しけしけモンスター

作品集: 最新 投稿日時: 2008/09/14 00:00:04 更新日時: 2008/09/14 00:00:04 評価: 7/7 POINT: 53 Rate: 1.95
ちょっぴりハードな描写があるので、気をつけなさい
                            by パチュリー

「見て、見て、小悪魔」

 彼女が嬉しそうに話すのは、面倒な事が起こる前触れだ。
 真夏の、紅魔館。その地下にある閉め切った図書館では当然熱気がこもっている。
 そんな状態だったためか、我が主人、パチュリー様の話さえまともに耳を傾けることはできなかった。

「何ですか? また用途不明の振動器具を発明したとか言わないでくださいよ?」
「今回のはもっと実用的よ。小悪魔の言ってるのも、ある意味実用的、だけど……」
「いいから顔を赤らめないでください。で、それはなんですか?」

 パチュリー様の手の平には饅頭ほどの大きさの丸い物体があった。
 透き通った蒼色をしていて、中心部に白い固まりがある。

「何だと思う? ヒント、紅霧異変の時から構想してました」
「ぱっちゅんゼリー、ミント味とか……ですか?」
「そんなわけないでしょう。小悪魔、面貸して」
「人聞きの悪い……ええと、こうでいいですか?」

 デスクに着いているパチュリー様に顔を近づけた。
 すると、そのぶにぶにとした物体を額に付けてきた。
 感触はほとんど、水のよう。しかし常に一つにまとまり、額にひっついたままである。
 掴んでみると柔らかくひんやりとしていて、額からはアルコールを塗った後のような感じがした。
 そのまま頬へ、腕へ、首筋へと引っ付けていく。

「冷たい……あ、これいいかもしれませんね。何ていうんです? これ」
「しけしけ君」
「何だか宴会で角のほうに座っていて一人だけ素面な人のようなネーミングですね」
「ちゃんと理由もあるのよ。実はこれ、体を冷やすのが主たる目的ではないのよ」
「……と、言いますと?」
「小悪魔、ここ図書館で最もふさわしい涼の取り方は何か、分かるかしら?」

 聞かれ、ふと考える。この図書館は地下にあるものの、ふきぬけとなっている。
 換気や非常時の為に少数ながら窓があるが、そこから入り込む日光は僅かばかり。
 熱気は天井にのぼっていき、床近くは地下特有の涼しさが生まれてもおかしくないはずだ。
 それにも関わらず、暑い。温度以外に暑さを感じさせる要因といえば……。

「なるほど、湿気の問題ですね」
「その通り。湖に近い以上、夏場は防ぎようが無いわ」
「しけしけ君ってそういう意味だったのですか……。で、結局どういう機能なんです?」
「湿気や水分を積極的に吸収して、冷却。湿気取りと氷枕を兼ねる、と言えばいいかしら。
本の健康にも良いし、汗をかいた時なんかにも、すぐに来て拭いてくれるはずよ」

 ふうん、と相槌を打ってパチュリー様の紅茶をちらと見た。
 ティーカップの底にはほんのり紅くなったしけしけ君の姿があった。

「本当に積極的ですね」
「……まあ、気をつければ有用なことばかりよ。湿気をどんどん取らせて、大きくすれば抱き枕にもなるし」

 なるほど、汗は吸い取る上に冷却作用もある。夜も快適冷え冷えぐっすりというわけだ。
 カップのしけしけ君を取り出して肩に乗せる。紅茶の香りが鼻をくすぐった。

「気に入ったみたいね。なら、ちょっとそれの世話をしててくれるかしら。水を適当にやるだけでいいわ」
「何か予定でもあるんですか?」
「ええ、レミィに二人きりの紅茶会に誘われてね。彼女ったら早起きして待ってるのよ」

 そう言って、パチュリー様は紅茶の最後の一杯を優雅に飲もうとするも叶わず、慌ててソーサーに戻した。
 そして溜息を一つついて、席からゆっくりと立ち上がった。

「それじゃあ、紅茶をとりもどしに行ってくるわ。レミィを待たせちゃ悪いから」
「妙にそわそわしてますね。結構楽しみだったりするんです?」
「まあ、ね。それじゃ小悪魔、後はよろしく頼むわよ」
「何事も起こらないことを祈ります」

 正直、これが本心である。主のいないうちに魔理沙なんて来たらお手上げである。
 当の主はくすりと笑って、手を振りながら扉へと向かっていった。



 扉の閉まる音がした。
 パチュリー様の足音が遠ざかる。
 辺りが、しんと静まり返った。

 後を追うように扉に向かい、ノブに両手をかけ、開ける。
 札を裏返し、OPENからCLOSEDに変わったことを確認し、扉を閉め、鍵をかけた。
 何度かノブを押し引きしても、扉はびくともしない。

 図書館内にも関わらず、走った。できるだけ館内の奥に行きたい。
 しかし、早くも限界が訪れた。
 本棚と本棚の間に入り、片側に背中を預け、脚を伸ばして座った。

「あ……はぁ……」

 やっと、一人になれた。
 私は欲深い悪魔の端くれである。欲求と言う欲求が常に、体を奔流している。
 だが、朝起きた時も、業務中でも、就寝に至っても、いつも主から離れられずにいるのだ。
 主の前で痴態を晒すわけには、いかなかった。

「ん……うぁっ! ……ぁはあ、はぁ、はぁ……」

 黒のベストのボタンに指をかけ、ゆっくりと脱ぎ取る。
 その胸にこすれた微かな刺激でさえ、声を漏らしてしまう。
 一ヶ月近くも、よく耐えたと思う。
 先ほどパチュリー様と話していたときまでずっと、ポーカーフェイスを続けていなければならなかった。
 主の前などお構い無しに、いつか爆発するんじゃないかって思っていた。

「ふぁ、ぅん。んっん、ひゃうぅ! ……あ、ぁあ、あっあ……」

 ネクタイを取り、ブラウスのボタンを外す。
 脱ぎきるのも億劫になり、ブラウスが肩にかかったままで、自らを苛め始めた。
 形をとどめぬ柔らかな感触が、黒いブラ越しに伝わってくる。
 パンでも作るかのようにこねくりまわし、痛くなるほど弄ぶ。

 自分の手は、もはや言うことを聞かなかった。
 自分はそうでなくて、この手だけが悪魔なんじゃないかって思うほどである。
 こうして別の事を考えているうちにも、右手はブラ紐をずらしにかかり、左手をスカートをたくし上げにかかっていた。

「いや、いやだ……あぅん! ……駄目、駄目ったら……」

 何を言ってもその手、指先は制止せず、ひたすら自らを痛めつけにかかっていた。
 ずり下ろされたブラからふっくらとした白い双山が現れる。
 その頂にある薄紅色の膨れ上がった突起を、何度も何度もはじく。
 摘んでは、転がし、つねっては、引っかき。
 その一挙一動に胸がぴくんと震えてしまう。

「んく、ああ! やだ、乱暴すぎ、です! あふぅ、あ、あぁ!」

 唾液が滴るほどに指を嘗め回し、再度こね始める。
 ぬらぬらとした涎が乳房を覆いつくし、滑らかな刺激が行き渡る。
 尖った乳首のふもとから先端を、大きくスライドさせる。

「ひぁ、ぱちゅり、様、そこ舐めちゃ、や、やです! ん、ふ、くぅん!」

 荒く吐き出される息が、図書館の空気に吸い込まれていく。
 たくし上げたスカートをそのままに、黒タイツと白いショーツを膝元まで下ろした。
 粘液が糸をひき、床にこぼれていった。

「ぁはあ……胸だけで、こんなに……ん、はぁ……」

 陰部に手をかけようとしたその時、視界の片隅に蠢くものが見えた。
 しけしけ君が地を這っていた。何かの拍子で肩から落ちていたようだ。
 四つんばいのままで、それを掴み上げた。

「ねえ、お水、好き、なんでしょ? なら……」

 生唾を飲み込む。異常な行動に心拍数が跳ね上がる。
 握るその手で、既にその柔軟さと冷やっこい心地よさが感じられる。
 仰向けに寝転がり、脚を控えめに開く。
 そして思い切って恥裂にそれをあてがった。

「ひや……あ、んぅう、ぁあ! ストップ、ス、ふぁあ、ひぁあん!」

 どこまでも貪欲に水分を欲し、奥へ奥へと入り込んでしまう。
 熱く煮えきった肉ひだの隅々をつつき、舐め取り、吸い付き、冷却していく。
 再び淫欲に火がつき、両手が胸をほぐし、尻尾が陰核とキスをし始めた。

「あ、やあん! だ、あ、くぅううん! ふあっ、んああぅ、ひああああああああ!」

 全身が痙攣し始め、張り裂けんばかりの恥声がだだ漏れになる。
 震える手で脱いだベストの角を口に無理やり押し込んだ。
 スライムは構わず膣内を蠢動し、時折それ自身も体を震わせる。
 うまく最奥の地へと辿り着けないためか、戻っては進み、戻っては進みとピストン運動を始める。

「ん、んぐぅ……ぅうぶう、ふ、ふぅん! んんんんっ!」

 脚の先までびくびくと震える。腰がびりびりと痺れる。
 十本の細長い指のそれぞれが乳首を舐め、竪琴を弾くかのように跳ねさせる。
 ひくつく尻尾は張り詰めたクリトリスの先を掻きまわし、鋭く槍でつくかのようにノックし続ける。
 そしてどろどろとしたモンスターはひたすら秘口に流れ込み続ける。
 咥えたベストには唾液が染み渡り、淫靡な香りを放っていた。

「んぅ! んぅ! んっん! んんぐ! ぅぅうううん!」
 
 ひたすら強く、乳房と花弁を叩きあげるように刺激する。
 その一回一回に全身が、一際翼がどくん、どくんと呼応する。
 体中が暑いのに、膣内だけは変に冷たくされる。
 きつく目をつぶると、涙が端から溢れた。
 もう、何も考えられない。

「ふぐっんん! んんぐっ! ふぐ、ぐっ! ぐぅん!」

 狂ったようにひたすら陰部全体を擦りに擦り、気づけば両手で交互にそこをはたいていた。
 たまらず、尻尾を淫口に浸らせて、挿入。
 追い詰められたような気持ちになる。
 入り口でつかえていたスライムが、一度に流れ込んだ。
 一際、腰が高々と宙に浮く。
 強烈なスライドと共に、容赦なく子宮口を叩いた。
 眼前が快楽の火花で閃光した。

「ん、ぷぁ、ふぁああっああああああああ、ああっ! やぁ! ああぅ、んぁ、あ……!」

 スライムは構わず肉壷を食いつくそうとするばかり。
 絶頂の最中も延々と擦り上げられる。
 私はそのまま、白い光に包まれるような気がした。


 紅茶会でレミィは終始にやにやしているばかりだった。
 彼女が嬉しそうにしているのは、面倒な事が起こる前触れだ。
 先が見えるなら予め伝えてくれればいいものを。

 手を振りながら、大仰な造りの扉を閉める。
 振り向くと、小さなメイド妖精が本を両手で抱えて立っていた。

「あ、パチュリー様。本を返却しに来たのですが……」
「今私に言われても困るわ。図書館に来て頂戴。一緒に来る?」

 メイド妖精がうなづいた。それを見て歩き始めると、後をぱたぱたと飛んでついてきた。
 おかしい。中には小悪魔がいるはずだ。
 それなのにどうしてこの妖精は私を待っていたのだろう。

「ねえ、図書館には行ってみたの?」
「はい、ですが鍵がかかっていて……」
「鍵? かけた覚えが無いわね」

 ……そうなると小悪魔が鍵を閉めたとしか考えにくい。
 わざわざ外部から完全に遮断しようとするとは、よほど見られたくないことでもしていたのだろうか。

 図書館の入り口にはCLOSEDと書かれた札が掛けられていた。
 ノブを回して引いてみても、やはり開かない。鍵がかかっていたのは本当だったようだ。

「本を頂戴。今はちょっと関係者以外立ち入り禁止かもしれないから、お帰りなさい」

 返事を待たずに本を小さな手から奪う。
 妖精は頭にクエスチョンマークを浮かばせたまま、一礼して去っていった。
 幾度かノックをした後に、合鍵をつかって開錠する。

「小悪魔ー、入るわよー」

 開きつつ、呼ぶ。返事は無く、館内は扉を閉める音だけが響いた。
 案外、何でもないことだろうと楽観しつつ、二、三歩足を進めたところだった。

「……ぐっ! げほっごほっ! ……ぅぅぐほ!」

 本が手から滑り落ちる。
 空気がおかしい。
 発作というより、何かの煙を吸い込んだような感触だ。
 余りに乾燥していたのだ。そのせいか、砂埃が普段より舞い散っている。

「ぐ、ぐぅ……んげほっ! ぐっうぐっ……」

 しゃがみ込み、楽な姿勢をとる。
 気管が異物感を激しく訴える。
 からからとした空気が、喉の水分を奪っていく。
 咳き込むたびに床に、痰が撒き散っていった。

 本棚の影から何かの音が聞こえる。
 小悪魔が聞きつけてやって来たに違いない。
 早くいつもどおり喘息薬を手渡してほしいのだが。
 薄目を開けて、ちらとその方向を見た。

 思考が一瞬停止した。
 本棚とほぼ同じ大きさの、水の塊がいた。
 そしてそれは自分の方へにじり寄っている。

 紛れも無く、しけしけ君である。
 しかしこれほどの大きさになるとは意図していなかった。
 何らかの弾みで水を大量に吸収し、雪だるま式に成長したのだろうか。
 ここまで来たら想定外の動作が予想される。
 発作が収まれば、アグニシャインで蒸発させよう。

 そう思っていると、私の顔面にその塊が勢いよく飛びついた。
 
「んぐぅ! ……ん、ぷぁ……ぅん、くちゅっ。ぴちゃ……んぐっんぐ……」
 
 どろどろとした不快で冷たい水が舌に乗る。
 奴は口内の水分を欲しているようだった。
 いや、厳密に言えば気管へ目指しているのかもしれない。
 窒息の恐怖を感じ、慌ててそれを飲み下すことにした。

 筒状になったゲル状の物体が次々と注ぎ込まれる。
 飲んでは鼻で酸素を求める。
 
「ん、んぁ……こく……こく……ぷぁっ! あふっんぐ、んぶぅ……」

 どくん、どくんと脈動しながら粘液が送られる。
 一服後であることもあって、腹が満腹感で痛みだした。
 流れ込む勢いが弱まった瞬間を見計らって、口から引きはがす。
 同時に足で地面を蹴り、這って後ずさる。

「このっ……! はぁ、はぁ……ん、どうし、て……!?」

 体が思うように動かない。
 正座の足の痺れが、全身にわたったような心地だった。
 訳が分からない。
 少なくとも製造時、この子はコアの部分以外は全て純水で出来ているはずだ。
 有害なものなど、何一つ加えていなかったのに。

「んっ……! うぅっ! はぁ、はぁ、はぁ……んぁ!」

 血が全身を巡るごとに、体が火照っていく。
 体が、じんじんと痺れる。
 床は硬いカーペットで覆われているはずだが、背や臀部が羽毛で包まれるように感じる。
 何もされていないのに、四肢が震える。
 あまりに想定外すぎる動作に混乱する。

 仰向けの私の靴の先に、冷えきったモンスターが触れた。
 そのままスカート全体をくるむように覆いかぶさった。

「あ、あんた何を……ぅう! 冷、た……んくっ……」

 下半身がどろどろに覆われ、身動きすら取れなくされる。
 靴下に、スカートに、奴がつつ、と染込む。
 腕でどかそうとするも、ぬるぬると滑るばかりで上手くいかなかった。

「いや、いや……んぁっちべたいってば、ん、あっぅあ!」

 染込んだ水分がふくらはぎから太ももまで、直に触れる。
 触れたところはひんやりとする。はずだったのだが。
 濡れた部分の血流が増し、敏感さを増すようになっていた。
 
「話がちが、はなしが、やぁ! はなしが、ちがぁ! あぁ!」

 気付けば脚部全体が包み込まれていた。
 水流が太ももから上へ上へとじわじわと這い進んでいく。
 ついにはショーツへ達し、ぬらぬらとクロッチを撫で始めた。

「ちがう! 濡れてなんか、ゃ! ぅあ、あぁ……や、めぇ……」

 水分を吸収しやすい素材で出来ているためか、楽々と裏側への侵入を許した。
 モンスターは一層活動量を増し、水圧を増してまで餌を追い求めた。
 自分の作った創作物に、犯されようとしている。
 この上ない辱めに、顔に血が昇る。

「ん、くぁ……ふぁ、やあ、やあ、なの……おね、が……ぅう!」

 大陰唇をなぞり、陰芯に到達する。
 触れられるたびに、その液体の作用からか、熱く電撃が走る。
 水分を求める動きが更に愛液を生み、その愛液を求めては愛液を生む。
 果てし無く貪欲な構造を思うと、目がくらんだ。

「もういいで、しょ!? もぅ、もういい、で……く、あ、ひゃあああん!」

 胸元までのしかかられ、体重をかけて挿入される。
 粘性の物質が肉壁を刺すような刺激を与える。
 ピストン運動なんて高度なことをせず、ただただ流れ込み続ける。
 どうやら催淫効果のある物質をひたすら受け取ることになってしまっているようだ。
 もう、でたらめに喚き、鳴くことしかできないのだろうか。

「つめった……あ! いっ……あぁ! んあ! だぁっめぇええ!」

 股間に火がつくように熱い。その熱をすぐさま吸収しにかかる。
 結果、ミントのような不快なのか快適なのか分からない刺激が膣内に残ったままとなる。
 ずるずると粘液が注ぎ込まれ、その一方的な摩擦感に体が踊らされる。

「ふぁ……あ、あ? ぅあ、あん……おかし、く……!」

 服と言う服から染込み、腹を、腋を、首筋を舐める。
 ブラが濡れ、胸全ても容赦なくその媚薬に浸らなくてはならなかった。 
 膣に入り込んだスライムはそのまま子宮口に触れ、お構いなく子宮内にまで不気味なゲルが注入されていく。

「うぐ……! くぁああああああ! いっ……! はぁっ! あはあ! んぁあああ!」

 とろとろと、ひたすら液体を求めて侵入する。
 きりが無い。
 何度となく意識が飛びそうになる。
 もがいてももがいても、何も変わらず、膣口に入り込んで行くばかり。
 いや、実際は少しずつ変化が起きていた。
 不快極まりない物質が、私の膣内にぱんぱんに詰まってしまっているのだ。
 そんな状態なのに、それでも入り込もうとしているのだ。
 次第に水量が、水圧が増して、お腹を膨らさんとしていた。

「い……や! いやあああ! やだぁ、やだ! はれつ、するう!」

 凄まじい圧迫感に、膣ひだの一段と硬い部分がぐいぐいと押される。
 体感したことのない、鈍く、それでいて重い快楽が思考を襲う。
 それと同時に、水脈が新たな標的を攻撃対象としたようだ。
 私は、紅茶を飲んできたばかりなのだ。

「だ……だめったらああ! んぁっ! も、もれ! もぇっ! んやぁ!」

 尿道口をくすぐるように刺激される。
 すぐさま媚液に犯され、不浄の穴さえ痺れてしまう。
 早く出せ、早く出せと言わんばかりに膣内をぎゅうぎゅうと圧迫する。

「あぁっ! ぅ、くぅ……んはぁ! あああっ、んっく!」

 額から汗が流れ落ちた。
 スライムに犯されているだけで、悦に入りきってしまっているのだ。
 全身が媚薬を塗られたようになってしまっているのだ。
 こんな状況で失禁でもしてしまえば……その快楽の虜になってしまいかねない。

「ぅぁああああ! ぁああ……んっんっんあっ! あぅん!」
 
 それを想像しただけで、意識を手放そうとしてしまう。
 服を完全に着たままなんて、それこそお漏らしではないか。
 魔女としてのプライドがそれを許すはずがない。

「たすっけ……! ふあ……きゃぅ! ああぅ! も、もう……!」

 プライドと、その解放感が天秤にかけられてしまっている。
 誰も見ている訳がないのだ、天にも昇る快感を得られるのだと、悪魔が囁く。
 肉ひだの淫らな拡張が脳の判断を鈍らせる。
 せめて絶頂を迎えさせられても、粗相だけはしてはいけない。

「だめ! そこ、はぁ! や! ぁあ! あっあ! いやあ!」
 
 忘れかけた頃にクリトリスへの刺激を再開する。
 呼吸にあわせて肩が、胸が躍ってしまう。
 確実にのぼりつめている、いや、のぼりつめさせられている。
 膨れ上がった陰核の包皮をはがされ、その僅かな汗を求めて吸い付いた。

「ああああっ! やだやだやだ! やめっ! ぅぁあ! ああああああああ!」

 脳天を突き抜けるような快感に、全身が暴れる。
 胸の汗をしゃぶられ、背中の汗をぬぐい、腋の汗をくすぐる。
 膣内から膀胱を押さえ込まれ、陰芯に吸盤のように張り付かれる。

「ああああん! が、まん……うぁ! もう! もう! いやあああん! 」

 媚薬で痺れに痺れた尿道口に、ゆっくりと水のモンスターが攻め入った。
 我慢の糸がぷつりときれる。
 プライドを乗せた天秤の皿が、音を立てて崩れた。

「ひあ、あ、ぁああああああああああああ!」

 マグマのように熱い小水が噴出する。
 止めようとするも、力が入らない。
 顔が火照り、恥情で心が一杯になる。
 陰部から背中へ、ひっきりなしに快感の波がぞくぞくと押し寄せる。

「ぅぁあ……出て、ぅあ! あぁっあ……ん!」

 役目を終えたしけしけ君が戻ろうと、膣内から引きあげる。
 絶頂を迎えたばかりの肉ひだに擦れて、痛いほどの快楽が再び脳を襲う。
 尿もスライムもだだ漏れになり、淫靡なものばかりが脳を支配する。

「ぁあ……ふぁ……あぅん……あっ……はぁ……」

 精神がもたない。体力がもたない。
 ずるずると意識が黒いほうへ黒いほうへと向かっていく。
 私は、荒息の音だけが脳に響いていた。
 


「目が覚めたわねパチェ」

 レミィの声がする。重い瞼を開くと、涼しげな彼女の顔があった。 

「やっと起きた。日が暮れるかと思ったじゃないの」
「……あら、まだ日が暮れてないのね。……で、レミィはどうしてここに?」
「分かっているのに聞くなんて、パチェにしては非効率的ね」

 なるほど、レミィはこうなることを分かっていたのだ。
 それで紅茶会では始終にやにやと……

「あなたがそういう趣味をしてるなんて思ってもいなかったわ」
「私は紅霧を出して、パチェがどう出るかが知りたかっただけ。
その結果、あなたが自らこんな道を歩むことにするなんて、私も予想してもいなかった」
「これはその……偶然よ! ああいうのを期待して作ったんじゃないもの!」
「でも中々、パチェの知られざる姿が見れて良かったわよ」

 旧友とはいえ、たまに吸血鬼の考えることが分からなくなってしまう。
 魔女の理屈を超越したところにいることがあるのだ。彼女らは。

「……で、しけしけ君はどうしたの?」
「しけしけ君? ぶよぶよ君じゃなくて?」
「駄目よレミィ。彼はしけしけ君じゃないといけないわ。で、どうしたの? 破壊でもしてくれていたら助かるんだけど」
「出来るわけ無いわ。相手は水よ? あんなのにJ2Aだのシーリング使ったらどうなることか」
「緋想天!? 射撃使いなさいよ射撃。B射もC射もそれなりに使えるでしょう?」
「パチェ、あなたと射撃性能の話はしたくないわ」

 ちょっと本気を出してみただけでどうも世間の目が冷たくなってしまった。
 閑話休題、話を戻そう。

「で、レミィはスルーしたとして、どうなったのよ」
「咲夜が時を止めてくれたわ」
「さすが彼女ね。これで一安心だわ」
「時を止めて、メイド妖精を全員避難させたわ」
「……まあ、確かに現実的にはそれが一番瀟洒かもしれないけれど」

 何と言うことだ。このままでは屋敷に被害が出ているのではないだろうか。

「で、まさかまだこの館にいるの?」
「大丈夫。美鈴が今、門外に誘導してくれてるわ」
「そうね、それなら安心ね」
「ねぇパチェ、喉渇いたでしょ? もう一度お紅茶を飲まない?」
「ああ、そうしましょう。どうも疲れてしまって……」

 嫌な予感がした。

「駄目よレミィ! 奴を外に連れ出しちゃ絶対駄目!」
「何でよ、館に被害が出ないだけましじゃない」
「分かったレミィ、私が始めたことよ、私がけりをつけてくる」
「そうくると思っていたわ」

 会話を断って飛翔、窓から外に出て、紅魔館の門へと進む。
 日が傾き始め、影が長く伸びている。
 美鈴が近づいては後ずさり、近づいては後ずさりで門の外まで誘導していた。

「そこまでよ!」
「あっとびっくりした。どうしましたパチュリー様?」
「こいつ、水分を餌としているの! こんなのが湖に入ったら……!」
「あ、そうですかーそれを先に言ってくれないと……」
「んもう、気をつけてよね美鈴」

 暢気に会話をしているうちに、渦中のモンスターはいまや湖へ足を踏み入れんとしていた。

「ああっ! どうしましょうパチュリー様!」
「ロイヤル……あぁっスペルカード忘れてる!」
「どうするんですか! 生態系が狂っちゃいますよ!」

 駄目もとで帽子やポケットを探るが、スペルカードは何も……いやあった。

「ノエキ……ああ、これは駄目! どうしましょう美鈴!」
「パチュリー様、あれ! あれを見てください!」

 美鈴が前方を指差す。何事かと思いきや、強気に宣言する声が耳を突き抜けた。

「へへん、パーフェクトフリーズ!」

 湖からの丸弾でしけしけ君を押し出す。
 カラフルな弾が体内に入り込み、着実にダメージを与えている。

「チルノ! あなたならできる!」
 
 にやりと笑みを見せたチルノが指をならしたときには……。
 弾と共に、しけしけ君は既に氷の塊となっていた。

「パチュリー様、けりをつけましょう!」
「もちろん。ノエキアンデリュージュ!」

 水をもって水を制す。
 地の力によって押し出される水圧はドリルのようである。
 中心部を狙って削り、コアに集中砲水。
 一際高い破壊音がした途端、氷塊は砕け散ったのだった。




 図書館に戻ると、本棚の影に小悪魔があられもない姿でただずんでいた。

「あなたこんなところで何を……まさか」
「そのまさかです、すみません……」

 言わなくてもおおよそのことは見当がつく。
 あの媚薬成分は小悪魔の愛液だったのだろう。
 そうとうたまっていたらしく、濃い効果となっていたらしい。

「言わなくてもいいわ、ごめんなさい」
「パチュリー様が謝ること、ありません」
「いいえ、私が配慮に欠けていたわ。どうしましょ、時々図書館を留守にしましょうか?」

 言うと、小悪魔が強く袖を握った。

「嫌です!」
「ど、どうして……」
「私はもう、一人でしたくないんです!」

 気づけば、口づけされていた。
 もう、応えてやるしかない。

 涼をもとめたのに、今宵は暑く、湿度の高いものになりそうだ。
スライム責めって浪漫に溢れてるよね
飛び入り魚
作品集:
最新
投稿日時:
2008/09/14 00:00:04
更新日時:
2008/09/14 00:00:04
評価:
7/7
POINT:
53
Rate:
1.95
1. 8名前が無い程度の能力 ■2008/09/14 01:02:39
スライム責めは男の浪漫だッ!


あと、しけしけ君のネーミング吹いた。
2. 7ナナシ ■2008/09/14 02:09:18
素晴らしい。
3. フリーレス 飛び入り魚 ■2008/09/16 05:26:26
色々書きたいことはあるけれど、こんぺでは泣き言を並べないと決めているのであった。
「涼」をテーマに発想豊かに。涼がコンセプトのモンスターがねちょねちょという話になりました。

しけしけ君というネーミングセンスがパチュリーに馴染んでしまって仕方無い。
ただ難点がネチョシーンに使えないってところ。
「しけしけ君が秘裂を分け入り、一波、また一波と続々と押し寄せてくる」だとエロさの欠片も無くなっちゃう。

ともかく、作品はもちろん、コメントまで読んでくださって誠にありがとうございました。
いつかまた会いましょう。
4. 9名無し魂 ■2008/09/24 23:50:06
いいエロでしたぜ。
こぁの尻尾って陰核擦れるんだ……セルフネチョにぴったり。
レミリアはこぁとパチェの関係まで見えてニヤニヤしていたのかな。
5. 8七紙 ■2008/09/25 16:37:02
まさかの救世主w
小悪魔のエロ度に拍手を。
続きが読みたい終わりだった。
6. 9グランドトライン ■2008/09/26 01:16:53
小さいスライムと大きなスライム……どちらも浪漫に溢れている!

とにかく、ねちょの表現が事細かで嫌らしかったです。
小悪魔の脱衣とかパチュリーの喘ぎ声とか特に……
何でこの2人は嫌らしいんだろうね♪

文章もわかりやすく仕上がってます。
ただ個人的にですが、格闘ゲーム用語が出てきたところで少し違和感を感じました。

それにしても、チルノは紛れもなく最強だった。
とりあえず、ねちょの出来がいい所為か続きが気になりますね♪
7. 5名前が無い程度の能力 ■2008/09/26 22:12:27
>役目を終えたしけしけ君が戻ろうと、膣内から引きあげる。
たけし君に見えて自分に絶望した

エロい部分は問題ないぜ、でも最終的な展開をもう少し間を持たせてほしかったぜなどときりのない要求を突きつける!
8. 7泥田んぼ ■2008/09/26 23:46:00
もうっ 小悪魔ってばエッチなんだからぁっ

最後のオチを読んで納得したけど
でもやっぱパチェこぁのシーンもほしかったっす
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