「わあぁああああぁああああっ!!!!!!!!!」
自分の叫び声でフランドールはベッドから跳び起きた。
随分と怖い夢を見ていたような気がした。壁の溝に並んでいるロウソクの火が、石の透き間から水でも沸き出てきそうな地下室の壁を照らす。
前に起きた時よりもロウが長くなってたから、レミリアか誰かが換えたんだろう、手も汗でびっしょりと濡れていて気持ち悪くて、なんだか吐き気がする。
「あ、ああ、熱い、喉渇いた、気持ち悪いよぅ……」
いつも着ている赤い服も汗でべとべとだった。
でもこの部屋には水道もシャワーもなかった、今は館の全面改装中で、水道管が破裂しないようにとレミリアが削ってしまったのだ。水を飲みたかったら階段を上がらないといけない。
地下の湿気にも耐えるすべすべした木製の机の上にも何もなかった。いつもはレミリアが水とか置いておいてくれるのに、今日はそうでもないらしい。なんだかひどく寂しい気がした。石の壁の透き間から冷たい風が吹いてるみたいだ。
でも、相変わらず部屋の中は暑いまんまで。
「ああっ、もう、暑いなぁ!!!」
部屋の扉を開けてもあたりは熱いままだった。それどころかむっとした空気が冬布団みたいに身体中を覆って、返って余計に暑かった。
仕方なく階段を上る、地下三階なんだから少しは涼しいはずなんだけど、この石段だっていつもは湿っていて、そのうちコケでも生えてきそうなのに、今日はカラカラに乾いていて金色の砂粒が転がっている。こんなのはじめてだ。
階段の一番上に上がって、扉を押し開けようとする、が。
……あかない。
きっとまたどうせ間違いなく本でも積んであるんだろう。メイド妖精が地下を怖がってよくやるのだ。自分を地下から出すのがそんなに嫌なんだろうか。
それとも本が勝手に本棚を飛び出して……
こうして考え事しているうちにも髪から汗が頬を伝って顎のあたりで床に落ちる、拭ってもだらだら流れてきて乾いた石畳にいくつも黒い染みをつくった。
―いいや、もう。
暑さでぼーっとした頭で目を探して手を握ると、ドヂャっと音を立てて扉はあっけなく裂けた。
砕けた板を押しのけ、目に飛び込む金色の熱。
「あづッ」
さらさらしたそれは火傷しそうなぐらい焼けていて、なだれ込んだ乾いた砂粒が流砂みたいに木片を飲み込み階段に流れ込んで地下への扉を半分埋めた。
足元から焼けるような熱が立ち上る。
膝まで砂に浸かって、目を向けた扉の外には砂漠が広がっていた。
そらがあおい、焼けるように。
「パチュリー……かなぁ……」
すぐ上の階は図書館だったはずだけど、この際どうでもよかった。
蟻地獄みたいに柔らかい砂粒を踏み締めて中へと進む。
そのまま世界は砂漠みたいで、見渡すがきり青色の空が広がっていた。
本とかの絵の具とは違う透明な透き通った色で綺麗だった。
思わずため息をつく。
口から入る空気は酷暑より熱く、残暑より厳しかった。立ちのぼる陽炎で蜃気楼が見えるほど。
そもそもこんな晴れた外に出るなんて初めてだ。
だから、
嬉しくなった。
羽をばたつかせて飛び上がったが、入ってきた扉以外にはやはり延々と金色の砂が大空の下に広がっていて。
もっともっと高く飛んだ。
ぐんぐんと太陽まで飛べないかなってぐらいに一生懸命羽ばたいて。地面は遠くなっていって。
でも、
もっともっともっと高く飛ぶと、急に空が押し返して来て。
それからは、どんなに頑張ってもそれ以上上がれなくなってしまった。
……やっぱりここは外じゃないのだ。
そう思ってちょっと悲しくなった。
おそらく箱庭空間なのだろうが、下手に壊したら出られなくなるかもしれない。
思慮の浅い妖精がガラスに頭突っ込んだみたいに空間のヒビに挟まった所ぐらい、見たことある。
無理やり引っこ抜くと体が千切れるのだ。
「出口、出口、出口」
しょうがないから、あたりをぐるっと見渡し、限りなく飛んで行くと、青と金色に挟まれた地平線を真ん中に、入って来た扉より大きな黒い■が開いているのが見えた。
奥に青とか緑の細長いものが並んでいる。
大急ぎで飛んでいって、中をくぐるとやっぱり図書館だった。
本棚がバラバラに並べたドミノみたいに乱立している。
入り口の扉を閉めると、暑さがさーっと引いて。ちょっと入り込んで流れていた砂まで消えた。
やっぱり箱庭だったらしい、でも誰もいないのはちょっと変だ。
いつもは誰かしらいて、例え一人でもがやがや騒ぎ声がするのに。
しかし喉が乾くのはどうしようもない、飛び上がって、図書館の上回りをぐるっと囲む二階廊下に降り、左側のパチュリーの部屋に入って、部屋の主に似合わない真っ白な部屋の隅の蛇口を捻る。
鈍く銀色に光る流しに落ちる水を手ですくってあぐあぐ飲んだ。
ひりひり乾いた喉の奥に冷たい水が流れ込み、腹を満たした。
きゅっと音を立てて蛇口を締める。
それから、じーっと聞き耳を立てていても、蛇口から残った滴が一、二滴落ちる音しか聞こえなかった。
すぐ近くの壁に耳を当てても、よく響くレミリアの声すら聞こえない。
「……何で誰の声もしないんだろ……」
不思議に思いながら図書館への扉を開けた。
急に、冷たいものが飛び込んで来て、膝から下濡らした。
なだれ込んだ水が地面を埋め、部屋の隅の使っていないベッドを濡らす。
外には海。
「……あう、今度は水……?」
渡れるからには架空の水なのだろうが、透明で床を埋めるそれは気味悪いことこの上ない。
パチュリーの部屋は図書館の二階だけど、下の階の本棚なんか全部水で埋まっていた。
外に出て、扉を閉め、手摺りに近づいてよくよく水の中をのぞき込んで見ると、赤い絨毯が見えるほど透き通った水の中をイカだかクラゲだかがふわふわと泳いでいた。
入り口の扉の近くなんかサメっぽい黒いものがうろうろしているし、図書館を挟んで向こうの水面近くをエイのようなものがのんきに泳いでいた。
一部の魔導書が本棚からこぼれ落ちて、水中で花火みたいに光球を放っている。
「……大丈夫なのかなぁ……」
「大丈夫よ、パチェだもの」
気が付くと、レミリアが隣に立っていた。ずぶ濡れの桃色のキャミソール姿で、白い紐の水着を履いていた。
泳いでいたのか、頬に何本か青い髪がはりついていて、赤い羽がちっちゃくなって縮こまっていた。パッと見人間に見えるかもしれない。
ぱたんと閉めたはずの扉が閉まる音がした。前髪からしたたり落ちる水滴がわずかに開いた胸の間に入り込んでいくのが見えて、思わず喉を鳴らした。
「あうう、なにやってるの? なんでここにいるの?」
「暑くて寝られないから涼しくしてって言ったら、何の嫌がらせなのか館中水浸しにされたのよ。
咲夜も咲夜で面白がって改装中の空間無茶苦茶繋げ出すし。……今は二人を追っかけてる最中よ」
「そっか……」
ちょっと手摺りに頭をのっけて、横目でレミリアを見た。
いつもの服と違ってるだけでなんだかドキドキする。
肩紐の乗った腕とか白くて、痕をいっぱいつけたくなる。
「したいの?」
「……」
そうやって赤い目でじっと見つめられると、抱いてあげなきゃいけないような気がしてしまって、ぱちゃんと架空のトビウオが跳ねて、ラジコンみたいに空を飛んだ。
顔を上げ、おずおずと紐の下の肩を掴んで唇を重ねると、レミリアはそれを受け入れる。
後ろ髪を指で掻き分け、唇を覆うように舌を這わせる。
あっさり開けてくれるかと思ったが、意外にも唇は閉じたままだった。
こじ開けようと何度も舌先で溝をなぞり、唇を離したり付けたり、角度を変えてキスの雨を降らせる。
「ふぁ」
開いたレミリアの唇に舌を割り込ませる、が、まだ唇を閉じようと抵抗するので後ろ頭を押さえ付けて無理やりねじ入れた。
唇を挟まれた舌が熱くぬめった空気に触れる、より一層深く繋がろうとしたが、レミリアは肩ごと押しのけようとしたので、唇を押し付けたまま、頭とかぶつけないように手をクッションしてレミリアを寝転ばせ、ひじで腕を押さえ付けて固定する。
水に半分ぐらいまで浸かって、波紋が広がって手摺りの裏から図書館全体に染み渡って段々消える。
なんだか無理矢理ひどいことしようとしようとしてるみたいで、ちょっと複雑な気分になったが、少なくとも嫌がっているようには見えなかった。
なにしろ押しのける腕に力がないのだ。レミリアの胸に指を這わせ、ひらひらした服の上から頂きにぴんと立った蕾を摘まむ。
「ぁんっ」
くぐもった声で緩んだ隙に奥で縮こまった舌に触れる、途端に下になったレミリアがびくんと跳ねた。
なんかおかしいなと疑問がちょっと頭を掠める、が、気を取り直して舌先でレミリアの舌を撫でる、いやいやするように目をぎゅっとつむるが、構わず舌を舐めた。
「ふ、」
縮こまった舌を何度も何度も舐めるうちに、沸いてきた唾液をすくい取り、舌先でまぶして擦り付ける。比較的敏感な舌先でのこすれ合いに、緊張した舌が若干緩むのを感じた、口蓋をなぞるように舌を差し入れると、今度はかろうじで受け入れてくれた。
まだ堅さの残る舌にざらざらした味蕾をこすり合わせ、口の中に沸いた唾液を飲み、いったん唇を離す。
「は、ぁ」
「……ん」
糸こそ引かなかったものの、ドキドキした。
まだキスしかしてないのに息が上がっている。半分冷たい水に浸かって床に倒れたままとろんとした表情でこちらを見つめているレミリアがなんだか愛しくて堪らず、耐え切れなくなってまた唇を重ねる。
「……んぅっ」
慣れてきたのか、今度は押さえなくても逃げないで受け入れてくれる。耳の下あたりの首筋に指を這わせ、撫でると、レミリアは身を捩った。
……やっぱりまだ押さえ付けないとだめらしい。とりあえずキスは触れるだけにしておいて、水に濡れて張り付いたキャミソールの下から手を入れる。
両脇の下あたりから指五本で脇腹まで撫でると、くすぐったいのか身じろぎした。
「ん、んゃっ」
水がぴちゃぴちゃ音を立てて震える。
上から下、下から上、上から下。
往復するたびに指一本ほど横にずらしながら丁寧に身体を回り込んで撫でてゆく、感じたのか時折びくんと跳ね、背中に差しかかった途端に矢なりに反る。
「はあ……ぁっ、ああっ」
水が跳ね、羽根もびくびく震えていた。
ゾクゾクした、指だけなのに、レミリアの息も既に上がりかけている。
もっかいキスすると、今度は向こうから頭を抱え込んできた。熱い舌がゆっくりと、ほどけかかった唇を撫でる。
薄目をあけると、きゅっと目をつむって精一杯キスしているみたいで、なんだか可愛い。まるで、レミリアを初めて抱こうとした時の自分を見ているみたいだった。
口を開くと、おずおずと舌が入り込んでくる、レミリアの舌は、なんだか柔らかくて、生き物みたいだった。舌先で撫でると、びくっと震える。唇で舌を押さえ付け、沸いた唾液に浸すように、味蕾を舐める。
二人が交ざってるみたい。
「んぅっ」
「……ッ」
不意に腿を脚で挟み込まれる、内股が擦り合わせられ、布越しに熱く濡れた秘所が腿に押し付けられる。緊張のあまり頭に血が上るような気がした。
思わず唇を離すと、唇の間に糸がかかった。透明な玉がいくつかぶら下がり、ぷつんと切れる。
「……ぁう」
レミリアは息を荒くして潤んだようにも見える深い緋の目でじっとこちらを見つめている。こうしている間にも、腿に当たる秘所がじわりと濡れているような気がした。もっとしてほしいって言われるみたいで、どうしていいかわからなくなってくる。
「……入れていいの?」
「……だめ」
「……う、そっか……」
気恥ずかしくなって目を逸らし、半分硬くなってるものをちょっと見た。
いつもそう、こういうことしたいって思うと勝手に生えてきて、困る。
悪魔だかららしいけど、レミリアには生えないから、最初に生えてしまった時は本当に困ったのだ。勝手に大きくなるし、痛いし。……いろいろへんなこと考えちゃうし。
結局、その時は誰もいなくて、レミリアと気持ちよくなったのだけど。
それから、たまにこういうことをさせてもらって、ちょっと、情けないような気持ちになったりする。
「どこか行きましょうか? 何でもあるわよ、パチェ、最近研究室にこもりっきりっで頑張ってたみたいだし」
起き上がったレミリアの手から数センチ離れた遥か下の階では青魚の群れが揺れながら泳いでいた。
透明な水の下の方は次第に濃い青色になってきていて、そこすれすれを泳ぐ魚もいる。深い水からはなんだか今よりもっと恐ろしい生き物が這い出てきそうで怖かった。
向かいの本棚では赤黒くやたらと大きなエビまで本の間に巣くっている。棚の前にぬるぬるした甲羅だけ覗いている大きな黒い影が少しずつうごいててとても気味が悪い。
少し上の水をプランクトンのようなものが点々と動いていた。
いつの間に生えたのか、千切れて水面まで上がってきたワカメが不安定にコンクリートの地面の上まで這ってきてゆらゆら揺れて。
思わずレミリアの手を掴んだ。
「……へ、部屋行こうよ、お姉様。ここやだ」
掴んだ手を引っ張って、立ち上がらせる。
張り付いたレミリアの水着から透明な液体が太ももを伝って水面に潜っていった。
ゆっくりと落ちるそれはなんだかぬめっているように感じられて、かあっと頬が熱くなり、乱暴にドアノブを掴ませた。
「待って、その開け方じゃ空に落ちるわよ」
ドアノブを掴んだ手に、レミリアの手がやんわりと触れる。
「ドアノブの握り方で繋がる空間が決まってるみたいなのよね」
そういうレミリアのとなりで、触られてる両手ともが熱くて、さっき押し倒した時に濡れた髪とか、息がかかりそうに近くて、着ている服なんか心臓の音が伝わりそうなぐらい近い。
「だから、小指離して開けてみて? 指一本分ぐらい、そうそう」
身体が火照っているせいか、足首が浸かった水がウォータークーラーでも通したみたいに冷たくて。
焼けた砂の中にいたときよりも、身体が熱い気がした。
「……ああ、ちなみに図書館に戻る時は人差し指を……」
そんな具合に人差し指を引っ張られて、あ、そうだ、と手を握られる。
となりで何やら喋っている声も耳に入らない、心臓が血液を管に吹き出す音の方が速かった。
「……二人で一緒に開けたらどうなるのかしら?」
鼓膜が止まったようにしんとしていた、それで、それで、がちゃって扉が開いて。
気が付くと、誰かのベッドの上にお姉様と両手つながったまま転がっていた。
私はベッドメイキングしたばっかりみたいな真っ白なシーツを見下ろしていて。
「……咲夜も面白いことするのねぇ」
と、私の下敷きになったお姉様が、私とおんなじに裸になって、そんなことを言うのだ。
それで、硬くなっちゃったのが、お姉様の熱いところに挟まってたから。
きゅうきゅうなって、頭が、いっこのことしか考えてくれない。
「つ、続き……、お姉様」
「ん……」
頷いたのかそうでないのか。
指先で脇の下の方から上のに向けて未発達の胸を撫でる、やや尖った蕾に触れないようにゆっくりと。
片方の蕾を口に含み、舌先でくにくにと転がす。
「んぅ……っ」
レミリアが動く度に、徐々に起ってきたものに身体が擦れる。
入れてないのに棒が秘所をかき回してクチャクチャ鳴っていた。レミリアの先っぽが竿に擦れて指でなぞるみたいにずーっと動く。
「あぅ、うう……はぁ、ああ」
今すぐ突き入れたい衝動を手を握ってぐっと我慢してもう片方のピンク色した蕾を指で摘まんで撫でる。
「や、やぁ……っ」
感度が良くて、なんだか嬉しかった。先端だって徐々に硬くなってきている。仄かに色づく肌なんかもう悩ましくて仕方がない。何より、いまさらながら抱かれるのが恥ずかしくなってきたのか、レミリアの顔が紅いのだ。
待ち切れないように擦られる内股を見ていると無意識にも身体が熱く疼いてしまう。
先っぽなんかもう先走りでぬるぬるしていた。
「あう、い、いれたい、よぉ……」
「……だめ、入れさせてあげない」
「な、なんでぇ……? もう、こんなになっちゃってるのに……」
個人的にはもう準備はできていた、そもそも、レミリアだってそうなのだ。今だって立ちのぼる愛液の性臭が鼻腔をくすぐるほどなのに。レミリアは態度からして頑なに拒んでいた。
締め出すように足を閉じ、こっちをじっと見るめている。
「き、気持ちよくなりたいよぉ……」
「だめよ、絶対ダメ」
「あ、あうう、……したいのって聞いてくれたじゃん……」
「抱いていいって言ってない」
「ひ、ひどいよぅ……、うう、えっちしたい……」
さっきぽだけ秘所についた棒から、ぽたぽたと涙のような先走りがレミリアの身体を汚していた。今すぐこの目の前の身体を熱い液体で真っ白にしたいのに、あと少しでできるのに、今では秘所まで流れて行く滴すら羨ましい。
「私だってあなたの欲しいわよ、でもダメ」
「据え膳、据え膳なのに……!!」
「実は今日、危ないのよね、私」
「きゅう……、じゅう……、だ、だったらキスとかしちゃだめだよ!! 喘いじゃダメだってば!! うう、そんなのだったらちゅーなんかしないでさっさと部屋に戻ってベッドで朝まで眠ってればよかった……、くぅ……っ」
「だから口閉じてたのに……あなたが無理矢理押さえ付けて……」
「い、いまさら被害者面とか……ずるいよぉ……うう」
「許して、……いいものみせてあげるから」
泣きかける目の前で、レミリアは起き上がって脚を開いた。
「あ、あっ、だ、だめ、そんなの、我慢できない……っ」
「我慢して? ね? ほら……見て? 私のここ、いやらしく涎垂らしてるでしょ?」
そう言いながら、腿を押さえ、指で押すように陰唇を開く。久しぶりに見るレミリアのそこは、よく見なくても愛液があふれているのが分かるほど濡れていた。
心臓が痛い。ズキズキと早鐘のように鳴っている、内側からうるさいほど身体をたたかれて、このままだと壊れちゃいそうだった。目の前のレミリアに入れようと突っ込もうと真っ赤に膨れ上がった棒きれを抑えるようにぎゅっと手で包み込む。
「は、はぁ、はっ、だめ、だめ、できちゃう、子供できちゃうからだめぇ……っ」
「そうよ? だから我慢して? ……でね? ここに指を入れるの」
ひくひく動く淫芽の下の穴につぷりと中指を入れるレミリア。押し出されるように流れ出る愛液がシーツを汚し、思わず肉棒を擦った。掌にぬるぬるした先端を押し付け、ぐいぐいと押し込む。
「あっ、はあっ、あう、あうう、や、やだ、だめ、だめだ、だめだよ、入れちゃダメ」
「うん、そう、入れちゃダメ」
レミリアはあふれ出た愛液を指ですくい取り、丹念に手に塗る。くちゃくちゃと粘液がねっばこい水あめみたいに糸を引いて、見ているだけでも喉が締め付けられ、息が上がってしまってひゅーひゅーと音を立てる。
今すぐ身体くっつけてレミリアの奥にごりごりしたくて、びゅーってしたくて、目に映るレミリアの白い身体も、もう目を背けたいほど欲しかった。
「あきゅ、うあ、は、あうう、……は、はあっ、気持ちいいこと……したい、よぉ……っ」
歯を食いしばって必死で腕に爪を立て、押し倒したい衝動に耐える。先に進もうとする腕を爪がえぐっていた。視線なんか悲しいぐらいレミリアにあそこに釘付けになっている、もう顔上げられない。あたまおかしくなったみたい。
「はい、もういいわよ」
そう言って、レミリアはベッドの上でころんと仰向けに寝転がる。
裸の、身体が、め、目の前に……あうう……。
「入れて?」
「い、入れてって……」
興奮のあまり揺れるような視界でレミリアを見ると、秘所の前ぐらいで、愛液に濡れた手を筒状に合わせていた。
「く、くらってなりそう……」
「いつもみたいに私で遊んでる時の元気はどうしたのよ?」
「が、がんばる、よぅ……うう」
力が抜けそうになりながら横たわるレミリアにまたがる。
がんばって手を肩の上に置き、まだぽーっとした頭でレミリアを眺めた。
羞恥なのか、顔が紅く、首を投げ出すようにそらせて、ひたすら目を合わせないように明後日の方向を見ている。
いつもの元気がないのはレミリアの方だ。こんな表情初めて見る。
「はやく……して」
「ご、ごめんね?」
「なんで謝るのよ……」
「う、うん、い、いれるよう……」
レミリアの狭い指の中に、ゆっくり体重をかけて先っぽを押し付ける、熱い、ぬるぬるした指に先端が沈む。
先っぽを締め付けるそれがレミリアの指だと思うだけで口の中に唾液が沸く。いろんな感覚が全部削ぎ落とされて、この世界にはレミリアだけしかないような気がした。もうレミリアの事だけで思考が埋まってしまって、肩を掴んだ手もじっとりと汗ばんでいた。レミリアの指と棒がヤスリみたいに擦れて尖った快感を頭の中に突っ込まれる。
竿を掴んだ手に下半身かき回され、腰が抜けそうになった。
「ぁああッ、あああ、はあぁっ、ああぁっ」
竿に凝縮された血液が集まり、今でさえいっぱいいっぱいなのに更に大きくされる。もうフランドールのそれはレミリアの中に入らないんじゃないかと思うほどぱんぱんに膨れ上がり、今までされた中で一番大きいような気がした。
「い、入れたい、入れたいお姉様、お姉様ぁっ」
全体重をかけてぐいぐいと腰を押し付ける、指と竿の間に纏わり付いた蜜がぐちゅぐちゅと音を鳴らした。頭に血が昇って脳ごとひっくりかえされそう。耳鳴りみたいに鼓膜がジージー鳴って、今すぐレミリアの事をグチャグチャしないと血で管が焼き切れて壊れてしまいそうだった。
レミリアの手はフランドールを押しのけようと手が白くなるほど押し返す。
「や、やだ……っ、そんなに強くしたら中に入っちゃう……ッ」
「あう、だ、だって、だって、待ってたんだよ? 我慢してたんだよ? 気持ち良くなりたいよぉっ!!」
がすがす突くと不意にぬるりと指が除けた。先端が熱い中に沈んでぐちゅと音を立てて蜜を溢れさせる。
「あ、ぁんっ、あ、入っ……、やだ、だめッ」
「あうっ、熱いっ、もうこんなにぬるぬるしてるよお姉様、ああああああああもっと入れたい、入れたいよぉっ」
急に根元を掴まれるが、それでも更に肉棒を熱くぬめったレミリアの中に押し込もうと腰を上下させた。きゅうきゅうと締め付ける入り口が更に衝動を加速させて行く。
じゅぽじゅぽと結合部から愛液が流れ落ち、レミリアが身を捩って逃れようとするのを上から押さえ付ける
「だ、だめ、だめだってばちょっと!! やめっ、フラン!!」
「いっかい、いっかいだけ!! 奥まで入れたらちゃんと精子外に出すから!!」
「やめて、だめ!! やだ、もうああああああああああ、はあああ、やっ、入っちゃう、フランのおっきいのが入っちゃうよぉっ」
不意に、押し止どめていたひだが肉棒をなでた、ぬるっと一気に奥まで入って、先端が子宮口を突き上げる。途端に肉棒がきゅっと締め上げられ、更に奥へと誘うように躍動する。
繋がった二人の間がギチギチに音を立てていた。
「あっ……、気持ち……いい、お姉様の、中ぁ……」
「ああっ、一番奥まで……っ、や、やだぁっ」
「う、動いちゃだめ、動いちゃだめ、出ちゃう、お姉様の中にえっちな液出ちゃうよ!!」
「そんなこと言われても……っ、あなたがおっきくするからぁっ」
「おっ、お姉様がぎゅうって締め付けるから出ちゃいそうなんだもん、あぅ、ま、またきゅうってなってぇ……くゆぅ……、た、耐えられなくなりそう……だよぅ」
「だから入れちゃだめって言ったのに……っ」
「ご、ごめんなさい……、あう……、は、あああ、き、気持ち良い……っ」
「押さえててあげるから、ゆっくり抜きなさい」
「あきゅ……、ご、ごめんなさい……」
根元をぎゅうと痛いほど握られ、達しそうになるのを必死で堪えた。レミリアと繋がってる事自体にくらくらするぐらい目眩がする。息が止まるくらい、もっとしたい。
もっとしたい。もっともっとしたい。
「あうっ、出したい……、でもだめ、だめ、できちゃう、できちゃうからダメ」
「は、ぁっ、はやく、抜いてよぉ、……っ」
「う、うん……あふっ、ああ……」
引っこ抜こうとすると、ただでさえ吸い付いて離れない中が更に狭くなってモノを咥える。でこぼこした膣壁に棒が擦れてあたまのなかぐちゃぐちゃになりそうだった。入れる時はあんなにあっさり入ったのに。
ゆっくり抜こうとすると余計ザラザラした中がモノを擦り上げて頭の中が何回か真っ白になった。
びくっとモノが跳ね、何回か出してるような気がして、でも全然気持ちよくなくて、何をやっているのかだんだん分からなくなってくる。しばらく歯を食いしばってそっと抜いていると、急にモノが動かなくなった。
「ひゅ、あ、……先っぽ入り口に引っ掛かって……ッ」
「だ、だめ、私そこ弱いんだから、う、動かさないで……!!」
「そんなこと言われたって、きゅってなって、あ、あ、イッちゃう、イッちゃう、あああああああああああああああっ」
レミリアが身を捩った拍子に力が抜け、先端が白く弾ける。
繋がった部分があっさり外れ、熱いものがドロドロとあふれ出し、熱いような冷たいような奇妙な感情と交じり合って広がる。ひくひくうごめくレミリアの秘所がフランドールの一部で汚れていた。
「ぁ、ああ、白い……の……ぉ、なんか、ああ、いっぱい……でたぁ……」
レミリアはベトベトの手で呆れたように目を覆った。
見ているとまたなんか、ぐちゃぐちゃにしてみたくなったり、ぼーってなってもういいかっておもったり、異様重い大気につぶされそうになって、くらくらしたりした。
全身から力が抜けそうになって、がんばってぱたっとレミリアのすぐそばに倒れこんだ。
シーツに突っ伏してうーって唸ってると、レミリアがはぁっとため息をつくのが聞こえた。
「ひどい……、やだ、……出した、中に……、出さないでって言ったのに……」
「ちょっと入っただけだよぅ……、先っぽが引っ掛かっちゃったんだもん……と、とれなくて……それで」
それで、だから、たぶんだいじょうぶだよって、ちっちゃい声でぼそぼそ言うと、お姉様が寝返りを打って後ろからぎゅーって、された。
「……私がもし妊娠したら責任とってくれるの?」
「……あう、……えっと、その……」
黙っていると、もっとぎゅってされた。
「私と結婚してくれたら、もう地下に閉じ込めたりなんかしないで、ずっと一緒にいてあげるわよ?」
そうやって頭をごりごりされる。
でも、それって、告白しろって意味、なのかなぁ……。
「……お、おね」
不意に部屋の扉が開いて、暗い空からひょこっと咲夜が顔を出す。
「あー、こんな所にいらしたんですか? 今、パチュリー様が魔理沙さんと三途の川で花火打ち上げてるんですよ、お嬢様たちもどうですか? おもしろいですよー、仕掛け花火とか」
「あ、いいわね、行きましょうフラン」
レミリアはベッドから降りて、床におちていた服を拾い上げる。
服を着てる間とか、ずっとレミリアは咲夜と話していた。
しばらくすると夜空へ出て。
下の河からぱーって、赤とか緑の光が中央から拡がった。
火力が強いのか青い火のついたまま水に落ちている花火もあった。
それが水中で弾けて、三途の川の中いっぱいを六芳星の青色が照らす。
いっぱい、見たことない生き物シルエットになって浮き上がって、鎌をもった船頭さんは手を叩いて笑っていた。パチュリーも魔理沙も、オーケストラみたいに腕を振って火の花を打ち上げる。
図鑑で見たクビナガリュウみたいなものも見えた。無茶苦茶だ。
でも、楽しい。
空は暗いけど、夜でも空は空だから。
岸で人や妖怪や幽霊が笑っているのが、なんか嬉しくて。
「空から見ると格別ですよね……」
打ち上がる空と水の花火を眺めながら、咲夜が隣でにこにこ笑っていた。
ぽーっと見惚れていると、お姉様に手を引っ張られる。
「……ねぇ、どうなの?」
私は、がんばって、その手をぎゅっと握り返したのだった。
- 作品集:
- 最新
- 投稿日時:
- 2008/09/13 22:31:13
- 更新日時:
- 2009/06/11 20:45:17
- 評価:
- 11/11
- POINT:
- 81
- Rate:
- 1.77
がまんしてるフランちゃんがすごい可愛くてどうしよう、読みながら口に出してかわいいって俺3回ぐらい言った。
バーチャル空間の描写もすごい良かった。
覚悟決めて奥にたっぷり出しちゃえばよかったのに、と思う反面、その逡巡もよいかなとも
とにかく色々我慢できない二人が可愛すぎる
最後の幻想的な場面は涼しげで、とても美しい情景が想像できて良かったです
独特なメルヘンの雰囲気が大好き。
入れちゃ駄目というシチュでエロさが引き立つ。
SFの腕があると思う。
フランとレミリアがなんか咲夜やパチュリーにおいていかれるなんて可哀そうに…。
水着を ×履く ○穿く ぐっとくる表現にはこだわって欲しいぜ。
お題は「涼む」と「涼(さが)す」で2通りの意味で使ったのかな、と。
楽しませていただきました。面白かったです。
全体的に文章の区切りがちょうど良い感じで読みやすかったです。
前半の不思議空間は見ていて、心が落ち着きました。
特に水没図書館のシーンは、水生生物の行動や水面での2人の行為もあって、とても幻想的でした。
後半は打って変わって激しい描写が増えており、両者の喘ぎ声も上手くドキドキさせてくれます。
手筒に挿入する様子はなかなか官能的だと思いました。
ですが、いくつか誤字が見られました。以下の通りです。
無理矢理ひどいことしようとしようとしてるみたいで、
→無理矢理ひどいことしようとしてるみたいで、
異様重い大気につぶされそうになって
→異様に重い大気につぶされそうになって
拒否してるのか誘っているのか分からないレミリアと性欲で暴走気味なフランドールはとても可愛いかったです。
ふらーん!ふらーーん!
フランちゃん可愛い、お姉さまも意外とうぶで良し……、そして咲夜さんGJ!!
> 1. 名前が無い程度の能力氏
大丈夫、書きながら可愛いなぁって100回ぐらい言ってます。
頑張ったかいありました。
> 2. ななし氏
ありがとうございます。orz
こういう話を書く方が好きなので嬉しいです。
> 3. ナナシ氏
レミフラは最高ですよね。
> 4. nanasi氏
ええ、本当この二人は結婚しちゃえばいいと思います。というか、させます。
ラストは時間なかったのでちょっと不安だったんですが、良かったです。ありがとうございます。
> 5. ななし氏
妹様がんばった。
> 6. 名前が無い程度の能力氏
そういえば最初に書いたのがSFでした。
東方でやったらどうなるかなと思ったけど気に入っていただけたようで嬉しいです。
もっとやりたいけど、雨の降る魔界にエレベータービル群とか建てちゃだめなんだろうなぁ……
> 7. 名無し魂氏
なぜかログインできません。なんでだ…… orz
置いていかれたのは多分、お嬢様が運命操作して咲夜さんに見つからないようにしたからでしょう。(ぇ
> 8. 七紙氏
ありがとうございます。orz
次回はもっと頑張れそうです。
> 9. グランドトライン氏
見直したらもっと誤字脱字が……。何かいい方法がないものかなぁ……。
紅魔館は誰も水に浸けたりしないだろうと踏んでやりました。……びくびくしながら。
好評のようで感謝してます。本当に感謝しております。orz
> 10. RoN氏
よし、いっそ結婚させましょう。
> 11. 泥田んぼ氏
個人的にこれでエロくなかったらどうしようかと思ってました……。いや良かった。
ありがとうございます、もっと精進します。
ここまでお付き合い頂きありがとうございます。感謝しております。orz