くた 「泰明。近くにいてくれるか?」 夜。晴明は、そっと知らせた。指で、横を願う。 「無論、です」 ふたりの、室だ。傍にいる彼は、許可してくれる。安らぎを、得た。 今日は、泰明の庵に接する。彼は、少し褥で迷った。美しさを、包む。 晴明から、夜に、踏み込んだ。今日は、ふたりで休む。潜む、表情。傍で、悟る。 「嫌か?」 泰明に暗さが見られれば、すぐ戻る。惑わせたくないのだ。 しばらく、待つ。呼吸が、響いた。そして。 「お師匠は、誤りません」 言葉が、響いた。嘘を、清める。彼の瞳は、暗くない。 褒めてくれた。嬉しい。安らぐ。そっと、頬も美しい泰明に訴える。 「ありがとう。だが」 腕を、寄せた。少し強く、守る。彼の腰に、手は添えた。 そっと、引く。晴明は、呼吸する。嫌、か。 「――移りま、せん」 「呼吸するところを、泰明が選びなさい」 小さな言葉。包まれてくれる。晴明は和み、伝える。普段は、晴明に協力してくれるから。彼の夜、だ。 泰明は、少し黙す。移らない。 晴明は、力を込める。そして、見つめた。彼と、いられる。 「お師匠の、傍です」 すぐ、響いた。静かな呼吸。晴明の傍にいると、承知してくれたのだ。 夜は、守護する。消えさせない。 「……ありがとう」 数度呼吸し、晴明は、伝える。嬉しさが、包んだ。褥も、待つ。 包むことは少し止め、美しい唇を、見つめる。そして、顔も寄せた。塞ぐ。 泰明は少し身じろいだが、承知してくれた。 そっと、泰明の腰を指で学ぶ。彼は、褥で黙す。 すぐ、帯は、崩れた。 |
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