哀と狂気だけが友達でもいいじゃない

作品集: 最新 投稿日時: 2009/01/10 13:23:00 更新日時: 2009/01/10 13:23:00 評価: 14/15 POINT: 124 Rate: 1.86
 
 
 
 私が季節感というものを失ってから結構な時が経つと思う。

 地下室からの扉を開くと、窓から差し込む何ヶ月振りかの自然光が眩しくて、私は思わず目を細めた。
 何しろ薄暗い実験室で寝起きする生活が長かった。光に対して敏感になってしまっている。

 ぱっと目に付いたのは壁にかけられたカレンダー。すっかり煤けてしまっている。果たして一番最近交換したのはいつのことだったか。
 思い出そうとして、でもその実あまり興味もない事に気付く。
 今日が何年の何月で何日で何曜日で……そんな事、今の私にとっては最高にどうでもいいことだった。

 無感情を顔に湛えたまま、私はざっと棚に並べられた人形達を一瞥し、そして窓に近づいた。ガラス越しの魔法の森を覗く。
 太陽は出ていない。白くてのっぺりした雲が大空一面を隙間無く覆い隠している。
 しかし、それににもかかわらず酷く眩しかった。目がちかちかする。
 視線を下に移す。道理。眩しいはずだ。
 純白の地面。それが雲をすり抜けた太陽光を無遠慮に乱反射させている。
 結構な高さを持つ森の木々もその下半身を白に埋めていて。なるほど、きっと今は冬なのだろう。

 高く高く、雪が、積もっていた。










 哀と狂気だけが友達でもいいじゃない 〜ひとりぼっちなアリスの独白〜










 私の生涯を思い返してみると、雪降る季節は往々にして、私にとっての変化の季節だった。……主に悪い方向への。
 それだけに今のような光景を見ると私は憂鬱になってしまう。酷い過去と、その終着としての酷い今を実感してしまうから。

 とは言え、私が憂鬱で無かった時間などここ十数年で一度でもあっただろうか?
 答えはもちろん否である。それだけに、今更多少の憂鬱をさらに加算したところで私の気持ちが酷く沈む事もなかった。既に十分過ぎるほど沈んでいるのだから。

 慢性的な虚無感。
 日々の生活に充実を感じていないのかと問われると少し解答には詰まる。
 何しろアリス=マーガトロイドという人形遣いは今、最高に充実した日々を送っているからだ。

 自立人形の制作。それを成功させる手段を私は見いだした。
 つまりところ、人形が何の命令も受けず、自ら思考し、行動し、成長し、つまり人間と同等の挙動をするようになれば、それは自立と呼んで差し支えないはず。そう定義した。
 そして、その為の機構、すなわち魂に相当する物を全て私の手で作り出せばいい。それで私の望む自立人形の完成だ。

 ただ、問題があるとすれば、それが出来るのはおそらく神とかそう言った身分にある存在だけだろうという事である。
 彼らのような全知全能を持たないのに、何億何兆何京と枝分かれするプログラムを手動で一つ一つ組み立てていく。そんな事するのは間違い無く愚か者だ。
 しかし、こと人形に関してなら愚者になるのも厭わないのが私だった。

 どれだけ作業量が膨大でも、それをすれば目的を達成できる事を確信しているから。私には時間だけはたっぷりとあるから。
 そして何より、作業に没頭している間だけは、他の事を考えずにすむから。

 何しろアリス=マーガトロイドという個人は最高に充実していない。私には繋がりがないのだ。一つも。誰とも。

 私が選んだひとりぼっち。自業自得なひとりぼっち。
 果たして私が引き籠もるようになってどれだけの年月が過ぎたか。
 最後に誰かと言葉を交わしてからどれだけの星霜が流れたか。

 数えるのも、馬鹿らしい。

 薄暗い地下室で食事もせず、代謝もせず、ひたすら魔法式を編み続け、脳味噌が限界になると机に突っ伏して泥の様に眠る。
 そんな事を繰り返し、作業が進展したなら、憂鬱をほんの少しのだけ和らげてくれる充実感によって、私は今日のように地下室から這い出てくるのだ。
 とは言え、もちろん見慣れた部屋に住処を移したところで、私が孤独なのには変わらない。
 規律正しく並ぶ人形達はやさしく微笑んでくれるけど、それは私がそういう風に作ったからだ。気休めにしかならない。

「……寂しいな」

 ぽつりとそんな声が漏れた。
 声に出さずとも、分かり切っている事だ。きっと世界中で私ほど寂しい女はいないのだから。

 しかし、そんな寂しい私も、今日はほんの少し機嫌がいいらしい。図らずも見てしまった雪景色による憂鬱を差し置いてもだ。
 何しろ私の右手には陶製のビンが握られている。
 アルコールを嗜んでみたい。酔っていい気分になりたい。そんな事を考えられる程度に思考が前向きなのだ。

 椅子に腰掛け、器を用意する。
 杯なんて気の利いた物は持ってないから、ブランデー用のグラスで代用することにした。
 酒瓶の封を切り、傾ける。途端、甘い香りが部屋を満たした。

 日本酒は時間が経つと酸っぱくなってしまうというけど、保存が良ければこうして熟した味わいを楽しむこともできる。誰かから聞いた知識だ。
 アルコールの注がれたグラスを口に付ける。
 長い時が存分に成熟させたその古酒は、大層まろやかで甘露で。お酒はちびちび飲む主義の私らしくもなく、思わずグビリとやってしまった。
 喉に感じる快い熱。芳醇な香りがすっと鼻に抜ける。

 私は再び酒瓶を傾けた。今度は酒を舌で転がしつつ、じっくり味わうように嚥下していく。
 そんな事を何度も繰り返していると、いつの間にか瓶の中身は半分くらいまで減ってしまっていて。
 なるほど、口当たりがいいものだから、知らず知らずの内にペースが早くなってしまうのだ。
 しかし、まろやかさの割りに度数は高くて、飲み始めてそんなに時間は経っていないのに、早くも体がフワフワしだすのを私は感じていた。
 ほろ酔いである。

 久々の感覚に私は抵抗する事無く身を委ね、椅子の背もたれにぐったり体重を預けた。
 網膜がぼんやり映す窓の外。少し雪は強くなったらしく、さっきより大きめの結晶がキラキラ瞬いている。

『冬は雪を肴に一杯。それが風流ってものよ』

 ふと、そんな声が頭を過ぎった。随分昔に聞いた台詞だ。
 未だこの風流という概念を余り理解できていない私である。
 今の私ですらよく分かってないのだから、もっともっと分かっていない若い私はその単語を直接耳にして、きっと小馬鹿にしたような表情で皮肉の一つでも言ったに違いない。

 でも、その単語を発した鈴のような声の持ち主は、苛立った表情を見せる事もなく、ただ静かに杯を傾けていた。
 思い出の中、薄雲越しの満月にちらちらと舞う粉雪。若い私の辛辣な舌の先が動きを止めた。代わりに口より出でたのは詠歎の溜め息。
 月光と雪華の下、微笑を浮かべ佇む彼女は余りにも神秘的で、美しく思えたのだ。
 その姿は今でもはっきりと瞼の裏に焼きついている。

 そう。忘れるはずがない。決して、忘れるものか。

 やたら目立つ紅白の身なりに長く伸ばした艶々しい黒髪。そして凛とした表情と心根。
 すでに手が届かない所に彼女は行ってしまったからこそ、その思い出は私の中で価値を重くする。
 ふぅ、と私は何と無く溜め息をつき、グラスの底に残っていたアルコールを喉を鳴らして一気に飲み干した。

「……ぷはぁ。……あー、あの頃は楽しかったなぁ」

 手の甲で唇の端を拭うと、そんなぼやきが自然と漏れた。
 そういえばと思い出す。この酒は、彼女から貰った物だった。
 彼女の横顔が再び私の頭にちらついて、ぽっと頬が赤らむ。あの雪舞う夜が、まるでつい昨日の事であるかの様な錯覚を私は起こしているのだ。

 ほんのり上気したままの顔で私はスカートを捲り上げる。
 どうやら思い出の蠱惑さが私のスイッチを入れてしまったらしい。

 もちろん知性派を自負する私としては、こういうなし崩し的なのは少々不本意ではある。
 でも、酔いが回って気持ちよくなっているのは確かだし、地下室ではずっとご無沙汰だったというのも間違いない。
 何より、あの頃の思い出は酷く切なくて、でもそれ以上に魅力的で、だから私がついつい変な気持ちになってしまっても仕方がないのだ。

 空になったグラスをテーブルに置いた右手が、ごく自然な動作で股間へ伸びる。
 椅子の肘掛に太腿を乗せるようにして足を大きく開き、ショーツの上から大事な部分に軽く触れる。ほんのりと湿っていた。
 半分夢心地の中、私は指先でそこをまさぐりつつ、私が今より多少は溌剌としていたあの頃に全力で思いを馳せた。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











「……まったく、飲みすぎだって。貴方の言ってた風流って、酔いつぶれるまでアルコールを胃袋に流し込む事じゃないでしょ?
 大体、途中から雪なんて碌に見てなかったじゃない」
「すぅ……すぅ……」
「……ったく」

 雪で真っ白く化粧した博麗神社。すっかり夜中となっても、境内に陣取った妖怪やらおかしな人間やらの馬鹿騒ぎは一向に収まる気配を見せない。
 中には防寒具を脱いで薄い下着だけの姿になっている者もいる。アルコールの力とはかくも偉大なのだ。
 冬真っ盛りだというのに、それでも神社の熱気は冷めることなく、喧騒はますます盛んになっていく。
 宴会の輪より少し距離を置いた、ここ母屋の縁側も心持ち暖かに感じられた。

 とは言え、実際のところ気温は氷点下である。
 積もった新雪は、そりゃ柔らかだけど当然布団の代わりにはならない。
 こんな所で爆睡すれば風邪じゃ済まないでしょと、へべれけになって雪に体をうずめながら寝息を立てる彼女の体を私は抱え上げた。
 その形のいい唇から、うわごとの様な声が小さく漏れたけど、気にしない。今の彼女は九割九分夢の国の住人だ。

 抱えてみて分かった事がある。彼女はとても軽くて、とても華奢だ。
 当然の事。だって、彼女は人間だ。普段鬼神の如く妖怪連中をなぎ倒す肉体は、その実か弱さに満ちている。

 博麗霊夢。この小さな体のどこにあんな力があるんだろうと時々思う。
 彼女を抱えたまま障子を開け放つ。仄かに藺草の匂いがする六畳間に布団は敷きっ放しになっていた。
 私はそこに霊夢の体を静かに横たえ、掛け布団をそっとかけてやる。

「……んん」

 何と無く安心したような、そんな声が霊夢の口から漏れる。

「……感謝しなさいよね」

 心地よさげに寝息を立てる彼女の耳元で、私はそっとそう呟いた。
 どうせ明日になれば今晩の記憶なんてすっかり忘れてしまって、「私にはきっと布団に対する帰巣本能があるのよ」とでも平然とした顔付きでのたまうのだろうけど。
 まあ、しかし、聞こえて無いにしろ、一言いっておかないと私の気持ちの収まりが悪い。
 ほんの少し棘を含ませた私の声色に、彼女はむにゃむにゃと夢中の言語で答えた。

 それがきっかけになったという訳じゃないだろうけど、霊夢が寝返りを打つ。
 私に背を向けるようにして、体が横を向いた。布団が少し捲れて、巫女服の隠さない肩が寒気に露出する。

「……まったく、大人しくじっとしてればいいのに」

 やれやれと布団を掛け直そうとする私。
 しかしそんな私の瞳にふと彼女の横顔が映って、図らずも私は手の動きを止めてしまう。目が、吸い寄せられた。

 美しい。素直にそう思う。

 きめ細かい白磁の肌。上等の墨を流したような漆黒の髪。
 ぼんやりと頼りない月光に照らされて、彼女の整った口元がほんのり緩む。
 普段の達観した彼女も、こうやって寝顔となれば、歳相応のあどけない顔付きを見せてくれる。
 その無防備な表情が酷く可愛らしく思えて。しかし酔いのせいで仄かに桃色に色づく頬は不思議とあでやかさに満ちていて。

 ごくりと生唾を飲む。
 私の体温が上がっているのはアルコールのせいだけではないだろう。拍動が激しくなる。
 気がつけば、私の唇は彼女の唇とくっ付くほどに近くなっていて、ハッとして顔を背ける。

「ちょ……ちょっと、私ったら何を……!」

 きっと私の顔面は真っ赤になっている。突飛な行動に自分自身が一番驚いていた。
 バクバクする胸を押さえつつ、ちらりと霊夢の顔をもう一度覗く。

 相変わらずの安らかな寝息。でもその無垢さに、心が惹かれる。
 憧れ。もしかしたらそんな感情を彼女に抱いている自分がいたのかもしれない。
 何のしがらみにも縛られない彼女の生き様は、時に尊大なプライドに囚われる私のコンプレックスの真反対だ。故に酷く眩しい。

 唇がうずいた。湿った吐息が漏れる。

 酒の勢い。それは間違いなのだろうけど、自分が可哀想になるほど彼女に焦がれる自分を、今は否定出来ない。
 キョロキョロと挙動不審に周りを見渡す。かすかに宴会のざわめきが伝わってきたが、それ以外は何とも静粛である。

 この建物に、霊夢と私は二人きり。
 気付いてしまったその事実が、どうやら私の何かを振り切らせてしまったらしい。

 顔を赤らめながらも、今度は冷静に、そして自らの意思を以って私は行動を起こした。
 霊夢の体を仰向けに戻し、そしてすっと立ち上がる。
 私が纏う空色のロングスカート。それを捲り上げ、ショーツを空気中にさらした。熱を持った太腿にぴりりとした寒さの刺激が心地いい。

 もう一度霊夢の顔を見る。何も知らない安らかな寝顔だ。私は意を決した。

「霊夢、ごめんね……」

 霊夢の顔面。その真上に私はしゃがみ込む。
 鼻先が触れるか触れないかの距離。薄い布を通して霊夢の吐息を感じる。

「すぅ……んん……?」

 霊夢の口より不思議そうにうわ言が漏れる。きっと私の匂いに気付いたからだ。
 その声にますます私は赤らんで、でも体の昂ぶりはもうどうしようもないほどで。
 この倒錯したシチュエーションに理性が怠け者になっている。
 規則正しい寝息を再び立て始めた霊夢に少し安心して、私は行為を開始した。

「ふぁ……ほんとはこんな事だめなのに……我慢……できない……」

 下着越し。すでにしっとり湿った秘裂を軽く指先でなぞり、早くも膨らんでしまっている淫核を摘み上げる。

「んふぁぁ! ……駄目……良すぎちゃう……」

 耐え切れなくて嬌声が転がり出る。静かな六畳間に、想像以上の大きさでその声は響いた。
 快感でがくりと膝が震える。
 思わず霊夢の顔の上にへたりこんでしまいそうなのを何とか堪え、私はゆっくりと股間を弄り始める。
 熱に浮かされたような吐息。いや、実際熱にやられてしまっているのだろう、私の頭は。

 私は霊夢の顔の上でオナニーしているのである。
 こんなにも理性と遠く、はしたない行為を。普段の私なら冷笑を以って蔑むに違いないこんな行為を。今の私は貪欲に無様に貪っているのだ。

「ん……うぁ……うん……」

 噛み殺した声が喉より漏れる。
 右手で淫核を転がし、左手で秘裂をぐにぐに刺激する。
 徐々に激しくなる指遣いに私の秘裂がぴちゃぴちゃといやらしい音を奏で始めた。
 ショーツにはたっぷりと愛液が染み込み、びちょびちょになっている。

「……んー?」

 強くなる雌の匂いに霊夢が怪訝そうな顔をする。それがさらに私をおかしくする。

「あぁん……霊夢……私のあそこの匂い嗅いで……もっといっぱい、私のいやらしい匂いを吸い込んで」

 布越しの刺激に物足りなくなった私は、股間を覆い隠す布をぎゅっとずらす。
 露出させた女性器。そこに直接指を差し込む。

「んんぁ! ……はぅん! いい……いいわぁ、霊夢ぅ!」

 想像の中私は霊夢に秘裂を責め立てられている。激しく、ねっとりした指遣いで。
 イメージと重なるように、私の指は何か別の生き物のようになまめかしく膣内で蠢めき、それが私のいやらしい液を止め処なく分泌させる。

 ぴくぴくと震える爪先立ちの足。ぴんと立った乳首が下着に擦れるのが分かった。
 自慰によるものとは思えない、頭がおかしくなりそうな快楽に私はすっかり溺れてしまう。

 指にはねっとり蜜が絡み、その蜜はとろりとだらしなく秘裂から垂れる。
 ぴちゃっと小さな水音がした。雫となった愛液が落下して霊夢の顔を汚したのだ。

「……ん……? ……すぅ……すぅ」

 幸い霊夢は目覚めない。
 しかし、ほんの少し冷静に考えれば、今の私の置かれている状況がいかに綱渡りであるか容易に理解できる。
 何しろ顔を慰み者にされたことを赦す程、彼女は穏やかな人間ではない。
 彼女が目覚めてしまえば、私は終わりだ。

 霊夢との関係は壊れてばらばらになり、幻想郷の面々から蔑みの視線を浴びせられる、そんな毎日が始まる。
 でも、そんな絶望的な未来予測ですら私の欲情を押し止める事はできなかった。
 むしろ、その破滅的さが私をますます酩酊させていく。もう、声を我慢する事さえ詰まらない事に思えてきた。

 ぐちゅぐちゅ秘裂が音を立てる。激しい指先に、私の絶頂が近い。

 ――トタトタトタ

 そんな音を聞いたのは丁度その時だった。
 まだかろうじて思考を保っていた私の脳はそれが近づく足音であると判断する。
 しかし、体は止まらない。絶頂する事を渇望している。そして知性ですらそれを支持した。
 今の私は素晴らしく甘美な自慰行為に最上の価値を見出しているのだ。何であろうと、この優先順位を侵すことなどできない。
 たとえ、この様子を誰かに見られて、その結果生涯を棒に振っても、それがどうしたという気持ちだったのだ。

 痛みを感じる程の乱暴さを以って秘裂をまさぐる。それ以上の乱暴さを以って淫核を抓り上げる。
 骨髄を這い上がる快感。そして次の瞬間私の目の前は真っ白になった。









「おーい、れいむー、こんなところにいたのかー、さがしたんぜぇー」
「……そっとしておいて上げなさい。酔い潰れて寝てるんだから」

 一升瓶片手に部屋の障子を開け放ったのはベロンベロンに酔っ払った魔理沙だった。
 足取りもおぼつかないし、舌も回っていない。
 寝息を立てる霊夢の枕元に正座する私を、魔理沙は焦点の定まらない目付きで見つめた。

「しかたないなぁー。ありすー。じゃあおまえでいいやぁ。つきあえー」

 一升瓶をぐっと突き出す魔理沙。散々へべれけになっているというのに、まだ飲み足りないらしい。

「……ったく。ちょっとだけだからね」

 渋々といった風に私は魔理沙の誘いを受ける。
 立ち上がると、濡れた下着が肌に張り付いて変な感じだった。

 間一髪。魔理沙が部屋に進入したタイミングはそれだった。
 極上のオーガズムがピークを迎え、徐々に下降線を辿るとき、ようやく私は理知的な私に戻ることができた。
 そして、急ぎスカートを整え、さも霊夢を布団に運んだだけという顔付きを繕ったのだ。

 私の手を引き、境内の馬鹿騒ぎに連れて行こうとする魔理沙は、この部屋で何があったか気付いていないだろう。
 魔理沙が酔っ払いでよかったと思う。きっと正常であったなら、この火照った肌や、熱っぽい吐息を不自然に感じただろうから。

 体の興奮は未だ冷め切らない。ちらりと振り返って霊夢の顔を見ると、いやらしい自分が再び蘇りそうになる。
 私は否定するようにふるふると頭を横に振った。魔理沙の手から一升瓶を奪い、そして瓶のままぐびぐびと飲み下す。
 いい飲みっぷりだと満足そうにカラカラ笑っている魔理沙は私の目に入らない。代わりに夜色の境内が目に映った。

 真夜中の神社には相変わらず粉雪が舞っている。その寒さが、今はありがたく思えた。
 少し私は冷静になるべきだ。寒気が熱に浮かされる頭を程よく良く冷やしてくれるだろう。
 もう一度霊夢の方へ振り向く。そして私は、気恥ずかしさと申し訳なさと、ちょっぴりの名残惜しさを込めて、曖昧に笑って見せたのだった。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











「ん……あぁ……ひぅ! ふぁぁんっ!」

 迎えた絶頂に私はぐたりとテーブルに突っ伏した。

 その姿勢のまま目だけをきょろきょろさせて周りを窺うと、目に映るのは当然の事ながら見慣れた私の部屋である。それが少し残念だった。
 ぽつりと私の口から「ただいま」なんて声が、何処と無く恨めしげに漏れる。

 何しろ、ついさっきまで私がいた思い出の世界は、余りにも甘美過ぎたから。
 その世界に頭までどっぷり浸かっていた私の脈拍は、ドクドクという音が耳に伝わるほど激しい。
 久しく慰めていなかったから、体が過剰なまでに敏感になっていた。
 先程まで激しく秘裂を弄っていた指先にはとろりとした蜜がべっとり付着している。指先でこうなのだから、蜜の発生源に直接触れていた布地の状態は言うまでも無い。

 何と無く気持ち悪いと感じた私は、気だるげに立ち上がりショーツを脱ぎ捨てた。空気に直接曝されて、濡れた秘裂が涼しく感じる。
 その刺激に私の肉体は律儀にもまた反応を示してしまったらしい。
 平常より高い体温がさらに上昇する。欲望が渇きを訴える。

 情欲に引きずられるようにして、私のフラフラした足取りはクローゼットに向かう。
 収められているのは意匠を凝らした手縫いの洋服。しかし私の目線はそれらの衣服で隠すようにして置かれている木箱に向けられていた。

 中身を取り出す。緑色のつるつるした、パッと見胡瓜っぽい物体。よくよく見れば丁寧にも製作者の名前が表面に掘り込まれている。
 これを使うのは始めての事ではない。と言うよりかなり使った経験は多い。

 ただ、いくら使い込もうとも慣れる事はなかった。この道具を使うと、まるで自分自身を変態だと認めてしまった気分になるから。
 しかし、そんな羞恥ですら今の私にとっては昂ぶりを増幅させるスパイスで、だから私は顔を赤らめながらも、これからの行為を自制なんてできないのだ。

 床に座り込み、はしたなくも股を開く。秘部を丸見えにする。
 私は手にした緑色の物体を秘裂に近づけ、そこから未だ溢れ続ける愛液を、つるつるした表面に塗りたくっていった。

 そして少しの緊張と共に、それを大事な部分にあてがう。陰唇よりもさらに下。いわゆる不浄の穴の入り口に。
 飲み込まれていく緑色のアナルバイブ。直視はできない。流石に恥ずかしすぎるから。
 目は背けたまま、ゆっくり出し入れを始める。早くも蕩けたような吐息が漏れ出した。

 お尻の穴で快楽を得るなんて、私はそんな変態な女じゃないと信じたいのに、体の方はその願いを易々と裏切ってくれる。
 そうなるよう覚えてしまっているのだ。

 徐々に高くなる嬌声に、私は私にこんな悦楽を刻み込んだ張本人の顔を思い浮かべる。
 そして、さもいい事をしてやったと言いいたげな笑みを浮かべる記憶の中の彼女に対し、ちょっとばかりの呪いを込めて睨んでやったのだった。








  


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 人形というのはつまるところ人体の模倣である。とは言え完全な再現までを求められる対象ではない。
 例えば泥をこねくり回して作った不恰好な土塊でも、誰かが人形と呼べば、それは紛れも無く人形なのだ。

 しかし私は人形師である。その精緻さには拘るし、技巧を常に研鑽し続けなければいけないという自負も持っている。
 だから、幻想郷でもっとも進んだ工学を参考にしようと、妖怪の山を訊ねたのは自然な成り行きだったのだろう。

「おっ? 寒い中よく来てくれたね。歓迎するよ」

 山肌に建てられた丸太組みの小屋。出迎えてくれたのはツインテールの少女。河城にとり。
 魔理沙が地底へ潜ったあの異変の時に知り合った河童の技術者だ。

「まあ、立ち話も何だし入ってよ。お茶くらい出すから」

 愛嬌のある笑顔を振り撒くにとりは、私を小屋の中に招く。
 扉を開けると不思議な匂いがした。そして人工的に作り出されたのであろう暖気が、冬空に冷えた私の体を包む。

 石油を燃やして暖を取る機械を河童は持っていると聞いたことがある。きっとこれがそれなのだろう。
 妖怪の山以外では変人な半妖の青年が店主を務める古道具屋くらいでしか拝めない代物だ。
 しかし、感心しつつ部屋に入った私の目に入ったのは、おおよそ乙女の住居として問題ありな光景だったのである。

「ごめんね散らかってて。これでもちょっとは綺麗にしたつもりなんだけど、私って基本的に片付けが苦手でさ」

 その言葉通り、彼女の部屋の乱雑っぷりは酷いものだった。
 工具やら、壊れているのか解体の途中なのかあるいは完成品なのか、素人目にはその辺りよく分からない機械の類が、足の踏み場も無い程に床を埋め尽くしている。

 この散らかりっぷりは、きっと魔理沙とためを張れるに違いない。

 技術者という人種は几帳面なものだと思っていたけど、それはおそらく興味ある事柄に対してのみなのだろう。ベクトルの異なる分野には人並み以上にズボラらしい。
 なんでもきっちりしないと気が済まない私とは根底から違っている。

「えーと、なんだっけ。関節見せて欲しいって言ってたかな」
「……あ、ええそうよ。お願いするわ」

 いつの間にか眉間によってしまっていたシワを元通りに繕いつつ、私はここにやって来た目的を思い出す。
 目の前の河城にとりという河童は、片付けこそ苦手かもしれないが技術者としての腕は一流である。

 私は彼女の開発した技術の一端を人形作りに応用すべくここを訪れたのだ。
 ついでに言えばこれはにとりの完全な好意である。彼女は、自分自身の所有する先端技術を公開する事に、何も対価を要求しなかった。
 なら私はその善良さに感謝しなければならないのだ。部屋の整頓が気に食わないなんて顔に出すのは失礼に当たるだろう。

 そう思い直して、私は金属片の間に空いたスペースを慎重に進んでいく。
 が、しかし。何分物が多いので私の足は何かをついうっかり蹴り飛ばしてしまった。ころころ転がるその物体。

「あっ……」

 ごめんなさいと謝ろうとして、しかしその声は最後まで続かない。蹴飛ばした物の正体を知って思わず固まってしまったのだ。

「じゃ、用意してくるから少しそこで待っていてよ」
「え、ええ……」

 幸いというか、にとりは私の動揺に気がつかなかったらしく、背中を向け、台所とおぼしき部屋に入っていった。
 残された私は、さっき蹴り飛ばしてしまった物体に恐る恐る視線を向ける。
 のっぺりとした質感。細長くぷっくり丸みを帯びた形状。……いわゆる大人のおもちゃがそこに転がっていた。

「これは……」

 気づかない振りが一番よかったのだろうけど、私の視線は吸い寄せられるように、その玩具に固定されてしまう。
 でも、どうしてこんな物がここに転がっているのか?
 にとりが使ったのだろうか? しかし、こんな物を無造作に放置しておくなんて私の感覚じゃ考えられない。誰に見られるか分からないのに。
 きっと拾ってきたガラクタの中に紛れていたのだろう。
 そう信じたかった。
 しかし私の頭というのはこういう事に妙に敏感なのだ。頭の中で玩具を持ったにとりのふしだらな妄想が形成され始めていた。

「おまたせー」

 部屋に響いた、からりと明るい声に私ははっと正面を向いた。
 そこにあったのは、ニコニコとしたにとりの笑顔。

「ん? アリス? 何かあったかな? ボーっとしちゃって」
「……いや、何でもないわ」
「ならいいけど。あーそうそうお茶入れてきたよ。ほらほら座って。立ち飲みは行儀悪いし」

 足で乱雑にガラクタを蹴り飛ばし、人2人が座れる程度のスペースを確保するにとり。玩具も蹴飛ばされ、ころころと転がった。
 しかし、その適当さに私はほんの少し安心している。
 彼女のあどけなさ残す表情がとても純粋そうに見えたからだ。あんな玩具の知識など頭の片隅にもないような。

 そう、あれは偶然紛れ込んでいただけなのだ。にとりが使ったりしてるわけじゃないのだ。彼女はそんなはしたない女ではないのだ。
 そう自分に言い聞かせ、私はにとりから緑茶の入った湯飲みを受け取った。

 にとりの左手には腕を人間の模した器械が握られている。
 そう。私はこれの説明を聞くためにここに来たのだ。人形の関節部をよりスムーズに駆動させるための資料として、河童の技術を学びに来たのである。

 余計な事に気を取られてる場合ではない。
 意志を堅く持ち、木製の床に腰を下ろし、そして一口熱いお茶を口に含む。
 そうしたなら気持ちも落ち着く……そのはずだったのだけど。

 にとりに蹴られ転がっていたあの玩具。それが移動を停止させたのは他ならぬ私のほぼ正面。丁度にとりの真横の辺り。
 顔を真っ直ぐ向けると視界に入ってしまうその玩具に、私は気持ちが落ち着かなくなってしまう。再び妄想が頭をもたげ始めたのだ。

「えーと、じゃあ説明していくね。まずは基礎的な部分から。この関節部を模した機構は……」

 そんな私の心境など知るはずもないにとりは、手にした器械についての説明を始める。その理論は大変斬新で、興味をそそられる内容であったのは間違いない。
 しかし私はやはり集中できないでいた。ちらちらと視線が横に逸れる。
 結局今の私が気になってしまったのは、工学理論よりも、無造作に横たわる卑猥な形の玩具だったのだ。

「……アリス。アリスー。聞こえてる?」
「え? あ……ごめんなさい」
「んー。やっぱり今日のアリスはおかしく見えるなぁ。ぼーっとしてる。体調が悪いならまた日を改めようか?」
「いえ……大丈夫よ。続けて」
「そう? 無理はしちゃだめだよ」

 あの純粋な表情で、にとりは私の心配をしてくれている。何だか酷く申し訳なくなった。
 私と来たら真剣に彼女が説明してくれているいる間、ずっと彼女で淫猥な妄想をしていたのだから。

 ここからは、本当にまじめにやろう。人形師としての私のプライドに誓って。
 そう決意した私の前で、にとりはちらりと横目に視線を流した。

 この時私が少し冷静であったなら、その動作が意味する事を理解出来ただろうか?
 きっと否であったと思う。何しろその動作は自然すぎた。これより起こる重大な事象のきっかけであるなんて、予想できるはずがない。
 致命的な一言が彼女から放たれた。

「……あー。なるほど。これね」

 にとりの声は相変わらず能天気な程に明るい。しかしその顔は悪戯ッ子のようなニヤリとした笑みを湛えていた。

「……アリス。もしかしてこれが気になるのかな?」

 豹変である。
 にとりが纏う雰囲気に、すでに先ほどの純粋さはない。代わりに、その幼い容貌には不釣り合いなまでの妖艶さが彼女を形作っていた。
 先ほどまで握られていた腕型の器械は床に投げ捨てられている。今、にとりの右手に握られるは、転がっていた例の玩具なのだ。

 にとりの笑みに艶めきが増す。
 この時私は逃げるべきだったのだろう。身の危険なら十分過ぎるほど感じていたのだから。
 しかし、そうする事ができなかったのは、垣間見てしまったにとりの本性に圧倒されていたからだ。

 そして彼女の技巧のせいでもある。
 彼女の表情に気を取られたその瞬間、両腕に感じた痛み。気がつけば頑丈そうなロープによって腕を背中で縛られている。
 隙を見せたほんの数秒で、私は自由を奪われてしまったのだ。
 にとりの細くしなやかな指先は、私のそれと比べても遜色ないまでの器用さをそなえていたのである。

 私を拘束したにとりの指は今、彼女自身のスカートの裾を掴んでいる。
 私はというと、ロープの所為でというよりは、むしろ状況に脳味噌がついて行っていないせいで体が動かない。
 目の前に立つにとりから、目を離す事ができないでいた。

「……ほら……見て」

 にとりはゆっくりと自らのスカートを捲り上げる。
 露出した下半身に、私は思わずごくりと唾を飲んだ。

「私、こういうの好きだからさ……。色々新しいの作っては自分で試しちゃうんだよね」

 捲り上げたスカートをそのままに、にとりは手にした玩具をねっとり舌で舐め上げている。玩具の表面で唾液がぬらぬらと輝いていた。
 今の彼女というのは、ぞっとするほどの妖しさを瞳に湛え、纏う雰囲気も正に魔性のそれだ。

 ――ああ、幼く見えてもやっぱり彼女は妖怪なんだ。それも頭のねじが何本か緩んだ。

 頭の端っこでそんな事を思う。
 何しろにとりは下着を履いていなかったのだから。
 私の前に明け透けにされたにとりの女性器。じっとり湿り気を帯びるその割れ目が官能的にうごめいている。

「こうやってね……パンツを履かないでいるの。外に出かける時も、誰かに会う時も。見た目は平静を装ってね。
 でも本心は凄くドキドキしているの。ばれたらどうしようって。
 今日だってアリスを一目見たその時から私の体は昂ぶりっぱなしだったんだよ。私がこんなにいやらしい娘だって知られちゃどうしようって。
 でもね。もうだめ。我慢できないよ。アリスがあんなにエッチな顔を私に見せるんだもん。
 ねえ、アリス。……アリスはこれを見ていやらしい事考えてたんだよね。
 ……見せてあげる。その妄想と同じ事を。私が気持ちよくなっちゃう所を。だから、目を逸らさず……一杯見てね」

 少し鼻にかかったようなにとりの声は甘ったるい。
 蕩けた目付きのまま、にとりはスカートを脱ぎ捨てる。
 そして彼女は床に座り込むと、恥ずかしがる素振りも見せずに、大きく股を開いた。ピンク色のひくつく性器が丸見えになる。
 にとりの秘裂に彼女自身の手によって玩具が押し当てられる。じゅぶりと小さく水音を聞いた気がした。
 私の目の前で、ゆっくり挿入されていく玩具。

「……んん……見える? 入っていくよ」

 蜜を端から溢れさせながら、玩具はにとりの膣内にすっぽり収まる。
 さして抵抗もなく飲み込まれたのは、きっと彼女に十分な経験があるからなのだろう。

「もう一本……入れちゃうね……」

 にとりは上着のポケットをまさぐり、そして先ほどと同型の玩具を中から取り出す。
 それをたっぷりの唾液で濡らすと、再び股間に持って行く。

「……え? ……嘘でしょ?」

 ぼんやりとにとりを見つめ続ける私の口から、そんな驚きが間抜けに漏れる。
 彼女の行為は私の常識から逸脱していた。

 だって、彼女が二本目の玩具を挿入し始めたのは、後ろの方の穴であったのだから。
 気持ちよさそうな喘ぎを小さく漏らしつつ、にとりはぐりぐりと肛門に玩具を挿入している。

「……あは……全部入った」

 決して小さくはない玩具をずっぽりと肛門に飲み込み、満足そうなにとり。そんな彼女を私は信じられないような表情で見ていた。
 アナルが性感帯になるという知識は一応私の頭の中に収まっている。しかし知識と実際では全く勝手が異なるのだ。
 そんな変態的な嗜好、本の中でしかあり得ないと思っていた数分前の私の常識はあっさり破壊された。
 呆然とした私は、ただただ目の前の光景を凝視するしか無かったのだ。

「あれ? ……アリス、もしかして濡れちゃっている?」

 にとりの瞳が玩具を挿入していた時のトロンしたものから、悪戯っ気を含んだ色に変わる。
 それで私ははっとして自分の股間の様子を窺う。

 果たして言われたとおり、私の女性器は目の前で繰り広げられたにとりの淫靡さに確かな興奮を示していたのだ。私自身の意思を気遣う事もなく。
 にとりはニィと楽しげに唇を歪めると、2つの穴に玩具を挿したまま四つんばいの様な体勢になる。
 そして、そのまま私に接近し、顔を私の秘部にぐっと近づけたのだった。

「ひっ! な……何してるの? や……止めなさい」

 にとりの指は私の秘裂に伸びている。
 私が抗議の声を上げても彼女はお構いなしで、今の私は膣内をじっくり観察されている途中なのだ。
 ぱっくり開かれた割れ目からとろりと愛液が垂れ落ちる。

「へー。まだ処女なんだ。……もったいない、セックスの楽しみを知らないなんて」

 しげしげと私の膣を眺めてにとりは言う。
 彼女の人差し指は第一関節辺りまで膣内に差し込まれ、ゆっくり出し入れされていた。
 痛みは無かった。むず痒いような快感。
 しかし快感以上に私を支配している感情は恐怖である。

 何しろ、にとりが少し力を込めてその指を差し込んだなら、私の純潔はあっけなく喪失してしてしまうのだから。
 やはり処女というものには特別な感情を抱いている。
 そんな私の焦燥をにとりはどうやら感じ取ったらしい。上目遣いに私の顔を見つめた。

「あは、きゅうきゅう締め付けてくる。……ああ、大丈夫だよ。安心して。初めてを貰っちゃおうとかは思ってないから。
 やっぱり納得できる形であげたいのが女の子の気持ちだよね。
 私なんかは酒の勢いであげちゃったからさ。ちょっと後悔してたりするし」

 そう口で言うのとは裏腹に、出し入れされるにとりの人差し指は徐々に埋まる深さが大きくなっている。
 私は止めろと叫ぼうとした。はっきりとした怒りを込めて。
 しかし代わりに私の口より出でたのは「ふぁん」という間抜けなまでの艶声だったのだ。
 私が口を開こうとした正にその瞬間にとりは指を引き抜き、そして私が予想もしていなかった一点を優しく撫で上げたのである。

「こっちの経験も無いみたいだね……可哀想。気持ちよくなる方法を知らないなんて。
 だったら……私が教えてあげる。
 知ってるかな。アナルってとっても気持ちいいんだよ。慣れるとおまんこはめられるよりずっとね。
 何よりこっちなら、処女のまんまでも楽しめるし。じゃ、ゆっくり開発してあげる」
 
 私の肛門。誰にも見られたことないその蕾をにとりの指が撫でている。
 こそばゆい未知の感覚。理性は必死でこんな汚い所を刺激されることを拒絶しようとするのに、なのに私は不思議と嫌な気分になれない。
 止めて止めてと口から漏れる声に力強さはなくて、信じたく無い事だけど、私の肉体は肛門への刺激に快感らしきものを確かに感じ始めているのだ。
 そんな私に、にとりは更なる責めを与える。

「くんくん……アリスのお尻、いい匂いがするね」

 私は恥ずかしさで顔を真っ赤にする。手が自由だったなら、この顔面を両手で思わず覆い隠しただろう。
 にとりは鼻を私の肛門にくっつけている。そしてあろうことか、鼻を鳴らしてその匂いを嗅いでいるのだ。
 恥辱で顔が歪む。きっと目には涙が滲んでいる。

「や……止めてよぅ。そんな汚いところ」

 ほとんど泣き声に近かったと思う。くぐもった声で私はにとりの行為を拒絶しようとする。
 しかしにとりはどうして私が嫌がっているのか理解できないといった表情だ。多分彼女は分かってやっている。

「汚くなんてないよ。綺麗なピンク色で、形も整っていて、とってもかわいらしいアナル。
 私こういうお尻大好きだよ。だからこんな事だって躊躇う事なくできちゃう」
「え? ひぁあぁん!」

 肛門に感じたぬらりという温かさ。
 にとりは私の肛門を、汚い穴を、ねっとりとねぶり始めたのだ。舌先を差し込み、音を鳴らしながら。

「……ん……ぴちゃ……意外と濃い味がするねぇ。でも嫌いじゃないよ。お尻の穴舐めてるって感じがするから」
「いや……だめ、そんな汚い……」

 私の意思なんか構うこともなく、貪るように、味わうように、にとりの舌は動きを激しくしていく。
 それに反比例するように私の拒絶の声は弱くなり、そして完全に消失する。

「ふぁ! ひあぁん! そんな……どうして、お尻でなんて……あっ! あぁあん!」

 拒絶の代わりに溢れ出したのは確かな嬌声。
 肛門を舌で責められるという逸脱したシチュエーションに私の体が快楽を感じ始めているのだ。
 認めてしまうのはとても癪だけど。それでもこの初めての刺激は私にとってとても甘美に感じられて。だから喘ぎ声は際限無く大きくなっていく。
 私の変化に、にとりがクスリと笑いを漏らす。

「アリスはお尻で感じる才能があるんだね。いやらしくアナルひくつかせて、とっても物欲しそうにしてる。
 あは、教えがいがあるよ。
 いっぱい持ち良くしてアナルの良さを脳味噌に刻み込んであげる。毎日毎日アナルオナニーしないと満足できない体に調教してあげる」
「え? ……ひゃ!?」

 唾液ですっかりびちょびちょになり、執拗なまでの舌の責めに緩んだ私の肛門に、にとりは人差し指であてがう。
 爪先で軽く皺をいじくっていたその指が真っ直ぐ伸ばされたかと思うと、ずぶりと一気に私の肛門に差し込まれたのだった。

「ひぁあん! そんな激しすぎ! ひっ! ふぁぁあん!」
「どう? 気持ちいい? アナルずぼずぼされて?」

 ぐにぐにと腸壁をほじくられ、抉られ、乱暴に責められる私のアナル。
 今日が初めてのアナルを刺激するには激しすぎる出し入れ。指が引き抜かれるたび私の肛門は捲れ、突き刺されるたび苦痛が神経を震わせた。
 しかし、そんな痛みですら私は思考を曖昧にさせる快楽と感じてしまっているのだ。
 甘さを孕んだ叫びに近い艶声が部屋に響く。触れられてもいないのに秘裂はぐっちょりと水気を帯びていた。

「あはは。アリスが気持ちよくなってくれて嬉しいよ。
 じゃ、いかせてあげる。いい声聞かせてね」

 にとりは責めに中指を追加する。指二本の圧迫感に、ふぐぅと訳の分からない声が涎を垂らす私の口からいでる。
 サディスティックな笑みを浮かべるにとりは腸内に埋まる指をくの字に曲げた、そしてぎゅるりと回転させ、乱暴に私のアナルを掻き回したのだ。

「え!? 何!? 何かきちゃうぅぅ! ひっ! ひぁぐぅぅ!」

 まるで体に電流が走った様だった。
 心臓に何か叩きつけられたような強烈な衝撃。体が弓なりに反り返り、びくりびくりと痙攣する。
 目玉は見開かれ、口からは涎がだらしなく流れ落ちていた。

「ちゃんとお尻でいけたね。うん、偉い偉いアリス」
 
 私のアナルに挿入されていた指をペロリと舐めつつ、にとりは無邪気に笑う。
 それで私は、この激しい動悸が絶頂によるものだと初めて気づけたのだ。

 お尻でいってしまった。
 その事実は私を赤らめさせるに十分なものであったと思うけど、この時の私はそんな事に気を回せる余裕も無かった。

 強烈な倦怠感が襲う。
 初めての、そして激しいアナルのオーガズムに私の体はすっかり疲れてしまっていた。
 覗き込むにとりの満足そうな瞳が目に映ったのを最後に、私は静かに意識を手放したのだった。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 アナルオナニーによる絶頂がもたらした酷い気だるさの所為で、私は力なく仰向けに横たわっている。
 私の体を火照らせていたアルコールも、今はすっかり醒めてしまっていた。
 絨毯の上、無造作に転がるバイブもそのままに、私はぼんやりと天井を見つめる。
 窓から差し込む雪の反射光だけに照らされるほの暗い部屋は、普段よりずっと殺風景に映った

「……寒」

 部屋に居着く寒気が衣服に染みこんだ汗を介して、私の体を冷やし始めたらしい。

 あー、風邪引くかも。

 そう思い至って、私はようやく体を起こす。軽く髪を掻き上げ、こきこきと首を鳴らした。少しばかり気力が戻る。
 ゆったり立ち上がり、バイブを拾い上げる。

 思い起こせば、私が妖怪の山でにとりにアナルを開発されたあの日、おみやげと称して渡された玩具の類は1ダースにも上った。
 それらが詰められた袋を抱えた私は、顔を真っ赤にして山を駆け下りたものである。
 それ以降私が山を訪れる事は無かった。恥ずかしくて彼女と顔を合わせられる気がしなかったからだ。
 随分昔の思い出である。

 しかし、その時貰った全てが未だ問題なく駆動するだから、流石は河童の技術だ。
 このままバイブを放置したまま、倦怠感におもねりベットに潜り込んだ所で、バイブが整備不良で壊れたりはしないだろう。
 しかし私の几帳面な部分が、そんないい加減な事を許さなかった。
 バイブを握ったまま洗面台に向かう。

 ひび割れた石鹸を片手に蛇口を捻るが、反応は無い。どうやら外の氷点下が水道を止めてしまっているらしい。
 仕方なく私は術式を口ずさむ。魔法で呼び出した水を使って石鹸を泡立て、使用済みのバイブを綺麗に洗っていく。
 この作業も慣れたものだ。

 濯ぎ終わったバイブの水滴を軽くタオルで拭い、備え付けの棚に置く。数分ほどで問題なく乾くだろう。
 鏡に映る誰かの姿にふと気付いたのはそんな時だった。
 反射面に張り付いた霜を手で払い、その人物に視線を向ける。

 鏡の中には、女性がいた。

 美しいブロンドと白磁の肌。殆ど完璧に近い均整を保ちつつも、どこか無機質な顔付き。
 正に人形のようなという表現がしっくりくる、ぞっとするような美女だった。
 じっと見詰め合う私と彼女。その彼女が私自身だと気付くのに数秒を要した。はっと我に帰る。

 自分自身の事を美女と評してしまったのだから、もしかすると私にはナルシストの気があるのかもと思ったりもしたけど、やはりそれは違うと即座に否定した。
 すなわち私の本心は、鏡に映るこの姿が私であると納得していない。彼女が他人であるという可能性を肯定したがっているのだ。たとえ論理性が皆無であったとしても。
 じっくりと鏡の中の彼女を観察してみる。顔の造りそのものは、捨虫の術によって寿命を捨てたあの時の私となんら変わってはいない。

 しかし、腰の辺りまで伸ばした金髪と、双眸にかかる長い前髪。そしてその隙間から覗く物憂げな瞳と張り付いた隈は、あの頃の私が持ちえなかった物だ。
 憂鬱が染み付いた表情。その顔付きは、毎日が楽しかったあの頃の私とあまりに乖離が大きすぎる。
 認めたくない。それが紛れもない本音だろう。私は楽しかったあの頃の私こそが今の私の容貌であってほしいと願っているのだから。

 ――なんて愚かな。

 自嘲が漏れる。
 私がそれを願うなんて、あってはならない事なのだ。
 鏡の中の表情が酷く歪んで見えた。

 ――あぁ。ひとりぼっちは、寂しいな。

 今更ながら、そう思う。
 けれど、この寂しさをどうにかするため、また一度繋がりを求めるなんて事をするには私は無気力過ぎたし、意固地過ぎた。
 長い長いひとりぼっちが私をひとりぼっちの怪物にしたのだ。
 それにだ。そもそも私が再び誼みを求めるなんて、そんな傲慢な話、許されるはずがない。
 何しろ、あの幸せな時代を叩き潰し、踏みしだき、周りの手を全て振り解き、そして一人だけの殻に閉じこもったのは、他ならぬ私自身なのだから。

 私の生涯で最もつらい思い出が詰まった記憶の引き出しを開ける。
 それはひとりぼっちな私を決定づけた事件だ。
 歪んだ顔のまま鏡より視線を外す。そして手を伸ばした先、壁に立て掛けてある箒を掴んだ。
 年代物の竹箒。その柄の先は赤黒く変色してしまっている。
 それは私の罪の証。私の独りよがりが誰もかもを不幸せにしてしまった烙印。

 結局当時の私は若かった。浅はかだった。愚かだった。それはもう救いようがない程に。
 ずきりずきりと痛む胸にある種の酩酊と諦観を感じつつ、私は目を瞑り、思い出の中に沈んでいった。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 霧雨魔理沙という人間を特別な存在と感じるようになったのは果たしていつの事だったか。
 何かきっかけがあったのかも知れないし、よくよく考えると一目会ったその時より意識していたような気もする。
 まあ、ともかく彼女の存在が、いつの間にか私の中で大きくなり過ぎていたのは確かだ。それこそ日常生活に差し支えるまでに。

 強すぎる想いは紛れも無い毒である。心を蝕み、思考を侵食する猛毒である。
 私はおかしくなっていた。
 言い訳にもならない。分かっている。しかし私の恐るべき思想に何らかの理由を求めるならそこに帰結するのだろう。
 考え事の為、瞑っていた瞼を開く。煌々と燃える暖炉が暖気を振り撒いていた。

 振り返った先の椅子の上。
 そこには私の狂気の結末。卑劣な手段に自由を奪われた彼女がいた。

「お……おい、アリス。私をこんな風にして一体何をするつもりだ?」

 信じられないような目をした魔理沙が私に問う。語気は強い。しかし言葉の端々は震え、必死で虚勢を張っている事が分かった。
 八卦炉も魔法薬も衣服も奪い取られ、下着姿で拘束される魔理沙は、汚される事に恐怖している。
 普段の魔理沙がいくらじゃじゃ馬でも、やっぱりその根っこはとても乙女なんだと実感した。

「暴れないでね。肌だけで済めばいいけど、あんまり動くと肉まで裂けちゃうかも」

 押し殺したような声だった。
 魔理沙を攫い、拘束した時の興奮はすっかり収束し、今はただただ冷たい感情が私を支配している。

 彼女を椅子に縛り付ける人形用の糸は細く強靭で、すなわち鋭利だ。
 こんな物を柔肌に直接巻きつけるなんて、私の理性は間違いなくどうかしていた。
 これまでに感じた事の無い、激烈な自己嫌悪。吐き気を覚えた。

「い……今なら許してやる。だから、今すぐこの糸を解いて私を解放しろ」

 魔理沙は、言葉遣いだけはまだ強気だった。
 しかし私の『肉が裂けるかも』という脅しを受けて隠し切れなくなった怯えが、その顔には張り付いている。
 その表情が私を暗く俯かせる。

 私は魔理沙のこんな姿を望んだか?
 いつもの快活さを恐怖に喰われ、泣きそうになりながらガタガタ震えるこんな彼女を望んだか?

 まさか。そんなはずない。

 私は魔理沙と特別な関係になりたかった。ただそれだけだった。
 でも私はあんまりにも独りよがりが過ぎた。思慮も何もかもが足りなかった。
 こんな乱暴な手段を魔理沙が理解してくれるなんて、余りにも酷い勘違いを今の今までしていたのだから。

 ああ、勘違い。全てはそれなのだ。

 私は今までこの魔理沙に宛てる感情を愛とか恋とかそんなものだと勘違いしていた。
 しかし実際はどうだったか。当然そんな高尚な感情ではないのだ。もっとおぞましく醜い欲望。
 独占欲。
 彼女の気持ちを一切顧みない。何とも度し難く黒色な感情。
 ああ、童話の中で一番の美しさを鏡に願ったあの魔女だって、きっと私ほどは傲慢でなかったわ!

「アリス。こ……こんな事しても何もいい事なんてないぞ。だ……だから」

 魔理沙の言うとおりだ。これからの行為は私にも魔理沙にも何の利益をもたらさない。
 願えるなら数時間前に戻りたかった。もう一度彼女の眩しく茶目っ気たっぷりな笑顔を見たかった。
 後悔に耐えるように、私はぐっと奥歯を噛み締める。

 でも、もう今更引き下がる事なんてできないのだ。
 私は最悪の選択を選び取ってしまったのだから。今まで積み上げた魔理沙からの信頼を裏切ってしまったのだから。
 後悔なら後で幾らでもしよう。だから今はこの自己嫌悪を、最悪な私に相応しい最悪な方法で撒き散らす事にするのだ。
 俯いていた顔を魔理沙に真っ直ぐ向け、ギッと睨む。理性を擲ち、限界まで声を張り上げた。
 
「五月蠅い! 五月蠅い! 黙りなさい!」

 ヒステリックな叫び。知性的でいられない私の理不尽極まりない叫び。
 でもどれだけ理不尽と分かっていても、一度暴走してしまった私の口は止まらない。

「分かってるの魔理沙! 全部全部あなたが悪いんじゃない!」

 ――パン!
 そんな音が部屋に響いた。
 私の平手が寸分の狂いも無く魔理沙の顔面を捉える。
 予想だにしない私の激昂がショックだったのだろう、頬を赤くしたした魔理沙は目に涙を浮かべていた。
 きっと何故怒られているのか分かっていない。分かるはず無い。何しろ私だって分かっていないのだから。

「どうしてそんな顔してるの! 殴られた理由が分からない? 
 この低脳! 魔法使いでしょ!? そのくらい理解しなさいよ!」

 口汚く魔理沙を罵るたび、私の胸に刃が刺さる。
 この罵声は、私自身に宛てられるべきものだ。魔理沙は完膚なきまで被害者で、全ての悪は私にある。
 惨めさに耐え切れず涙腺を上る熱。しかし私は更なる怒気でそれを掻き消す。
 だって、私は決めたのだ。最悪な私のまま、残虐に冷酷に魔理沙を蹂躙し尽くすと。だから、涙は絶対見せない。
 大きく広げられたまま椅子に固定された魔理沙の太腿をジロリと睨む。

「魔理沙! どうしてあんたはこんなに股を開いてるの!? しかも下着姿で。はしたない!」
「だ……だって、これはアリスが……」
「五月蠅い黙れ! 言い訳するな! どうせあんたの事だし、やらしい妄想してたんでしょ? この淫売が!」
「……いん……ばい?」

 よくこんな乱暴な受け答えが出来るものだと思う。自分でも驚く。
 淫売なんて呼ばれ純情な魔理沙の心はさぞ傷ついただろう。ポロポロと涙を流し始めた彼女に、男勝りな御転婆娘の面影はない。
 ああ、泣きたいのは私の方だっていうのに。
 その理不尽な思いは怒りに変換され、私の胸に潜む残虐性が徐々に目覚めていく。

「ぐすっ。ちがうもん……私はそんなんじゃない。だ……だから淫売なんて呼ばないで……」
「黙れって言ってるでしょうが! 学習能力ないの?
 それにね、あんたは自分でどれだけ違うって言おうが淫売なのよ。生まれつきね。汚らわしい!
 ……そんなに否定したいなら、確かめてあげる」
「……た……確かめるって何を? え? や……やめて! そんな事」

 私は魔理沙のドロワーズに手を伸ばす。下着としては分厚いその布地の上から、割れ目にそって指を這わせた。

「イヤ! そんな所さわらないで!。何が楽しいのよ!」
「……上からじゃ良く分からないわね」

 普段の男言葉も鳴りを潜め、今の魔理沙はか弱い普通の少女だ。
 だから、きっとこんな物を見れば、酷く怯えてしまうだろう。泣きじゃくってしまうかも知れない。
 私が取り出したのは裁縫用の大きな鋏。その黒光りする鋭利な刃に魔理沙は顔を引きつらせた。

「動くと、あんたの卑しいおまんこがざっくりいっちゃうわよ」
「ひっ! や……やめてよ! 嫌! やめてお願いだから! 私が悪かったなら謝ります! ごめんなさい!」

 ざくざくと音を立てながら切り裂かれていく魔理沙のドロワーズ。
 彼女の泣き叫ぶ声から、先程まで辛うじて残っていた反抗心が消失した。
 プライドを捨て、涙ながら私に懇願する事を彼女は選ばざるえなかったのだ。
 そんな選択をさせてしまった事に、私の肺腑が抉られる。
 しかし鋏を操る私の手は冷酷に仕事を果たした。程なくして、まだ毛も生え揃っていない彼女の幼い女性器が露になる。当然の如く濡れてなんていない。

「ほら、あんたのやらしいおまんこ丸見えよ。どうせガバガバなんでしょ? オナニーばっかりしてるから」
「……え? オナニーなんてしたこと……。……あっ! ごめんなさい! 言い訳してごめんなさい。許してください!
 オナニーしてます。私はオナニー大好きなやらしい娘です。素直になりますから、だから酷いことしないで!」

 私に許してもらおうと魔理沙は声を張り上げる。機嫌を取ろうと、自分の口で自分を貶めてまで。
 彼女の綺麗な秘裂を見れば、そんな経験がない事は簡単に分かるというのに。

 私は最低な女だ。魔理沙がこう答える事を知っていて、あんな質問をしたのだから。
 強くなる吐き気を堪えつつ、私は秘裂に指を這わす。余った方の手で淫核を摘まみ上げる。

「ふーん。オナニー大好きなんだ。よく言えました。じゃあ特別に私が気持ちよくしてあげる。感謝しなさい」
「ひぐっ……そんな嫌だ……。あ……違います! い……嫌なんかじゃありません! 
 アリス様ごめんなさい。魔理沙はアリス様の言うとおりにします! だから酷くは虐めないでください!」

 アリス様――そう呼ばれ私の体に衝撃が走る。思わず涙が溢れそうになった。
 ああ私は、私と魔理沙が対等の関係であった少し前に二度と戻れない事を、他ならぬ魔理沙の口から宣言されてしまったのだ。
 悲しさ。寂しさ。今の感情はそんな言葉で表せるものじゃない。
 真っ黒い絶望だ。赤黒い憤りだ。穢らわしい虚空だ。

「虐める? 何言ってるの? 淫乱なあんたにとっちゃご褒美でしょうが。思いっきりかき回してやるんだから!」
「ひぃっ! ごめんなさいアリス様! 私頭悪いから失礼な事言って。お許しください!」

 涙が出そうなのを誤魔化すように私は語気を荒らげる。
 がりがりと爪で魔理沙の未発達なクリトリスを擦った。
 快感なんてあるはずがない。魔理沙は苦痛に顔を歪め、しかし叫べは私に怒られると思っているのだろう。声を必死で噛み殺している。
 そんな彼女の態度に私は指をさらに乱暴に動かす。

 本音を言えば、私は彼女に反抗して欲しかったのだ。あの凛々しい顔付きで「お前は間違っている」と叱って欲しかったのだ。
 分かっている。それは、もう叶わない事。
 それを求めるには、魔理沙はすっかり従順になってしまったから。この上も無く哀れになってしまったから。

「痛っ! ぐぅぅ! うあぁぁ!」

 でも、それでも諦め切れなかった。苦悶に悲鳴を我慢しきれなくなった魔理沙が現実だというのに。
 きっと魔理沙がかつての快活さを取り戻す事はもう二度とないのだろう。私の所為で。
 気が付けば唇を噛み締めていた。味覚に感じた錆臭くえぐい刺激が私の陰鬱を加速させる。
 私はすっと魔理沙を責めていた指を離した。魔理沙は涙を一杯に溜めた瞳で許しを請うように私を見つめていた。

「……あんたが次の責めに耐えられたら、許してあげる」
「……え?」

 意外そうに、しかし確かな希望を魔理沙は顔に浮かべた。
 でも、きっと私はそんな彼女の期待を裏切ってしまうのだ。それも酷く残虐な方法で。
 壁に立てかけられた彼女の宝物。それを手に取り、彼女に見せる。

「ほら、あんたの相棒。大事に思ってるんでしょ? じゃ、初めてあげちゃっても本望よね?」
「アリス……様? おっしゃっている事の意味が……」
「分からないなら教えてあげるわ。こうするのよ」

 魔理沙の箒。
 その柄の先端を魔理沙の開かれた股にあてがう、そしてそのまま体重を乗せて、一気に魔理沙の膣に突き刺した。

「ぐぁ! うあぁぁ! 嫌あぁぁぁ!」

 絶叫であった。目を見開き魔理沙は喪失を感じている。
 潤滑も優しさもなく突き破られたのだ。何の心構えも無かった彼女にとって、どれほどの激痛だっただろうか。
 ゆっくり箒を引き抜く。
 処女であった事を証明する血液が、柄にべっとり付着していた。

 顔をしかめる。
 こんな形で奪いたくなかった。今更ながら思う。酷く傲慢な思考だ。
 きっととんでもなく陰気な顔をした私は、魔理沙の膣に箒を出し入れし始める。

「痛いぃ! やめてぇ! 痛い! しんじゃう!」
「やめて欲しかったら叫んでる場合じゃないでしょ! 許しを請いなさい! ごめんなさいって、私が満足するまで!」

 背筋が凍るほど冷酷な私の声に、魔理沙はやはり従順で可哀想だった。

「アリス様ぁ! ごめんなさい! ごめんなさい! どうか魔理沙をお許しください!」

 痛みを堪え、叫ぶようにして必死に謝っている。殆ど盲信的に。
 しかし魔理沙の懇願にもかかわらず、箒を出し入れする私の手は容赦なさを増している。
 突き入れられる柄が深すぎるのだ。経験がない私にも分かるほどに。
 多分子宮口まで達しているんじゃないだろうか。

「……ぐすっ……ごめんなさい。……ごめんなさい」

 しばらく腕を動かしていると、徐々に魔理沙の声から勢いがなくなってきたのが分かる。彼女も色々と限界なのだろう。
 箒が抜かれるたび、垂れ落ちた魔理沙の血液で絨毯が染まっていく。
 私はこの時何か叫んでいた気がする。感情がぐちゃぐちゃになりすぎて頭が真っ白だった。

「これで……最後よ!」

 気が付いた時。私は魔理沙の膣に挿入された箒を、蹴り飛ばし更なる奥にこじ入れていた。
 ぜいぜいと激しく息を付きながら、私はゆっくりと顔を上げ、魔理沙の様子を窺う。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 もう私の手は止まっているというのに、魔理沙の口はうわごとのように、ごめんなさいを繰り返していた。
 道理。だって彼女は普通の女の子だもの。こんなにも酷い責め苦に精神が耐え切れなかったのだろう。

 ぼんやりと魔理沙を見つめる。
 大切なものを喪失した数時間にいよいよ私の感情も限界に近い。気を抜けば狂ったように泣き叫んでしまうだろう。
 でも、もう少し我慢しないと。最後の仕上げが残っている。
 私は自らのショーツを脱ぎ去り、魔理沙の膣から箒を引き抜いた。その血に塗れた先端を、私の秘裂にあてがう。
 濡れてはいない。強引に力で突き刺すだけだ。

「……つっ! ぐぅ!」

 膣を抉られる感覚に私は顔をぎゅっと目を瞑る。
 気持ちよくなんてない。ただただ痛かった。
 突き破られた処女幕。魔理沙の血液にかぶさって、私の破瓜の血が箒の柄を伝い落ちる。

 本当なら、魔理沙と認め合える関係になって、その上で彼女に貰って欲しかった。
 愛に包まれた、幸せな私と魔理沙で抱き合いながら始めてを迎えたかった。
 しかしそれはもう終わってしまった夢。私が自らの手で壊してしまった夢。

 失ってしまったものの大きさを噛み締め、乱暴に膣から箒を引き抜く。乱雑に投げ捨てると、飛び散った真新しい血液が絨毯に赤い染みを作った。
 そして私は踵を返す。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 私が扉に向かっている間も魔理沙はずっと謝っていた。嗚咽を漏らしながら。壊れた機械のように。
 そんな彼女に背を向けたまま私は部屋を後にした。ガタンと乱暴に扉が閉まる。

 廊下はひたすら暗く寒かった。冬の空気が居座っている。でも私の心はもっともっと冷たくなっていた。
 ぐっと食いしばった歯。自己嫌悪も後悔も何もかもが限界だ。

 張り詰めていた糸が切れる。
 がくりと膝を着いた。ぼろりぼろりと溢れ出す涙。自責に耐え切れず、負の感情が爆発した。

「ねえ! どうして! どうしてこんな事になっちゃたのよ!」

 背骨を丸め、顔を涙でぐちゃぐちゃにしながら私は叫ぶ。
 がつんがつんと、床を力一杯殴り付けながら。

「畜生! 畜生! 畜生! どうしてよ! 私! 答えなさいよ私!」

 何回も何回も、狂ったように叫び、拳を叩きつける。たとえ血が滲んでも。
 バキッと嫌な音がした。石造りの廊下との度重なる衝突で、拳の骨が砕けたのだ。でも腕は動きを止めない。
 まともに握れもしないぶよぶよの拳が血を振り撒く。水溜りを作るほどの勢いで涙が溢れる。
 泣きじゃくった。なりふり構わず、ひたすらみっともなく。涙枯れてしまうまで。

 扉の向こうで魔理沙はまだ「ごめんなさい」と繰り返している。
 取り返しを付かない事をしてしまった私は、その後とうとう最後まで彼女と顔を合わす事が出来なかった。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 箒の柄を膣に挟みこみ、私は絶頂を迎えた。
 びくんとびくんと体を痙攣させつつ、生気の無い瞳で周りを見つめる。寂しさが居ついた私の家の洗面所だ。
 何て度し難い女だろうか。自己嫌悪する。私はあの残虐極まりない思い出の痛みで、体を昂ぶらせたというのだから。
 箒を抜くこともなく、私は静かに体を横たえる。

 思えば彼女と会ったのはあの時が最後。
 人形たちによって人里に運ばれた魔理沙は、魔法使いを止めてしまったという。
 実家の道具店。そこでちょっとした物音にもびくびく怯えながら生涯を終えたと聞く。

 普通の冠詞をもちながら、しかし最も普通でなかった魔法使いの彼女を、私は壊してしまった。
 ダイヤモンドの如く輝いていた彼女を、路傍に転がる石ころに変えてしまったのだ。
 いくら後悔しても、しきれない。

 魔理沙を蹂躙したあの日から、私は引きこもりがちになった。
 魔理沙をあんな風にしたのが私だという噂はすぐに幻想郷中に広まり、私をあからさまに拒絶する人や妖怪が増えたのが一因。
 しかし、それ以上に私の心が喪失感に耐えられなくなったという要因の方が大きいだろう。
 心を病んだ。
 他人と関わる事に酷く無気力になっているのだ。

 私が未だ心のどこかで願っている事がある。
 すなわち魔理沙が復讐に来てくれないだろうかと。ありえない事だとは知っている。でも、願わずにいられない。
 あの後、誰もが私を罰しに来てくれなかった。
 ただただ、私が自分の意志でひとりぼっちになった。それだけだったのだから。

「……喉、渇いた」

 差し込まれたままになっていた箒を引き抜く。乱暴に扱われた膣がひりひり痛んだ。
 元の場所に箒を立てかけ、私はふらふらとキッチンへ向かう。
 陶製のティーポットには蜘蛛の巣がかかっていた。随分長い間使っていない。

 巣を軽く払い、水の入った鍋を火にかける。
 熱湯の準備が出来るまでの時間で私は茶葉を探し始めた。
 一通り漁った棚の中で見つけたその多くは、劣化が酷くて飲用に堪えそうにない。
 そんな中見つけた未開封の小さな茶缶。一種のマジックアイテムであるそれだけは、紅茶の芳醇さを十分に保っていてくれていた。

 グラグラと鍋が音を立て始める。

 体にすっかり染み付いた作業工程に従い、ティーカップに注がれた赤い液体。
 茶菓子を用意する気にはなれなかった。しかし、今はそれで満足。
 カップに口を付け、一口啜る。

 優しい香りと、温かさが、冷えた体に染み渡った。
 いい紅茶だった。作り手はきっとお茶が大好きだったのだろう。
 茶缶を軽く指で転がす。そういえば、私にこれをくれた彼女は、私が会いに行ったときは大体一人優雅にティーカップを傾けていたように思う。

 その映像は、ひとりぼっちを選んだ私が、差し伸べられた救いの手の悉くを払いのけてきた、愚かな半生を象徴する記憶だ。
 苦笑いしてみる。

 カップに残った紅茶をごくりと飲み干し、私はゆっくり瞼を閉じた。
 







  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 魔理沙をあんな風にしてしまってから、私の生活は一変した。
 基本が引きこもりである。

 食事も殆どしなくなったし、外出も必需品を買いにひっそり人里を訪れるくらいだった。
 死んでしまえば楽なのに。そんな事も考えたけど、それをするに私は無気力が過ぎて。
 でも、生を謳歌する事を肯定するには、自分自身に対する失望が大き過ぎて。
 そこには、ただただ無気力で自暴自棄な私がいた。

 生ける屍のような毎日。
 ただ、自傷する事に、ほんの少しの充実を覚えるようになったのは丁度この頃だった。








「……あら。また来たの?」

 ちらちらと粉雪が舞っていた。しかしそんな寒さを気にも留めず、彼女は白いパラソルの下、一人ティーカップを傾けている。

 風見幽香。

 ここ太陽の畑をテリトリーとする大妖怪だ。
 最初会ったのは私がまだ幼い頃。当時と髪の長さこそ変わったけど、他は全く変わらない彼女が、幽鬼の様に佇む私を一瞥する。

「幽香。今日もお願いできるかしら?」
「貴方も物好きね。まあ、私も暇だし断りはしないけど」

 目を合わせる事無く幽香はそう言った。いつもの慣れたやり取りだ。
 彼女の回答に、私は恥じらいも無く衣服を脱ぎ去っていく。一糸纏わぬ体に、冬の冷気が肌を刺した。

 幽香と私の関係というのはそんなに深いものではない。
 ただ、一つの共通点があったから私はここにいる事ができる。
 それは、彼女も私も他人との繋がりを求めないところ。独りなところ。

 彼女の名誉の為付け加えると、彼女は独りだけど、私とは根本的に違う。
 すなわち孤高。独りでいる事が十分過ぎる説得力を持つ存在。
 例えば、草原に佇む獅子が、己以外の生物を餌食以上のものと認識しないように、尊大なまでの自負を以って彼女は独りでいる。
 それは詰まらないプライドや臆病さに縛られて私の選んだ、孤独という性質とは似ても似つかない存在。

 結局突き詰めれば自分以外に興味がないのだ。彼女は。
 だから、私に対して特別な感情を向ける事も無かった。怒りをぶつける事も、憐憫を注ぐ事も無い。
 彼女が誰に対しても平等にそうするように、蔑んでいただけだ。
 ただ、そんな彼女だからこそ、気が楽だった。

「ふわぁ……じゃ、精々楽しみなさいな」

 欠伸混じりの声で、幽香は私に声をかける。その細く長い指がパチンと鳴らされた。
 次の瞬間、私の体は何かに絡め捕られ、宙に浮く。
 冬の厳しさに枯れた向日葵畑。その薄く雪の積もる殺風景な土壌より突如出現した数本の太く長い蔦。それが私を拘束したのだ。

 今から、この蔦に私がどうされてしまうのか、それは良く分かっている。それを求めて私はここに来たのだから。
 何度も何度も同じ事を求めてここまでやってきた。私は体を酷く陵辱されたかったのだ。今や肉体が倒錯にすっかり適応してしまっている。

「……今日も、よろしくね」

 私の声に反応するように、一際太い蔦の丸い先端が粘っこい液体をドプリドプリと私に浴びせる。
 すると、細かく枝分かれした蔦が、その大量の粘液を私の体全体に満遍なく塗りたくっていくのだ。

「ん……凄い匂い……」

 その強い異臭に私は恍惚としてしまう。
 早くも体が火照り始めていた。
 乳房を搾るように蔦が巻きつく。少し痛いくらいの方が私の好みだ。何度もこの蔦とは交わっているうちに“彼”は学習したらしい。
 この蔦は幽香の支配下であるけど、ある程度自立しているのだろう。

 ふと幽香の方を見れば、悠然とティーカップに手をつけていた。こちらには視線を向ける事すらしていない。

 ちょっと気を離した隙に、乳房を緩急付けて締め付けている蔦から枝が伸びる。それは私の乳首をくすぐり、乳腺をぐりぐりと刺激し始める。
 不意打ち気味の快感に、私は甘い吐息を漏らした。

「ん……そこ……好き」

 冷静に考えれば異常な状況だ。
 確かな性欲を以って女体を貪る蔦は紛れ無い異形である。こんな物に体を許し、興奮しているなんて、どうかしている。
 でも、人ならざる者の慰み者になるという、この倒錯したシチュエーションが私の空っぽな心を少しだけ満たしてくれる。

「いいわよ……激しく、乱暴に私を辱めて……」

 体に痣が残るんじゃないかと思えるほど、蔦の締め付けはきつい。それが今は心地いい。
 下半身では細い蔦が私のクリトリスを器用に擦り上げている。
 隣のヘラのような平たい先端を持つ蔦は分泌される液体を私の股間に塗りつけていて、それと幹を同じとする尖った先端の蔦は膣や肛門を優しくほぐしている。

「ふぁん! いい……感じちゃう……」

 蔦は悔しいほど適切に私の性感を刺激してくる。高まる情欲。
 私の秘裂をびちょびちょにするのは、蔦の分泌液だけではない。

「あん……ねえ、そろそろ……」

 甘い声でおねだりしてみる。
 相手は緑色の怪物だ。本当に度し難いと思う。しかしもう我慢できそうになかった。
 幽香はこちらを振り返ることもなく、ただ、ティーカップをテーブルに置いただけだった。
 しかし、彼女にとっては命令を飛ばすのにそれで十分なのだろう。

「ひっ!? ひぐぅ! すご! すごいぃぃ! 大きすぎるのぉぉ!」
 
 ずぶりと、勢い良く私の膣に蔦が挿入された。引き続き肛門にも同じように蔦が入り込む。
 そして、それら二本の逞しい蔦は、リズミカルにピストン運動を始めた。

「ふぁあん! 動いてるぅ! おまんことアナルずぼずぼされてるのぉ! だめぇ! 気持ちよすぎるのぉ!」

 だらしなく涎を垂らしながら、私ははしたなく嬌声を上げる。
 しかし異形に犯される快感は、知性も何もかも捨てて、ただただ雌である自分に溺れる事を肯定させるに十分だったのだ。

 膣に入り込む蔦は、出し入れを繰り返しながらも徐々に進入する深さを増してきている。
 肛門を貫く蔦は、もうピストンする事をやめてしまった。代わりに、ゆっくりと奥へ奥へと腸を蹂躙している。
 乳首に痛みを感じた。
 乳腺に極小の蔦が刺さり、ぐりぐりと穴を抉っているのだ。

「ひぃん! あたまおかしくなっちゃう! あん! もっともっと無茶苦茶にしてぇ!」

 しかし、そんな痛みも、下腹部に埋まる蔦がもたらす苦しみも、今の私にとっては快楽を加速させる要素である。


 幽香の方を見ると、紅茶に満足したらしい彼女は椅子に座ったままうたた寝を始めた。
 彼女の支配が緩んだこの蔦は、とても乱暴だ。
 しかし、その乱暴さがもたらす更なる苦悶に期待してしまう自分がいる。

 蔦の勢いが変わった。膣内を掻き分け、無遠慮に突き進む。
 子宮口を叩き、乱暴に押し開き、さらに深く侵入してくる。

「ひぃぃ! いやぁぐぅぅぅ!」

 急に激しくなった責めに、殆ど半狂乱で私は叫ぶ。
 蔦が子宮内の壁に当たったのが分かった。しかしそれでもうねる緑色の怪物は挿入する事を止めはしない。
 次々と押し入れられる蔦が折り重なり容量を増やし、子宮を風船のように無理やり膨張させていく。下腹が外から見てもぽっこりふくれているに違いない。

 内臓が圧迫される。吐き気がする。
 肛門に挿入されていた蔦も容赦なく奥深くを蹂躙し、もう先端が腸のどこまで達したのかすら分からない。
 激烈な苦痛に、しかしそれでも私の体は恍惚を訴えている。

 腸内の蔦が、ぷっくり膨らんだらしい事がわかった。既にいっぱいいっぱいな私のお腹がさらに膨張する。

「んあぁぐぅぅぅ! ひぃいぃん! む!? むぐぅ!?」

 叫び声を上げ続ける口を塞ぐように挿入された太い蔦。
 呼吸が儘ならなくなる、その苦しさが私をもっと逸脱させる。

 くらくらする頭のまま、私は口を陵辱する蔦へ必死に舌を這わせた。
 気持ちよくなってくれているらしい。とろとろとした酷い匂いを放つ液体が先端から溢れ出す。
 私は恍惚のまま、それをごくごくと飲み干す。

「んぐ!? むぐぅぅぅ!?」

 蔦が喉の奥に侵入を始めた。そして開始されるピストン運動。
 なす術もなく喉を犯される。
 お腹の中でも、子宮や腸を突き破ってしまうんじゃないかと思えるほどの激しさで蔦が蠢きはじめる。
 そろそろ彼も絶頂したいのだ。

「らひてぇ! わらひのなかにいっはひらひてぇ!」

 喉を塞がれているというのに、私は力の限り、異形の精を求める声を上げる。
 そして、私の体にたっぷりの白濁液が注ぎ込まれたのだった。

「ひぃぃ! いっひゃう! いっひゃうのぉおお!」

 あんまりにも熱くてお腹が焼けるかと思った。喉に絡む感触はとても濃厚で量も凄まじい。
 発狂するかと思えるような、苦痛と快感に私はありとあらゆる液体を撒き散らし、頭を真っ白にして絶頂を迎えたのだった。








 粘液塗れになり、ぐったり地面に横たわる私に近づく足音があった。
 幽香だ。

 珍しい。いつもなら、蔦を地面に仕舞った後は私に見向きもしないのに。
 あちこち痛む体を起こし、座ったまま彼女を見上げる。
 寝起きだからだろうか。幽香は何と無く冴えないような顔をしていた。

「裸のままじゃ風邪引くわよ。雪降ってるんだし」

 本当に珍しいと思う。彼女が持ってきてくれたのは私の衣服。
 そして彼女が体を拭けと私に渡したタオルは、他ならぬ彼女の私物。普段の幽香なら、ありえない事だ。

 躊躇いつつも私は幽香よりタオルを受け取り、体に絡む粘液をぬぐっていく。
 そんな私を眺めつつ、幽香は何やら考えるような表情をしていた。
 そして、何やら考えが纏まったように軽く頷いてみせると、静かに口を開いた。

「アリス。貴方がここに来るようになって、どれくらい経ったかしら?」

 幽香の声に私は心の底より驚いていた。今、確かに幽香は私をアリスと呼んだからだ。
 何事かと私は幽香の顔を直視する。すると驚きは心に突き刺さる刃となった。幽香の瞳が余りに真剣だったからだ。
 すなわち風見幽香は単なる"貴方”相手で無く、アリス・マーガトロイドに対して話をしている。
 始めて見る幽香の雰囲気に戸惑う私を前に、幽香は神妙な面持ちで言葉を続けた。

「思えば最初貴方をこうした日も雪が降っていた。あれから私達は幾つの冬を跨いだのかしらね。
 でももう、たっぷり苦しんだでしょ? 孤独の上に孤独を塗り重ね、なのに本心じゃそんな事望んでなくて、でも今更どうにもできない。
 そんなジレンマに絡めとられ、胸を締め付けられ、心は冷えきって。
 ……でも、もう十分じゃないかしら? なんだかんだで貴方とは長い付き合い。踏ん切りがつかないなら協力くらいしてあげる。
 だから――」

 幽香はぴしゃりと閉じた日傘を私の胸に突き付ける。その切っ先は私の心臓をいつでも捉えられる位置だ。
 その紅い瞳がほんの少しだけ、悲しそうに翳った気がした。

「――楽に、なっちゃえばどうかしら?」

 信じられない気持ちだった。
 幽香が、提案したのは私の死。しかし、その言葉に込められていたのは、ひたすら純粋な私に対する慈しみ。
 私は幽香に優しくされてしまったのだ。
 久しぶりに感じた優しさが、重く、痛い。

「……少し考えさせてもらっていいかしら」
「そう、まあ私は大体ここにいるし、気が向いたら来ればいいわ」

 幽香がせっかく用意してくれた機会である。それもあの他人に興味を持たない彼女が私の為だけに。
 しかも彼女の聡明な思考を以て選ばれた最善の贈り物である
 断る理由は見つからなかった。だから私はそう遠くない内に彼女の元を再び訪れるのだろう。感謝で胸を満たして。

 ……そう思っていた。

 なのに結局私はそれをする事ができなかった。馬鹿げた話だ。
 せっかく幽香は私に繋がりをくれたのに。私の最期をひとりぼっちにしないと言ってくれたのに。アリス・マーガトロイドに安息を与える事に風見幽香が責任を持つと決断してくれたのに。

 それなのに。
 それだというのに、愚かな私は結局孤独を手放す事ができなかったのだ。

 ひとりぼっちは毒だと思う。
 ひたすら私を不幸せにする厄介者だというのに、私はいつの間にか、すっかりひとりぼっちに依存しきっているのだから。
 私はもう、ひとりぼっちでいる事しかできない。どんなに他人の優しさが温かくても、頑なに拒絶することしかできない。

 何て非生産的な感情だろう。ますます自分が嫌になる。

 あの後、幽香とは会っていない。
 代わりに人形の研究に熱が入り始めた。
 実に馬鹿らしい。頑迷なまで孤独に拘りながらも、本当は寂しくてたまらないのだから。
 人形に没頭する事で、寂しさを誤魔化そうというつもりなのだろう。何とも愚かしい話だ。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 椅子に腰掛けたままの姿勢で、ビクンビクンと体が震えた。
 ゆっくり瞼を開き、そして気付く。
 手を触れてもいないのに、どうやら私は想像だけで絶頂を迎えてしまったらしい。

 昂ぶり、慰め、懲りずにまた昂ぶり、また慰め。それを何度も繰り返すのが今日の私だ。おかげで性に関連する感受性がいつもよりずっと敏感になっているという事なのだろう。
 つい先程絶頂したばかりだというのに、未だ私の情欲は旺盛だった。どうやら何かが振り切れてしまったようだ。

「……ふぅ」

 軽く溜め息をつく。熱っぽい息だった。
 こんなどうしようもなく堕落した日に私は“とっておき”を使う事にしている。

 椅子から立ち上がり、キッチン備え付けの棚を開ける。中には褐色の薬瓶。
 実は、幽香と決別した後の私には、一度だけひとりぼっちの深淵から私を救い上げようとする手が差し伸べられた事があった。
 まあ、やはりというか、私は結局ひとりぼっちのままではあったのだけど。

 私に手を差し伸べた奇特なその彼女が、餞別とと私に渡したのがこの薬だった。
 その薬効を鑑みるなら、渡した彼女も彼女だが、受け取った私も私だ。

 きゅぽんと音を立て、薬瓶の蓋が開けられる。
 ティーカップに中身を数滴垂らし、その上から紅茶を注いだ。
 そしてゴクリと一気にカップを空にする。紅茶はぬるくなってしまっていたけど、それは気にならない。
 程なくして私の体は変化を訴える。
 熱く熱く脈打ち始めた秘部に、私は薬の効果を実感し、躊躇う事もなくそこに手を伸ばしたのだった。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 幽香と最後に会った日から、何回目かの冬が訪れた。
 粉雪がちらつき始めた魔法の森。自宅の前で私は何をするでもなくぼんやり佇んでいた。
 最近というのは殆ど地下室で寝起きするような毎日である。だからたまにこうやって外に出ることは気分転換になるだろう。

 とは言え、それを積極的にする私ではなかった。基本的に外に出ることは大嫌いなのだ。
 そういう意味でこの日はとても珍しい。自ら冷たい外気に触れてみたいなどと思い立ったのだから。
 後で考えると、何か運命じみたものを感じた。
 何しろ客など来るはずの無い私の家である。しかしこの時私は、薄く大地を覆う雪の上に足跡を残しながらゆっくり近づいて来る人影を確かに見たのだ。

 「久しぶり。元気してたかしら」

 抑揚のない彼女の声に私は顔をしかめる。

「……分かってて言ってるでしょ? 性格悪いのは相変わらずね」
「口を開けばまず皮肉が飛び出す貴方より、幾らかマシだとは思うけどね」

 彼女は気だるげないつもの瞳で私を見つめている。私は一つ溜め息をつく。

「……まあいいわ。何の用かは知らないけど、とりあえず入って」
「温かい紅茶でいいわ」

 パチュリー・ノーレッジ。
 濃紫の長髪を揺らし私の家を訪れたのは、かつて縁のあった魔女であった。










「……で、どういう風の吹き回しかしら?」

 冬の寒さに冷えた手を温めるように、熱い紅茶の入ったカップを両手で握っているパチュリーに私は尋ねる。

「察してくれないかしら? 私の格好を見て」

 ふうふうとカップの中身に息を吹きかけつつ、彼女はそう答える。
 目を合わせて喋ろうとしないのは、彼女がそういう性格だからだ。今更気にしてもしょうがない。
 同様に彼女の不親切な受け答えも、気にしたところでどうにもならない事だ。

 仕方なく私はパチュリーの格好をしげしげと見つめてみる。
 確かに違和感なら一目見た時からあった。今の彼女は、いつも彼女が着ていた寝巻きのようなあの服装ではない。
 それで私は悟る。

「なるほど。葬式帰りなのかしら?」
「まあね」

 黒一色のシンプルなデザインのドレスに身に纏うパチュリーは答える。
 カチリと小さな音を立てて、ティーカップがソーサーに置かれた。

「魔理沙が死んだわ」
「……そう」

 表情を変える事も無くパチュリーは冷静に言い放った。
 私は無感情を装う。しかし私の胸に突き刺さる刃は激しく疼き始めていた。

「熱病であっさり逝っちゃったんだって。まだ若いのに可哀想に」

 パチュリーは可哀想にと口では言ったが、果たして本心でそう思っているのか? 
 彼女の表情は、そう見えなかった。
 そのことが私を苛立たせる。

 何とも傲慢な感情だ。パチュリーが魔理沙に興味を失ったとしたなら、その原因は間違いなく私にあるというのに。
 なのに私は、皆に愛されたあの魔理沙のまま、せめて最期は幸せに看取られて欲しかったと望んでいるのだから。
 憤りや自己嫌悪や、様々な感情が体を廻る。それらを押し殺すように私は口を開く。

「で、何? 貴方はわざわざそれを知らせに来てくれたって訳? とんだお節介だわ」
「まさか、そんな詰まらない事でこんな陰気な場所にこないわよ」

 パチュリーの雰囲気が変わった。
 無表情なのは相変わらずだけど、その声には明らかに感情的な物が混じっていたのだ。

「……霧雨魔理沙。思えば変な人間だったわ。
 うん、正直迷惑だと思ってた。あいつのせいでウチの図書館がどれだけの損害を被った事か。
 でも、どうしてでしょうね。
 魔理沙が普通の詰まらない人間になってしまったあの時から。
 マナーを守らない不躾者の消えた図書館の、心地よいはずの静粛を感じたその時から。
 私はどうしてこんな虚無感を胸に孕んでしまったのかしら?」

 思い出すように、噛み締めるように、一言一言パチュリーは言葉を紡いでいく。

「私は魔女だし、もっとドライな生物だと思っていたのだけどね。
 魔理沙は危なっかしい人間だったし、その内大変な目に遭うかもしれないとは思ってた。
 だから、彼女があんな風になったのも、なるべくしてなったんだって納得したつもりだったんだけど」

 パチュリーは一つ溜め息をついた。そして私の瞳をじっと見つめる。
 様々な感情が交錯して色が定まらない瞳だった。彼女にこんな目ができたのかと、少し驚く。

「やっぱり考えが変わったわ。アリス。復讐させなさい」

 調子は軽く。しかし重大な内容を持つその一言。
 でも私は少し安心する。彼女にとって魔理沙は決して軽いものでなかったと知ったからだ。
 復讐。なんと甘美な響きだろうか。
 それは私が渇望していたことだ。静かに私は答える。

「……ええ、好きにしなさい」










 パチュリーがバックから取り出した薬瓶。彼女はその中身を私の紅茶に一滴垂らす。紅茶の紅が薬で一瞬濁り、そして一体化する。

「毒殺するつもりで来たわけじゃないしね。だからこれは、そういう類の毒じゃないわ」

 パチュリーは自分の紅茶にも一滴薬を垂らすと、ぐっと飲み干した。私も同じように紅茶をあおる。

「ちょっとした肉体改造薬。ウチの司書が作ってくれって五月蠅くってね。
 ……どう? そろそろ効いてきたんじゃない?」
「うっ? ……うぐぅ……」

 私はパチュリーに何も言葉を返す事ができなかった。
 薬を口にしたその時から、心臓はドクンドクンと壊れるんじゃないかという激しさで脈打っている。
 体中が熱くて、まるで血液が沸騰しているかのような錯覚を覚えた。
 苦しくて呼吸も碌にできない。こんな状態では声を出すことなんて出来るはずが無かった。

「苦しいかしら? まあ慣れないとそうよね。私もそうだった。でも安心しなさい、すぐに収まるわ」

 私はこのまま死ぬんだ。そう思えたほどの苦しみだったが、どうやらパチュリーの言葉に嘘は無かったらしい。
 徐々に脈拍が落ち着き、熱病の様な異常な発熱もゆったりと引いていった。
 いや、感覚としては引いていくと言うよりは収束していったという表現が適切かもしれない。私の体が孕んでいた熱は今、ある一点に集約されていた。
 少し余裕ができた私は、汗だくの顔をその熱へ向ける。眉間に皺が寄った。信じられない物を見たからだ。

「ちょ……ちょっと、何よ、これ?」
「何って……ペニスじゃない。男の性器」

 そう、私の股間。女性器の上に隣接し下着を膨らませている肉の棒。それは紛れも無い男性器だったのだ。

「そんなに驚いて、もしかして見るの初めてだった?」
「そういう問題じゃない! どうしてこんな物を!」

 想定外の事態に、幾らか頭が混乱しているらしい。私の声は随分と感情的だった。
 しかしパチュリーは私の感情を浴びせられても、冷静なままだった。その冷静な表情のまま喪服に手をかけ、すっと脱ぎ去る。下着も躊躇う事無く同様にした。
 裸になったパチュリーが私に近づきつつ、口を開く。心なしか艶めいた声のような気がした。

「どうしてって、決まってるじゃないの――」

 ぐっと体を掴まれた。予想以上に力が強くて、私はなす術もなく床に押し倒されてしまう。

「――これで、貴方をたっぷり虐めるためよ」

 耳元でパチュリーが囁いた。その彼女の股間には血管を浮き上がらせた醜悪なペニスが堂々と屹立しているのだった。

 ――ああ、今から私はあれで犯されてしまうのだ。

 そう思うと拒絶したがっている私の理性に反して、私の肉体は自然と昂ぶってしまうのである。
 それに、そもそも私に拒否権などありはしない。彼女はわざわざ復讐に来てくれたのだ。ならば感謝しないと。
 私は、抵抗するように掴んでいたパチュリーの腕を離した。そして恭順を示すように、ゆっくり股を開いて見せたのだった。

「……これで、いいのかしら?」
「ええ、いい子よアリス」

 ニヤリとパチュリーは満足そうな笑みを浮かべた。










「ふあぁ! うぁ! ひぐぅうぅぅ!」
「可愛いわアリス。ふふ……どう、生えたばっかりのペニスは?」
「だ……だめぇ。ひっ! おちんちん、き……きもちよすぎてぇ! あたまおかしくなるぅ!」
「そう、じゃあ、もっとおかしくしてあげるわ。……ん……ちゅぷ……れろ」
「ひぃ! むりぃ! こんなの! こわれちゃうぅ!」

 ペニスがもたらす快感は、私の経験に無いものだった。
 私を仰向けに寝かせたパチュリーは、大きく開かせた私の股間の前に四つん這いになり、私を責め続けている。
 先程まで私のペニスを手で扱いていた彼女は、今度はその口にペニスを咥え込み、舌を器用に使って刺激し始めた。

 温かく濡れた口腔と、ねっとり絡みつく舌の責めは私の理性を奪うに十分だったらしい。
 彼女の舌先が亀頭を突付くたび私は情けない悲鳴を漏らし、彼女がほっぺをへっこませてペニス全体を勢いよく吸い上げるたび、私は激しく体を痙攣させた。

「こんなにダラダラ先走りを垂らして、アリスは本当にいやしいわね」
「だ! だめぇ! 吸わないでぇぇ! ひん! だめぇ!」

 ちゅっとパチュリーがペニスの先端にキスをする、そして鈴口から止め処なく溢れ出す私のいやらしい液を音を立てて嚥下していった。
 羞恥に、既に赤い私の顔がもっと赤くなる。でもその羞恥が私をもっといやらしい子にしてしまう。

「こっちもビチャビチャじゃない。そんなに気持ちよかったの?」
「ひゃ! あんっ! だめぇ!」

 快感に腰が勝手に浮き上がる。パチュリーが指をつっ込み、ぐちゅぐちゅとかき回しているのは私の秘裂だ。
 だらしなく愛液を垂らし続けるそこは何の抵抗もなく指を受け入れている。
 強烈な快楽が私の理性の楔を打ち砕いた。酩酊が酷くなる。それは私に更なる快楽を獣のように貪ることを強制するのだ。

「ねえ! パチュリー! いいでしょ! あんまりじらさないでぇ!」

 気が付けば叫んでいた。頭が真っ白くなるほどの快楽を今も与えられているというのに、まだ満足できないと私の口は言い放ったのだ。

「あら? じらしたつもりはないのだけど。 ふふ……まあいいわ。私もそろそろ辛抱できなくなってきた頃だし」

 ニィと楽しそうにパチュリーは笑う。珍しい表情だと思った。あんまり感情を顔に出さない彼女だから。
 しかし、そんな余計な思考は一瞬で終わる。
 私はパチュリーの勃起した赤黒いペニスへ熱っぽい視線を送りつつ、自らの手で秘裂をくぱぁと開き、はしたなくも入れて入れてと懇願しているのだから。

「じゃ、お望みどおり入れてあげる」
「はやく! はやく頂戴! 我慢できないのぉ!」

 パチュリーは何回か軽く亀頭を秘裂に擦り付ける。そしてぐっと腰が押し付けられた。
 しかし、その感覚は私の期待と異なったものであったのだ。

「ひっ!? ひぎぃぃ!? そっ! そっちはぁ!?」
「馬鹿ね。貴方が望むようにしてあげたら復讐にならないじゃない。じゃ動くわよ。せいぜい泣き叫ぶがいいわ」
「ひぐっ!? いたい! いきなりそんな! 激しすぎる!」

 骨髄を駆け上がる強烈な痛み。パチュリーがペニスを突き刺したのは私のアナルであったのだ。
 かなり経験はあるとは言え、前戯も無くあの太い肉棒を無理やり奥まで挿入されたのである。腸壁が強引に拡張される苦痛に私は涙を流しながら、外聞も無く叫び続ける。

「いい具合だわ。とても熱くて、きゅうきゅう締め付けてきて」

 パチュリーの腰には遠慮が無い。ひたすら激しく私のアナルを陵辱している。
 痛覚が焼き切れると思ってしまう程の苦痛に私の叫び声は大きくなっていった。
 しかし……。
 
「いたい! もっと突いてぇ! もっともっと痛くしてぇ!」

 そんな痛みですら、私にとっては快楽を助長する要素にしか過ぎないのだ。体が倒錯を覚えてしまっている。
 激しく直腸を抉られるたび、愛液が勢いよく溢れ出した。半開きの口から垂れる涎は快楽の証明だ。

「痛いのが好きなの? この変態!」
「変態!? そうですアリスは変態です! だからもっと激しいの頂戴ぃ!」
「はは……いいわ。壊れるくらい乱暴に犯してあげる」

 パチュリーはアナルにペニスを刺したまま、私を四つん這いにさせる。
 そしてお尻の肉をぎゅっと掴むと、後から激しく腰を叩き付け始めたのだ。

「ぐあぁあ! 凄いぃ! お尻こわれちゃうぅ!」
「いいわぁアリス! さっきより全然いい! すぐにいっちゃいそうよ!」

 深く深く直腸にペニスを突き刺され私は狂喜する。
 勃起し反り返る私のペニスの先から溢れるカウパー液が、床との間にヌラヌラ光る一本の糸を作っていた。
 パチュリーも随分興奮が高まってきたらしく、叩きつける腰の勢いが強くなっている。
 アナルを深く穿たれるたび、パンパンと肉の当たる音が部屋に響いていた。
 そんな調子で私が快楽の渦の中溺れていると、すっかり怒張したパチュリーのペニスがアナルの中でさらに膨れたのを感じた。

「う……だめ。いっちゃう。アリス! 出すわよ。中にたっぷり注いであげる」
「来てぇ! 熱いの頂戴! パチュリーの精液で私のお尻一杯にしてぇ!」
「あぁん! いっちゃう! いく! いくぅぅ!」

 次の瞬間、直腸に放出された熱い熱い精の塊。
 ビクリビクリと震えるペニスに合わせて、精液がどびゅどっびゅっと腸壁を叩いている。
 私はその感触を、恍惚としながら味わっていた。

「……ふう、よかったわ貴方のお尻」
「……あん!?」

 抜かれたペニスに私は間抜けな声を出してしまう。パチュリーは満ち足りたような表情をしていた。

「さ、綺麗にして頂戴。貴方の下品なアナルのせいで、すっかり汚れちゃったわ」

 精液に塗れ、テラテラ光るペニス。未だ萎えきらないそれをパチュリーは私の鼻先に押し付けた。
 先程まで私の不浄の穴に挿入されていた、汚れの付着したペニスである。
 しかし不潔だからこそ私は興奮してしまうのだ。
 私はペニスを躊躇う事無く咥え込み、音をたててしゃぶり上げた。

「ん……じゅぷ……じゅぱ」
「……ふふ、上手じゃない」

 ペニスを貪るようにして、激しく舌も這わせていく。付着した汚れの想像以上に濃ゆい味わいに頭がクラクラした。
 ひとしきり付着していたものを舌で拭い去ると、パチュリーは満足そうにペニスを私の口から引き抜いた。
 
「ん……もういいわ」

 突然口を空っぽにされた私は、物足りなくて、彼女の顔を見上げる。

「何だか満足してないような顔ね。……まあ、貴方はまだ射精してないものね。
 ふふ……いいわ。手伝ってあげる」

 その時のパチュリーの表情というのはぞっとするほど妖艶だった。
 彼女はその表情のまま、自らの大事なところへ手を伸ばす。そして人指し指と中指を使ってくぱぁと秘裂を開いて見せたのだ。

「どう? 見える? 今からここでアリスの童貞ペニス、もらってあげる」

 ピンク色のそこはぬらぬらと光っていた。
 見とれている私にパチュリーはふふふと笑いを漏らすと、私の体を掴み、仰向けにひっくり返した。
 そして間髪入れず下ろされた彼女の腰。
 体重を感じた。そして気が狂いそうな快感が私の脳みそに叩き込まれたのだった。

「ひぃぐぅ! ふぁ……ふぁぁ!」
「クス……いただいちゃった。アリスどう? 気持ちいい? 初めてのおまんこは」

 パチュリーの膣。初めて味わう女の中身。
 それはあまりに衝撃的で、ちょっとした動きでも私のペニスは敏感に反応してしまう。
 気持ちいいと言おうとしたと思う。しかしそれは言葉という形をもって表現されなかった。そんな余裕などなかったのだ。

「ひふぅ……ひぃ!」
「あら? 言葉を忘れちゃうくらい良かったのね。ふふ、もっと気持ちよくさせてあげる。……ん……あん」
「ひぁあぁ! ひん! ふぁあぁん!」

 パチュリーは腰を上下に動かし始めた。騎乗位の体勢で私は犯されている。
 膣内に入っただけで、私が感じている快楽は凄まじいものだった。それに更なる刺激が加わったのである。
 なす術もない。狂ったような嬌声を上げながら、快楽に精神と肉体を痙攣させる以外の事ができないのだ。

「ひゃん! ひぃ! らめ! きちゃう! らめぇぇ!」

 それは唐突だった。ペニスが爆発したかと思ったのだ。
 ペニスに集まった熱。それが凄まじい快楽と共に弾け飛んだ。

「あら? もういっちゃった? 童貞ペニスには少し刺激が強かったかしら? でも、まだいけるわよね。私を満足させるまでやめないわよ」

 射精と気付いたのは、パチュリーのその言葉を聞いてだった。
 虚脱感。しかしパチュリーは腰を振ることを止めない。敏感になったペニスが熱い膣で擦られる。
 萎えるには強すぎる刺激だった。先程達したばかりだというのにペニスは早くも射精感を訴えている。
 ぎゅるりと絡みつく襞。出し入れされるたびに彼女の秘裂から私の精液が零れるのが見えた。
 その精液のせいで潤滑がよくなっているのだ。我慢なんて出来るはずなかった。

「ひぅ! いぐぅ! らめぇ!」
「また? なんて早漏なのかしら。いいわ、乾涸びるまで搾り取ってあげるわ」

 そして二度目の絶頂。凄まじい量の精子がパチュリーの中に注ぎ込まれた。
 しかしパチュリーはまだ満足しない。私のペニスも一向に萎える気配を見せない。
 快楽の地獄。その底辺で私はのたうち続けたのだった。










 あの後、私はパチュリーに散々犯された。
 ペニスに飽いたら、膣を、アナルを、そしてまたペニスと順繰りに激しく責められて、私は足腰立たなくなっている。
 ぐったりと床に転がる私。
 パチュリーも流石に疲れたらしくて、椅子に座り込みぼんやりしていたのだけど、しばらくすると毛布を持ってきて私の上にぱさりと被せてくれた。

「……あら、優しいじゃない」

 完全な憔悴からどうにか回復したため、私は何とか言葉を紡ぐ事ができた。

「そりゃね、私は周りに思われてるほど冷血じゃないのよ」

くすりと笑みを漏らしながらパチュリーは言う。優しい表情だった。
それを見て、私は行為の後の彼女を見ておぼろげに感じた事を確かめてみる事にした。

「ねえ、パチュリー? 貴方は復讐に来たって言ったけど……」
「ええ、言ったわね」
「それは、本当なの? それが、分からない」

 だって、復讐だっていうのに、彼女は優しすぎたから。
 本当に復讐を望むなら、散々私を犯しぬいた後、床に転がる私に罵声と唾でも吐きかけて振り返る事無くとっとと家から去ればいいのだ。

 なのに、今日の彼女はこんなにも優しい。
 静かに微笑み私の側にいてくれている。アリス・マーガトロイドに触れようとしてくれている。
 まるで私はひとりぼっちでないかのような、そんな感覚さえ私は覚えているのだ。

「うーん。そうねぇ……」

 私の問いに、パチュリー表情を微笑んだまま変えず、一言ずつ回答を始めた。

「復讐するつもりだったわ。少なくとも1週間前までの私ならそうしたでしょうね。
 うん、その時はきっとこの程度じゃ済まない。私の知識の限りを尽くして永遠に続く地獄以上の苦痛を貴方に与えていたでしょう。
 私は貴方に対する怨恨と呼ぶべき感情を、胸の奥に確かに孕んでいたのだから。
 でも。魔理沙が死んだって聞いてね――」

 パチュリーが顔をほころばせる。しかし、笑ってはいるがとても悲しげに見えたのだ。

「何だか吹っ切れちゃった。と言うより気付いたんでしょうね」

 指先で例の薬瓶を軽く突付きつつ、パチュリーは言葉を続ける。

「魔法使いって、本質的にとても狂気的だわ。目的の為に手段なんて選ばない、それが当たり前の生物だもの。
 何かきっかけがあれば、アリス。今の貴方は私だったのかもしれない。それに気付いてね。
 だから放って置けなくなった。
 ……魔理沙には申し訳ない気持ちもあるけど、でも今の私の興味は魔理沙よりもむしろ貴方にあるわ。
 私は魔女だし、目的には醜いまでに貪欲なのよ。
 ……ねえ、だからアリス。私は提案するわ」

 パチュリーは椅子から立ち上がると、すっと私の前にしゃがみ込んだ。

「私と一緒にこない? 貴方に必要なのはずっと隣にいてくれる誰かだわ。
 さっき、アリスが私になってたかも知れないと言ったけど、私が結局そうならなかったのは、隣にずっと、それこそ鬱陶しいほどずっと居る続ける友がいたからだと思うの。
 まあ、別に友でなくてもいい。例え会話が無くても、隣に居ることを意識できるなら、それは孤独じゃないわ。そんな関係を私は貴方と契りたい。
 ついでに、魔法を志す者同士で切磋琢磨するっていう私の打算的な欲求を満たしてくれれば尚いいし、さらに、その内友情的な感情が育まれたりしたらもっと素敵だわ。
 どうかしら。住む所なら心配しなくてもいいわ。今更住人が一人増えたって誰も気にはしないもの。
 ねえ、アリス。この提案受け入れてみる気はないかしら?」

 パチュリーから告げられたのは、思いもよらない提案だった。
 でも、からかうつもりで言ってるんじゃない。それは彼女の表情を見れば分かる。とても真剣だった。

 感謝するべきなのだろう。
 彼女は私から何の代償も求めず、ただ完全な善意だけを以って私をひとりぼっちの深淵から救い上げてくれようとしているのだ。
 胸が一杯になる。でもだからこそ、私は答えなければいけなかった。

「ありがとう。パチュリー。貴方は本当に優しいわ。いくら感謝してもしきれないくらい。
 でもね。ごめんなさい。貴方の提案断らせて頂戴。
 私はもう病的にひとりぼっちなの。今更誰かの隣に居るなんて、そんな高慢な事できない。
 この家で。寂しさが一杯に詰まったこの家で、私はひとりぼっちに生きて、そして誰にも知られずひとりぼっちで死ぬ事にするわ」

 優しすぎたから。彼女が優しすぎたから。
 だから、その優しさが、私には重すぎて、ひとりぼっちな私は彼女が差し伸べた救いの手を払いのけるしかなかったのだ。

 パチュリーは「そう」と短く答えた。
 少し残念そうな。でも、ああやっぱりかと納得した表情のようにも見えた。

「アリス。まったく。貴方ってホント意地っ張りね。……でも、何と無く貴方ならそう答えると思っていたわ」
「分かっててあんな事を言ったのかしら? だとしたら、パチュリー。貴方本当に性格が悪いわ」
「魔女だしね。この種族で性格いい奴なんて見たことないわ。
 でも私はずっとマシな方よ。だから今晩だけは意地っ張りなアリスの為、隣にいてあげるわ」

 パチュリーがにこりと微笑んだ。直視できなくて私は毛布にくるまる。
 あったかくて不覚にも涙が出た。

 私が声を出して泣いたのは、多分この時が最後だ。








  


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※











 薬によって生やされたペニスから、盛大に撒き散らされた白濁液にも気を止めず、私はぼんやり虚空を眺めていた。

 自分で自分を慰める回数は、年を経るごとに多くなっているように思う。
 それは、大切な思い出の中に私を縛り付ける作業だ。
 ひとりぼっちに拘る私であるのに、そうやって寂しさを誤魔化さないとひとりぼっちに耐え切れないというのだから、滑稽な話だ。

 体が熱い。
 何度も何度も絶頂を繰り返し、体が十分に火照っているのだ。
 こうなるとしばらく体は冷えない。でも心地いいから、好きな時間だ。

 この火照りが意地っ張りな私の心を融かす。
 今の私は、ちょっぴり前向きな私でいることができそうだ。
 思い出を慈しみ、未来にほんの少しの希望を持てるくらいに。

 でも、私は知ってる。

 私の心に積りに積もったこの寂寥を融かし切るには、この程度の火照りじゃ熱量が少なすぎて。
 私の心に吹き荒れる寒波を押し止めるには、この程度の火照りじゃ力不足が過ぎて。
 中途半端に融けた表層の雪は、じわりと深く染み込み、最奥の層まで浸蝕し、そして舞い戻った吹雪に凍えさせられて、融けない根雪に姿を変える。

 どうやら、明日の私は今日の私よりもずっと孤独で頑固で可哀想なようだ。
 でも、そんな自分が、今は酷くいとおしい。




 雪が降り積もっていた。
 もっと降ればいい。酷く積もってしまえばいい。

 そういえば“外”がどんどん暑くなるから、これから幻想郷はどんどん寒くなるのだと誰かが言っていた。
 随分昔に聞いた話だ。
 煤けたカレンダー。窓は半分ほどまで雪で埋まっている。

 もっともっと降ればいい。もっともっと積もればいい。
 高く積もって、この家を埋め尽くして、森も湖も全部真っ白な平原にして、私を閉じ込めて、完膚なきまでひとりぼっちにさせればいい。

 私はここだけがあればいい。
 私だけの世界があればいい。
 私だけの思い出があればいい。

 それこそが、私がひとりぼっちであるという事なのだから。

 埋まらない寂しさと、確かな悔しさと、染み付いた諦観と、ほんの微かな充実を胸に、私はゆっくり瞼を閉じた。
 睡魔がすぐに私を夢の中へいざなってくれるだろう。

 薄れ逝く意識の中私は、幸せだったあの時代を夢に見た気がした、自然と笑顔になれたあの時代を夢に見た気がした。
 何か熱いものがポロリと瞳から零れ落ちたのは、果たして気のせいだったのだろうか?
 それは分からないまま、私の意識はまどろみへと沈んでいったのだった。
 
 
 
 
 
 読了ありがとうございました。
 ここから後書きなのですが、何と後書きを考えている時間がないのです。
 なので、一つだけ主張させてください。
 
 アリスのひとりえっちは、とってもエロいと思うんだ。
ねじ巻き式ウーパールーパー
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2009/01/10 13:23:00
更新日時:
2009/01/10 13:23:00
評価:
14/15
POINT:
124
Rate:
1.86
1. 10 とくめー ■2009/01/11 01:57:10
これは凄い…
なんというフラグクラッシャーなアリス。

孤独という答えを見い出すアリスの過程が非常に素晴らしかったです。
2. 7 名前が無い程度の能力 ■2009/01/11 15:00:36
カットバックが多くて何がどうなっているのかえらい分かりづらかったけどアリスに優しいゆうかりんに萌えたw
3. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/01/11 23:00:54
皆に愛されることもできただろうに。
ここまでかわいそうなアリスは久々に見ました。
4. 8 名前が無い程度の能力 ■2009/01/12 01:09:21
行為の描写がしつこいほどにいやらしい。ひとりぼっちの名を冠しながら割りかし多くの登場人物と絡むアリスとて、それも時を隔てながらのことですし。ハッピーエンドではありませんでしたが、それもまたひとつの結末でしょうね。個人的には幽香さんにもう少し活躍してほしかったな、とちょっと思いました。
5. 9 ■2009/01/13 23:20:05
良い話だったけれど、半分以上が回想だったからだろうか。
雪との関連性が薄いように思った。
6. 10 名前が無い程度の能力 ■2009/01/14 09:36:38
このエロス!
7. 9 nanashi ■2009/01/15 19:50:29
ひとりえっちがここまでエロいとは。
とりあえず河童はにとり様と呼ばせて頂きたい。
8. 9 名前が無い程度の能力 ■2009/01/18 21:07:13
この位置づけこそアリス!
9. 9 グランドトライン ■2009/01/21 00:00:03
関わりが多かったからこそ、彼女は孤独でも生きてこられた。
そんな感じがします。

ストーリーが凝っており、自慰と回想を渡り歩く物語は趣深かったです。
ネチョのシチュエーションも多く、どれもなかなかに官能的でした。
序盤はソフトに、中盤は残虐に、そして終盤で過激ながらも少し和らぐ。
そんなV字のような感じの進行はとてもバランスよく出来ていると思います。

ただ、ボリュームがありすぎたのが欠点といえば欠点です。
切なさが残り続ける物語の展開もかなり衝撃的でした。
あとくどいようですが、誤字を見つけました。

>餞別とと
→餞別にと

ですが、全体的に完成度は高く、読み応えもありました。
傍から見れば切ないですが、彼女は今の生活に満足なのでしょう。

それとアリスのひとりえっちは嫌らしいくて官能的だと思う。
10. 10 イージーシューター ■2009/01/21 23:37:16
切なく、儚く、何より弱い
そんなアリスにすぐ感情移入出来て
読み終わる頃には少し泣きそうでした

本当に最高の作品でした
GJ
11. 8 雨雨 ■2009/01/23 04:57:39
すご、なんという……
一作品の中でこれほどネッチョシーンが詰め込まれているにもかかわらず、
しかしすべて同じでは無いかつ、
それぞれの場面ごとにちゃんと丁寧にクライマックスが用意されているというか。
この分量。物凄いパワーを感じました……
アリスはうまく生きていけることが出来るのか!
12. 10 名無し魂 ■2009/01/23 19:47:48
この作品を一言に表現することは難しい。

before魔理沙のただ淫乱なだけのアリスと、after魔理沙の一線超えてしまったあとの、「負い目」とでもいうべきものを背負って生きるアリスの心理描写と、5回のネチョシーン一つ一つの濃厚な描写が、どちらもトップクラス。

ピックアップしてると小説を「すべて選択」しそうなのであえてこの部分。
>  そういえば“外”がどんどん暑くなるから、これから幻想郷はどんどん寒くなるのだと誰かが言っていた。
>  随分昔に聞いた話だ。
>  煤けたカレンダー。窓は半分ほどまで雪で埋まっている。
>
>  もっともっと降ればいい。もっともっと積もればいい。
>  高く積もって、この家を埋め尽くして、森も湖も全部真っ白な平原にして、私を閉じ込めて、完膚なきまでひとりぼっちにさせればいい。
>
>  私はここだけがあればいい。
>  私だけの世界があればいい。
>  私だけの思い出があればいい。
>
>  それこそが、私がひとりぼっちであるという事なのだから。
もはやアリスはひとりじゃないと生きていけない、(ちょうど外的要因もあることだし)すべての私たちの知るところの幻想郷の住人がいなくなってしまっても、彼女はひとりで、生き続ける、そんな気がします。

素晴らしいSSでした。ごちそうさまでした。
13. 7 名前が無い程度の能力 ■2009/01/23 23:13:54
アリスー!!と思わず叫びたくなったのは自分だけだろうか?
なにはともあれ、こういう作品もありだと思う。
14. 10 泥田んぼ ■2009/01/23 23:38:43
とりあえず言っておこう。
天国のお母さん、ついに理想のにとりに出会えました……

アリスの回想の温かさと、現実の冷たさのギャップが、マイナスイオンみたいに心地よかった(←外道
なんだろう。あったかいのに切ないぜ
15. フリーレス 繧「繧、繝帙Φ5繧ォ繝舌シ ■2013/10/11 16:55:50
蟶ス蟄 騾夊イゥ [url=http://www.bjlbk.com/]繧「繧、繝帙Φ5繧ォ繝舌シ[/url] <a href="http://www.bjlbk.com/" title="繧「繧、繝帙Φ5繧ォ繝舌シ">繧「繧、繝帙Φ5繧ォ繝舌シ</a>
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