ガヤガヤ…ガヤガヤ…
昼時の学食。男女のグループが談笑しながら食事の一時を過ごしている。
俺は一番隅のテーブルでずるずるとラーメンをすする。
隣のテーブルはコンパの話題で盛り上がっている。見るからに軽そうな男が大声で笑う。
俺は眉を潜め、なおもラーメンをすする。
「よーオマエ、相変わらず景気悪い面してんなぁ」
ふと背後から声がかかる。地味な服装に地味な顔だち。
彼は大学で唯一の友人だ。
「午後授業ないよな?あのさ、ウチ来ない?良いもの見せてやるからさ」
彼のその一言が俺とローゼンメイデンとの出会いの発端だった。

学生街のはずれの小ぢんまりとしたアパート。
俺は誘われるままに友人の部屋の扉をくぐった。
昼間からカーテンを締め切った薄暗い部屋。良い具合に散らかっている。
「っ!?」
どろりと濃厚なアルコール臭が鼻を突いた。
「ぅぃ〜?ろひあきぃ〜帰ってきたぉかぁ〜?」
暗い部屋の置くから気だるそうな女の子の声がする。
友人が満面にニヤニヤ笑いを浮かべて言った。
「説明しよう、これはローゼンメイデンである!」

酒瓶に埋もれるようにして半裸の少女が転がっている。
何ともはや犯罪的な状況。しかしそれ以上に不自然に感じる事があった。
その少女は妙に小さい。頭身も子供だが縮尺そのものが小さい。
それというのも、彼の話によればローゼンメイデンというのは動いて喋る生き人形らしい。
あまりに荒唐無稽な話ではある。しかし、だ。
「ほら、ここにゼンマイを差し込む穴が」
泥酔してぐにゃりとなった彼女の体を抱え上げ、背中を見せる。
そこには確かに穴があいていた。奥を除くと金属部品のようなものが見える。
「ちょっと持ってみ?」
少女人形が目の前に差し出される。俺はおっかなびっくり、それを受け取った。
暖かくて柔らかい。人間そのものの感触。だが人間にしては明らかに軽い。
「んぅ〜…ぁふ…」
俺の抱え方がくすぐったかったのか、少女の人形がもぞもぞと身をよじる。
柔らかい肌の感触がうごめく。どきりとしてしまった俺は慌てて彼に生き人形を返した。
「にしても、な、何で裸なんだよ」
一度それを意識してしまうと、どうにも気になって仕方ない。
「そう言われてもなぁー、こういうデザインみたいだしねー」
銀髪に真紅のいヘッドドレスとアクセサリ。真紅の肩掛け。しかしその下は真っ裸。
俺は気恥ずかしくなり目をそらした。

日も暮れかかった帰り道。友人は語る。
「一昨日だったかなぁ?酒瓶とコップが届いてな、『注ぎますか?』って書いた紙も一緒に入っててさ」
その酒を注いだら途端にインターホンが鳴って彼女が千鳥足で入ってきたのだという。
正直、羨ましい。あんな可愛らしく、生きて喋るがうちにもいたら。
「酒代が異常にかかるのが悩みの種なんだけどなー」
柔らかな感触と温もりが手に残っている。
「…とまーあいつもあれで結構大変らしいんだよね…って、おーい?」
「ん?あぁ、わりー」
つい妄想の世界に浸りこんでしまった。
「んじゃ、俺は酒買って帰るからさ」
友人が酒のディスカウントショップを指して言う。
「あー、うん。じゃ、またなー」
曖昧に相槌を打って軽く手を振りわかれた。
その後ずっと俺の頭の中は例の少女人形の事で一杯であり、
アパートの自室に着くなり彼女の姿・感触を思い出して自慰に耽ったのだった。

数日後、教室。
友人は携帯で撮った少女人形の画像を眺めては締まりのない笑いを浮かべている。
誰かに見られたら、などといった事は考えないのだろうか。
「その後、アレの調子はどうよ?」
にやけ顔のまま友人が振り返る。
「ん〜、いや〜。しみじみ思うよ。幸せって実在するものなんだな」
まさにこの世の春といった所か。羨ましい限りだ。
「ったくニヤニヤしやがって」
「へっへっへ〜…まあそのうち呑みに来いよ、オマエにもその何だ、楽しませてやるからさ」
意味深な事をいってにやーっと笑う。
「そのうちな」

早朝。
その日夜勤バイトのあった俺は朝もやの漂う道を一人歩いていた。
ふと目に止まったゴミ集積所に不燃の張り紙がある。今日は不燃物の日らしい。
「何か捨てるもんあったかな…」
そんな事をぼんやり思い金属製の大きなゴミ箱を眺める。
そこでゴミ箱の脇に革張りの鞄が置いてある事に気がついた。
どこかで見覚えのあるデザイン。
「これ…まさか…」
先日、友人宅で見た鞄。ローゼンメイデンはその鞄の中で眠るという。
胸が高鳴る。これは、もしかして。
慌てて周囲を見回し、誰も居ない事を確認すると鞄の取っ手を掴み上げ、走り出す。
この中に、ローゼンメイデンが。根拠は無い。しかし確信があった。
自宅につくやドアに鍵を突っ込む。一刻も早く。
靴を脱ぐのももどかしく土足のまま部屋に駆け上がり、鞄を置く。
鍵はかかっていない。留め金を弾く。
高鳴る鼓動と荒い息を押さえつつ、鞄を開く。人形の姿が現れる。
翠の衣装に豊かな栗色の髪。そして翠色の頭飾り。
俺は震える手をその人形に伸ばした。

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興奮と緊張に震えた手で人形に触れる。
その瞬間、人形の首がグルリと回って俺を見た。
「うわっ!うわぁぁー!!」
大声を上げて身を引き、尻餅をつく。
異形。
色違いのビー球を植え込んだような二つの目。眉毛もまつ毛もない。
これは、なんだ。
のっぺりと平坦な顔。爬虫類を思わせる平たい鼻。ヘの字に歪んだ口。
いったい、なんなんだ。
思考が麻痺する。
「デスゥ…」
翠色のそいつがもぞりと身を起こし、俺の顔を見つめる。
「デスゥ…」
ゆっくりとした動きで鞄から這い出す。
「デスゥ…」
のてのてとおぼつかない足取りで、歩み寄る。
「ひ…ひぁぁ…」
「デスゥ…」
俺の顔のすぐそばに、無機質な顔が迫る。
そいつは俺の左手に手を伸ばす。その手には指と呼べるものが見当たらない。
「な、何だよ…何なんだよ…」
「デスゥ」
手が触れる。その瞬間。

カッ!

俺の薬指を中心にエメラルドグリーンの光が溢れる。
「くっ!う、ぎ、がぁぁっ!」
何処からともなく湧き出た毛むくじゃらの植物の蔓が指に巻きつき締め上げる。
「うあぁあ!痛てっ!灼ける!」
蔓が高熱を発しているのか、激烈な熱さと痛みが襲う。
更に蔓と皮膚の接触した面から何かが侵入するような不快感。
爪を立て必死で蔓を掻き毟る。抉れて翠の液体の染み出す部分が体の一部のように痛む。
「クソッ!クソォッ!」
何とかして蔓を毟り取ろうとする俺の手を、翠の人形が抑えようとする。
反射的に拳の裏で思い切り殴り飛ばす。
「デゥッ!」
そいつは直線の軌道でカッ飛び、ビタンと音を立てて壁に張り付き落下する。
そいつが叩きつけられた瞬間、妙な痛みが体を走り抜けた気がした。
俺は更に蔓を引っ掻く。しかし蔓は徐々に硬化を始め、指輪のような形が形成されつつあった。
「デズゥ…」
翠の怪奇人形は身を起すと再び俺のもとへ歩み寄り、再び俺の手に指のない手を添える。
硬化が進むとともに熱と痛みが和らぎ、蔓は今や毛の生えた翠の指輪へと姿を変えていた。
「ふぅ…何なんだ…どうなってんだ…」
ちょこんと添えられたその薄気味悪い手を払いのけ、左指を撫でる。
翠の人形が俺を見つめている。おずおずと手をのばし、指輪に触れた。
「デスゥー」
ほんのりと頬が紅く染まる。
俺は何も言わずそいつの頭を鷲掴みにするとゴミ集積所へ向かった。
靴を履いたままだったのは外に出るのに好都合だった。

ゴミ集積所前。
不燃物を入れるゴミ箱の蓋を開く。キィィと不快な音がした。
ジタバタと藻掻く翠の人形をゴミ箱の上まで持ち上げ、落す。
「デス!デスゥ!」
翠の人形がゴミ箱から抜け出そうとピョコピョコ跳ねる。
しかし身長に対してゴミ箱の外壁は圧倒的に高く、抜け出す事などできようはずもない。
俺はゴミ箱の蓋をバタンと閉めるとゴミ集積所を離れた。
「…デスゥ…デスゥー…」
ゴミ箱の壁を叩く音と人形の鳴き声が耳に残った。

部屋に戻ると開けっ放しの鞄が床に残っていた。
「っと、これも捨ててこないとな…」
そこでふと、鞄の中に一枚の紙を見つける。
その紙にはこう綴られていた。
<この子は名を実装石といいます。私は事情によりこの子を手放すことになりました。
拾ってくださった貴方、どうかこの子を可愛がってあげてください。宜しくお願いします。>
「要するに捨てられたのか」
無責任な手紙を鞄に放り込み、鼻で笑う。
「だいたいあんなとこに捨てといて宜しくお願いなんて書くなっつーの」
先ほどの翠の人形の姿が脳裏をよぎる。必死で這い上がろうとする姿。
薬指の指輪が疼く。
「これ、外れないのか…?」
どんなに強く引っ張ってもびくともしない。
じくじくとした指輪の疼きが強くなる。
あの人形は今頃どうしているのか。
「くそっ」
俺は再び部屋から駆け出した。
「まったくっ、朝っぱらからっ、行ったり来たりっ」
息を切らせて悪態をつく。
ややあって先ほどのゴミ箱が見えてきた。
ゴミ箱から物音がしない。不安が胸をかすめる。
そしてゴミ箱の蓋を開く。
「デスゥ!」
目の前に人形の顔が。
油と錆にまみれ、ガラクタを積み上げた不安定な階段の上で。
擦り切れた両手を伸ばす。
その時、ガラクタの階段がぐらりと揺れてバランスを崩した。
「実装石!」
俺は咄嗟に手を差し伸べる。実装石が俺の腕にしっかりとしがみつく。
「…スゥ…デスゥ…」
俺の腕に顔を埋め、小刻みに震える実装石。
「ったく、もっと可愛い人形が良かったんだけどなぁ…」
腕にはりついたままの実装石を胸に抱え、俺は帰りの道を歩きだした。

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自宅。
「さて、どうしたもんかね」
つい情に流され飼うことにしたものの。
「やい、この実装石」
「デスゥ」
「お前はローゼンメイデンなのか?」
「デスゥ」
「違うのか?別物なのか?」
「デスゥ」
この調子だ。どうもこいつは言葉を喋らないらしい。
「そもそも人形なのか…?」
おもむろに実装石の脚を掴んでひっくり返し、簡素な翠のワンピースをめくってみた。
「デスゥ!」
ひっくり返されて身の危険でも感じたのか、暴れる実装石。
「変な事はしねーし変な気もおきねーって…」
うつ伏せに押さえつけ、ワンピースを大きくめくり上げる。
「うわ、きもっ」
露になった体を見て俺は思わず口走った。
実装石の関節にはソフビ人形のような継ぎ目があったのだ。
引っ張れば抜けそうな気がしたが、抜くのはやめておくことにした。
「へー、本当に人形なんだなー」
「デスゥゥ…」
実装石がもぞもぞと動きながら呻く。
「にしても何で出来てんだろうなー」
友人宅で見たあの人形の生々しい質感には遠く及ばないが、実装石の体もまた
人間の皮膚に近い質感をしている。
「それがかえって不気味だけどな…あれ?ゼンマイ穴は無いのか?」
友人宅で見た人形にあった穴が見当たらない。
「前…って事はないよな?」
「デスゥ〜…」
相変わらずもぞもぞ動いて抵抗を続ける実装石をしっかりと押さえつける。
表側にひっくり返し服をめくり上げると、そこには意外としっかりした造型の乳首があった。
「…」
ほんの好奇心から。俺は実装石のショーツを下げてみた。
「デスゥ!」
実装石の体がビクリとこわばる。
そこにはしっかりと女性器が存在していた。
「…うむ」
何か、見てはいけないものを見てしまったような、後悔にも似た感情を楽しみつつ俺はうなずいた。
実装石の衣服を正し、押さえつけていた手を離す。
「細かいことは後でアイツにでも訊いてみるか」
俺は腰を上げて台所へ向かい、朝食の準備を始めた。
「…で、実装石は飯を食うのかね?」
「デスゥ」

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その日の午後、俺は友人に連絡を入れると実装石を鞄に押し込み友人宅に赴いた。
「それが例の不気味人形か。まあ入れよ」
友人の部屋は相変わらずで酒の臭いが充満している。
「ぃよう、こないだの人間」
小さなちゃぶ台の前に胡座をかいた人形がひょこりと手を上げ挨拶する。相変わらず裸だ。
先日は泥酔していたように思うのだがしっかり俺の事を覚えていたらしい。
俺は荷物から一升瓶と包みを取り出し裸人形に差し出す。
「つまらないモノですがどうかお納めください」
「ぉー、これは」
目を輝かせて一升瓶のラベルを眺め回す。
以前、面白半分にネットオークションで落札したまま開けもせずに放置していた酒だ。
詳しいことは知らないが珍しいものらしい。
「で、問題のこいつなワケだが」
俺は友人の方に向き直り鞄を開いた。
「デスゥー!」
実装石が飛び出す。
無理な体勢で鞄に押し込まれたせいで妙な方向に曲がった首を両手で抱えコキッと直す。
「うわ、なんじゃこりゃ!」
友人が目を丸くして実装石を見る。
「いや、それを訊きに来たんだが…」
「そう言われてなぁー。アレに訊いてみるか」
友人が呼ぶと赤い裸人形がコップを片手にこちらへ寄ってくる。
「デスゥ?」
「んー?こんな子もいたような、いないような…」
実装石を観察する裸人形。
「デスゥ」
「本人は私と姉妹みたいな事を主張してる」
裸人形が向き直り、そう言う。
「何言ってるかわかるのか!?」
「なんとなくはわかるよ」
「他に何かわからないか?こいつが何考えてるとか!」
俺は軽く興奮して裸人形に詰め寄る。
「あー、んー?むー…そこまではちょっと…悪い子じゃーなさそう?」
そう言ってくいっと酒をあおる。
「そうか…俺をとり殺そうってつもりじゃないならとりあえず良いか」
「デスゥ」
実装石は俺にぴたりと身を寄せた。

その後友人と裸人形からローゼンメイデンについて色々と説明を受けた。
人形とミーディアムの関係、nのフィールド、ローザミスティカ、そしてアリスゲーム。
「…っておい、ローゼンメイデンは互いに殺しあうのかよ!」
「まあそういう事になるねー」
俺が土産に持ってきた黄色い食べ物をもっちもっちと噛みながら裸人形が言った。
「けどお前さんはやる気ないんだろ?」
そう言って裸人形の手の食べ物を千切り取って口に放る友人。
「まあねー。呑んでた方が幸せだし」
ぐいぐい酒をあおる裸人形。実装石が黄色い食べ物を物欲しそうに見つめている。
「金糸雀とか黒麦芽はやる気みたいだよ。水銀燈は真紅に夢中だろうけれども」
裸人形が言うには金糸雀・黒麦芽・水銀燈・真紅・雛苺・蒼星石という名の
ローゼンメイデンがいるのだそうだ。
「何にせよ物騒な話だな」
「どっちにしろお前らを巻き込む気はないよ…」
酒を啜り、裸人形がぽそりと呟く。
「そんな事はいいから、もっと呑め呑め、お前も呑め」
実装石にずいと酒を差し出す裸人形。
「お、おい、こいつに呑ませちゃって大丈夫なのか?」
「デスゥー」
コップを受け取ると酒をちびちびと舐める実装石。
みるみるうちに頬が紅く染まる。
「こうして見ると、この実装石?これはこれで可愛いんじゃないか?」
酒がまわり大分上機嫌になった友人が実装石の頭を撫でまわす。
「お前正気かよ…」
「いやいやこのポップで毒の効いたキュートなデザインがわからないとは、まだまだだな」
「デスゥ」
おぼつかない足取りで俺の膝に乗る実装石。
いつのまにか手に入れたらしい黄色い食べ物を俺に差し出す。
それはもちもちとした歯ごたえで大変な美味だった。
「いやしかしこの酒は美味いなー」
土産の酒瓶を抱え、裸人形が笑う。
「先生、ここらでアレをやらせては頂けませんでしょうか!」
唐突に、まるで義務教育のホームルームで発言する生徒のような調子で友人が手を上げる。
「アレ?」
「コレでございます」
友人は裸人形の両足を閉じさせ、そこにゆっくりと酒を注ぐ。
「ひゃっ…」
股間に注がれる酒の冷たさに裸人形がピクリとする。
「おいおい、何を始めるかと思えば…」
「またまたー、お前だって一度はやってみたいと思ってただろー?」
満面の笑みで友人が言う。
「いや、まあ、それは否定しないが…」
アレというのは他でもない、ワカメ酒ならぬワレメ酒の事であった。

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「さぁ、思い切っていってみよ〜!」
すっかり出来上がった友人がいつのまにか用意していたラッパをパフパフと鳴らす。
「ちょ、待て、いきなりそんな事言われても困るって」
一番手に指名される俺。やりたくないと言えば嘘になる。だが…
「あ〜もう、お前男じゃないなぁ〜」
大げさに両手を広げてため息をついてみせる友人。
「そ、そうは言うが、大体お前、その何だ、気にしないのか?俺がそういう事して」
「え?何を気にするっていうんだ?」
鈍いのか、大雑把なのか。
「あー、わかった、やるよ。有難く杯を頂戴するぜ。…後で何か言っても聞かんからな」
「うんうん、そう来なくちゃな!」
あくまでも、全く気にしないという態度の友人。俺は腹をくくった。
「で、では早速…」
酒をこぼさぬよう股をピタリと閉じた裸人形。
俺は四つんばいになり、のしかかるような姿勢で股間に顔を寄せる。
呼吸をしているのか、裸人形の腹部が小さく動くたびに酒の水面に波紋が揺れる。
「デスゥ」
不意に実装石の後頭部が俺の視界に割って入る。
「あ、こら!こいつ!」
裸人形の股間に顔を埋め、ちゅうちゅうと音を立てて酒をすする実装石。
「何だよ、この!」
俺は慌てて実装石を引き剥がそうとする。
「あっはっはっはっは!まあまあ良いじゃないか、お前がもたもたしてるからだ」
友人が膝を叩いて笑う。
「くっそ・・・何かすっげ悔しいなぁもぅ」
酒を最後の一滴まで飲み乾すべく、ぴちゃぴちゃ舐める実装石。
「ぁ、こら・・・」
実装石の頭をぺしぺし叩く裸人形。一瞬、肩を震わせ切なげに目を細める。
その表情に俺は背筋から這い上がるような強烈な興奮を覚えた。
「デスゥ〜・・・ヒック」
実装石が紅く染まった顔を上げるとシャックリ一つ、よたよたと裸人形のもとを離れる。
尻餅をつくようにして座る。
「よ〜し次は俺の番なー♪」
宣言して友人が腰を上げる。
「え、ちょっと待て、俺は!?」
俺は思わず訊き返す。
「お前は最後〜♪」
友人はにやにやと笑ってそう言った。

「く、くそぉ…」
オアズケを食らい歯噛みする俺を尻目に、友人は再び裸人形の股間に酒を注ぐ。
「むぅー…」
いささか不満げな顔で酒を受け止める裸人形。
やわらかな肌の谷間に酒が満たされてゆく。
「それでは、アムロ、いっきまーす!」
友人が素っ頓狂な声でわけのわからない事を言って裸人形の股間にむしゃぶりつく。
瞬く間に酒を吸いつくし、それでもなお猛然と股間を吸い上げる。
「あっ、やめっ!この…あんっ!」
大きく身を反らし、艶のある声を漏らす裸人形。それでもやめない友人。
「ひんっ…い、いい加減に…っ!」
裸人形が一升瓶を掴み、友人の後頭部を殴打する。
「おぶっ!」
妙な声をあげて友人が床にのびる。
「はあっ…はぁっ…まったく…」
荒い息をつき、裸人形は傍らにあったコップで酒をぐいっと呑んだ。
「…」
床にのびたままぴくりとも動かない友人。
「…おーい?」
一升瓶の底で友人の頭をつつく裸人形。
「ふぉぉぉぉぉぉっ!」
唐突に復活した友人が再び裸人形におどりかかる。
ゴッ!
それを一升瓶で叩き落す裸人形。友人は再び床に這いつくばった。
「…とまあそんなわけで次はいよいよお前の番だぜ」
何事もなかったようにむくりと起き上がった友人が言う。
頭には端から見てもわかるほど大きなたんこぶができていた。
「お前、ある意味見直したよ…」
呆れる俺をよそに、みたび裸人形の股間に酒を注ぐ友人。
俺は実装石の挙動を警戒しながら裸人形の下腹部に顔を寄せる。
「こ、今度こそ」
すぼめた口を酒につける。赤ん坊のように柔らかい肌が頬に触れる。
先ほどの余韻が残っているのか、裸人形の微かに乱れた呼吸の音が耳に入った。
そーっと酒を吸う。
「ふ…んぅ…」
腹部に触れる髪がこそばゆいのか、裸人形の下腹部がひくひくと蠢く。
「こいつは…エロいぜ…」
横で観察する友人がぽつりと感想を述べる。
酒の水位が下がるにつれ、ワレメがじわじわと近付いてくる。
「ん…んっ…」
裸人形が吐息を漏らして身じろぎする。耳の後ろあたりに乳首の当たる感触。
頭の芯が熱くなる。裸人形を押し倒してしまいたい衝動が首をもたげる。
「ひ…うぁ…」
途切れ途切れに漏れる裸人形の声にあわせるように、股間のワレメがピクンと収縮する。
ほんのり滑りを帯びた最後の一滴を吸う。
「…っ!」
俺の唇が肉の膨らみに触れると、裸人形は肩を震わせた。
「…」
無言のまま静かに顔を上げる俺。
裸人形は顔を真っ赤にして膝をもじもじとすりあわせていた。

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