ゆっくりと息を吸う そして、吐く… 大丈夫、やれる 今、非常に集中し辛い状況にあるのだがそうは言ってられない。 建前家族のため 本心は自分のため 偉大なる第一歩が今… 「コンデンセイション(凝縮) !」 俺の意思ある言葉に反応し、俺の数十サント前にほんの5サント程度だが水球体が作り出される。 あまり綺麗な球体ではない。やはり精度が低いのか、何がしか水の中に混じっているのだろう。 しかし、俺の水魔法が成功したのに違いはなく 周囲…俺の周りで固唾(かたず)を呑(の)んでいた家族らから『おぉっ』と感嘆の声が上がっ… 「おぉ、すば…ごふぅっ…!?」 「凄い、凄いわ!流石は私の娘リーゼロッテ!4歳でドットメイジになるなんてぇぇぇっ!!」 「お、おおお母様ぁっ頬がっ頬がまさちゅーせっちゅぅぅぅっ!!!」 俺をひざに乗せ、後ろから抱きしめていた(このせいで集中できなかったのだ)母カリーヌ・デジレ・ド・マイヤールは、感激の余りに 俺の頬に、冗談抜きで摩擦熱で火が付くのではないかというほどの強烈な頬擦りを決めていた。 しかし、お母様が話す前に一瞬パパ様(本人の熱烈な要望によりこう呼んでいる)の声が聞こえて すぐ後に壁辺りから破砕音が聞こえた気がするのだが…気のせいなのだろうか? −−−−−−−−−− ゼロの使い魔中期連載SS「オクトメイジ」 第二話「姉とドットと婚約者 −新たな一歩は変態からの誘い−」 −−−−−−−−−− 耽溺というか溺愛というか…最初は赤子に対する猫可愛がりだと思っていたのだが 4歳になった俺の状況は、緩くなるどころか悪化の一歩を辿(たど)っていた。 でも、俺としては嬉しい悪化なわけで。 「もう、お母様は手加減というものを知らないのですから…あぁっ私の小さなリズ。その赤く腫れた頬もまた、貴方の愛らしさを引き立たせて…はぅ…」 頬を染め、身体をクネクネさせる位なら助けてください『ちぃ姉さま』。 そんな必死な俺の視線すら、愛の視線として受け取っているのだろうか ちぃ姉さまこと、カトレアは『やんやんっ』と頬に手を当て妄想に浸っているようだった。 時間にすれば1分にすら満たないのだが、やられてる本人としてはたまったものではない。 でも、その後にあるであろうちぃ姉さまの蕩ける様なキスと、エレ姉様ことエレオノールの初々しい啄(つい)ばむ様なキスの嵐を想像すればなんとか… そう思っていた瞬間『バンッ!』と大きな音が鳴り、砕けていた空間が一瞬にして張り詰めた。 皆の視線の先に居るのは俺の一つ上の姉ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールである。 「あの、ちま…姉さま?」 「誰が『豆粒ドちびの平坦胸』よ!私はリズより3サント大きいんだからっ!」 誰もそこまで言ってない。それに胸が平坦なのは、5歳なら当然な気がするのだが。 それに『ちま姉さま』の命名元はパパ様である。 何せ姉たちの紹介で −『一番大きいお姉さん』が長女であるエレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール。 こっちの『小さいお姉さん』が次女のカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 そして、この『一番ちまっこくて可愛い』のがルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだ。− それも、2歳の時に言われたのだ。 碌に記憶力の無い(中の俺は大丈夫なのだが)2歳児にフルネームを言われたところで覚えられる訳が無い事に気付かないのだろうか? そのため、その時から俺はエレオノールを『おぉ姉さま』、カトレアを『ちぃ姉さま』、そしてルイズを『ちま姉さま』と呼ぶようになっていた。 流石に4歳になった時から、エレオノールだけは泣きながら −お願いだから『大きい』って言わないで名前で呼んでっ− とお願いされてから『エレ姉様』と呼ぶようになっている。 やはり、16歳になって異性の視線が気になるようになってからは、『大きい』等と言われるのが嫌になったのだろう事は容易に想像が付いていた。 逆にカトレアは『ちぃ姉さま』と呼ばれるのがいたく気に入っているようで、そう呼ぶたびに満面の笑みで俺を抱きしめていた。 問題はちま姉さまである。 俺の一つ上の姉であり、家族の中で唯一俺と仲が良くない。 確かに、この家族で一番の異分子である異世界から来た俺がちやほやされている分、彼女にかける愛情が少なからず減っているのだろうと… 恐らくそれが気に食わないのだろう。 特に『ちま姉さま』と呼ぶようになってからは、事あるごとに意地悪されるようになっていて ほとほと手を焼いているのだ。 そうそう、俺の名前のフルネームはリーゼロッテ・ベルワース・エ・リッタ・デル・ラ・ヴァリエール。 これまた複雑で長ったらしい名前なのだが、俺の名前なのだ。 2歳の時に言われてからは、何よりも優先的に覚えようとしていた。 自分の名前すら覚えてない…など公爵家の末女として良い笑いものにしかならないだろうから。 それと覚えるのに二日かかったのだが、二日で覚えるとは思っていなかったのだろうか。 『素晴らしいわ、私のリズ!』と始めてのお母様からキスを受けてからは、何か覚えたり出来たりする毎にお母様にキスされるようになっていた。 パパ様がヒゲ面のオッサンなのに、お母様は無駄に若いんだよなぁ… さて、話を戻そう。 と、思ったのだが… 何かしら叫んでいたちま姉さまは、どうやら既にリビングルームを出て行っていたようだ。 全員が複雑な表情をしている。 これもなんとなく思っていたが…やはり俺が生まれたからと言って、ちま姉さまに対しての愛情が減るわけではないのだ。 皆ちま姉さまの事を愛しているし、幸せになって欲しいと思っている。 多少の思惑の差異はあれども、だが。 「やっぱり、妹に先を越されたのが堪えたのかしら」 「確かに、ルイズはまだコモンすら使えないのよね…吹き飛ばすのは得意みたいだけど」 最初に口を開いたのはエル姉様だった。 エル姉様はちま姉さまに対していつも口辛く言うのだが、それはある意味ちま姉さまに期待しているからと言えよう。 出来ないから怒るのではなく、いつも努力しているちま姉さまを叱咤激励しているのだ。 しかし、子供にそれを理解しろというのも酷な話かもしれないし エル姉様自身、感情の表現が上手くないからなぁ… お陰で美人の割に未だ彼氏の一人も居らず、手を繋いだ相手は家族のみという状態なのだ。 …それで良いのだろうか? 「…リズ、どうしたの?」 突然膝から降りたのが気になったのだろうか、お母様は優しい笑みを浮かべながら俺に聞いてきた。 その十分の一でも笑顔をちま姉さまに向けてあげれば良いのに、とも思うが お母様のモットーは『信賞必罰』。上手く成果を上げる子には徹底して優しいが、出来ない子には夜叉の様に怒るのだ。 そういえば、今週に入ってから今中ごろなのだが お母様のちま姉さまのお尻叩きが10回を超えていた気がする。 俺はその度にちま姉さまの部屋へ行き、手厚く看護をするという建前で彼女のお尻を堪能していた。 何せ、叩かれたお尻は酷い痛みが出る反面、非常に敏感になっている。 そんなお尻を優しく可愛がってあげれば −やぁ…っ…おしっ…おしり…そんな触らっ…んんっ…いたっ…いたい…っからぁ…んゃぁっ− 等と、『痛い痛い』と言いながらも決して逃げずに可愛い声を上げてくれる。 勿論、最初の頃は本気で泣いていた。それが可愛い声を上げるようになったのは俺の努力の賜物であり −あなたはっ!なんどっ!言ってもっ!わからないのっ!ですかっ!− −きゃぁぁっ!いたっ!いたぃっ!ごめっ!ごめんなさっ!お母さまっ!もういやぁぁっ!!− 毎度毎度聞いてるだけで痛く感じる程に熾烈なお尻叩きを繰り広げてくれたお母さまのお陰だろうか。 「…リズ?」 「あっ…私、ちま姉さまの所に行ってきます」 いけない、思考の波に飲まれていた。 意識が戻った瞬間、不思議な顔をしたお母様の顔がすぐ近くにあった事に驚きを隠せないままに 俺はちま姉さまの部屋へと向かっていった。 …俺が『私』というのは変かな? しかし、何度か試したのだが思考の中ならまだしも口に出して『俺』という事の違和感たるや凄まじいものがあったのだ。 なにせ俺、リーゼロッテの声は愛らしくも可愛らしい。 少し甲高い声なのだが、日ごろちぃ姉さまらに弄ばれ…いやいや、愛され可愛がられているせいか 4歳なのに、声に妙に艶があるのだ。 前に、風呂に入った時、無意識に『はふぅ…』と吐息を吐いてしまったのだが 自分ですら『どきっ』となってしまうほど色のある吐息が出ていた。 …声だけじゃない。身体だってそうだ。 毎日毎日散々触られているお陰で、かなり身体が敏感になっている気がするのだ。 自分で撒き続けている種とはいえ、俺自身に色々な作用を及ぼしてくれる。 そう、それで俺は危機感を覚えていた。 『俺』が『俺』でなくなる事に。 異世界からの転生体ではなく、ラ・ヴァリエール家に生まれた一人の女の子『リーゼロッテ』になってしまう事に。 だから、俺は早急に魔法を覚えだしたのだ。 水と土の魔法を。 今は水だけだが、魔法学院に通う15歳までには何とかトライアングルまでは持っていくのが目標だ。 土・水・水のトライアングル。 通常、水なら風を、土なら火を繋げるのが一般的のようである。 それは、土と水の属性が戦闘に殆ど向いていないのが主な原因だろう。 水と風なら氷が扱えるし 土と火なら合成金属が扱える。 なら、土と水なら? 補助の二つをそろえた所で大したことは無いだろう。 それが俺の居る国、トリスティンの見解のようだった。 確かに攻撃系統は見た目が非常に判りやすい。 だが、俺が魔法を覚えるのは戦うためじゃない。 男として女の子とイチャイチャするためなのだ。 勿論、リーゼロッテとしての自分を捨てたいわけじゃない。 結構好みの顔立ちをしているし。 だから考えたのだ。 『生やす』方法は無いものかと。 『アレ』を。 そして、結論に至ったのだ。空論に近い結論なのは致し方ないが。 っとと、思考の波に飲まれてちま姉さまの部屋を通り過ぎようとしてしまった。 −どうしたんだい、ボクの可愛い小さなルイズ。こんなに目を腫れ上がらせて− −わ、ワルド様!どっ…どどっ…どうしてここ…あぁっ!わ、わたっ…わわわっ!?− ノックをしようとしたら、どうも中から話し声が聞こえる。 …ワルドサマ?…ワルド…ワルド… そういえば、隣の家の苗字がワルドだった気がする。 もしかして、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵だろうか。 確か、ワルド子爵は15歳だったはずだ。 確か、ちま姉さまが去年一目惚れした人の筈である。 壁越しに聞こえる、勤めて明るく振舞おうとするちま姉さまの声からすれば、恐らく間違いないだろう。 でも、ちま姉さまは今5歳だ。10歳の年の差は大人になればそこまで気にする必要も無いだろうが 現在で言うなら、年齢差3倍である。 現代の言い方をするなら、高校生が幼稚園児に恋をするようなものだ。 って、恋をしているのはちま姉さまの方だったっけ… −ワルド様…私…わたし…またリズに…妹に先を越されてしまいました− −先…ふむ、ということはミスリーゼロッテは4歳の身でドットメイジに…− ワルド子爵は俺に興味が沸いたのだろうか、ちま姉さまの息を呑む声が聞こえてくる。 −わ、私…頑張りますからっ…すぐにでもドット…ううん、ラインになってみせますっ!− 息も荒く宣言するのは自身の表れ?いや、恐らく子爵まで俺に興味を持つのが悲しいのだろう。 しかし、元より子爵の方は大して恋愛感情もないだろう。 大方、可愛い娘の軽い相手程度に考えているはずだ。 でないと、重度のロリコンの烙印を押してやらねばならなくなってしまう。 「きゃっ」 「おっと…だい…じょう…っ!?」 あぁ、無意識に『きゃっ』なんて声が上がるのは、『リーゼロッテ』としては良いのだろうけれど 俺としてはなんとも微妙な気分である。 ワルド子爵は俺(俺であることに気付いていたかは別として)がドアの向こうで聞いていたのに気づいたのだろう。 半ば考え事をしていたせいもあって、突然開いたドアに驚いて尻餅を突こうとした瞬間 恐らくワルド子爵なのだろうこの男に、抱きとめられていた。 「なんと…美しい…」 「はぇ?」 「んなっ!?」 俺を見つめながらうっとりと零す子爵の言葉に 俺の何とも気の抜けた声と、絶句するちま姉さまの声が重なっていた。 「もしかして、キミがミスリーゼロッテなのかい?」 「あ…は、はい。ワルド子爵…さま?」 暗に『離せコラ』と彼の身体を『ぐいぐいっ』と押しやっているのだが そこは4歳と15歳。力の差が歴然としている上に、彼は一切気にもしていないようだ。 さらには 「はは、ワルドなんて堅く呼ばず、『ジャン』と気軽に呼んで欲しいな」 「っっっ!!!!」 その言葉、なぜちま姉さまに言ってやらん。 というか、コイツ…重度のロリコン決定だな。 しかし、いい加減後ろのちま姉さまに気付いて欲しいものだ。 お尻叩きをしているお母様の顔より恐ろしい表情をしたちま姉さまの柔らかそうなストレートの髪は 怒りのためか魔力が漏れているのかは判らないが、操られるように『ゆらゆら』と揺れていた。 だからだ 「ん…」 「んんっ!?」 このロリコン子爵に唇を奪われるまで気付けなかったのは。 舌入れてきたら噛み切ってやろうと思っていたのだが、流石に俺が子供だからと遠慮していたのだろう ロリコン子爵は唇を触れさせるだけで止まっていた。 でも、長い。 時間にすれば30秒くらいはたっぷりあったはずだ。 ゆっくりと離れた彼の頬が赤いのが非常に気色悪い。 「これは、親愛の印だよ」 『またね』と、呆然とする俺の頬に優しく触れながらロリコン子爵は玄関の方へと歩い… 「にゅぁぁぁっ!?」 どこにそれ程の力があったのだろう。 身長差3サント。体重差にして3・4リーブルもあるだろうか そんな俺の片手を突然掴んだちま姉さまは そのまま俺をベッドの方へとブン投げたのだ。 「きゃふっ!?」 方向があっているとはいえ、俺がいたのはドアの前。 ベッドまで3メイル近くあるのだ。 丁度良い具合にベッドに落ちた安堵と、それをやってのけたちま姉さまへの驚きに俺は殆ど動けず ベッドに落ちた瞬間に軽く声を上げるだけしか出来なかった。 『ギシッ』と音を立てながら、ちま姉さまが物凄い勢いで覆いかぶさってくる。 「…でよ…」 「ちま…姉さま?」 ピンク色の長い髪で表情が隠れてしまい、呟きのような声に耳を傾けた瞬間 「なんでよ!!」 「きゃうっ!」 咆哮とも取れるちま姉さまの叫びに、俺はすくむ様に身を縮めた。 「なんで、なんでよ!何でいつもアンタなのよ!何でお母様はアンタに優しいのよ何でお姉様はアンタを抱きしめるのよ何でちいねえさまはあんたばっかり見てるのよなんで…なんでワルド様がアンタに一目惚れするのよ。一目惚れしたのは私なのよ!?」 そうじゃない。なんて言っても恐らくちま姉さまは聞いてくれないだろう。 表面に現れない愛情に、焦りを感じたのだろうか。 ワルドサマ…? あぁ、ロリコンの事は知らないというか今すぐにでも忘れたいけど。 「なんで…みんなアンタばっかり愛するのよ…私は…要らない娘なの? 魔法を使えない私は邪魔なの?」 「ちま姉さま…」 「そう、その『ちま姉さま』ってのもいい加減止めなさいよ!」 その苦情はパパ様に言って欲しい。 奴が元凶なのだから。 …あっ と、思い浮かんだ。 だったら変えてあげようと。 「ルイ…姉さま」 「っ!?」 初めて呼ぶ名前。 そういえば、ちま姉さま…あぁ、いやいや…ルイ姉さまを名前で呼ぶのは初めてだ。 でも、そこまで喜んでもらえるとは思ってもみなかった。 ルイ姉さまは『ぽろぽろ』と大粒の涙を拭こうともせずに流し始めたのだ。 「ルイ姉さま、私のルイ姉さま。愛らしく愛(いとお)しいルイ姉さま」 「…ず…リズ…リズぅ…リ…んむぐっ!?」 さぁ、そろそろお涙頂戴は良いだろう。 よくよく考えたら、家族でキスして無い(パパ様は意図的に除く)のはルイ姉さまだけなのだ。 これで全員とキスしたことになる。 「…はぁっ…な、なななっ…なんで…い、いきっ…いきなり!?…まっ…んむっ!!」 「くすっ…ルイ姉さま…本当、可愛い…っちゅる…んふ…っちゅ…」 きっとルイ姉さまはお母様の血が濃いのだろう。 お母様も、エレ姉様も初めてキスした時は茹蛸(ゆでだこ)の様に顔を真っ赤にしていたし 『はぅはぅ…』と面白い呼吸をしているのは混乱しているからだろう。 怒鳴り当り散らすルイ姉さまはウザったいが、目を『きゅっ』と瞑(つぶ)り必死に俺の舌を受け入れようとするルイ姉さまは何とも愛らしく、可愛いのだ。 「りっ…ひふ…ひぁっ…ひぇひゃ…んぁっ…あぅ…やぁ…んぅ…」 「んふ…ちゅる…ほぁ…もっと、舌を絡めて下さい…こうやっへ…んー…」 『ふるふる』と震えながらも、懸命に舌を絡めようとしてくるのはいじらしいというかなんと言うか。 流石にちぃ姉さまやお母様に一方的に蹂躙されるキスの様な恐ろしい快感は無いが その分ルイ姉さまには一杯感じで貰うこと…に!? 「っぷぁ…る、ルイ姉さま…あ、足…足っ…当たっ…んむぅ!!」 「ぃずぅ…リズぅ…もっろ…キスぅ…んふ…っちゅ…」 何かスイッチでも入ったのだろうか。俺の股の間に脚が入っているのに気付かないまま いや、あそこを押し上げるとどうなるかが理解できていないのだろう。 何せお母様がキスをするようになってからちぃ姉さまは、俺のいたるところを愛撫するようになっていて それは、当然ショーツの中にまで至っている。 流石に絶頂を感じるほどではないのだが それでも、『感じやすい』身体になって来ているのは確かなのだ。 お陰で、イニシアチブを取っていたはずのルイ姉さまとのキスが いつの間にか… 「リズってば…こんなにえっちで可愛い顔してたんだ…んーっちゅ…もっと、早くしてれば…はぁむ…良かったかも…」 「やぁの…みみ…耳にちゅうするのやぁのっ…ふにゃってなっひゃ…やぁんっ!!」 完全にルイ姉さまに弄ばれるようになっていた。 そういえば、ちぃ姉さまも俺とのキスが初めてだった割に妙にテクニシャンになってきていた気が… と、いうことは… ルイ姉さまって、エレ姉様の様なギャップ萌えとちぃ姉さまのギャップエロの両方の要素を持っている…!? お、恐ろしい娘に手を出したかも… で、でも中身は男で年齢はエレ姉様より上! こんな5歳児に負けるわけにはっ! 「あっ…あぁっ…なに…これっ…胸と…腰が…びりびりっ…しっ…んぁぁっ!!」 「うぁ…すご…もうぐちゃぐちゃになってる…ちぃ姉さまクラスかも…」 女性経験がある程度あるのに加えて、日ごろちぃ姉さまに実践を兼ねたレクチャーを散々やられていたお陰で そこまで性感が発達して無いであろうルイ姉さまに反撃することが出来るのだ。 …発達して無いよね? もしかして、ラ・ヴァリエール家の娘って敏感体質ですぐ濡れちゃうのって感じなのだろうか いやそれでも5歳でこの濡れ方は… 「やぁっ…リズ…止めないで…私も触るからぁ…」 「や、だめっ…ルイ姉さまは…ひゃうっ!…さわっ…触らないで…いっ…いぃっ!!…っかぁ…らぁっ!」 うぐ…ある程度慣れさせられた分、稚拙なルイ姉さまの愛撫でも感じてしまっている自分が悲しい。 でも、もう少しで絶頂(イ)きそうかも…うぅ…凄く絶頂きたくなってきてる…やば… 「ふやぁっ!…そ…それぇっ…すごっ…あたっ…ちかちかしっ…っ…な…か…くる…きちゃっ…」 …あっ どうやらルイ姉さまも絶頂(イ)けそう。 危ない危ない、『ファーストキス奪ったお返しに絶頂(イ)かされました』なんて… 笑い話にすらならない。 「ルイ姉さま…んっ…そう…いう…時は…『イク』っていっ…言うのですよ…」 「うん…うんっ…んっ…リズ…わた…私っ…『イク』になっちゃう…なっちゃうよぉ…」 『イクになる』って何だろうか。 頭がエロい事で一杯になって碌に考えることも出来なくなっているせいだとは思うが ルイ姉さまの身体が『がくがく』と震えて、もう身体を支えられないのだろう 俺を愛撫していた手は既に離され、俺の首に抱きつくように回されていた。 …あ、足! 覆い被さってしまっているから、逃げることが出来ない なのに、震えているルイ姉さまの細い太ももが小刻みに俺のクリトリスを刺激して… 「んぁぁっ…た、たいじゅっ…かけ…りゃめっ…それりゃめぇっ! こんぁの…我慢…できっ…やぁっ…止まんない…と…んむっ!!」 「リズ…りじゅぅ…しゅきっ…しゅきぃ…いっしょ…いっしょに『イク』になろぉ…んっ…ちゅる…」 身体が震える。まるで幕でも張るように一気に視界が消えていく 俺は、ギリギリでルイ姉さまのクリトリスを一気に押しつぶし… 「ん…んぅーっっっっ!!!!」 「〜〜〜〜〜っっっ!?!?!?!」 その反動で跳ね上がったルイ姉さまの膝に思いっきり『ぐりぐりっ』とえぐられてしまっていた。 しかも 「かっ…やっ…ルイ姉さま、も…もうやめっ…もう、私絶頂(イ)って…からっ…刺激…つよっ…んやぁっ!!っくぅ…〜〜〜〜〜っっっ!!!!」 「っぷぁ…りじゅぅ…わりゃひ…まりゃ…『イク』が…『イク』になりゅ…ひもぃ良すぎ…って…んぁぁっっっ!!!」 相手が絶頂(イ)くたびに相手の痙攣が快感を呼び、その快感が痙攣となって相手に快感を与えて… 結局終わったのは、二人とも気絶して 壮大におもらしをした後だった… 「ちょ、ちょっと!何で私だけお尻叩き100回で…て…お、お母様。そ…その手を思い切り上げる必要…ふぎゃぁぁっ!!!!…っくは…いた…え?声がお嬢様らしくないからプラス100回!? い、いやぁぁっ!!!!」 …そしてその夜に、二人してお漏らししたことがバレてしまい ルイ姉さまはお母様に、盛大にお尻叩きをされたようだった。 そして俺は、ルイ姉様が叩かれてる壁一枚後ろの部屋で… 「あら、また感度上がったのね…もう…えっちで可愛い私のリズ…初絶頂は私のはずだったのに…だから、オシオキしちゃうっ」 「やぁのっ!ちぃ姉さまそれやぁのっ!みっ…耳弱いぁ…んやぁっ!!…エレ姉様たす…やぁんっ!!」 「はぁはぁ…あぁ…なんて可愛すぎるの私のリズ…良いわカトレア。お母様から了承を貰っています。思う存分絶頂(イ)かせてあげなさい…んっ…大丈夫よ…私も一緒に…っくぁ…絶頂ってあげるから…」 ある意味お尻叩きの方がマシなのではないかと思う事をされて居たのだ。 エレ姉様ってば、俺の目の前で俺をオカズにして自慰するのやめてくれないかな… 余計に興奮しちゃって… 「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」 「ふやぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」 あぁ、明日は二人してまともに歩けないんだろうなぁ…