…お前…今日からここに住むか?」
「…スゥ…?」
…あぁ、
こいつが発する言葉の一つ一つ。
本当に壊したくなる…
虐げて、
これ以上ないってくらい虐げて壊したい。
「俺はお前の事が気に入ったんだよ」
「…スゥ」
「硝子の事なら許してやるよ」
「…デスゥ!」
「…おぉ、住むか!…良い子だな」
…本当、良い子だ…
「デ、デスゥ…スゥ♪」
…あれから三日経った。
未だ手は出してない。
機を待ってる。
「ただいまチビ」
…名前なんてどうでもいいよな?
どうせ壊すんだからよ。
まぁある程度の愛嬌がある名前だ。
「デスゥ!…デススススゥ♪」
…何笑ってんだこいつ?
俺が帰って来たのがそんなに嬉しいか?
…そういう所が壊したく…
「痛ッッ!!?」
…はぁ!!?
なんだこれ…画鋲か!!
…このガキ…
部屋中に画鋲ばらまいてやがる!!!
「デススススゥ♪デスゥデスゥ♪♪」
…自分が何をしたか分かってねぇのか。
…頭悪いな。
ズザァアアッ!!!
辺り一面の画鋲を蹴り払う。
チビの表情が強張った。
…良いね。
「デ、デスゥ…??」
「…悪戯は駄目だろ?なァ?」
ゴドンッ!!!!!!
チビの頭を力の限り踏み付けた。
ギシギシ軋む音が心地良い。
…このまま壊したい。
「デ、ギッ、グギ、デ、デスゥ!!!」
…そう、
それが良い…
許しを乞わず、
怒りを露にして…
…最高だ…
ガドッ、ガドッ、ドギャッ!!!!
「デッ、ギスゥッ、デスッヴッ──」
チビの頭を勢いをつけて踏み、
最後に顔面から蹴り上げた。