永遠の冬

作品集: 最新 投稿日時: 2009/01/10 23:58:08 更新日時: 2009/01/10 23:58:08 評価: 8/8 POINT: 53 Rate: 1.73
「まったく、冬ってのはどうしてこう寒いんだ」
 
 愚痴をこぼすは不死の少女、藤原妹紅。
 ここ数日は雪が降り続けた為、例え不死の身でも堪える寒さだ。
 それならそれで重ね着なりすれば良いのだが、面倒なのかいつもの服装を変えようとはしない。

「うわ……凄い積もってるな。私の腰くらいまでありそうだ」
 
 外の光景を確認して嘆息した、その息も白く染まっている。
 気温そのものが低いというのもあるが、大量の雪が冷気を周囲に振り撒いているのも原因の一つ。
 普通なら雪かきをする所だが、妹紅には便利な力がある。

「うーん。放っておいても仕方無いし、一仕事するか」

 重い腰を上げて屋外に出ると、寒さに身を震わせつつも宙に浮いた。
 そして、その身に炎を纏っていく。

「さぁ、紅に染まれ。この雪どもめ」

 言葉と共に炎が撒き散らされ、その熱で雪は融けていく。
 辺りの雪が一掃された光景に満足した妹紅が、浮くのを止めて地に降りた瞬間だった。
 バシャッという音が生まれ、盛大に泥水が舞う。

「…………」

 無言で見回した周囲は、一面が泥の水溜り。 
 妹紅は忘れていた。雪を取り除く事だけを考え、雪が融ければどうなるかという事を考えていなかった。
 舞った泥水は下半身全体に飛び散り、赤いもんぺのあちこちに黒い染みが出来ている。
 惨状を目にして、妹紅は拳を震わせる。

「き、昨日……綺麗に洗濯したばかりだったのに……」 

 拳の震えはやがて体全体に広がっていく。
 体を取り巻く炎は、感情に呼応するかのように勢いを増していく。

「ふ……ふふふ。そうか、お前達は私に喧嘩を売っているんだな? そうだろう? そうに違いない」

 口元には笑みが浮かぶが、目はまったく笑っていない。
 その笑っていない目が向けられる先には、まだ白い輝きを放つ雪の山があった。



「ははは! いいぞ、どんどんとけろ。一欠片だって残さないからな!」

 妹紅が炎を振るうのは人里から離れた山の中。
 人の手が入っていないので、手付かずの雪が大量に積もっていた。
 それを、妹紅の炎が次々と融かしている。
 ちっぽけだが水の流れが形成され、高きから低きへと流れていく。

「……?」

 感情のままに雪を融かしていた妹紅だが、急に肌寒さを感じてその動きが止まる。
 だが、肌寒いなどという生易しいものでは済まなかった。

「なっ!?」

 驚愕する妹紅の眼前で、まず水溜りが一瞬で凍りついた。
 流れていた水も、パキパキと音を鳴らしながら徐々に凍っていく。
 明らかに何かの力が作用していると悟り、妹紅は周囲を見回す。

「こんにちは」

 青と白が合わさった、妹紅とは対照的な色合いの服を纏う女。
 その姿を確認したのとほぼ同時に、声が掛けられた。
 女は妹紅と同じく宙に浮いている。
 ごく一部の例外を除けば、人間は宙に浮けない。何より、女からは妖気が感じられた。

「……だれ?」 

 妹紅は警戒しながらも問いかけた。
 こんなタイミングで現れた相手を、水を凍らせた力の持ち主と判断しての事。

「私? 私はレティ。レティ・ホワイトロック。でも今は、私の名前なんかよりもっと重要な事があるのよ」

 女はレティと自分の名を名乗った。それで、妹紅の問いには答えたつもりなのだろう。
 警戒などそ知らぬ顔で、自分の話を進めようとする。

「この辺の雪を融かしているのは貴女でしょう? それを止めに来たのよ」
「確かに私がやってるけど……こっちからも聞きたい事がある。水を凍らせたのは、お前の力?」
「えぇ、そうよ。寒かったでしょう? 謝るわ。取り合えず、融けた雪が流れていっちゃうのを止めようと思って。私は雪女、冬の妖怪だから」

 あくまで警戒を解かぬ妹紅と、平然としているレティ。
 対照的な二人は会話を続ける。

「なるほどね。私を止めるっていうのは、自分が困るから?」
「まぁ、自分の為と言えなくもないけど……困るのは私だけじゃなくて、幻想郷全体かしらね」

 幻想郷全体、と聞いて妹紅の眉がひそめられる。
  
「幻想郷全体が困る? 私は、雪が積もるせいで困ってるんだがな。里の人間だって、困ってると思うぞ?」

 妹紅の言に、レティは言葉を選んでいるかのように沈黙する。

「……そうね。私にとっては心地良いものだけど、冬が苦手な者は寒さや雪を煩わしいと感じるかもしれない。でも、それだって必要なものなのよ。冬の寒さがあるから、植物達は春に芽吹く準備に入る時期だと気付く事が出来る。そして、冬の間に積もった雪は、雪解け水となって春に恵みをもたらすわ」
「だから何だと?」
「冬から春になれば、雪は融ける。これは自然な事よ。でも、冬に雪が融けるのは不自然な事。この時期に融ければ、春の雪解け水が足りなくなってしまう。それは、自然の調和が乱れるという事」

 沈黙を破って放たれたレティの言葉は一分の隙もない、正しい論理。
 それでも、怒りの収まらぬ妹紅は納得しない。
 己の論理を曲げようとはしない。
 
「でも、邪魔なものは邪魔なんだ。ちょっと規模が大きい雪掻きだと思えばいいじゃないか。この辺の雪が融けたって、まだまだ大量に積もってる」
「自然というのは、ほんの些細な事で崩れてしまうわ。この幻想郷の自然はちょくちょく起こる異変に耐える為に少しは余力があるけれど、それにも限度がある。水という、生命の根幹を成すものが春に不足すれば、どうなってしまうか分からない」

 妹紅の論理は子供のそれ。どう足掻いても、レティの論理に傷一つ付けられない。
 それが分かっていても、己の論理を否定される妹紅の感情は引かない。

「春夏秋冬、どれか一つでも欠けてしまえば自然は成り立たないわ。冬を否定するのは、自然全てを否定するのと同じ事。自然を否定するのは、生きる事を否定するのと同じ事よ。だから――」

 妹紅のそんな内情を見取ってか、レティは落ち着かせるような口調で話していく。
 しかし、レティも妹紅も互いをよく知らない。その一言が妹紅の感情を揺さぶるものだと、レティには知る由もなかった。

「ははっ! 生きる事を否定? そうだとも、私は生きてないからな!」
 
 禁忌を犯して以来、長きに渡って妹紅を苦しめ続ける咎。

「え?」

 初めて、レティの顔に疑問が浮かんだ。

「私は死なないんだよ。食べなきゃ腹も空くし怪我すれば痛みも感じるが、死ぬ事だけは絶対にない。死なない命なんて、命とは言えない。お前の言葉を借りるなら、自然の理から外れた存在さ」

 吐き捨てるように、妹紅が言った。
 不死という、常識外の存在。
 妖怪の寿命は人間より遥かに長いが、生きとし生けるものである以上は死が訪れる。
 だが、蓬莱の薬を口にした者に死は訪れない。
 死を願ったとしても、死ぬ事は出来ない。死なないではなく、死ねない。
 今でも妹紅は、この永遠に苦しめられている。

「貴女、馬鹿?」
「……は?」

 レティは余りにもあっさりと、妹紅の告白を切り捨てた。
 妹紅にとっては余りにも予想外で、何を言われたのか理解していないのだろう。
 しばし呆気に取られた様子だった妹紅は、ようやく言われた事に気付く。

「なっ、馬鹿だと!?」

 妹紅は声を荒げてレティを睨み付ける。 

「えぇ、馬鹿と言ったわ。だって貴女、食べなければ腹が空くって事は、結局のところ食事はしてるんでしょう? この幻想郷の地で、暮らしているんでしょう? そうである限り、あなたも自然の理の中にいる。もし、食事を一切してないというなら話は別だけど」

 荒げた声を向けられても、レティは先程までのように平然としている。

「でも、私は不死で――」
「さっきから不死不死不死不死って、不死がどうしたっていうの? 季節だって死ぬ事はないわ。次の年には、また巡ってくる。そして冬は動植物が眠りにつく停滞の季節。永遠に続く停滞とは、不死という概念そのもの。貴女一人の不死如き、冬は受け入れるわ。冬の妖怪である、私もね」

 不死をなお強調しようとする妹紅の言葉は、真剣さの篭るレティの声にかき消された。

「う、うるさい! 季節と人は違うだろ! お前に、永遠に生きる事の、死ぬ事のない苦しみが分かるものか!」

 己の苦悩を否定された気がして、妹紅の心には怒りが吹き荒れる。

「成長しない私は、どんなに親しくなってもいずれ化け物と罵られる! 住み心地が良くても、5年もすれば怪しまれる! そうやってずっと一人で生きてきた苦しみが、お前に分かるものか!」

 妹紅の怒りは、自分で言葉を発する度に昂っていく。
 普通の人間の何倍もの時間を、成長しない姿で過ごした苦しみ。
 それを吐露しながらも、何故と妹紅は思う。
 己にとって許せぬ言葉だったとは言え、事情を知らぬ初対面の相手に何故話しているのかと。

「そうね、私には分からない。でも、貴女程ではないけど私だって似たような事はある。私は冬の妖怪だから、それ以外の季節ではろくに活動出来ないの。活動出来るのは冬の間の数ヶ月だけ。それが必然とは言え、少し寂しいと感じる事はあるわ」

 レティの平静は変わらないどころか、より穏やかなものとなりつつある。

「聞きたくない! もう黙れ!」

 妹紅の拒絶を無視して、レティは喋り続ける。

「ここには多くの妖怪が住んでいる。妖怪だけじゃなく、神も幽霊も妖精だっている。ここでは、外見が成長しないなんて些細な事。死なないなんて、些細とは言わないけど大きな問題じゃない。苦しんできた貴女にとって、恐らくここは安寧の地。ようこそ、幻想郷へ」

 微笑と共に発せられたのは、歓迎の言葉。

「う……ぁ、あ……」

 それを聞いた瞬間、妹紅の中で何かが弾けた。

「ああああああああぁぁぁ!」

 絶叫と共に、妹紅の周囲に巨大な炎が現れる。
 凄まじい熱源が生じた事で、凍りついた水が再び融け出していく。
 そればかりか、まだ融けていなかった雪も水へと姿を変えていく。

「いけない!」

 叫ぶ間にも炎の勢いは増し、大きな火柱と化す。
 その中にいる妹紅に目を向け、レティは驚愕する。
 炎が、生み出した本人の身を焼いていたのだ。
 身に纏っていた服は跡形も無く、肌に無残な火傷が広がっていく。そして、死を許さぬ蓬莱の薬は、火傷を次々と治癒していく。
 火傷を広げる炎と、火傷を治癒する不死のせめぎあい。

「…………しっかりしなさい! せっかく最上の住み心地の場所に来たのに、そこを自分で壊す気? 今まで悩み苦しんできた事の答えがあるの。ちょっと感情が暴走したくらいで駄目になるほど、あなたの苦しみは甘くなかったんでしょう!?」

 レティの平静が崩れた。
 声を大にして、己の炎で己の身を焼く少女に投げ掛ける。
 ぴくりと、炎に包まれても身じろがなかった妹紅の体が動く。

「……こ、ここ……どこ?」

 混乱しているのか、うつろな目を開けた状態の妹紅から問いが零れる。
 レティが、それに答えた。
 
「ここは幻想郷よ! 何もかもを許容する、それが幻想郷という場所!」
「幻想……きょう? げんそう、きょう……幻想、郷」
「そう、幻想郷! 分かったら、目を覚ましなさい! この馬鹿!」

 馬鹿、という単語が響いた時だった。
 妹紅の目に正気が戻る。
 同時に、巨大な火柱が消失する。

「ぁ……」

 炎の消失と共に、妹紅の体は浮力を失って落下を始める。
 空を切る感触でそれを理解しても、今の妹紅に力は残されていない。
 地面に叩きつけられるだろうなと朦朧とした意識で考える妹紅だが、どうせ忌々しい不死の体だとも考える。
 予想される痛みに耐える為、目や口をきつく閉じる。

「……?」

 だが、痛みはやってこなかった。
 柔らかな感触が、自分を包んでいる。

「まったく……雪女を冷や冷やさせないで頂戴」

 妹紅を抱きとめたのはレティだった。
 不死の身となって久しく忘れていた感覚に、朦朧としながらも妹紅は酔いしれる。

「って、凄い熱じゃない! 大丈夫、じゃ無さそうね」

 レティの体には、抱きとめる妹紅の肌から熱が伝わっていた。
 恐らく、人体の限界とされる40度どころか50度を超えるような体温。
 死にはしないが、体が治癒されるまで苦痛はある。

「冷やすから、ちょっと我慢して」

 レティは積もる雪の傍らまで移動すると、雪の上に抱えていた妹紅の体を降ろす。

「……ゃ」

 己を包んでいるものとの離れを拒む妹紅。

「まるで赤ちゃんね。心配しなくても、すぐにくっつくわよ」

 妹紅の姿に笑みを浮かべながら、レティは自分の服を脱ぎ去っていく。
 横たわる少女と同じ裸身になると、その上に覆いかぶさる。
 雪女たるその体は、妹紅とは逆に人ではあり得ぬ低い体温。

「ほら、これで満足?」

 レティの問いに肯定を返すかのように、妹紅の目が細められた。

「う〜ん、体くっつけてるだけじゃ足りないかしら。内側からも冷やせれば効率がいいんだけど……」

 熱に蝕まれる妹紅の体を見ながら、レティは頭を悩ませる。
 頭の中では、内側から冷やす方法を見出してはいた。
 しかし、それをしていいものかと悩んでいる。

「……緊急事態って事にしておきましょう」

 意を決したように、妹紅の顔と自分の顔を近づける。

「ちょっと起きて、口開いて?」
「ぅ〜」

 言われるままに、妹紅は口を開く。
 もっとも、力が入らないからか小さく開けられただけ。

「恨まないで、ね……んっ」

 最後に懺悔の言葉を発し、レティは妹紅に口付けする。

「ん、んちゅっ……」

 さらには妹紅の口内に舌を入れ、小さくしか開いていない口を支える。

「ふっ、ん…んむっ……ふ」

 レティの息が、妹紅に吹き込まれていく。
 送り込むのは、雪女の体内で冷却された息吹。
 温度を下げすぎれば妹紅の体内を傷付けてしまう為、慎重に調整しながら口付けを続ける。

「はぁっ……ちゅっ…ふ……んぁ…」
「…ん……ぁむ…ふっ……」
「ふ……ふ〜…………あむっ…ちゅ……ん」

 鼻で息継ぎをしながら、唇を離さずに冷たい息吹を送り込む。
 そうしている内に、レティの頭には別の思考が生まれつつあった。
 妹紅の体を冷やす為にやっていた筈なのに。
 それを振り払おうと、口付けをいったん解く。

「……っと……て」

 すると、自由になった妹紅の口から言葉が零れる。
 はっきりと聞き取れず、レティは耳元を寄せる。

「も…っと……」
「!?」

 聞き取った言葉に驚き、レティは咄嗟に顔を跳ね上げた。
 顔が離れた事で、妹紅は不満げな目を向ける。
 だが、レティはそれに気付かない。
 頭の中で理性と戦う彼女の視線は、あらぬ所を見つめていた。
 やがて勝者が決まったのか、レティの視線が妹紅に戻ってくる。

「はぁっ……ん、んぅ……ぅ…あむ……くちゅっ……ちゅっ」

 二つの唇が合わさった。
 レティの手は、妹紅の頭に愛しげに添えられている。
 舌を再び入れるが、息吹を送り込もうとはしない。
 ただ、妹紅の舌を探り当て、それを捕らえて放さない。
 妹紅の方も、力の入らぬ身ながら舌を精一杯伸ばしている。レティが捕まえ易いようにと。

「はっ……ふぅ〜」

 一分ほどの口付けを終え、唇が離れる。
 今度は妹紅の目に不満は浮かんでいない。
 レティは添えていた手で銀の髪を梳きながら、残るもう一方の手を形の整った乳房に伸ばす。 
 体に宿る熱のせいで赤みがさしているが、それでも妹紅の肌の美しさは損なわれない。

「ふぁっ……」

 レティの手が乳房の表面を撫でると、妹紅の口からは声が漏れる。
 その手は円を描きながら、中心へと向かっていく。

「ぁ…ぁぁ……んっ…」

 気持ちよさそうな声が漏れている内に、レティの手は尖った先端にたどり着いた。
 
「ひゃ――んむっ……あむ……」

 胸の蕾が摘まれ小さな悲鳴が漏れるが、その口はすぐに塞がれる。
 妹紅の口を塞ぐのを止めると、今度は妹紅の最も大切な場所にレティの顔は向けられる。
 汗か、あるいは別の何かか、そこは既に濡れ光っていた。
 二人の間に、言葉らしい言葉は無い。

「ちゅっ…んくっ」

 熱くなった秘部に、レティは舌を挿し込んでいく。
 内側にある襞の一つ一つを、舌先で丁寧に舐める。

「あっ……ゃ……ひっ…ぅ」

 与えられる快感のままに妹紅は声を上げる。

「ああ……あぅ……ひぁぁ……っ?」

 届く範囲を舐め終えたのか、舌が引き抜かれた。
 レティの舌と妹紅の秘部の間に、糸が一瞬生まれ、ぷつっと切れる。

「ぇ…ぁ」

 次に定めた狙いは、穴の上にある小さな突起。
 
「ゃ…あぁぁぁ……ひぅ……」

 妹紅の突起が唇に挟まれ、舌でつつかれる。
 そして、レティは唐突に本来の目的を思い出したかのように息をぶつけた。
 口付けの時よりもさらに慎重に、しかし勢いよく、冷たい息がかけられた。

「ひ……」

 唇や舌と息の温度差が、敏感な部分を直撃する。
 元々から朦朧としていた妹紅の意識が、それに耐え切れるはずもなかった。

「ゃ、ぁ……ひぁぁぁぁぁぁあああ!」



 眠りについていた妹紅は、意識を少しずつ覚醒させていく。
 寝ぼけ眼が捉えたのは、隣にいる裸の少女。

「っ!?」

 妹紅が跳ね起きるのを見て、少女は顔を覗き込んでくる。
 言うまでもなく、その少女はレティだった。

「……レティ、か」
「そうよ。何があったか、覚えてる?」

 問いかけを受けて、少女は頭を探る。

「え? ……うぁ」
「朦朧としてる感じだったけど、覚えてたのね」
「いや、はっきりとは……でも、その……」

 ぼんやりとではあるが、自分達のした行為の記憶が浮かんでくる。
 あまりの恥ずかしさに、妹紅は顔を伏せる。
 その姿を見て、レティがあっと声を出す。
 重要な事を忘れていた事に気付いたのだ。

「そう言えば、貴女の名前を聞いてなかったわ」

 レティは名乗ったが、妹紅は名乗らなかった。レティも、わざわざ名前を尋ねはしなかったから、そのままだ。

「はは、今更だな」

 妹紅もそれに気付き、笑い声を上げる。

「そうね、今更だわ。でも、教えてもらえないかしら?」
「……妹紅だ。藤原妹紅」

 名前を告げぬままあんな恥ずかしい事をしていたのかと思うと、また顔を伏せたい衝動に駆られた。
 だが、その衝動は吹き飛ぶ事になる。 

「妹紅、か。あなたにぴったりの名前ね。じゃあ妹紅、改めて言うわ。ようこそ、幻想郷へ」

 レティの満面の笑みが、そこにあった。
さて、ネチョが薄かったよね。うん、ごめん。でも、話的にこれ以上発展させにくかったんだ……
話も短かったかなぁとも思ったんですけど、これ以上長くしてもgdgdになるだけだと思ったのでこれでいい事にした。

レティ×妹紅というマイナーカプになったのは、雪→冬→停滞→不死と連想した結果です。
脳内設定としては、幻想郷に妹紅がやってきた直後のお話のつもり。流れ着いた幻想郷で憎き輝夜発見→慧音とも出会って仲良く、の間にワンクッションあってもいいんじゃないかなーと。
設定によると、レティさんは冬から春になるのは当たり前の事と考えているらしい。まぁ確かに当たり前の事だけど、冬に恩恵を受ける妖怪がそう割り切れるのは凄いと思う。自分中心な人妖が多い幻想郷ではなおさら。
何が言いたいかというと、花映でチルノとか操作出来たような感じでいいので、一年中冬にしようと異変をたくらむ不届き者を冬の妖怪として成敗するレティさんが大活躍!みたいなの作ってくれないかなぁという事です。
あおいそら
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/01/10 23:58:08
更新日時:
2009/01/10 23:58:08
評価:
8/8
POINT:
53
Rate:
1.73
1. 9 名前が無い程度の能力 ■2009/01/11 21:45:54
ありがとう! ありがとう!
2. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/01/13 02:12:15
まさかの組み合わせ
でもとても楽しめた
3. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/01/13 02:12:26
まさかの組み合わせ
でもとても楽しめた
4. 5 ■2009/01/13 05:50:49
ちょっと面食らったけれど、マイナーカプをうまくまとめてたのでこの点数。
5. 5 グランドトライン ■2009/01/22 21:51:53
熱血と冷静、この噛みあわせは実にすばらしい。

素直に納得できずに熱く食らい付く妹紅とそれを冷静に諭すレティ。
この2人のやり取りは上手い具合にかみ合って見ものでした。
そして、身体を内と外から冷やすというシチュエーションは献身的だけどとても官能的でした。

少し珍しいカップリングのエピソード、堪能させていただきました。
6. 7 雨雨 ■2009/01/23 05:11:47
うーむ、レティ妹紅とは……。こいつは思いもよらないカップルだ……
いやでも、氷で炎で、数ヶ月しか生きられないレティと死なない妹紅、いいかも。
本当は結構重くなってしう感じかと思いましたが、爽やかな感じでよかったでした。
しかしレティさんが主役のゲームは是非作って欲しいね!
7. 5 名無し魂 ■2009/01/23 20:00:01
この作品では
妹紅怒る→レティ止めに入る→妹紅爆発→レティクールダウン
となっているけど、この矢印のところに物語を詰め込めばいいと思うよ!
あるいはレティのひんやりの手でネチョネチョネチョネチョ……。

次回作に期待するぜ。
8. 6 泥田んぼ ■2009/01/23 23:54:42
レティもこオーイエー
マイナーがなんだってんだ
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