皆様初めまして。私、キヌと申します。 少しの間、私の話に耳を傾けて貰えると助かります… GS美神異伝 「漆黒の姫君」 第三話「私の王子様」 誰ですか王子様って…何かむかつきますね…修正しておきましょう。 外伝「キヌと忠美と新婚生活? 〜キヌの独白〜」 これで良し。 …でも何故外伝になるのでしょうか? 私としては『第三話』でも構わないと思うのですが…どうも腑に落ちません。 って、そんな事考えている場合ではないですね。 私と、私の主(あるじ)である忠美さんがこの江戸…じゃないですね、とーきょーに着て早3ヶ月が経ちました。 忠美さんはもぐりのごーすとすいーぱーだそうで、週に2回から3回除霊に向かわれます。 もぐりって何ですか? って忠美さんに聞きましたら、「俺、免許持って無いからさ」って後ろ頭を掻きながら恥かしそうに言いました。 忠美さん程強い霊力を持ってしても中々取れない免許…さらにその中で一流と呼ばれる方はどれだけ強いのでしょう…私には想像も付きません。 『では、世界で数名しかいらっしゃらないSランクゴーストスイーパーであらせられる、美神令子さんにインタビューを…』 てれびじょんに出ている世界に数人しか居ないらしい一人、美神さんって人。とても強そうには見えない。 美神さんの『ほーっほほほほ』と自己主張の強い胸をそらしながらの高笑いはちょっとムカッってしますけど… テレビから自分の胸元に視線を落とすと、難なくせーたーの裾が見えてしまいます。 で、でも忠美さんはこの胸が好きって言ってくれましたし…えへへ… え、えっと…私と忠美さんの関係は第二話を読んで下さると助かります。 …自分で言うのは恥かしいですから。 そういえば、私幽霊なんですけど五感があるんですよ。 身体も忠美さんに会うまでの様に透けてはいなくて、ちゃんと肌色で、他の人にもはっきり見えるんです。 何か色々な難しい事が起きてこんな風になったらしいのですが… 『うぅっ』と頭を抱える私を見かねたのか、忠美さんは私の身体をぎゅって抱きしめて 「俺の愛がおキヌちゃんの身体に奇跡を起こしたのさ」 って、耳元で囁いてくれました。 とっても嬉しくって、とっても恥かしくって…えへへ… …こほん、話を戻します。今着ているせーたー…セーター…でした? ですが、実は忠美さんが作ってくれた物なんです。 「おキヌちゃん、巫女服ばかりじゃつまらないでしょ、主に俺が」 だから作ったよって。10着程渡されました。 流石に驚きましたよ。純度100%霊気で作ってあるのですから。 忠美さんの着てる…えっと…あ、ローブです。ローブも忠美さん製だそうです。 どくたー・・・かおす・・・さん・・・でしたっけ? 忠美さん曰く、『耄碌じーちゃん』…あまり凄そうな人には感じませんが、その人と共同で開発されたそうです。 どうやって作るのか興味があって、忠美さんに駄目元でお願いしたらあっさり快諾してくれました。 「ほら、見て…」 私と向かい併せに忠美さんが座り、右手一指し指を立てて私の方に向けます。 すると… 「わぁ…金色の糸が…」 思わず感嘆のため息を漏らしてしまいました。指先から出る黄金色の霊気の糸。 蜘蛛の糸もかくやと云うほどの極細の糸が忠美さんの指先から溢れ出す様に出てきてしました。 忠美さんはにこりと笑うと、今度は両手を軽く広げました。 10本の指先から出る金糸。 まるで御伽噺に出て来そうなほど…絵にも書けない美しさとはこの事を言うのでしょうか。 そのまま忠美さんがゆっくりと立つと、踊りを始めました。 「suvel malissa lu pilca len nui fala lou urgks…」 耳にした事の無い歌が忠美さんの口から紡ぎ出されます。 後で忠美さんに聞いたら、踊りとこのあっしゅくげんごによって糸を制御して服を作るそうです。 そう…10本の糸は束ね、重ね、一本の『霊気の糸』に紡がれていきます。 その糸がまるで生き物の様に動き、目で追えない速度で織られる。 金色の霊糸に包まれ、朗々と歌い、舞う忠美さん。 もしかすると、忠美さんは女神様の生まれ変わりなのかも知れません。 そう、まさに神の御技でした。 …どれほどの時間が経ったでしょうか。 恐らく10分もたっては居ないと思いますが… 「ほら、原型が出来たよ。」 ぼぅっと見ていた私は忠美さんの声にはっとなりました。 目の前に浮かぶ金色の衣装。 「きれい・・・」 触れてみたい… 無意識に私は服に手を伸ばしていました。 「あっ、おキヌちゃん!」 忠美さんの制止も聞かずに触れてしまう私。 するとどうでしょう…まるで私が触れるのを待っていたかのように金糸が私の身体にまとわり付いてきました。 糸は這いずり、進入し、私の腕を伝い身体全体を包んでいきます。 恐怖? 苦痛? 不快感? いいえ、私が感じたのは…えっちな気持ちでした。 全身で感じる忠美さんの霊気の臭いに私の身体が熱く火照っていくのを感じます。 「あちゃぁ…安定させるまで触っちゃ駄目って最初に言えばよかったな…」 あられもない嬌声を上げる私…あ、想像しちゃ駄目ですよ? そういう声は忠美さんにしかきかせたくりませんから。 …こほん、私に苦笑しながら忠美さんがつぶやきます。 でも、絶対わざとです。断言できます。 だって、わざとじゃないならすぐ糸を私から離すはずですし。 忠美さんは金糸に包まれた私を寝具まで運びました。 …ごめんなさい、この付近は記憶が曖昧なんです。 凄く気持ちよくて、気付いたら朝になっていて、それから三日間全く動けなかった事しかはっきりと思い出せません。 …ほんとうですよ? あ、だめです…思い出し…もとい、そろそろ忠美さんが帰ってくる時間です。 こ、こらっ下を覗かないで下さいっ! 濡れてなんていませんからっっ と、とにかく…早く帰ってください、忠美さんに誤解されたくありませんから。 「ただいま〜おキヌちゃん、帰ったよ。」 ほら、忠美さんが帰ってきました。 私はお出迎えに行きますからっ 「あ、お帰りなさい忠美さん」 「ん? おキヌちゃん、太股に垂れてるよ」 「えぇ!? あっ ひゃうぅん!だ、だめです…そんなにくちゅくちゅ音立てないでくださいぃ…」 「良いだろう、どうせキヌのえっちな音は俺しか聞いてないんだから」 「あぅぅ…忠美さんに『キヌ』って呼び捨てにされるときゅんってしますぅ」 ま、まだ居たんですか!? さっさと帰ってください! はしがき 『黒姫』外伝、15禁すれすれなおキヌちゃんの独白でした。 おキヌちゃんらしさは出てましたでしょうか? 独白という事で『らしく』書いたつもりですが… おキヌちゃんのファンの人にはどう映るんでしょうね…どっきどきです。 今後もこういった直接ストーリーに関係しないお話もちょこちょこと書いていこうと思っています。 では、次回は…そう、三話でしたね。 第三話でお会いしましょう〜。