「ん〜…どうしようか…」 爽やかな朝の日差しとは裏腹に、俺の頭は昨日言われた事について一杯で とても爽やかとはいえない状態だった。 −ねぇリーゼロッテ…『これ』…私も欲しい− シャルロット…じゃなかった、タバサが言った言葉。 ルイ姉さまも加わって、その日こそ曖昧に終わってしまったのだけれど… 「完全なオリジナル魔法だからなぁ…失敗して悪影響を及ぼしてしまうといけないし…誰かで実験…いやいやっ!…手伝ってもらわないと…」 でも、失敗しても良い相手など居るはずも無く 「う〜ん…」 結局、その朝はケティが部屋に来るまでうなり続ける事になってしまっていた。 −−−−−−−−−− ゼロの使い魔中期連載SS「オクトメイジ」 第七話「アレな魅了で大暴走 −大事なハジメテは誰のもの?−」 −−−−−−−−−− 「うぁ〜ん…ケティのせいで朝ごはん食べ損ねたぁ…」 「わ、私だって朝遅くなる時もあるわよっ!それに、私だって食べてないんだから」 ケティが俺の部屋に来たのは、既にホームルーム開始15分前。 流石に準備は出来ていたからすぐに出れはしたのだけれど、朝ごはんを食べる暇など全く無い。 そもそも俺自身がちゃんと食堂へなり、ケティの部屋(俺の隣)へなり行けば良かったのだが どうも身体に精神が引っ張られているのか、頭ではそういう事を考えつつも口ではケティに文句を言っていた。 ケティに甘えていると言えるかもしれない。 だが考えても見て欲しい。 『前の世界』では普通に暮らしていたとはいえ、『今の世界』では食事にせよ何にせよ全て周囲の人が準備してくれていた生活なのだ。 それを15年も続けていれば… にしても、ケティは朝ごはんを食べていないと言っている筈なのに、かなり元気に見える。 それにどことなく… 「潮の香り…酸っぱい匂いと…うーん…チーズ?」 「っ!?なっ…なななっ…なっ…なにっ…いって…」 そう、ケティの身体から匂ってきていた。 それに、この慌て様…怪しい。 ケティは俺を放って…むしろ忘れて、か?…朝ごはんを食べていたのではないか、と。 「ちょ、ちょっと…リーゼロッテ!」 「ふふん…さぁ…手を出しなさいっ」 流石に廊下の真ん中で真相を探るのは恥ずかしいので、トイレの個室に連れ込んで手を掴むと 流石に洗ってはいるのだろうけれど、その手からは先ほどよりも強い匂い… 匂い… あるぇ? 「きゃぁっ!?」 「へぇ…ケティってば、朝から一人えっちしてたんだ…」 どことなく嗅いだ事のある匂いだと思ったら、ケティは朝からしてたのだ。 だから、スカートを捲くり上げただけで『むわっ』と濃い『女の匂い』がしてくる。 顔を赤くして必死にスカートを押さえようとする姿はなんとも色っぽいのだが、お腹が空いている今では色気より食い気が先に来てしまっている。 朝ごはんを食べれなかった恨み…ううん、オシオキなのだ。 食べ物の恨みは恐ろしい事を、アンナコトやコンナコトして教えてあげよう。 「あの、お願い…クッキーあげるから…ゆるしてぇ…」 「だぁめ。さぁ…誰を想いながらエッチな気分になってたのかなぁ?」 そもそも俺の方が身長も力も負けているのだから、ケティは簡単に俺を振り払って逃げれるはずなのに ケティは抵抗することも逃げることもせず、俺に壁に押し付けられていた。 それにしても、ケティってばクッキーだけで俺の機嫌が直るとでも思っているのだろうか… ハニーハニークッキーより甘い話である。 うーん…意外とケティの胸も大きい… 「やっ…ぁ…だめっ…お願いっ!女の子同士なんっ…やぁっ!」 「ほらほら、早くやめて欲しかったら…今日のケティのオカズを教えて欲しいなぁ…でないと、直接舐めちゃうかも…」 うーん、やっぱり抵抗しない。 両手でケティの乳房を優しく揉んで居るのだから、嫌ならすぐにでも両手で俺を離せば良いだけなのに。 もしかして、オカズは俺…? 「…さま」 「きこえなぁい…もう一回?」 「…しゅさま…ギーシュ様ですっ」 ありゃ違った。 ギーシュ様…様を付けるのだから年上だろう。 とすると、恐らくはグラモン家の一子『ギーシュ・ド・グラモン』だろう。 遠めで見ただけだが、単なる軽い男にしか見えなかったのだが… それに、確かギーシュは…モンモランシーとかいう娘と恋仲にあったはず。それをケティは知らないのだろうか。 まぁ、実際に告白せずに妄想で想う位なら別に構わないと言えば構わないのだろうけれど… 「昨日、偶々リーゼロッテのお姉様…ルイズ様の召喚の儀を行っている場の近くを通った時に、ルイズ様の放った魔法の余波で吹き飛ばされてしまったの…」 「それをギーシュ…様が助けた、と」 今『ギーシュ』と呼び捨てにしようとした時、一瞬ケティの目の色が変わったので慌てて様を付けたのだが… なんとも在り来たりな話である。助けてくれたギーシュは、大方白馬の王子様にでも見えたのだろう。 見た目は良いし。 ふと俺は思い浮かんでいた。『アレ』だ。 作り出した時、一時的にだがクリトリスが肥大化して感度が数倍にも跳ね上がったのを。 ケティにかけて、自慰をさせれば少しはこの苛立ちも収まるだろう。もちろん、クッキーも貰うけれど。 ケティにばれないようにそっと彼女の股間に魔法を掛けて… 「ひぅっ!!」 「うわ…今、ケティの身体が『びくんっ』てした…ギーシュ様の事を考えてエッチな気分にでもなったのかなぁ?」 何も付けてない状態ですら『ジンジン』と疼き続けるのに、ショーツで押さえつけていたら もう、触りたくて堪らなくなってくるだろう。 でも、それは言わず…俺は煽るように、快感に抗うように身体を屈める彼女の耳元で優しくささやいてあげるのだ。 「うそ…触ってないのに、あそこが凄く…熱いっ…へんっ…だよぉ…私…『レベルA』なのにっ…なんでっ…『魅了(チャーム)』が…あぁっ!!」 「…?」 必死に押さえつけていた様だけれど、ケティは結局1分もたたずに膝を『がくがく』震わせながらあそこを触り始めていた。 しかし、ケティの言っていた言葉も気になる… レベルだとか魅了だとか…ま、細かいことはどうでも良い。 ただ、ケティの痴態を見れさえすればっ! …じゃなかった、実験が成功さえすれば! 「だめっ!そこだめぇっ!なんで…なんでこんなに気持ちっ…んぁぁっ!!…立って、立ってられないよぉ…」 「ほら、ちゃんと足に力を入れて…でないと、ケティの初めて…私に捧げちゃうことになっちゃうよ?…はぁ…ん…じゅる…んふ…もうショーツもグショグショじゃない。クロッチの上からでも、大きくなったケティの…っちゅ…クリトリスが…ん〜…ちゅる…わかっちゃうよ…ん…じゅるるっ」 涙を『ぽろぽろ』と流しながら頭を振る姿はとても可愛いくて、もっとしてあげたくなるけれど これは実験なのだ。さっさとケティに出来ているはずのおちんちんを吸い出してあげないと。 でも、他人に使った場合どれ位持つのだろうか。 俺自身に使った時には、およそ一日で元に戻っていたのだけれど… 「ほら、今度は直接吸ってあげる…ん…ぁ…ちゅっ…ちゅる…ん…じゅるる…」 「あぁっ!…何か…何か出るっ…出ちゃうぅっ!!…お腹の中から…何か…んくっ…何か出…るぅっ!!」 直接吸ううとかなり快感が強くなるのだけれど、どうやら大分ケティの頭は溶けてきているようで 涎を垂らしながら、折れそうになる足を必死に立たせて、俺の頭を両手で股間に押さえ付けて来た。 って、このままだと… 「ん…んぶぅっ!?んぐ…んんっ!!」 「出たあっ!出ちゃったっ!リーゼロッテのお口の中に何か気持ち良いのが出ちゃったぁっ!!」 もう出る寸前だったのだろう。顔を避ける暇も無く、一気に出てきたケティの擬似ペニスが俺の喉奥まで一気に入ってきたのだ。 しかも、喉奥に入れるのが気持ち良いのか、出てしまった後も『ぐりぐり』と奥に突っ込んだり ゆっくりと引き抜いて… あ、やば… 「ちょ、ちょっと待っんぐぅっ!!…んんっ!!…けはっ!…んぶっ!…んぁっ!!…ごほっごぶっ!」 「はぁっ…はぁっ!…凄い…しゅごい…リーゼロッテのお口しゅごしゅぎるぅっ!!…お口にぃっ…出したりぃ…入れたりぃっ!…はぁんっ!!…ぁ…何か…出るぅっ!!」 突っ込んできた回数としてはほんの5,6回なのだが、準備も何も無しにいきなり口に滅茶苦茶に突っ込まれては呼吸すら出来ないのだ。 頭が朦朧とする中で、ケティのおちんちんの先から噴出してきた擬似精液を全身に浴びせられ ケティ、壊れたかな なんて、少しだけの罪悪感を感じ… 「はぁっ…はぁっ…だめ…全然収まらない…良いよね、こっちに入れても…ダメって言っても…入れちゃう…ん…だからぁっ!!」 「だからちょっと…そっち…違っ…わざとっ?ねぇ、わざとだよねっ!?なんでお尻にっ…いぃったぁぁっ!!!」 案外ケティって丈夫なのだろうか。 理性が吹っ飛んでしまっているだろうに、突然俺の腰を持ち上げたのだ。 それに、入れる場所を間違えるだろうか…ちぃ姉さまには『リズって下付きだねぇ』なんて言われはしたけれど 流石に同姓で間違える事は無いはず…なのに… 「くぁぁっ! 入り口が『きゅんっ』て締まって…中が『ぐにゅぐにゅ』ってぇ!…すごいっ…リーゼロッテのおま○こすごいよぉっ!!」 「んっ…くぅっ!…そこ…ちがっ…からぁっ…ぁ…おしっ…お尻なのぉっ!!」 お尻でするなんて初めてなのに…というより、前より後ろを先に無くすってどうなんだろう 等と思いつつ、もう感じ始めた自分の身体に…もっとかき回して欲しいと思っている自分自身に ため息半分、嬌声半分で喘いでいた。 凄かった。何が凄かったかって… 数時間も散々、前から後ろからと犯されたのに トイレの中にただの一回も誰も入って来なかった事よりも 指一本すら動けないほどに絶頂させられた事よりも 前から後ろから犯されたのに 「ケティって…尻フェチ…?」 「ご、ごめんなさぁぁぁい!!」 全部入れたのはお尻だった事だ。 お陰でもうさっきから開きっ放し。『どくどく』と、散々奥で出された擬似精液が止め処なく溢れてきていた。 今座ってるのが便座じゃなかったら、後始末大変だっただろうな…なんて少し場違いな事を考える程度にはまだ余裕があると言っていいのだろうか。 いや、運良く余裕が残ったのは、ケティに掛けた魔法が切れてくれたお陰だろう。 でなければ、もしかすると日が落ちてもなお犯され続けていたかもしれない。 「つまり、ケティって私の監視者だったの?」 「監視…というよりも、お世話する集まりの一人…かな…」 もう今日は授業に出る事など出来るわけも無いで、俺はケティに抱きかかえられてお風呂場につれて来て貰っていた。 『お詫び』と彼女が俺の身体を洗ってくれていたのだが、そんな時に言われたのだ。 −私は『リーゼロッテをお世話し隊』の一員なの− こんな名前を付けるのはパパ様しか居ないだろうからすぐに判るにしても、まさか彼女がパパ様からの使者だとは思ってもみなかった。 「一応、ね。試験があって…リーゼロッテの放つ『魅了』に抵抗できるのが最低条件で、私はそれに抵抗出来る能力に特化しているの」 「ナニソレ…」 クラスメイトから突然『私、超能力者なの』と言われているのと同じくらいの衝撃が走って…あ、いや走っては居ないか。 冗談にしか聞こえない話なのだし。 どうやら、俺は無作為に『魅了』の魔法を周囲に使っているらしい…のだが、それって普通フェロモンって言わないのか? 魔法が発達しているために、そういう方面が疎いのかもしれないけれど… とにかく俺はそれが異常に強くて、近づくだけで興奮してしまうらしい。 もしかして、家から出してくれなかったのって…それのせいなのだろうか。 そういえば、ちぃ姉さまはニンフォマニアだっけか…そういう家系なのか、うちって? ともすると、ルイ姉さまも何某(なにがし)かのえっちな特性を… 気になる… 「あ、あれ? 何時の間に部屋に!?」 「え?私が着替えさせて、まだ力が入らないみたいだったから抱きかかえて部屋に来たんだよ?どうやらルイズ様の使い魔がメイジ三人に喧嘩を売ったらしくて…中庭が騒がしかったから、被害が来ないうちにって、ね」 思考の海に沈んでいるうちに、俺…俺の身体?は何時の間にか俺の部屋に来ていた。 というか、ルイ姉さまの使い魔がメイジ相手に…しかも3人に喧嘩? 「あ、リーゼロッテはまだ知らないんだっけ。ルイズ様の使い魔って平民なんだよ。でも、ガンなんとかっていうすっごい強い使い魔だって言ってたような…」 「ガン…ダールヴ…」 ガンダールヴといえば、歴史にも出てくる伝説の使い魔だ。 確かに歴史に出てきたガンダールヴも人の姿をしていた気がする。 最強の使い魔がルイ姉さまの… でも、なんで俺に教えてくれないんだろう… 「あー、んとね…なんというか…凄い…変わった人だから…」 「変わったって…別にオークやゴブリンってわけじゃないでしょうに…」 ケティに詳細を聞こうとするも『あはは…』と苦笑するばかり。 もしかして、ガンダールヴに会った女性は皆ガンダールヴに恋するとか? いやそれだとケティがガンダールヴでなくギーシュに恋しているのはおかしいし… でも凄い格好良いんだろうな。もしかすると、筋肉隆々なのだろうか。 そして、ルイ姉さまはガンダールヴと夜な夜な… −ほらガンダールヴ、貴方のその逞しいものを…一気に…っ!− なんて、ね? 「あ、あのねっ!ちょっと、私用事を思い出したから…これ、食べてね?」 「わぁ…ハニーレモンケーキ!」 やはり、パパ様から遣われているだけあって、俺の好物は知り尽くしているのだろうか 俺はほころぶ顔を隠そうともせず、口いっぱいにケーキを頬張りながら 足早に部屋を出て行くケティに手を振っていた。 あぁ、ケーキおいしい… 「ふぃーへほっへ…んぐ…ふぁひぁ、ほふほひはんは…ん…はく…ふぁぃおお…ん…ひぉ?」 「ケーキが消えた…じゃなくて、何でタバサが食べてるの!?」 10等分されたホールケーキが、もうあと二切れしか残っていない。 俺はまだ一切れしか食べてないのだから、俺が一切れ食べている間にタバサが七切れ食べた計算になる。 「んく…んく…ふぅ…貴女の身体から算出するに、二切れで精一杯と感じた。というわけで、明日買い物に行きましょう」 「私のだったのに…二切れだけなんて…納得いかなぁぁぁいっ!!」 あっという間に八切れ食べ終えたタバサの『ごちそうさま』という理不尽な言葉に抗議の声を上げて そんな平和な中に埋もれてしまって、彼女の手に包帯が巻かれている事に 気付く事が、出来なかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− オリジナル設定 魅了(チャーム) 基本的には、異性の相手…特に意識した相手を発動者に恋させたり欲情させたりする魔法。 リーゼロッテは魔法ではなく特異体質だと思っているが、真偽は定かではない。 対魅了抵抗レベル 対魔法(ディスペル)の中でも特に、魅了に特化した抵抗能力の事。 ランクレベルは『E』〜『S』まであり、段階ごとに強くなっていく。 ケティはこの能力を生まれ付いて持っていた(しかもAランク)ために、『隊』の一員として抜擢されている。 お尻フェチ? ケティの特殊性癖。お尻に対して異常に興奮を覚えるようだ。 実はギーシュに恋したのも、ギーシュのお尻に惚れたからだという噂が少なからず流れていたりもする。 ハニーハニークッキー ケティ特製『ハチミツたっぷりハニークッキー』の上にさらにハチミツを掛けた リーゼロッテ専用とも言えるクッキー。普通の人が食べると蜂蜜の味が強すぎてクッキーの味がしない…以前に蜂蜜を直接食べている気分になるのだが リーゼロッテの場合は、しっかりとクッキーの旨みを感じているようだ。 ハニーレモンケーキ ケティの一番得意…に、させられたハチミツレモンが絶品のホールケーキ。 リーゼロッテの大好物でもある、というより大好物のために得意料理になるよう練習させられたとも言う。