恋めく滝壺に落とされて……

※この小説は早苗と魔理沙の２つの視点で進められます。
　また、ソフトながらもアナルセックスや放尿の表現があるので注意してください。




「早苗！修行に行こうぜ！！」








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　恋めく滝壺に落とされて……
















――ＳＩＤＥ　早苗＞＞


　守矢神社の境内に突然やってきた魔理沙が放った第一声がそれでした。

「修行ですか？」
「この山にはいい滝があるだろ？ しかも今日は暑い。
　そこで滝に打たれる修行でもしようっていう話だ。悪くないだろう？」

　確かに今日は暑い。私も境内の掃除が終わったら、滝で修行しようと思っていました。
しかし、まさか目の前の黒白魔女……霧雨 魔理沙から誘ってくるなんて……
　守矢神社にはよく来るようになりましたが、正直、びっくりしましたよ。

「悪くはありませんよ。ですが、あなたと一緒ですか？」
「そうですわよ？お気に召さないのかしら？」
「なにか腹立つ言い方ね……
　でも、他の人と一緒に修行したことありませんし、敵情視察も兼ねてお願いしますね！」
「敵情視察って……やれやれだぜ」

　本当にやれやれと言った顔とリアクションで反応する魔理沙。
むぅ〜……こっちは割りと真剣なんですよ！


　そもそも私がこの黒白を宿敵(ライバル)視する理由は単純。徹底的にやられたからです。


　私と彼女が出会ったのは数日前の同じ場所でした。
　私は神社を引き渡すように警告した麓の神社の巫女が来るものだと思っていましたので、
神事には関係なさそうな黒白魔女がやってくるのは予想外でした。もちろんどんな相手でも全力で交戦しましたよ。
　ですが、実力は圧倒的で、私のスペルは全て敗れてしまいました。
私のとっておきのスペルを難なく掻い潜り、ミサイルとレーザーで反撃する様は、人間戦闘機そのものでした。
　しかもあろうことか、「次は私の番だぜ！」と叫んでスペルで攻撃してくる始末。容赦無さ過ぎです。

　そしてもっとも宿敵視する理由それは……




　恋術『スターサイン・ソーサラー』




　新作と言って最後に出してきたそのスペルは、
私の『グレイ・ソーマタージ』にレーザーを加えてアレンジされたものだったのです。
　私が幻想郷で信仰を得るために苦労して考えたスペルをたった数十分で盗られ、
なおかつ、それにやられたときは、自分の無力さと情けなさを嫌というほど思い知らされましたよ。

　そういうわけで彼女に負けてからは、ギャフンと言わせるためにひたすら修行しているわけです。
私をこてんぱんにして、なおかつ技を盗んだ借りは返してもらうんですから！

「そうと決まれば膳は急げだ！ さっさと行こうぜ！！」
「ま、待ってくださいよ！ 滝打ちの修行用の服に着替えますから！！」

　そんな私の気持ちを知ってか知らずか。
まるで子供が親を外に遊びに連れ出すように、私の腕を引っ張り出す魔理沙。
　はぁ……とりあえず主導権(イニシアブル)では勝てそうにないですね。

「って痛い痛い！ そんなに強く引っ張らないで〜〜〜っ！！」








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊








「ん〜風が気持ちいい〜♪」
「そうか。それじゃあもっと飛ばすぜ！」
「駄目！ このままがいいんですよ♪」
「私はこの程度じゃ物足りないぜ……」

　今、私達は魔理沙の箒に乗って滝壺に向かっています。
速度はやや速めだけど、風を感じるのにはちょうどいいです。
　ちなみに魔理沙曰く、「特別サービスで９割減速しちゃうぜ★」とのこと。
いくら私が風祝でも、これの１０倍は耐えられそうに無いです……

「そういえば霊夢は誘わなかったんですか？」

　ふと疑問に思ったので、魔理沙に聞いてみました。
　麓の神社の巫女にして彼女が宿敵視しているという博麗 霊夢。
巫女と言う立場なら彼女もまた修行しているはずです。
だから、私の代わりに霊夢を誘ってもよかったのではないでしょうか？

「ああ、あいつは滝がトラウマらしくてさ。
　私にお前らの退治を依頼したのも、滝に近づきたくないからなんだ。
　それ以前にあいつは修行とか嫌いだし」

　滝がトラウマって……滝から落ちて死にかけたのかな？
そもそも修行が嫌いって……それでよく巫女なんてやってましたね。

「だから早苗が修行に付き合ってくれると聞いて、すっごく嬉しかったぜ♪」
「だからって、腕が千切れるほど引っ張らないでくださいよ……」
「大げさだなぁ〜 別にいいじゃないか。嬉しいんだから♪」

　こうしてみると、ちょっと幼さが残った普通の美少女って感じなんだけどね。
　宿敵視している私だけど、彼女自身のことはかわいいと思っている。
　実際に彼女の腰にしがみついているときは、
まるでぬいぐるみを抱いているようなどこか安心した気分になります。

　おかしいですよね。普段はどこか捻くれているし滅茶苦茶なのに。

「それともうひとつ、魔理沙はこれ以外にはどんな修行をしているんですか？」

　私は最も聞きたかったことを率直に聞いた。
　魔理沙と同じような修行をすれば、少しは彼女に追いつけると思って……
この修行以外にも、彼女と一緒にいられるかも知れないという期待もあったのかもしれません。








　だがそれがいけなかったようです。








「ん〜と、成層圏まで飛んだ後、地上まで急降下したり……」

　……今、信じられない言葉が出てきたんですけど？








「他にも十字架に貼り付けられた状態で火焙りになったり」

　それは修行なの？！ どうみても処刑にしか聞こえないんだけど？！








「後は通りかかった奴に魔砲の試し撃ち「……もういいです」
　なんだよ、盛り上がってきたところなのに……」

　修行がもはや人間どころか妖怪すら実行困難なものでした。
奇跡が起こせる程度の私では実行する気さえ起きません。

　なにかこの時点で既に勝てないような気がしてきました……

「どうしてそんな過激な修行を……」
「幼い頃から魅魔様に無理やりさせられてな。もう慣れちまったぜ」

　異変が終わった後に聞いた話ですが、
魅魔というのは魔理沙の魔法の師匠であり、育て親だそうです。
　もちろん人間ではなく、種族は悪霊らしく自称『博麗神社の祟り神』だとか。
彼女を色々な面で信仰しているため、魔理沙は意外にも信心深いのです。

　ちなみに神社の巫女の霊夢は魅魔のことをまるで信仰してません。
悪霊やら祟り神やらを信仰したくない気持ちはわかりますけど、
巫女として信仰心がないのはどうかと思います……

　普段は適当にフラフラとうろついたり、
人間とかの精神に入り込んで、ちょっかいかけたりしているそうです。
私は会ったことはないので、よくわかりませんが。
　何にせよ、とんでもない師匠がいたものです。
それで生きている魔理沙も魔理沙ですが……

「あと、霊夢にも同じ修行をさせたら、秒単位で音を上げたぜ」

　当たり前です。
まあ、生きてるだけでも十分凄いですけどね……

「お、見えた見えた！！」








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊








　ゴォォォォォ……



「おーおーすごい音だな！ こいつは修行し甲斐があるってもんだぜ！」

　鳴り響く滝壺の音に大興奮の魔理沙の隣で、私もまたじっと滝壺を眺めていました。
　滝壺は怪物のような唸り声を上げ、遠くで見るよりも激しく飛沫を上げていました。
修行の度に来ているけど、何時見ても見とれてしまう光景です。

　それにしても魔理沙は表情の変化が激しく、見ていて飽きません。
最初は彼女の歪曲した面しか見えませんでした。
ですが、今はこうした純粋な面も見るようになってきました。

　私は彼女を強敵として見ていきながらも、恋人として意識し始めたのかもしれません。
……いやさすがにそれはないかな？

「ところで、それが滝打ちの修行用の服なのか？」

　滝壺に視線を戻そうとしたところ、ふと魔理沙が私の修行服について尋ねてきました。
今の私は薄い生地の白い浴衣を着ています。いわゆる白装束です。
　下着は着けていないので少し恥ずかしいですけど、この羞恥に耐えるのもまた修行ですよ。

「はい、いつもこの衣装で滝打ちの修行に臨んでいます。
　この格好のほうが修行に集中できるのですよ」
「へーそーなのかー」

　なにやら不思議そうな顔で返事をする魔理沙。
そんなにおかしい服装では無いと思うけど……

「ところで魔理沙はどういった服装で滝打ちの修行に臨むのですか？」

　魔理沙の衣装は何時もと同じ黒白の魔女服で、別の着替えらしきものは見当たらないようです。
そもそも箒以外に持ち物は見当たりません。いったいどうするつもりなんでしょう？








「何も着ないぜ！」
「え”っ？！」



　ファサッ！！



　私が濁った声で驚くと同時に、魔理沙は身に纏っている服を全て脱ぎ捨てた。

「ななななな？！？！」
「何時も私は裸でやってるぜ！！」

　ああ、さっきの不思議そうな顔はこういうことだったのですね。
滝打ちの修行で服を着ることなんて、魔理沙にとっては珍しいことだったようです。

　……って客観的に逃避している場合じゃないでしょ私！



　スラリ……



　うわぁ……未発達ながらもちゃんとした女性の形は整っているのね。
胸も小さいながらも膨らんでいるし……

　……ってそうじゃなくて！ そうじゃなくて！！

「は、恥ずかしくないのですか？」
「ん〜……いや特に何も」




　………………………………




「そ、そうですか……」

　少し考えた魔理沙ですが、結局は何も感じていないようです。
彼女には女の子としての恥じらいがあるのでしょうか？

　はぁ……慌てた私が情けないです……
仕方が無いので、私は修行を始めるため滝壺に向かうことにしました。

「あ！ 待てよ！ 先に行くなって！！」








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊


――ＳＩＤＥ　＜＜魔理沙





　ザァァァァァ……



　う〜ん……さっきはああ言ったけど、何も感じてなかったのは『今まで』の話なんだよな……
１人でやるとあまり気にならなかったけど、早苗と並んでやってみると結構恥ずかしいぜ……

「今まで魔理沙はぁーー！ どういった滝で修行してきたのですかぁーー？」

　すぐ隣から早苗の叫び声が聞こえる。滝の音は随分とうるさいようだな。

　そういえば、滝といえばいい穴場を知っているんだよな。
霊夢にも教えてやろうかと思ったのに、まるで無関心だったし……
　早苗なら喜んでもらえるかもしれないな。

　けど、今は修行中だから後で教えるとするか。

「いいところがあるんだけどぉーー！ 今は修行中でぇーー！
　言えそうに無いからぁーー！ 後で教えてやるよぉーー！」

　くそう……割と全力で叫んでるのに滝の音に負けてる気がするぜ……
ちゃんと伝わっているかどうか気になったので、私は顔を早苗の方に向けた。








　が、それがいけなかった……

「わかりましたぁーー！ ぜひ教えてくださいねぇーー！」








　ぺったり……



　す……透け透けじゃないか？！

　生地が薄過ぎるだろ！ 肌とか乳輪とかの色がはっきり見えてるぜ！！
これは私のような全裸より嫌らしいぜ……



　ぷるっ……



　そういえば胸でかいよな……
箒に乗っているときも背中が心地よかったし……



　ぽよっ……



　くそう、お尻もいい形してるし、プロポーションじゃ圧倒的に私が負けてるぜ。
でも、悔しい反面こう見ていると……








　……襲いたくなるよな？


「どうかしたのですかぁーー？」

　……って何を考えているんだ私！ 何を考えているんだ私！！
あろうことか修行中になんて淫らな事を！！

「何でもないぜぇぇーーー！！」

　いくら早苗のことが気になるからって、こんなことを考えるとは……
まだまだ修行が足りない証拠だぜ！ 集中しなければ……

「煩悩退散！ 煩悩退散！ 煩悩退散！ 煩悩退散！」
「す、凄い気迫ですね……」

　まあ、それほどでもあるぜ！
　しかし、いちいちこんな下らない事でも真剣に見るよな、早苗の奴。
そんなところが私は好きなんだけどな。

　けど、まだまだ煩悩は払えそうにないな。
何か強い衝撃を受けるとか格好良いところを見せるとかして、頭をすっきりさせないと。
　ここで都合よく丸太が降ってくれると助かるんだけどなぁ……








「魔理沙ぁーー！ 危なぁーーいっ！ 上から丸太がぁーー！！」








　……本当に都合よく降ってくるもんだな。
煩悩退散にちょうどいい。格好良いところも見せられるし一石二鳥だ。
　ちゃんと見てろよ早苗。私の修行の成果を見せてやるぜ！！

「心配は無用だぜ、早苗ぇーー！ まあ見てろぉーー！！」
「えっ？」








「破ぁぁぁーーーー！！！！」



　バキバキバキッッ！！



「ま、丸太が魔理沙に当たった途端、粉々に……？！」
「私ほどの者になればなぁーー！
　魔法と気合で丸太を粉々にするぐらい容易い事だぜぇーー！！」



　決まった……最高に決まったぜ！私……



　思えば、幼い頃は丸太に何度も直撃して、タンコブ作りまくったからなぁ……
あれが悔しくて、何度も修行してこの技を会得したときは大喜びしたっけ。
　とにかく魔力と気合を刹那に放出することで、頭が引き締まって煩悩も出て行った。
これで何時も通りの私だ！

　うふふ……どう早苗？ これが私の実力だぜ！！








「本当に凄いのですねぇーー！ ですが私も負けませんよぉーー！！」



　にこっ♪



　しまった！ 思わず振り向いちまった！！
しかもなんだよその尊敬と対抗心が調和したような笑顔は！
ものすごく可愛いじゃないかよ！！



　するり……



　服が心なしか肌蹴てきてるし……
うわっ！ やばい！！ 色々と見えてきそうだ！！



　ゴクリッ……








　……もう襲ってもいいよな？


「私の顔に何か付いていますかぁーー？」

　……って何を考えているんだ私！ 何を考えているんだ私！！ 何を考えているんだ私は！！！
煩悩払うどころか、ますます増えているじゃないか！！

　こんなことなら早苗なんて誘わなければ……ってそれこそ考えちゃ駄目だろ！！
早苗の顔を思い出してみろ！ 修行に誘ってくれて、何だかんだ言って嬉しそうだったじゃないか！！
　私だって凄くうれしかったんだぞ！ いきなりだから断られるものかと思っていたけど、
ちゃんと誘いに乗ってくれたんだから！！

　それを無駄にするのか！ そんなこと私が絶対に許さないぞ、私！！
煩悩が何だ！ それもまた修行の一環だ！！ 気合で乗り越えろ！！

「何も付いていないぜぇぇーー！！ 修行に集中しろぉぉーー！！」
「わっ、わっ、わかりましたぁーー！」

　そこまで驚き怯えなくても……
う〜ん……ちょっと怒鳴り過ぎたかなぁ？



　ザァァァァァ……



　な、なんか気不味いぜ……
こういうときまた都合よく岩石とか降ってくれると助かるんだけど……








「魔理沙ぁーー！ 逃げてくださぁーーい！ 上からありえない大きさの岩石がぁーー！！」








　……本当の本当に都合よく降ってくるもんだな。
日頃の私の行いが良いおかげだな♪ いや悪いおかげかな？
　しかもありえない大きさと来た。そこまで私の煩悩はでかいわけだ。
うふふ……上等じゃないか！！

「早苗ぇーー！ お前は先に逃げてろぉーー！ 岩石(こいつ)の相手は私がするぜぇぇーー！！」
「で、ですがぁーー！」
「いいから逃げろぉぉーー！！」
「わ、わかりましたぁーー！！」

　影が私の家ぐらいにでかいな……これは早苗には無理だろう。
この大きさに挑むのは初めてだけど、これぐらいでかいと破壊し甲斐があるぜ！
　そうだよ！ こういうやつを私は待っていたんだぜ！！
さあ、今度こそ煩悩退散だ！！








「さあかかってこ……」



　ドグシャァッッ！！








――そこで私の意識は切れた……








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊







　ここは……どこだ？

　　確か私はありえない大きさの岩石に潰されて……

　ああ……そうか……

　　私は死んだのか……

　普段ならとっとと逃げちまうのに……

　　早苗に見え張ったのがいけなかったな……

　早苗は無事に逃げたのかな？

　　今となってはどうでもいいことか……

　できれば早苗ともっと修行したかったな……

　　一緒に茶菓子も食いたかったな……

　弾幕撃ち合ったり、色んな話をしたり……

　　もっと触れ合いたかったな……




『でも、もうそれも叶わないことなんだな……』
『何が叶わないって？』




　あれ？ 何か聞き覚えのある声がしたような気がするぜ。

『……って、何で魅魔様がここにいるんだよ？！』
『魔理沙が気を失ったみたいだから、心配になってあんたの精神の中に潜り込んだんだよ』

　心配してくれるのはうれしいけど、勝手に人の精神に潜り込まないでくれよ……

『けど、私が気絶したことなんてよくわかったな』
『悪霊の感だよ。あとは母性本能？』

　何でそこで母性本能が出てくるかなぁ……しかも疑問形だし。

『で、早苗とかいう青白巫女と仲良くすることができなくて悔しいんだろ？』
『な、何でそこまで知っているんだよ？！』
『守矢神社の事情については大まかに知ってるよ。
　後は魔理沙の心の内を少し読み取った♪』

　だから、勝手に人の心の内を読まないでくれよ！！
私にもプライバシーがあるんだからさ……

『別に叶わないことないじゃないか』
『だって……
　私は死んでそっち(悪霊)の仲間入りなんだろう？』
『それもいいけど、幸いか災いかあんたはまだ生きているよ』

　な……何だって？！ 私はまだ生きていたのか？！

『そ、それ本当か？！』
『落ち着きなさいよ！ 悪霊でも痛いんだから！！』
『ご、ごめん……』

　けど、あれほどの大きさの岩石に潰されたら、さすがに普通は生きていないぞ。
何で私は生き残ることができたんだ？ 不思議でしょうがないぜ。

『不思議そうな顔してるね。説明しようか？』

　ああ、教えてほしいぜ！

『まず１つ目は単純に魔理沙が頑丈だったことだね。
　修行で鍛えたおかげで、ある程度の岩石の脳天直撃を食らっても死ぬことはなかった。
　手塩をかけて育てた甲斐があったよ。あたしゃ今猛烈に感動している！！』
『私はその修行で昔何度も死にかけたけどな』

　早苗に自慢できるほどだし。

『２つ目はあたしが魔理沙の精神の中に潜り込んで、魂が飛ぶのを防いだ為だね』
『う〜ん……そんな気はしないんだが……』
『意外と疲れるんだよこれは……』

　そうも見えないんだけどなぁ……気さくに話しかけているし……
けど、これは魅魔様に感謝かな？

『そして３つ目はあの青白巫女が無意識のうちに奇跡を起こしたからだよ』
『早苗が？！』
『よほど魔理沙に死んで欲しくないんだろうね……
　今のあんたはタンコブを作って気絶した程度で済んでいる。
　こうしてあたしも間に合っているし。普通はありえないことなんだよ』

　奇跡……不可能なことを可能にする力……
あるものは星で昼を作り、あるものは海を割り、あるものは風を起こした。
そんな奇跡を早苗は私の為だけに使ってくれた。これはとても名誉なことなのかもしれない。

『もうすぐあんたの意識が目覚める頃だけど……
　我慢せずに恥ずかしがらずに自分の気持ちを素直に伝えることも大事だよ！！』

　自分の気持ちを素直に伝える……か。

『あたしから言いたいのはそれだけだよ。じゃあまたね♪』








――そこで私の意識は反転した……








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊






「ん……」
「あっ気が付いたのですね！！」

　私が目覚めたときに目に入ったのが、早苗の顔だった。
晴れの天気を確かめたようなうれしそうな笑顔をしていた。

「早苗……お前、無事だったのか？」
「それはこっちの台詞です！！」

　私が心配のひとつでもかけてやると、先程の笑顔とは一変して急に怒鳴りだした。
思わず驚いた私の頭と早苗の顔が激突した。



　ゴツッ！！



「痛っ！！」
「わ、悪い？！ けどいきなり怒鳴ることないじゃないか！！」

　すると早苗の奴、今度は涙目で私のことを睨み出した。
私の頭が固くて痛いだけではなさそうだ。それにしても表情の変わりが激しい奴だな……

「怒鳴りますよ！ 何を考えていたかはわかりませんけど、
　自分がすっぽり入るぐらいの岩石に潰されたら、死ぬことぐらいわからないんですか！！
　命は１つしかないんですから無茶しないでくださいよ！！」

　以前戦ったときよりも凄みがあって、
私は何も反論できずにただただ早苗の説教を聞き続けるだけだった。

「せっかく一緒に修行できる人ができたのに……
　互角に渡り合える宿敵ができたのに……幻想郷(ここ)に来て初めてできた友達なのに……」




　私は涙を流す早苗の顔を引き寄せて……




「無茶していなくなるなんて…んんっ？！」





　……思いっきり口付けした。




「ん……んくっ……」
「ふぁ……んっ……ぷはっ！」

　しばらく激しく口を貪った後、唇を離して早苗と向き合う。
いきなり口付けされたせいか、顔が少し赤い。
そんな彼女の目の前で、私はとりあえず謝ることにした。

「ごめんな……確かにあれは無茶だよな……」
「わかれば……いいんですよ……」

　私は目線を早苗の顔から身体へと移した。
白い修行服は完全に乱れており、ほとんど全裸と変わらなかった。
それを気にしていないようなので、よほど私のことを心配していたんだろうな。


　でもさ……やっぱり嫌らしいぜ……


「早苗……服、肌蹴過ぎだぜ？」
「えっ？ きゃあっ？！」

　私に指摘されて、早苗はようやく気付いたようで、起き上がって自分の身体を隠そうとする。
だが、突然なので足のバランスを崩しかける。結構ドジだよな、こいつ。
　もちろん、そこを見逃す私ではない。即座に起き上がり、逆に押し倒した。
身体の調子はそれほど悪くないようだ。これも私の丈夫さと早苗の奇跡の賜物だな。

「そのままでいいぜ」
「で、でも……」

　押し倒して初めて周りの状況がわかった。
ここは先程、早苗と滝壺を眺めていた場所だ。どうやら私はそこに運び込まれたらしい。
　肝心の早苗は肌蹴た服がさらに乱れて、凄く淫らな図になってしまった。
顔も少し悩ましげな表情をしている。それが私の知性をさらに奪った。


　――我慢せずに恥ずかしがらずに自分の気持ちを素直に伝えることも大事だよ！！


　先程の魅魔様の言葉が蘇る。


　ここまできたらもう……我慢できそうにないぜ……








　私は早苗が欲しい……




「早苗……私はお前が好きだ！
　友達や宿敵としてだけじゃなく……恋人としても早苗が好きだ！！」
「こんなときにそんなこと言われても……困りますよ……」

　そうだろうな……私もこんな状況で早苗に告白されたら、きっと同じことを言い返すだろう。
きっと早苗は私が岩石に潰されておかしくなったと思っているに違いないぜ。
　だが、それでもかまわない。今の自分がおかしいのは事実だ。
自分の思うがまま早苗を無理やり犯して、
結果として早苗に嫌われることすら怖くないのだからな……




　しかし、そんな私への早苗の返事は意外なものだった。








「でも……私も好きですよ。魔理沙のこと」
「……っ！ 早苗ぇ！！」




　私は耐え切れず、早苗に再び口付けした。




　もう……私は止められないぜ？








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊


――ＳＩＤＥ　早苗＞＞





　ザァァァァァ……



「ここなら滝の音がでかいから、ばれないだろ？」
「そう……ですか……？」

　今、私達は滝壺の裏側に入り、裸で立っています。
　あのキスの後、魔理沙に服を脱がされ、そのまま行為に移ろうとしたようですが、
さすがに見つかると恥ずかしいので、私が止めました。
　そして魔理沙は行為の舞台としてここを選んだ訳です。
悪くない選択ですけど、私はそれでも不安なんですよ。

「私が言うんだから、間違いないぜ！」
「あっ……んっ……！！」

　そ、そんな急に胸を掴まないでください？！
胸は少し敏感なのに！！



　くちゅ……



　あっ……あそこの中にまで指を入れないで……

「膣内(なか)、凄く濡れてるぜ……もしかして期待してた？」
「そんなわけ……んっ……！！」

　魔理沙……展開速過ぎです……よ……



　ふに……


　　　ふに……


　　　　　　　ふに……



　くちゅ……



「ん……んんんっ……んくっ……」

　それにしても魔理沙って意外とこういうの上手なのですね。
胸の揉み方が優しいようで激しいし、
あそこに入っている指の動きも的確に弱点を突くように動いているし……


　もしかして私の自慰とか覗いているのかな？


　ま……まさかね……

「もっと声出していいんだぜ……どうせ滝の音で聞こえないんだからさ……」
「駄目……んんっ……恥ずかしい声……んっ……聞かれたくない……」

　だって……恥ずかしいものは恥ずかしいんですよ……
それに一度声出したら、歯止めが利かなくなりそうで怖いです……

「それじゃあ……これでも声を出せずにいられるかな？」
「……あっ！」



　……じゅぷ！



　突然、膣内から指を出してどうする気なの？
……ま、まさか！！

「だ、駄目！ そこは駄目っ……んんんーーっ！！」



　むぎゅっ……



　魔理沙の指が私のお尻の穴の中に沈んでいく……
お、お尻は本当に駄目なんです！！

「こんな感じに……動かせばいいのかな？」



　ぐにっ……ぐにっ……ぐにっ……



「んんっ……んぐっ……んんーーっ！！」
「感じているようだから間違いないようだな♪」

　な、何これ？！ まるで私のお尻の構造を知っているような動きじゃないですか？！
何で魔理沙がこの動きを……

「実はな……早苗……」
「ひっ？！」

　そう思っていると魔理沙の声が耳元から聞こえてきました。
あまりに突然過ぎたので、私は怯えた声を上げてしまった。








「早苗のオナニーを偶然、覗いちまったからだぜ？」
「うっ……嘘っ？！」

　い、何時なの？！ 何時覗いたの、魔理沙！！
嘘よね？！ 嘘だよね？！

「本当だぜ！ だから早苗が胸とお尻が好きなのは知っているんだぜ！」
「んはっ……！ や、やだ……やだぁ……！！」



　ぐにぐにぐに……


　　　　ふにふにふに……



　魔理沙のとんでもない告白に、私は冷静さを失い始めました。
そのせいか、耐え続けてきた快感がどんどんと身体に流れてきました。

「なあ……早苗も私の乳首弄ってくれよ……」
「えっ……？」

　積極的に攻め続ける魔理沙から意外な言葉が出てきました。
乳首を……弄って欲しいの？

「早苗って乳首弄るのうまいんだろ？ 凄く気持ちよさそうだったからさ……」
「そ……そんなところも見ていたの……んんっく！ は、恥ずかしいよぉ……」
「そんな顔するなって……オナニーのときと違って手が空いているんだから、私にやってくれよ……」

　でも……でも……








「私だって……気持ちよくなりたいんだからさ……」




　そ……そうですよね。私ばかり気持ちよくなっちゃ駄目ですよね！
それに魔理沙の乳首って……よくみたら果物みたいでかわいくておいしそう♪



　くりっ！ くりっ！



「ひゃあああああんっ！！！ いいよぉ……！！」

　ちょ、ちょっと魔理沙！ 喘ぎ声が大き過ぎますよ！！
　う〜ん……乳首を弄るのがうまいなんて自覚はないけど、そうなのかな？
それとも魔理沙が乳首に弱いだけなのかな？

　まあ、どちらにしろ反撃のチャンスです！！

「んっ……ちゅっ♪」
「あん……すっちゃ……んんっ！！ す、凄いよぉ……」



　くりくりくり……



「あっあっあっ……」



　きゅっ！



「きゃああんっ！！！」



　反応がいちいち可愛過ぎますよ、魔理沙♪
やっぱりなんだかんだ言っても乙女なんですよね。



　ぐぎゅっ！！！



「ああっ？！ ま、またお尻っ！！」
「こっちだって……はぁ……負けてられないぜ……！！」



　ぐぎゅっ……


　　　　　　　　　　ぐにぐに……




　くりっ……


　　　　　　　　　くりくりくり……




　ふにふに……


　　　　　　　　　　むにゅっ……




　ちゅっちゅっちゅっ……


　　　　　　　　　　　　　　　じゅうううう……




「あっ……まっりっさっ……！ もうおかしくなっちゃう！！」
「じゃあもっと激しくして！ 私も早苗と一緒にぃ！！」




　ぐにっっっ！！！




　　　ぎゅっっっ！！！








「んんーーーーーーっっ！！！」
「あああぁぁぁーーーーっっ！！！」












　ザァァァァァ……



　絶頂を向かえ、耳の中に滝壺の音が蘇ってきます。
こんなに大きな音だったのに、今まですっかり忘れていたのですね……

「早苗ぇ……今度は……あそことあそこを……」
「うん……」


　魔理沙の声を聞いた途端、滝壺の音は再び聞こえなくなりました。
もう駄目ですね、私……








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊


――ＳＩＤＥ　＜＜魔理沙


「ああっ！！ いいっ！！ 早苗のあそこ……気持ちいいっ！！」
「ひあっ！！ 擦るの気持ちいいっ！！ もっと！ もっとぉぉっ！！」



　じゃぶじゃぶじゃぶ……


　　　ぐちゅっ！ぐちゅっ！ぐちゅっ！



　水の中で擦れるのってこんなに気持ちよかったんだな……
水飛沫が邪魔で直接見えない分、想像すると嫌らしくてそそるぜ……

　それにしても早苗の奴、あれだけ声を出すのを我慢してたのに、急に淫らになったな。
動きが激しいし、喘ぎ声も過激だぜ！ まあ、それはそれでうれしいけどな♪

「はぁん！ 魔理沙ぁ……もっと来てぇ！ 私を抱いてぇ！！」
「うん！ うんんっ！！」



　むぎゅっ！！



　　ぐにゅ……むにゅ……



「はぁぁぁ……早苗のおっぱい……柔らかくて……あぁ……気持ちいい……」
「魔理沙の乳首も……んっく……硬くて……擦れて……はぁはぁ……いい……」



　じゃぶじゃぶじゃぶ……


　　　　　　　　ぐにゅぐにゅ……


　　　　　　　　　　　　　　むにゅむにゅ……


　くちゅっ……くちゅっ……くちゅっ……



　胸もあそこも擦れて……たまらないよぉ……
でも何でだろ……何か足りない……

「魔理沙……はぁ……お尻に……指入れて……」
「えぅ……早苗も私のお尻に……お願い……」

　そうだ……お尻が空いていたんだ……
お尻にもちゃんと入れないと……




　ぐにっ！！




　ぐにゅっ！！




「きゃああああああんんっ！！」
「ひぁあああああああああっっ！！」

　何これ？！ お尻、凄く感じちゃうっ！！
早苗ってオナニーのとき何時もこれするんだ……
これ本当に凄い……私も癖になるかも……

「魔理沙ぁっ！ 動き激しいよぉっ！ 私だけイッちゃうっ！！」
「先に行っちゃっていいぜぇ……イッちゃう顔……んくっ……私に見せてぇ……」
「嫌……嫌ぁ！！」



　じゃぶん！ じゃぶん！！


　　ぐじゅっぐじゅっ……


　じゃぶん！ じゃぶん！！


　　むぎゅっむぎゅっ……


　じゃぶん！ じゃぶん！！


　　ぐにっぐにっぐにっっ！！



「駄目っ！ 駄目ぇ！ やあああああああっっっ！！！」



　びくんっ！！



「あっあっ……出ちゃう……」



　しょろろろろろ……



　私の攻めでイッちゃった上にお漏らしまでするなんて……
早苗ってば、嫌らし過ぎるぜ♪



　しょろろろろ……



　うっ……早苗のおしっこが私のあそこに当たって……
なんか……不思議な気分……

「はっ……はあっ……はああっ！！」
「やめて魔理沙ぁ！ 動かないでぇ！ おしっこ止まらないよぉ……！！」



　しょろろろ……



　どんどん川の水が黄色くなっていくぜ……
お漏らしで恥ずかしがる早苗の顔もかわいいし……♪



　しょろろ……



　うっ……私もそろそろ出そうだ……

「あっあっ……私もイッちゃう……もらしちゃうよぉ……」
「駄目っ！ 駄目だったらっ！！ ああっ！！」




「ふああああああああああっっっ！！！」




　びくんっ……びくんっ……




　しょろろろろ……




「はぁ……はぁ……私も漏らしちゃったから、おあいこだな……」
「すぅ……すぅ……」




　………………………………




　な、なんだよ……早苗の奴こんなところで寝ちまったぞ……
一人でお漏らし見せてる自分が急に恥ずかしくなってきたぜ……

「……まああれだけ激しくやったのは私も初めてだしな」

　仕方ないといえば仕方ないことだけど、放尿して川で寝るのは間抜け過ぎるぜ。
さっきは運んでくれたみたいだし、今度は私が運んでやるか。

「……ったく、やれやれだぜ」








　＊＊＊　＊＊＊　＊＊＊


――ＳＩＤＥ　早苗＞＞＜＜魔理沙


「うう……思う存分攻められて、挙句にお漏らししたまま気絶。
　しかも自慰を覗かれていたなんて……」
「別にいいじゃないか、見てたの私だけだし♪」

　魔理沙だから恥ずかしいんですよぉ……

　早苗の痴態を見たのは私だけ……
うふふ得した気分だぜ……

「もう！ これが命の恩人にする仕打ちなの！！
　見捨ててそのまま帰ればよかった！！ ふんっ！！！」
「そ、そんなことないって！ 早苗には十分感謝しているぜ！！
　秋になったら茸鍋料理を真っ先に振舞うからさ……ほら機嫌直せって！！」

　ふふ……あの魔理沙が慌てています♪今の私はとても気分がいいです♪
それに魔理沙の茸鍋料理……ぜひとも食べてみたいですね♪変な茸は勘弁ですけど。

　やばいな……割と本気で怒ってるんじゃないのか？
さすがにそれは勘弁してほしいぜ……




「とにかく……
　私の全てを奪っていった責任……取ってもらいますからね♪」




「そうだな……
　奪ったものは死ぬまで返すつもりはないから……責任取るぜ♪」