馬肉は腫れや熱を取るそうです(google調べ)
作品集: 最新 投稿日時: 2008/09/13 15:28:16 更新日時: 2008/09/13 21:09:47 評価: 7/7 POINT: 50 Rate: 1.88
ふたなりでもふたならなくても魔理沙は受け。
少女の白い肌の上を、黒い舌が這っている。
広大な部屋の中に乱立する書棚。それを背景として、舌と二つ並べた椅子の上に横たわった少女だけがここに動く全ての物であった。
舌は躍動感に溢れていた。唇もなく、歯もなく、ただの肉塊として在るだけなのに、その特有の舐める動きだけでそれが舌だと判別することが出来た。
生き生きと弾むように力強く、少女の腹部を舐め回している。両手に余る程の大きさをした、グロテスクな筋肉の凝塊であるというのに、どんな力か、少女の身体の上で微かに浮いている。全面を液体でねっとりと濡らして、少女の肌の上にそれをなすりつけている。時には舌先で擽り、あるいは前半分で強く押し、その動きは止まる様子を見せない。じゅっじゅっと濡れた物で擦る音があたりの闇へ響く。
対照的に少女の肌は死んだ魚の腹のような、見た者へ嫌悪感を催す青白い色をしていた。張りやつやの全くない、生命力というものが欠落している皮膚。遠くから微かに差すランプの光を照り返すことなく、その輝きを全て吸い取ってしまうような、澱みをその上に貼り付かせているように見える。
少女の平らな腹の上、微かに窪んだ臍を、どす黒い舌がはいずり回る。
ほとんど骨の浮いた胸の上へ捲られたローブの裾は、しっかりと少女自身の手で握られている。
その手は緩むこともなく、頑なに握りしめられているわけでもなく、自然であった。慣れている。日常である。そのように見えた。
何も感じていないような無表情で、ただ平然と少女は寝そべっていた。臍や腰骨、鳩尾、そしてほとんど膨らみのない乳房のすぐ下まで、怪しげな舌の化け物に触れられているというのに、表情一つ変えずにただ遠い天井を見上げているばかりだった。その紫がかった不思議な色の黒髪が額に貼り付いている。触れなくてもかすかに汗ばんでいるのが分かる。
と、足音が遠くから響き、図書館の静寂を破る。
少女は微かに眉を寄せ、それから諦めたように眼を閉じて息をついた。彼女がしたのはそれだけだった。ほとんど裸に近い格好のままで、身支度を調えようともしない。ただ指先を微かに動かすだけで、音もなく近くのランプが灯った。
足音は徐々に近づいて、部屋の扉の前で止まった。ごとりと何か重い物を置く音がする。
「鍵は壊さなくても入れるわ、魔理沙」
寝そべったままの少女がそう呼びかけた。
「ちぇっ、お見通しだな」
そう言いながら扉を開けたのは、大きな荷物袋を背負った魔法使いだった。そのまま目の前の光景にフリーズする。
部屋の入り口で立ち止まったまま、彼女はあきれた口調で尋ねた。
「何やってんだ、お前」
「……こうすると涼しいから」
さもそれが当たり前のことのように、横たわった少女――パチュリーは答えた。
その間も舌はパチュリーの身体を淫猥になめ回している。
「……腹出して寝てると腹壊すぞ」
ようやく口を開いた魔理沙が最初に言ったのがそれだった。
「捨虫の術を使っている時点で、ハラワタの悩みとは無縁よ。ご心配なく」
平然とパチュリーは答える。
「つーか下着見えてんだけど」
「見せてるのよ」
魔理沙は何も言わず、荷物を持ち上げて背中を向ける。
「冗談よ」
魔理沙が外への一歩を踏み出す前にパチュリーが止めた。
「そんなにこの部屋、暑いか? 私にはちょうどいいぐらいだけどな」
気を取り直して部屋に入り、書斎机に腰掛けた魔理沙が言った。
「低体温なのよ。貴女と比べて外気温との差分が少ないの」
「お前の平熱何度だ?」
「二十八度」
「低っ!」
「嘘よ」
そんな会話を交わしている間も、舌がパチュリーの身体をまさぐるのはいっこうに止まらない。魔理沙は明らかに奇妙なものを見る目つきで図書館の主とそれに付随する動くものを見ていた。
「ていうか……それ、舌だよな」
「ええ。食料庫で冷凍されていたのを見つけたの」
パチュリーが言うには、これはごく普通の馬の舌なのだという。牛タンならぬ馬タンという訳だ。氷のように完全に硬化していたそれを柔軟に動くようなシャーベット状態に変換し、さらに自律的に動くような魔法を掛けたのだという。
見かけによらず、繊細で手の込んだ魔法だ。しかも省エネである。
「私の為だけに全館冷房を効かせるのも勿体ないものね」
「……まあ、今日は暑いからな」
魔理沙自身も半袖を着ている。入念に遮光された大図書館の奥でなければ、未だ冷めやらぬ残暑を感じ取る頃合いであるはずだった。もっとも石造りの紅魔館は玄関から廊下までずっとひんやりしていて、その気配すら無かったが。
視線をちらちらと逸らしては戻し、すぐにまた外し、と、魔理沙の様子は全く落ち着かなかった。
「しかしパチュリー……客と会話してる間中、ずっとパンツ見せてるのもどうかと思うぞ」
「パンツじゃなくて、ドロワーズ。それに氷枕を当てている間にうなじが見えたって誰も気にしないでしょう」
気にする方がどうかしているのよ、とパチュリーは坦々と答えた。
「っていったって、気になるぜ」
もじもじと座り直して、魔理沙は言った。
「ああ、貴女もコレ使ってみる? 気持ちいいわよ」
パチュリーの言葉に、魔理沙はがたんと立ち上がった。
「や、そんな、悪いぜ」
「遠慮しなくてもいいわ。気持ちいいのは確かだから。なかなか無いわよ」
ゆっくりと身体を起こして、少しだけ咳をする。舌が力を失ってべちゃりと床に落ちた。
「身体を冷やすとぜんそくに悪いんじゃないのか」
「ぜんそくは風邪とは違うのよ」
はさりと音を立ててローブの裾が床へ垂れた。傍らに置いたままだった帽子を被り直して、パチュリーは優美に微笑む。
「さあ、こちらの椅子へ寝て」
「いや、遠慮するぜ。なんだか気持ち悪いし」
あとずさろうとする魔理沙のすぐ後ろを何かが動く。はっと振り返るが、すでに遅い。魔理沙の白いうなじを、いつの間にか忍び寄っていた馬の舌が強く押さえつけていた。そのままの勢いで机の上に押し倒す。
「人の好意を無にするのはどうかと思うわ」
「行為を押し付けるのもどうかと思うぜ」
唇をへの字に曲げて、魔理沙が減らず口を叩く。顔はうつぶせに、木の肌へ押さえつけられている。
ゆっくりとした動作でパチュリーが魔理沙の手が届かないあたりに腰掛ける。
「机も椅子も誤差の範囲ね。ココで良いわ」
「お前の誤差範囲は広すぎだぜ」
「その分、守備範囲が広いのよ」
「客を押し倒すのもお前の趣味範囲のうちかよ」
「趣味と実益を兼ねているわね。新しい冷房の方法についてモニター試験をする必要があるわ」
「些か私見を述べさせてもらうが、そいつは絶対流行らないと思うぜ」
意味の通らない変な会話だと互いに自覚している。別に誰かに聞かせているわけじゃないからこれでいいのだと互いに暗黙のうちに納得している。言葉遊びは少女達の嗜み。他愛もなくただ唇から零れていく言葉の流れに任せるのみ。
「ワンピースの下、何か着てる?」
パチュリーが真顔になる。
「まあ、タンクトップぐらいなら」
「じゃあそれだけでいいわね。脱ぎなさい」
明白な命令口調。やれやれといった様子で、魔理沙は片袖を抜きに掛かる。
その動きが途中で止まる。
「脱がしてくれよ。肩のボタンを外さなきゃ脱げないんだ」
「あら、失礼」
パチュリーがそっと手を伸ばす。
それを隙と見る、魔理沙自体が隙の塊だった。
ぐっと右手を支点に立ち位置を入れ替えようとする。その力が机の平滑面上でずるりと魔理沙の身体をスライドさせる。舌に抑えられた項を基点にして右方の推力が回転に変換される。うつぶせも仰向けもねじ伏せられているのは変わらない。体勢をひっくり返そうとして失敗した魔理沙の鳩尾めがけて、更にパチュリーの肘が落ちる。
「げふっ」
声が上がる。
それに対する詫びはない。パチュリーはただ辿々しい指の動きで、魔理沙のエプロンドレスを脱がせに掛かっているだけだった。ボタンを外すことに集中しきっている。
「さあ、全部外したわ」
誇らしげに宣言した。
魔理沙はぐったりと力無く寝たまま動かない。
「どうして脱がないの」
「いや、その」
視線を逸らしたまま、口ごもる。
パチュリーは魔理沙の帽子を丁寧に脱がせ、横に置いた。それでも顔を真横にそむけて、魔理沙は何も言わない。
おとがいを持ちあげて無理矢理こっちを向かせる。微かに染まった頬と、うるんだ目がそこにあった。
「どうしたの」
パチュリーは理知的に問う。
「今日はダメなんだ。また今度にしてくれ」
「どうして」
「いや、その、乙女の事情って奴なんだぜ」
「詳しく」
パチュリー本人としては追いつめているつもりは無いのだが、何処までも状況を詰めていく様子はまるで残虐な獣のようにも見えた。
「体調が、その、悪いんだぜ」
「むしろこの湿式冷房で治るんじゃないかしら」
「い、いや悪化すると思うぜ」
「根拠を述べなさい」
「いや、なんとなく」
「理由になってないわ。申請は認められない。私がやろうとしていることを邪魔しないで」
「本人が嫌がってるのを無理矢理するのは良くないって言ってるだけだぜ」
「聞こえないわ」
きこえないのかよ、と魔理沙が口の中で呟いた。
「一体貴女、何処が悪いのよ」
「ん、昨日キノコ食べたらちょっと腹の具合が」
「見せてみて」
「えっ、ちょっ……」
スカートをめくり上げられる。ふわふわですべすべ真っ白なぺたんこお腹。そのすぐ下のドロワーズを内側からぷっくりと持ち上げている箇所がある。
パチュリーが触ろうとすると、魔理沙は手でガードした。ふるふると首を横に振る。
「……これ、どうしたの?」
パチュリーはあくまで冷静にそう尋ねた。
魔理沙は少しだけ涙目になりながら、あくまでこう言い切ったのである。
――毒キノコ食べたら、おなかに、キノコはえた。
その言葉に、さしものパチュリーも一時、思考に集中した。
果たしてそういうものだっただろうか、人間の消化器官というものは。キノコってお腹に生える物なのだろうか。というか、この場所、ドロワーズに覆われた脚と脚の間に近い場所をお腹と言うのだろうか。下腹部、という言い方が正しいのか。下腹部もおなかと言えるだろうか。どちらかと言えば鼠蹊部というべきでは。むしろ粗景部か。いやいや、そんな言い方は無い。むしろ立派な眺めと言えるかも知れない。ふむ。実際のところ、シルエットから推定するに大きくて立派なキノコだ。かなり食べ応えがありそうだ。それが本当にキノコならシメジよりはエリンギ……いやひょっとしたらマツタケぐらいの大きさはあるかもしれない。しかしそれにしてもキノコを食べたらお腹から生えるのか。西瓜や葡萄の種を呑んだらお腹から芽が出ちゃうというのはよく言うジョークだ。もちろん、あれは迷信だと思っていたがこのような奇妙な実例があるのだから、今度からちゃんと真剣に気を付けることにしよう。云々。
「今日のデザートは種なし葡萄ね」
そう結論づけた。
「なんだそれ」
「いや、こっちの話。ところでコレって抜けないの」
パチュリーの手は無遠慮である。魔理沙のエプロンドレスを脱がせ、さらにドロワーズの上からためらいなくその硬くなっている箇所へ触れようとする。
「こら、やめろよっ」
払いのけようとする魔理沙の顔の上に、べっとり湿った舌が落ちてくる。突然の目隠しに戸惑い、もがくしかない。
「……やだ、ココ汗かいてるわ」
布の上から触れた、パチュリーが呟いた。
「や、頼む、お願いだからその、あんまり触るな」
「熱を持って……腫れてるわ。相当悪いみたいね」
ますます突っ張ってくるその場所をゆっくりと撫でさする。指先でおそるおそる、優しく感触を確かめる。
「やめ……パチュリー、」
「痛いの?」
「いたくは、ないけどっ、その、さわられるとっ……」
ぎゅっと身体を縮こまらせて、魔理沙の声がか細くなる。
「触られるとどうなのよ、ちゃんと言って」
「んっ、だめ、だっ、とにかく、んんっ……」
息が上がり、頬が上気している。指先がゆるく弛緩して、全身がとろけるように抵抗を止めていた。机の上でだらりと待機している舌先は所在なげに魔理沙の耳朶を舐めていた。
「ちゃんと答えないと脱がすわよ」
「やっ、やめ……」
抵抗は空しかった。するりとあまりにも容易に脱がされてしまっていた。
マシュマロのように白く柔らかな太ももの間に、明らかに少女の身体とはそぐわない逞しく屹立した肉棒があった。桃色に充血し、先端の割れ目から溢れ出る透明な滴がぐっしょりと下着を濡らして、軽く糸を引いていた。
魔理沙は自分で自分の顔を両手で覆った。その動作は目隠しをすれば、自分も相手から見えなくなると思いこんでいる愚かな駝鳥を想起させた。
「これって本当にキノコ、なのかしら」
パチュリーは首をかしげた。
「いいからっ……これが、なんだって、いいっからぁっ……!」
魔理沙はいやいやをするように首を横に振る。
「やめて……見ないで」
「どんどん先っぽから汗が出ているわ。すごく熱くて硬い」
濡れている先端の割れ目を、指先で拭うようにして擦った。溢れ出す液体はとろりと粘性を帯びていた。
「やぁっ、そんな、こすったら、めぇ……」
腰をびくびくさせて、魔理沙は高い喘ぎ声を上げる。
「ともあれ、この腫れを取り除くのが優先ね」
パチュリーはそう言うと、魔理沙の枕元にある馬の舌を手に取って、ソコに添えた。
「つめたっ」
悲鳴が上がる。パチュリーは気にも止めない。黒い舌が竿の根本からぞわぞわと這い上がっていく。
「馬肉が腫れに効くのは有名な話よね」
「しらっ……ないっ、そんなのぉっ」
魔理沙の語尾が熱く熔ける。平素の乱暴な口調は跡形もない。
舌先が蠢く事にぐじゅっ、ぐじゅっと粘る音がした。
いつの間にか、舌は解凍されているようだった。室温に戻された舌先は魔理沙自身の持っている熱とそれからパチュリーの手の熱で柔らかな脂肪を熔解させている。ぬらぬらと光る黒い舌が濃い桃色をした肉棒と絡み合う。異様な光景であった。
「はぅっ、っあぁぅ……」
魔理沙の声が高い。強く擦られれば擦られるほど、息を荒くして肩を震わせて啼いている。
パチュリーはただ腕を組んで、魔理沙の喘ぐ姿を眺めている。
「腫れ、引かないわね」
どれだけ肉と肉を擦りあわせても、魔理沙の股間はますます強く猛るばかりである。
「っ、ぁっ、や、ぱ、パチュリー、お願い」
喘ぎながら、魔理沙が懇願する。
「もっと、優しくして。少し、これ強い、から」
「そう」
パチュリーがそう答えると、すぐ舌の動きが緩くなった。
魔理沙は少し、ほっとした顔をして、それから、すぐに表情を強ばらせた。
「な、なんでじっと見てるんだ」
「いえ、毒キノコでこういうのって初めて見る症状ね、と思って」
「やっ、」
「それにソコ以外の所も濡れてしまっているわ」
そう言って、反り返った肉棒の後ろ側へ指を滑らせた。とろりと露が降りたように濡れていた。
「この症状、魔理沙、貴女はどう思う?」
「っっっ、知るかっ!」
顔をそむける。けれどすぐにびくりと身体を震わせる。
「ぁっ、ん、ゃ……」
くちゅ、とパチュリーの指先が魔理沙の花びらを広げている。ただ物理的に現象を調べているだけの手つきであるのに、あふれだした蜜がその指先を快感に変えてしまう。
「どんどん出てくるわ。不思議」
「やぁ……みない、で」
「奥も熱くなっているのね」
「ふゅ、ぅ、ああんっ」
中指の第二関節まで入れられて、魔理沙は雌の声で鳴いた。
パチュリーの心は、知的好奇心に満ちていた。友人の身体を対象にした人体実験をしている気持ちだった。
「どこまで入るのかしら」
ぐっと顔を近づけて、奥へ指先を押し込む。
「っぁ、やぁ、っ、パチュリー……お願い、だから、」
ぎゅっとローブの裾を掴まれる。
「何?」
「頼むっ……もう、そろそろ、その、」
ほとんど泣きそうな顔をして、言った。
「我慢、できない」
何が、と言いかけた瞬間、どくっと白い液体が飛び出した。飛沫がパチュリーの顔に、目蓋に、唇に勢いよく飛ぶ。ぬぐって舌先で舐めるとひどく苦かった。
「っ、ごめ、ん……」
身体を震わせて、魔理沙は言った。
「……とんでもないことをしてくれたわね、貴女」
パチュリーの表情が昏く沈む。
魔理沙は、ただごめんとつぶやくだけだった。
既に温くなってしまった舌は浮遊して、床に落ちた。魔理沙の股間にはもうさきほどまでの肉棒は消えていた。
「本当にどうしてくれるのよ。責任取りなさい」
「……だから、謝ってるだろ」
「謝って済む問題じゃないわ」
パチュリーの声は厳しいままだった。魔理沙は身体を起こして彼女を不安げに見上げた。
「感染症、だったのよ。抜かったわ」
パチュリーがぺろんと薄紫のローブをめくった。そう言われてもふんわりしたドロワーズの上からでは何も分からない。
「ええと、その、つまりだ。お前にも、その、キノコが……?」
「そうみたい。あの白い粘液を舐めたせいね。こんなに少量で即効性のある毒だとは思ってなかったわ」
苦々しい顔で己の下着の中を見て確認する。確かにそれはあった。
「とにかく、魔理沙。貴女が責任取りなさいよ」
「せ、責任って……」
「往生際が悪いわ」
そう言って、パチュリーはぐっと魔理沙を押し倒した。全身の体重を掛けながら、ローブとドロワーズを脱ぎ捨てる。
青白く細い腿の間に、ほっそりと上品なソレが垂れていた。包皮を被ったままのそれは柔らかく、ぴたぴたと心細く揺れている。
「なっ……」
「とにかくコレを膨張させ切って、中の粘液を全部吐き出してしまえばいいのでしょう? 簡単なことだわ」
「やっ、それ、つまり……」
かぁっと魔理沙の顔が赤く染まっていく。
「そして、貴女はもうこの厄介な症状を体験済み。いざとなったら一人で対処出来るわね? 貴女にコレ、お返しするわ」
にっこりと今にも殺しそうな笑顔で言った。
「わか、ったぜ……」
泣きそうな顔をして、魔理沙はぎゅっと唇を噛みしめた。
「まずはどうしたらああいう風に膨張するの?」
「……勃起、って言うんだぜ。知ってるか」
「専門用語には興味がないわ」
「本好きが聞いて呆れるぜ」
魔理沙は小さく頭を掻いた。
「さっきの魔理沙のは、新式冷房で舐めてやったら膨張してたわね」
パチュリーが手の内で自分から生えてきたモノを弄びながら言う。ぺったんこの胸の少女が、自分の股間を揉んだり、裏側を覗いてみたりして観察していた。
「……アレは、ちょっと刺激が強すぎて痛いと思うぜ。大きいし、動きの力加減もそんなに効いてなかった」
「悪かったわね」
気分を害したパチュリーがふくれ面で言う。
「いや、そうじゃなくて……見た感じ、パチュリーのはあんまりまだ、その、『慣れてない感じ』がするから、最初は手とか舌とか……」
「舌って、魔理沙が舐めるの?」
「あ、まあ、そういうことだな」
魔理沙が少し不快そうな顔をしているのをパチュリーは見逃さなかった。嫌がらせのタイミングだけはどんな時でも見過ごさない。
わざと気の毒そうにこう言う。
「無理しなくてもいいのよ。これだってきっと毒の一種なんだし」
「別に……無理っていうか。何となくただ、やったことないから」
「可愛いこと言って。でも容赦しないわよ」
パチュリーの声はずっと生き生きしていた。明らかにこの遊戯を楽しんでいる。
「じゃあ、舐めて」
魔理沙の顔の近くまで腰を進めた。
「あ、う……いきなりかよ」
「いいから」
差し出されたそれは白いというよりは、生白い肉の管だった。皮もまだ剥けておらず、ふんにゃりと頼りない。
こわごわ触れてみた魔理沙は、やがてこう呟いた。
「なあ、どうしてコレが勃起するか、知ってるか」
「外皮からの刺激を受けて力学的物理的生物学的化学的生理学的にいろいろして勃起するんでしょう。詳しいメカニズムは知らないけど」
「そうじゃないんだぜ」
魔理沙は首を横に振り、それから真顔でこう言った。
「愛を感じなきゃ、気持ちがココに溜まっていかないんだぜ。熱い思いが滾って初めて大事なところがおっきくなるんだぜ」
魔理沙はすごく大事なことを言った、ような顔をしていたが、パチュリーにはぴんと来ない。
「ああもう、いいから、私から降りろ」
くしゃりと自分の前髪をかき上げて、魔理沙がそう言った。
「机の上に座って」
「……むきゅー」
パチュリーは言われるがままになった。若干その顔は不満げではあったが。
魔理沙は床に跪き、パチュリーのソレに指をそっと這わせた。ごくりと唾を飲み込んで、皮で覆われた先端をじっと見つめる。
やがてそっと柔らかな口づけをした。湿った唇が皮の上をやんわりと這う。少しずつねぶるように、唾液で濡らしてぷるんとした弾力を伝える。わざと音を立てて何度も軽いキスを繰り返す。
パチュリーがため息と共にこう言った。
「……悪くないわね」
というか、その動作は手慣れていた。どうやって敏感な箇所を慣らしていったらよいのかを知っている者の手つきだ。初めてだというわりには、不器用さが感じられない。
自分に傅いている魔理沙の様子は征服的な眺めではあったものの、パチュリーは心穏やかでなかった。
どうして、そんな風に上手く触れられるのか。一体誰のせいで慣れているのか。
聞きたいのに、それをどう口に出して良いのか分からなかった。
「ん……少し、勃ってきたな」
くちゅっと唇から肉棒を出して、魔理沙が言った。その間も唾液で濡れた箇所を指の腹で優しく愛撫し続けていた。
「なあ、私にココ舐められて、何を考えてた?」
「……別に」
パチュリーは何も言わなかった。何をどう言うべきか、きちんと整理してから口に出そう。そう思った。今はただ、魔理沙に触れられている場所のことを考える。そのしなやかな指と手のひらが弄ぶ股間の熱さだけ感じる。
「……そっか」
残念そうに魔理沙は言った。
再び魔理沙の顔がパチュリーの茎に近づく。わずかに包皮の剥けている箇所をわざと避けるようにして、皮と亀頭の間にちろちろと舌を走らせる。少しずつ熱くなっていくその場所に纏わる感覚を自分は今までに知らない。ただむず痒いような微かな感覚を頼りにして、鎌首をもたげていく欲望の徴をただじっとじっと見つめた。
「どうだ、気持ちいいか?」
魔理沙がまた訊いた。
「……よく分からない」
パチュリーはそう答えた。くすぐったいような、しかしそれともわずかに違うような、腰にぴくんと走る電流の様な感覚を、今まで感じたことは無かった。
「ああ、そうか。大事なこと、忘れてた」
魔理沙はゆっくり立ち上がると、片手でそっとパチュリーの背中を支えた。抱きしめるようにして、至近距離、真顔で彼女を見る。
「パチュリー」
「なに?」
「好きだぜ」
それから不意打ちのようにキスをした。柔らかな唇が触れ合う瞬間に、パチュリーの胸が嘘みたいに強くときめいた。
「……何、それ」
パチュリーはそれだけ言った。そう言うのが精一杯だった。
「儀式。これやんないと燃えねーんだって」
照れたように魔理沙は笑った。
なんだ、儀式か。そう思って、すぐに残念と感じる自分の感情に微かに躊躇う。好きとか、そんな気持ちについて今まで考えたことが無かった。
「なあ、パチュリーも、私に触って」
「え」
「柔らかいトコ、触ると、気持ちいいからさ」
そう言って、パチュリーの右手を両手で取った。そっと頬に当てる。ぷっくりふっくら桃色のほっぺたは温かかった。
魔理沙の微かな吐息で指先が湿る。肌と肌が混ざり合いそうなほど柔らかく感じるその感触。
「お前の手、冷たくて、気持ちいいな」
うっとりと目を閉じる魔理沙の顔が、ひどく綺麗に見えた。伏せた睫の蔭が金色の夜明けの様に赤みの差している頬に落ちている。
その顔を見ているだけで、ひどく甘い気持ちになった。胸の奥から何かこみ上げてきて、それが熱い溜め息になって出て行く。心の奥に火が灯ったような、不思議な心地。
「私も……儀式、するわ」
平素に似ない、たどたどしい言葉遣い。
ぎゅっと目を瞑って、唇を近づけた。わずかに数センチ外れて、鼻先にキス。上手く出来なかったのが悔しくて、顔が熱くなった。
「ちゃんと好きって言わなきゃ、恋の魔法、効かないぜ?」
「……じゃあ、好き」
「良くできました」
そう言って、無邪気に微笑んだ。
パチュリーは顔を上げられなかった。どうしてなのか、自分でも分からない。けれど、さっきまで自分の半裸を見られても何とも思わなかったひとに、顔が赤いのを見られるのがひどく恥ずかしくて、魔法に掛けられたみたいだ、と思った。
すっと魔理沙の顔が近づいてきて、口づけた。ぷるんと弾力のある唇が柔らかに動く。流れ込んでくる唾液をひどく甘く感じた。
「んんっ……ぷふぁっ」
息継ぎをする。酸欠だろうか。胸がどきどきして苦しい。頭がぼうっとして、でも、ふわふわと空を飛ぶような心地よさがある。
「ん、ちゃんと、硬くなってきてる」
魔理沙が口元に手をやって、それからパチュリーの下腹部へ手を伸ばす。その指先は唾液で濡れて、ひどく滑る。優しく愛撫されるその感覚は驚くほど自分の中身を熱くかき立てる。表層しか撫でられていないはずなのに、神経の奥の心の深淵まで触れられているような気分になる。
それに気付いた瞬間にかぁっと顔が熱くなる。どうして熱くなるのか分からない。変だ。すごく、なんだか、変だ。
「手でいいよな?」
「……ん」
嫌だとは言えない。
魔理沙の手つきは慣れきっている。同じことを他のひとにもしてきたんだ。そう思いつくと気持ちがひどく辛く、痛くなる。
されるがままになって、気持ちいいことをされて、それできっと、終わりになってしまう。きっと彼女が共に過ごしてきたひとたちのうちの一人として過ぎていき、終わっていき、そして何もない日々へ戻る。
それは当然のことなのに、当たり前の日常だというのに。
何故だか、泣けてきた。
「うっ、ふぅっ」
声まで出して、しゃくりあげて頬を涙が流れるに任せる。肩で息をして、こみ上げてくる激情で顔をくしゃくしゃにする。
さみしい。
誰かに抱かれているのにさみしい。
誰かと一緒なのにさみしいんだ。
「ど、どうしたんだパチュリー」
魔理沙があわてて抱きついてくる。小柄な肩にぎゅっと抱かれる。もたれるようにそのまま床にへたり込んだ。
「……すき、まりさ、すき」
その言葉だけがよりどころみたいだった。呪文のようにそれを繰り返した。
「おいおいどうしたんだぜ。恋の魔法、効き過ぎだぜ」
わざと冗談みたいな口調で、ぽんぽんと赤ん坊をあやすように背中を叩く。その感触がひどく優しい。くすんくすんと鼻を鳴らして、すぐに泣きやんだ。魔理沙が心配してくれるのが嬉しかった。自分のことだけ見てくれるのが幸せだった。
「むきゅー……」
照れる。なんだか、無性に照れる。まともに顔が見られなかった。
「どうしたんだ」
「ホントはどうするものなの、これ。ただ擦るだけなの?」
自分の下腹部に手を伸ばす。泣いたせいか、柔らかくなってしまっている。
「ん……ココに挿れるんだぜ」
魔理沙はパチュリーの手を取って、自分のほとに導いた。名残の微かな湿り気こそあれ、小さな花弁が密やかにその場所を塞いでいて、指程度ならともかく到底先ほどのような太い肉棒が入りそうには思えなかった。
「どうやったら、そこに入るの?」
「……すごく好きになったら、すごく気持ちよくなって、そいで、えっと……とにかくそうなったら入るようになるんだぜ」
魔理沙の言葉は説明になっていないような説明だった。それでも、パチュリーはそうなってみたかった。
「ねえ、私のこと、すごい好きになって。私もなる」
「え。」
「挿れてみたい。魔理沙の、ソコに」
「ええええ」
「ダメ?」
まだ微かに涙のぼやける瞳で、上目遣いで見る。魔理沙の顔が一気に赤くなる。
「ダメ、じゃない、けど」
「ん。好き」
今度はちゃんとキスできた。くちゅっと音を立てて少し深く。頭の中がとろけるような、幸せな心地がした。これを幸せなのだと感じられると言うこと自体が、何かの罠に掛かっているようにも思えた。ずっとずっとこの瞬間が続けばいいのにと思ってしまうこと自体が、何か、途方もない間違いをおかしているような気がした。
「んんっ……」
口づけを続けながら、残っているお互いの布地を取り去っていく。生まれたままの姿になって、肌を触れ合わせる。先ほどまでの遊びの名残が、肌の上に油脂分となってとろけていた。互いの肌が、にしっ、ねしっと湿り気のある音で貼り付いた。
まるっきり子供の体温の魔理沙は、パチュリーの裸身を強く抱きしめてこう言った。
「冷たいな、お前。暖めてやるよ」
パチュリーは何も言わずに、ただ、照れて、魔理沙の胸の先を指でなぞった。
「んぁっ……」
微かな吐息を上げて、魔理沙は身体を反らせる。少しだけ勃った薄い色の突起を舌先で転がす。どうやればいいのかも知らないけれど、真珠かお菓子のような綺麗な肌色を口に含みたくなった。触れているだけで夢のような甘い心地がした。
「熱くなるのは貴女の方よ」
その口調もまた蕩けるように熱を帯びている。言葉に意味はない。吐息にただ意味がないように、ただそこに浮遊して流れて消えていくだけだ。
「ふぁ、っ、パチュリー……」
魔理沙が呼ぶその名前には、限りなく溢れる毒液が含まれているようだった。耳から入り込んで頭の中をぐじゅぐじゅに溶かしてしまう、甘い毒。
少女の小さな手に収まるぐらいの慎ましい乳は、張りよくつや良く、ミルクのような上品な甘い香りがした。その香りを存分に吸い込むようにして、パチュリーは鼻先を寄せて匂いを嗅ぎ、そして舌先でちろちろと舐めた。
「ふぁっ……」
魔理沙の手が自分自身の熱りに伸びる。白く柔い両腿の間で、じゅくじゅくと蜜が溢れ、したたり落ちていた。パチュリーもその手をたどって伸ばす。柔らかいその場所は恋しい気持ちに満ちていた。
「ぬれてる」
「んんっ」
「かわいい」
露に濡れた桃色の門を指先で円を描くようになぞる。流れ出た蜜が花弁にまとわりついてぷるりと滑る。掬うようにして指に絡ませ、かすかにほころんでいる熱い絹糸の内側へ。
「やぁっ」
魔理沙の声が一つ、上がる。中指の先をめり込ませただけで、微かに震えていた。
「い、挿れるなら、そう言ってくれ」
「ごめんなさい」
素直に謝った。
「でもこれからもっと太いの入るから。慣らしておかないといけないと思って」
「え」
魔理沙がおずおずと下を見る。
パチュリーのそれは、先刻までの小さな榎茸ではなかった。色こそ可憐な桃色だが、むっくりと屹然とそびえ立ち、白鮑茸ほどにまでなっていた。
「や……そんなに、大きいなんて聞いてないぜ」
戸惑った顔で目をぱちくりさせる。その表情がどうしようもなく愛おしく感じて、パチュリーはぎゅっと魔理沙を抱きしめて床に押し倒す。
「や、その、えっと……」
「大丈夫。優しくするから」
こういうときにはこういうことを言うのだろうと思った。だから言った。
これが自分の身勝手な欲望なのだとは知っている。けれど、そんなことどうだっていい。身体を動かすのはいつだってただの衝動で、理屈などはどうだってよくてただ身体の奥で疼く何かが命ずるそれに従うだけだ。
「やっ、ぁっ……」
再び魔理沙のそこに手を伸ばす。指先で濡れそぼった花びらを蹂躙する。掻き乱すごとに彼女の吐息が荒くなっていく。熱くとろけきった局部を弄び、肉の襞が指先を締めつける感触を楽しむ。手のひらまで垂れた愛蜜を己の欲棒に擦り付ける。包皮から頭を出した割れ目に指を滑らせると自分の中に電気のような快楽が走る。
「挿れる、わ」
長引くと、我慢できないような気がした。
「んんっ」
魔理沙の返事は吐息に混ざっていた。パチュリーは構わずに先端を入り口に添える。
「やあ……おっきいよ……」
少しだけ泣きそうな顔をした魔理沙が、ひどく可憐で儚いように見えた。一時の幻想が見せる目の錯覚なのだとは知っている。けれど見えたその画像をいつまでも記憶にとどめておきたいと思った。
「ちょっとだけ我慢して」
「っぁ、んっく、あっ、ああっ」
腰を進める。圧力を高めていくごとに、魔理沙の吐息に悲鳴が混ざる。その声に甘美さを感じてしまう。みしみしと狭い肉の間を無理矢理開いていく感覚が気が遠くなりそうなぐらい快い。
太い先端だけを入れたところで一度動きを止めた。
「大丈夫?」
「ん……いたい、けど、きもちいい」
「そう。よかった」
たどたどしい魔理沙の言葉がますます愛しさを加速させる。
「また、動くわ」
「ん……ぁ、あんぁぁっ」
魔理沙の太ももを持ち上げて、大きく脚を開かせる。肉棒を飲み込んだ下腹部が微かに膨らんでいるような気がした。熱く脈打つような感覚が腰の奥の本能の部分に訴えかける。もっと早く動きたいという衝動が脳髄を灼いて、歯止めがきかなくなる。
「あぅっ、はぅんっ、きゃぅう……」
魔理沙の声に明らかな艶が混ざる。前後に動くその腰の動きにあわせて、彼女の声が高く高くなる。
「っ、げほっ」
急な運動に咳き込みそうになる。必死でそれを堪える。自分の中から何かがこみ上げてくるのを感じる。息苦しさが肺の中で渦を巻く。喉奥に何か詰まっていて、それを咳で取り除けないのが酷く苦しい。
「ああっ、パチュリー、っ、いい、すごい、きもちいいよぉっ……」
魔理沙が高い声を上げて、腰を強く動かす。何もかも搾り取られるような凄まじい動きに、気が遠くなりそうだった。
喉奥をひゅうひゅうと風が通り抜けるような音がする。上手く息が吸えない。それでも動き続ける。自分の中で溢れ出る力全てを腰から叩きつけるつもりで動く。
熱の塊のような襞がそれに答えてぎゅっと締めつけてくる。絡みつく粘膜の摩擦が燃える心を更に漲らせる。
「っ、っく……けふっ」
名を呼びたい。思い切り彼女の名を呼びたい。その気持ちがこみ上げてくる。愛情を込めて、自分の出来る限りのいとしさを込めて、腕の中にいるひとの名前を呼びたい。
「ん、あっ、はぁっ、ぱ、パチュリぃ、いいよおっ……きてよぉ……」
魔理沙が自分から膝を抱えて、更に深奥を突きやすい体勢を作る。それに応えたい。ぎしぎしと悲鳴を上げそうな腰を出来るだけ強く動かす。腰骨と尻がぶつかって、ぱん、ぱんと音を立てた。
「はぅっ、ひゃぅぁぁっ、ぁっ、ふぁあん……」
ぎゅっと背中に手を回されて、ますます恋しく感じる。甘くむずむずとこみ上げてくる衝動が腰とその下をさらに激しくさせる。火がついたように熱くなる魔理沙の白い裸身を神々しい何かのように感じる。
「はっ、っぁ、っ、けほっ、」
吐息が咳になる。それでも苦しくても動く。激しい運動に向いていない身体でも、全身全霊を込めて突き動かせば何かに届くような気がする。高い高いところへ上り詰めていくような心持ちがする。
「ぅ、ぁっ、ひゃぁあんっ、やっ、あっ、あっ、あああっ」
魔理沙の声が高く、変わる。終わりが近いことを感じる。
「やぁっ、いっしょ、いっしょに……」
「ん、っ、まりさ、ぅ、ん。いっしょに」
それだけ言って、強く迅く動いた。ぎゅっと魔理沙の内側が強く締めつけてくる。何もかも搾り取られるような心地。目の前が真っ白くなるような快感へ到達する。びゅくびゅくと痙攣しながら液体を吐き出す。暖かなものが魔理沙の中で跳ね返って溢れた。
そっと引き抜くと、接合部からごぼりと生暖かな液体が零れ出た。
「……すごい、頑張ってくれたんだな」
魔理沙がそう言って、頭を撫でてくれるのを、パチュリーはこの上なく幸せに感じ、そしてその幸せのまま眠りに落ちた。
目が覚めた時には、自室のベッドの上で寝ていた。
起きて直ぐに股間の状態を確かめたのは言うまでもない。いつも通り、きちんと何もない状態。それだけでひどく安心した。やはりアレがあるのは落ち着かない。
布団の中でまだ昨日の記憶を反すうする。顔が少し熱い。
「むきゅー……」
ひとりごちる。頭の中で昨日の画像がぐるぐる回って、言語野がエラーばかり起きて何も言えない。意味の分からない感情と感覚とが混合して混在して融合して分解されて再構築されて、もう何が何だか分からないぐらい混乱している。
……起きよう、とそれだけ決めた。
何か食べると少し落ち着くかもしれない。本来的には必要ないモノだが、気分転換は重要だ。
食堂へ向かおうとしてパチュリーはドアを開けた。
「あ……」
開けてすぐの所に、小さな封筒がわざとらしく落ちていた。星形のシールが貼ってある薄紫色の封筒。開けて中身を見る。期待したような手紙は無かった。
ただ、小さな銀細工の栞だけが入っていた。見たところ魔法の品などではない。ただキラキラと輝いて綺麗だった。
「……むきゅ」
起きてから自分が非言語的音声しか口にしていないことに若干の疑問を感じながらも、パチュリーの胸の中にはいつもの朝と違うときめきが生まれていた。
なお、その日の朝ご飯は、夕飯の残りと思しきタンシチューのキノコ添えであったことは、この物語の蛇足である。
『なまにく』と『にくまん』は、エロいワードNO.1(当社比)
あと白あわび茸はエリンギの幻想入りした和称。(Wikipedia調べ)えろい名前のキノコだなあ。
しかしこの二人は恋愛感情がない、ただの友達ていうのも萌えると思った。まあ、友達とだってせっくるできるますからよ。
i0-0i
http://i0-0i.sakura.ne.jp/
作品集:
最新
投稿日時:
2008/09/13 15:28:16
更新日時:
2008/09/13 21:09:47
評価:
7/7
POINT:
50
Rate:
1.88
1.
6
点
nanasi ■2008/09/14 23:15:17
軽く嫉妬したり、儀式なことに残念がったり、湧き出してくる自分の感情に戸惑うパチェが可愛らしすぎます
なんと言うか、感情の交流がよい
2.
6
点
名前が無い程度の能力 ■2008/09/24 13:20:46
パチュリーの理論的な語り口が巧い。
それがかえって官能的にすることに成功してる。
馬肉をもうちょっと使えたのでは。
3.
8
点
名無し魂 ■2008/09/24 23:44:45
この、枯れた感じのパチュリーから出る雰囲気がエロいね。
中盤ですきすきと繰り返したときに何か寂しさを感じてよかった。
発想がなんかすごかった。
4.
6
点
グランドトライン ■2008/09/25 09:55:41
序盤の無関心から終盤の戸惑いに変わるパチェ萌え。
文章が丁寧で、事細かに書かれていました。
また、馬の舌で愛撫するプレイは見事な発想でした。
そして、その手の知識にやたら詳しい魔理沙とその手の知識や恋愛感情に疎いパチュリー。
この2人のギャップがなんともいえません。
しかし、序盤で文章がだらだら続くところが目に入りました。
その部分は改行を入れてみれば読みやすくなると思います。
守備範囲と趣味範囲の洒落は少し笑ってしまいました。
そして、白鮑茸をこの小説で初めて知ってしまった。
5.
7
点
七紙 ■2008/09/25 16:37:57
一風変わっていて、楽しませていただきました。
描写もネチッこくてエロくて。
何もかも計算ずくっぽい魔理沙に腹が立ったけど、面白かったです。
6.
7
点
RoN ■2008/09/26 20:14:54
しおらしい乙女パチュリーは我々の業界ではご褒美です
パチュリーの気持ちの移り変わりが早すぎる気もしたがえろいからいいと思った
7.
10
点
泥田んぼ ■2008/09/26 23:40:18
このパチュマリは致死量
8. フリーレス
i0-0i ■2008/09/28 06:19:33
取り急ぎコメ御礼。
平素やらない横書き小説は久方ぶりで、お目汚し致しました。
2作目から悪癖が出た。馬肉料理むずかしす。
確か、パチェは初潮前・初恋前だと思いながら書いた気がする(うろ覚え)
新参ですが、よろしくお願い致します。
9. フリーレス
雋。蟶 莠コ豌
■2013/09/22 17:17:32
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なんと言うか、感情の交流がよい
それがかえって官能的にすることに成功してる。
馬肉をもうちょっと使えたのでは。
中盤ですきすきと繰り返したときに何か寂しさを感じてよかった。
発想がなんかすごかった。
文章が丁寧で、事細かに書かれていました。
また、馬の舌で愛撫するプレイは見事な発想でした。
そして、その手の知識にやたら詳しい魔理沙とその手の知識や恋愛感情に疎いパチュリー。
この2人のギャップがなんともいえません。
しかし、序盤で文章がだらだら続くところが目に入りました。
その部分は改行を入れてみれば読みやすくなると思います。
守備範囲と趣味範囲の洒落は少し笑ってしまいました。
そして、白鮑茸をこの小説で初めて知ってしまった。
描写もネチッこくてエロくて。
何もかも計算ずくっぽい魔理沙に腹が立ったけど、面白かったです。
パチュリーの気持ちの移り変わりが早すぎる気もしたがえろいからいいと思った
平素やらない横書き小説は久方ぶりで、お目汚し致しました。
2作目から悪癖が出た。馬肉料理むずかしす。
確か、パチェは初潮前・初恋前だと思いながら書いた気がする(うろ覚え)
新参ですが、よろしくお願い致します。