注意事項です。 クイーンズブレイドスパイラルカオスのモンスター『女郎蜘蛛』は見た目幼じ…小さな女の子です。 髪の毛が長く、それを8つにわけて足のように使って移動や攻撃を行います。 糸は口から吐きますよ。 それを踏まえてお読み下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 鬱蒼と茂る森の中。月の輝く静かな夜。 私は空に浮かぶ大きな満月の光を浴びるように、大木の枝の一つに寄りかかる。 何もない静寂の場。ただ月の光だけが私を照らし、私がここに居ると知らせていた… 「うわぁっ!?」 と、その静寂を破るように『現』主の叫びが聞こえる。 …どうやらまた私のトラップにかかったらしい。 トラップにかかったところで死ぬどころか、怪我することもない。 そう思いつつも視線を向ければ、トラップから私の所は死角にあるはずなのに 主は私の方に愛想笑いを向けていた。 不思議な人…では、あると思う。 変な人…でも、あると思う。 そして、どうしようもなく惹かれる人…なのだ。 −−−−−−−−−− QBSC 短期連作SS「美闘士ジャン!?」 外伝「女郎蜘蛛アラネ 好きなヒトへのアイし方」 −−−−−−−−−− 「…馬鹿?」 「あって一言目がそれ!?」 主の…ジャンの目の前に降り、ため息一つ零しながら私がつぶやくと まるで心外とばかりに主が叫ぶ。 主は強い。贔屓目で見なくても、強い。 本気を出せばトラップから抜け出すどころか、そもそも捕まる事など考えられない。 それなのに、毎回このヒトは捕まっている。 いつものように『糸』の束縛から放そうと手を上げ、止める。 疑問に思ったからだ。 トラップに引っかかるほど弱いわけでもなく トラップから抜け出せないほど弱いわけでもない。 なのに…主は毎回捕まり、毎回私が助け出すまで(数日経って周囲が大騒ぎしても)糸に絡まったままなのだ。 「…趣味?」 「違うよっ!!」 そういえば、と。縛られることが好きなヒトが居ると聞いたことを思い出し、もしかして趣味なのだろうか もしかして、束縛から放すことは主にとって悲しいことなのだろうかと思ったのだけれど その質問は半泣きの叫びと共に否定されていた。 しかし、『嫌よ嫌よも好きのうち』とか『本当は好きでも思わず嫌いと言ってしまう』とか特殊な思考を持つヒトもいるらしい。 そうして考えるうちに、一つの結論に至る。 「ど、どうしたの?」 「…別に」 顔が熱くなるのを感じて、思わず下を向いてしまう。 いつも普通のトラップを簡単に抜ける主が、私のトラップにかかり 私が解くまで縛られ続ける。 「…ろりこん?」 「それも違うから! って、どこからそんな言葉知ったのっ!?」 もしかして、身体の小さい娘が好きな…そういう傾向の趣味なのかと思ったけれどそれも違うらしい。 つまり…私が…好き…ということ? −今日からキミの名前は『アラネ』だよ。これからよろしくね− 女郎蜘蛛である私に名前などない。名前など、記号と同じ。識別するためのもの。 そう、思っていた。 でも、『名前』を与えられることを喜ぶ私が居た。 主の笑顔に惹きつけられる私が、居た。 「違う…」 「えっ?」 私がゆっくりと頭を振った。 私は女郎蜘蛛であり、ヒトではない。主はヒト。私たちモンスターがヒトと同列に並べられることはない。 私たちが強ければ、相手を蹂躙し 相手が強ければ、私たちを使役する ただ、それだけ。 私と主が同じ位置に戦わずして居られるのは、契約があるから。 それだけなのだ。 だから、私は嘘をつく。 「えっ!? あ、ちょっ!!」 「契約の、更新をするから」 糸に巻かれ、吊るされた主の下半身…主に股間部分の糸を切り裂く。 少しだけ興奮しているためか、勢い余って下半身を覆う布まで切り裂いてしまった。 後で縫ってあげよう… 「あ…」 「え? なに? なにてるのっ!?」 外気に露出した主のおちんちんが少しだけ膨らんでいるのは縛られているからだろうか それとも…私が…そばに居る、から? 「うひゃっ!」 「あたたかい…すりすり…」 そっと下から支えるように触(ふ)れ、頬を擦り付ける。 暖かく柔らかい主の感触。それと一緒に感じる牡(オス)の匂い。 私の手と頬を感じているのだろうか、『ぴくり』と震えるおちんちんに呼応するように 私の身体の奥が『ずくん』と疼いて来る。 この疼きが、この火照りがどういう意味なのかは理解しているつもりだ。 「はっ…あっ…あ、アラネ…っ…」 「気持ち…良いの?…モンスターに縛られて、生殖器を弄られて…感じているの?」 私の名前…主がくれた名前を呼ばれた瞬間、私の身体が『ひくん』と震えた。 身体が悦んでいる。もっと呼んで欲しい。 でも、これは恋情からくる生殖行為ではない。 これは、契約更新という名の陵辱なのだ。 そうでなければ、私などと生殖行為をするはずがない。ヒトがモンスターに恋をして、セックスするなんてことありはしないのだから。 指先をくねらせる様に動かしておちんちんを刺激していく。 それに呼応するように、『ひくひく』と動きながらゆっくりと起立し始めるおちんちんに 私は『ほぅ』と熱いため息を漏らした。 身体が熱くなると同時に悪寒が伝わり始める。 ううん、悪寒などではなく…これは恐怖だ。 拒絶されるかもしれないという恐怖が私を支配していく。 でも、ここで止めればその後一生こういう機会が無いということくらい私には分かっていた。 だから、拒絶されても良い。契約破棄されても仕方ない。 でも…でも、あの暖かい目で…私を見ないで欲しかった。 「うわっ…アラ…むぐっ!?」 「じっとしていれば、殺さない」 糸で主の顔を覆う。強くではなく、あくまで優しく。見えなければそれで良いから。 こちらが見えなければ… 息が出来る程度の隙間を作り、目と口を糸で塞ぐ。これで良い。 髪(あし)で主の身体に伝い登り、私の身体を固定する。 目の前にあるのは、勿論主のおちんちんだ。 普段の私なら目を伏せてしまうような光景なのだが、身体が…身体の奥の『牝』が私を興奮させている今では全てが興奮の対象でしかない。 「ん…ちゅ…」 起立し、ムけかけているおちんちんの先端にゆっくりと唇を這わせ、吸う。 まるで主とキスするかのように。 そう思ってしまったからにはもう遅い。 「ん…んっ…ちゅ…ちゅる…んちゅ…っちゅ…ちゅ…」 小鳥が啄ばむように先端の柔らかい部分にキスをし、舌を這わせ唇で甘く噛む。 溢れ滾る想いをぶつけるかのような、熱いキスを。 私の…ファーストキスを。 「はぁ…はぁ…んっ…ちゅ…ちゅる…ちゅるるっ…」 一瞬呼吸困難に陥ってしまい、少し荒い息になるのも構わず 今度はゆっくりと、先端を咥え込んでいく。 主のおちんちんは大きい。私の唾液(いと)でベトベトになってしまっていても それでも先端しか咥えることが出来なかった。 「はぁっ…んむ…っちゅ…んっ…んぷっ…んちゅ…ちゅるっ…んちゅ…んっ…んっ…」 右手をそっと竿の部分に沿えて優しく扱きながら、左手は主の子種が詰まっているだろう袋の部分へ。 髪(あし)で主の身体に抱きつきながら、一心に刺激していく。 雄々しく勃起したのをうっとりと見つめ、ゆっくりと上を…主の顔の方を見る。 荒い息。でも、こちらは見えない。見えていない。それで、良い。 私は髪(あし)で主の身体を登り、耳に口をそっと近づけた。 「これから契約更新を行うから」 嘘 「貴方の子種を私の糸壷で採取して、栄養にしてあげる」 嘘だ 「無様ね。子供を作る種をモンスターなんかに絞られて悔しい? それともそんな自分の姿に感じるようなマゾなの?」 全部 「貴方は何も出来ない。ただ、私に絞られる屈辱だけを感じると良いわ」 私は頬を伝う涙を拭うことすらせず、そっと耳から離れる。 『むぐむぐ』と主が何かを言っていた気がするけれど、それを知る術は…無い。 「…っ…はっ…く…」 ゆっくりと主のおちんちんを膣に宛がい、息を吐き出してから身体に沈めていく。 そうしないと…身体の歓喜が、声となって出てしまいそうになるから。 大きすぎる主のおちんちんは『ぎちぎち』とまるで私の身体を割くように、まるでヒトの処女(はじめて)の時はこんな感じなのだろうかとさえ思ってしまうように私の身体を貫いていく。 私の『肉壷』は気持ち良いのだろうか。私の身体は主を迎えて悦んでいるけれど… 主は、感じてくれているだろうか。 −キモチワルイ− まるで人形のような主が、抑揚のない声で冷たく言う。 それが私の作り出した幻想だと思っても、頭から離れてくれない。 それでも、身体は主を求めて動いていた。 『ぐちゅっぐちゅっ』と私の膣と粘液が主のおちんちんを扱く音が耳に響いてくる。 「…っ…ぁっ…っ!…っ!!…」 身体を焔く快感に全身が震え、嬌声を上げているであろう口は『ぱくぱく』と酸素を求めるかのように動く。 それでも必死に、肺に息を入れないように我慢しながら腰を振りたてた。 好き。好き。主…大好き。 髪(あし)だけでなく、腕も足も主に絡ませ抱きついて。溢れる涙を堪えもせず 出ぬ声のまま唇を必死に動かす。 その時。『ひゅっ』と、今まで我慢していた呼吸が戻ってしまった。 腕が…主の腕が私を抱きしめたから。 滲む視界の先に、主の少しだけ困った笑顔があったから。 「あっ…あ”っ…あぁっ!!…やっ…だめっ…やぁっ…こえっ…とまんなっ…あぁっ!!」 まるで洪水のように嬌声が、叫びが口から溢れていく。 「アラネ…泣かないで」 優しい主の声が私を包んでいく。 その包みを打ち破るかのように、激しい主の牡の欲望が私を撃ち貫いていた。 「あっ…あぁっ…だめっ…はげしっ…そんっ…やぁっ…ぁっ…あぁっ!!」 「ダメダメ。これだけ焦らしてくれたんだから…ほらっ…2,3回はっ…出させてっ…貰わない…っと!」 いつの間にか上半身は抜け出していたのだろう、それでも吊るされ下半身を拘束されたまま 主は私の腰を掴み、荒々しく私の膣内(なか)に突き入れてくる。 こんなに激しくされたら、もう主以外では感じれない身体になってしまうというのに ちがう…私は今、主以外では絶頂(イ)けない身体に調教されているのだ。 「あっ…主っ…ぃ…好きっ…大好きっ…はぁっ…あぁっ!…ぁ…〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!…かはっ…あっ…って…るっ…のにっ…まっ…止まっ…なっ…やぁっ!!」 「うん、きゅんきゅん締め付けて凄い…良い…よっ!」 真っ白に塗りつぶされる意識が、さらに強烈な快感で一気に押し戻される。 それはまるで、木々を吹き飛ばす巨大な台風のように私の全てを奪っていた。 私にはもう抱きつくことしか出来ない。口を閉める事すら出来ず、涎と嬌声の漏れる唇を主が奪ってくる。 「んっ…んんっ…ちゅ…っちゅ…しゅきっ…ありゅじぃっ…も、出しっ…て…いっぱ…出してぇ…」 「うん、出すよ…糸壷なんかじゃなく、アラネの身体の奥に…アラネの赤ちゃん作るところに…全部注いであげるよっ!」 それからほんの数秒。たった数秒の激しい動き。恐らく10回も出し入れされていないと思う。 それだけなのに、まるで一突き毎に一回絶頂しているかのような感覚が 何時間も…ううん、永遠に主に愛されているかのように感じていた。 「あっ…あぁっ!!…で…出て…あぁっ…ほんっ…と…おくっ…でっ…んんっ…〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!」 「う…っく…ぜんっ…出す…からっ…」 一瞬後の終わり。一番奥まで貫かれた瞬間だった。 本当に、まるで…私を孕ませると言わぬばかりに私の子宮口を貫かんとばかりに突き入れられたおちんちんから吹き出す精液を感じながら、私は今まで感じた事のない絶頂(ヨロコビ)を全身で感じていた。 それから数日。僕たちは森を抜け、旅を続けていたのだが… 『あの日』からアラネは僕の背中に抱きつくようになっていた。 普段は目を細め、肩に頭を乗せていたため皆は『娘が出来たみたい』と微笑んでいたのだが… 「随分と懐かれたわね。普段はどっか別のところに居るんじゃなかったの?」 「あ、あはは…そうですね」 お嬢様…キュート様の呆れた声に苦笑しながら、僕は背中に感じる温もりに笑みを浮かべ 肩にある彼女の頭を優しく撫でた。 「うひょわぁっ!?」 「主に近づく女(てき)は…斬るよ?」 そっと近づいてきたのだろう、ナナエルの面白い叫びが後ろから聞こえた。 どうやら伸ばそうとした手がアラネの髪に斬られそうになったようだ。 「ちょっとジャン! 今ボク斬られそうになったんだよっ! 何で笑ってるのぉっ!!」 「大丈夫ですよ、天使は死んでも生きられるそうですし」 嘘泣きをするナナエルさんをアイリがにっこりと笑みながら凄いことを言い放っていた。 天使って死なないのかな? そう、肉体的接触(アプローチ)の多い皆に危険を感じたらしいアラネは、周りの近づく皆を攻撃し始めたのだ。 とはいっても、威嚇ばかりで本気で攻撃したことは一度も無い。戦闘時の敵相手は別だが。 「ふっ…ここで会ったが百年目っ! 今日こそ決着を付きゃぁぁぁっ!? 何よこの糸はぁぁっ!!!」 「こっちにもふっ!?」 「あ、何か掛かった…」 最近恒例となったラミカの逆さ吊り。どうやらアラネはラミカがどの辺りに出るのか分かるらしく その付近に毎回トラップをかけている。 ラミカもそれなりに強いはずなのに、まるで『ギャグ担当』とばかりに毎回トラップに引っかかっているのだ。 「ちょっとそこの子連れ神官! さっさとこの糸解きなさいよぉっ!!」 「はやく解いてぇぇっ!!」 糸でぐるぐる巻きにされ、吊られながらも『ぴょんぴょん』と跳ねているところを見ると結構元気らしい。 アラネも、ナナエルさんも。 …ナナエルさんも? 「ナナエルも最近、『ギャグ担当』が板についてきたんじゃない?」 「確かに、あんな見え透いた罠にわざわざ引っ掛かるのはナナエルくらいじゃな」 レイナさんとユーミルさんの言葉に皆が声を出して笑う。 あまり表情を出さなかったアラネも。 それにつられる様に、僕も笑みを浮かべるのだった。 「こんなオチは嫌ぁぁぁっ!!」 「お〜ろ〜し〜てぇぇぇっ!!」