未だ鬱蒼(うっそう)と茂(しげ)る森の中。モンスターやら山賊やらが懲(こ)りもせず、あたしたちに勝負を挑んできている真っ最中。 あたしはあたしの思い人…思い切り一目惚れねっ!…たるジャンをこっそりと人気の無い場所に連れ込んだのだけれど… 「ジャン、ねぇ…えっち、しよ?」 「全力でお断りさせていただきます」 いつものようにいつものごとく。もう全力で惚れ直してしまうほどに素敵な笑顔で断ってくるのだ。 そして、次に続く言葉はいつもいっしょ。 「僕は神職です。神に仕える身です。流石にシスターの方々ほど厳しくはありませんが、それでも修行中の身ですから…」 「あたしって天使じゃない。あたしも一応は神様に仕えてるの。ほら、一緒でしょう?ねぇ…ねぇったらぁっ!」 別に性欲が無いわけではない。あたしが胸を押し付ければ少しだけ鼻を伸ばし、顔を赤くするのだから。 それでも、それ以上に手を出してくる事は…あたしがキュート達に豪語したあの日から…そう、もう一週間もの間、一度も無かった。 −ジャンってば、超が付くほど鈍感で奥手だから− そういうキュートに『三日で落とす』なんて言ったのに、未だに胸に『触らせ』たりキス『してあげたり』する程度。 もう限界。我慢の尾…じゃなくて、堪忍袋の尾が切れてしまいそうだ。 最初からこんな状態では、天使とそれに仕える男たちだけの国…そう、『ハーレム千年王国』は夢のまた夢だというのにっ! 「分かっているの、ジャン?ハーレム一号なのよっ!」 焦れたあたしはジャンを大木に押し付け、抱きつきながら少し強めに叫んでいた… −−−−−−−−−− QBSC 短期連載SS「美闘士ジャン!?」 第四話「天使ナナエル あたし『が』ハーレム第一号…!?」 −−−−−−−−−− あたしとジャンの出会いは結構普通だった。普通の人からすれば特筆する事など何もない出会い。 でも…それはあたしにとって…一生忘れられない出会いだった。 天使の羽は美しくも荘厳。それは全ての天使にいえること。でも、あたしだけは違う。 右と左で大きさの違うあたしの羽は、空を飛ぶこと自体は何とかなるにしても 見た目からすれば、歪でしかなかった。 −ねぇ見た?ナナエルのあの翼− −えぇ、何かの呪いにかかってるのではないかしら?− −堕天の兆候とか聞きましたよ− 同属に好き勝手に言われる日々。それが嫌で、悪戯を続ける日々。 天界に居たくなかったから、地上世界に行きたかったから。 そんなあたしの思いを知ってか知らずか、天使長はあたしに罰を与えてくださった。 地上世界でクイーンズブレイドに参加して、魔の者たちと戦うことを。 それでも怖かった。また、何か言われるかもしれない。そう思って… だから、出来るだけ人に会わないようにしながらこっそり人助けをしながら修行をしていたけれど… −天使さま…− まさに息を呑むとはこの事だろうと思った。飲んだのはあたしではない。 振り向いたあたしの真後ろに居たジャンだった。 嘘偽りの無い純粋な呟き。そこには同情も侮蔑も無く、ただ只管(ひたすら)に感動の一言があるだけ。 あたしは、そう…ジャンのあの一言で…ジャンに恋をしてしまっていた。 ジャンと話す度に淡い恋は燃える炎となり、『綺麗な羽だ』と言われる度に…涙が出るほどに胸を締め付けられる。 口では『ハーレム』だ何だと言っていても、あたしがジャン一筋になってしまっているのは他の人…キュートやレイナ達から見ても明らかだったようだ。 だから、あたしは大法螺(おおぼら)吹いて『三日で落とす』等と言ってしまったのだが… そんな事などもう忘れたとばかりに周りから言われること無く日々は続いている。 でも、あたしは気の長い方ではない。簡単に言うと短気だ。 だから、『こんなこと』しても…きっと天使長は許してくれるだろう。 「おはようございまぁす…只今早朝、日の出前…皆ぐっすりと眠っていらっしゃるようです…」 誰に聞かせるわけでもなく独り言を呟きながらこっそりとジャンに近づいていく。 そもそも美闘士が早朝だとしても、野宿でぐっすりと眠るはずなど無い。 『眠ってもらっている』わけだ。因みに、人払い魔物払いの結界もかけているから敵の襲撃も無し。 もちろんジャンにはかけていない。これから行う蜜時に、そんな寂しいことはしない。 「ん…んぅ…」 「くすっ…可愛い寝顔…これであたしたち全員より強いんだから、世の中分からないわよねぇ…」 そっと毛布を退けると少しだけ寒いのか、ジャンは小さく呻きながら何かを探すように宙に手を泳がせていた。 と、思った時だ。 「ひゃっ!?」 「んぅ…すぅ…」 あたしの首に手を引っ掛けたと思った瞬間、あたしはジャンに抱き竦められてしまっていた。 あまりの事に少し大きめの声が出てしまったけれど、どうやらジャンはまだ寝ているらしい。 心臓が『ばくばく』と早くなっている。 何せあたしから抱きつくことはあっても、抱き締められたのは今回が初めてなのだから。 「ふ、普段もこれくらい積極的なら良いのに…っと…うわ…ぁ…レイナの言うとおり…朝は凄く大きくなってるみたいね…」 抱き締められて熱くなった顔が、太ももに感じる感触にさらに熱くなる。 これが…ジャンの『息子さん』の感触なのだ…と生唾を飲み込んでしまう。 全てが初めて。経験は無い。知識はあるからなんとかなるけれど、結構精一杯の状態なのは理解して欲しい。 だって、目と鼻の先にジャンの唇があるのにあたしはキスすることも無く ただただ、太ももに感じるジャンの息…おちんちんに全神経が集中していたのだから。 「ん…ふぁ…」 「はぁ…はぁ…こ、これが…ジャンの…ま、まだ寝てるよね。ち、ちょくっ…直接触っても…」 …朝起きたらナナエルさんが僕の股間を弄(まさぐ)っていた。 お嬢様を含め、綺麗な女性ばかり居る集団に一人男な僕だから…結構欲求不満が溜まっていたのかも知れない。 でなければ、僕から抱き締めること等ないだろうし天使であるナナエルさんが… 「うわ、うわぁ…熱いし…凄く固くて…脈打ってる…だ、大丈夫…ジャンは寝ている…から…このまま…はぁ…はぁ…」 うん、天使様がこんなにエロいはずがない。 …何かそんな名前の本があった気がしないでもないけど、きっと気のせいだろう。 そう、これは夢なのだ。 先日、モンスターに混乱させられたのだろうナナエルさんから『エッチしよう』等と言われたから… 恐らくそのせいで夢に見てしまっているのだろう。 でなければ、お嬢様なりレイナさんなりが大声を上げて止めにくるはずだから。 そう思いながらこっそりと視線を巡らせれば… うん、全員寝てる。ありえない。よし、夢だ。 夢なら…キス…しても良いよね? 天使とキスするなんて夢でしかありえないし。 「ん、んんっ!?…んぅ…んっ…ぇ…あ…じ…ジャ…んんっ!」 興奮しすぎたのと、おちんちんに全身系を集中させていたせいでジャンが目を覚ましたのに気付くことが出来なかった。 普通ならここで終わり…なんだけれど… ジャンが…そう、ジャン『が』!キス…してくれたのだ。 あまりの驚きに、おちんちんを握っている手が少し強くなってしまい 痛いのか気持ち良いのか分からないけれど、手の中でおちんちんが『びくびく』と震えていた。 …ちがう。震えていたのはあたしだ。嬉しくて、全身が震えてしまっていたのだ。 あたしの手にジャンの手が優しく添えられる。 同時に、ゆっくりと動かされる。あたしの手が…ジャンのおちんちんを…ゆっくりと扱いていく… 「んっ…ちゅ…ちゅる…ジャ…ン…ジャン…はぁ…ん…んんっ…」 ジャンの手があたしの胸に伸びて…あぁ…ジャンの手がぬるぬるして気持ち… …え? ぬるぬる? 「あ、あぁっ!? 聖乳がっ!!」 「蓋が緩んでたみたいだね…」 聖乳。聖なる加護を受けた母なる乳。 天使長に与えられた試練は、これを零さずに命令を実行すること。 零してしまえば… 「こうやって…塗りつけると…凄いエッチですね。ぬるぬるして、ナナエルさんの身体が『びくびく』って震えてますよ」 「やめっ…ジャン…あっ!…やめてぇ…ダメ…だかっ…らぁ…んぁぁっ!!」 あたしの身体と精神(こころ)を侵食して、力を抜けさせる。 全身の神経が過敏になって、抵抗できなくなる。 平たく言えば、発情してしまうのだ。 魔の者に負ければ、そのまま堕天直行するように。 とはいえ、人間の男とエッチしたところで堕天するはずもなく ただ、エッチになってしまうだけ… 「はぁ…はぁ…んく…ジャンの…ジャンの…ん…ちゅ…」 ジャンに聖乳を塗られて発情しきったあたしは、反対を向きながらジャンの身体に跨り あられもなくジャンの顔にあたしの股間を晒しながらジャンのおちんちんにキスしていた。 「ジャン…ちゅ…ジャンぅ…ちゅる…んんっ!!」 痺れる様なむず痒い胸をジャンのおちんちんにこすり付け、先端にキスをしていく それに呼応するように、まるで電気が走るような感覚が股間に走っていた。 「ナナエルさんのあそこ…凄く熱くなってますよ…ほら…指…二本も…こんなにおいしそうに咥えて…」 「やぁ…ん…ちゅ…ちゅる…ジャン…だから…あたしが…好きだからっ…んんっ…だもん…ジャンが…あぁっ!!…好きっ…好きぃっ…ちゅっ…んちゅ…」 もう『ぐちゅぐちゅ』に濡れてしまっているのだろう、あたしのあそこに…ジャンの指が出たり入ったりしている。 やはり経験が無いのだろう、気持ち良いところばかり刺激されるわけではないから まるで焦らされている様な感覚で、一層身体が熱く火照ってしまっていた。 「はぁ…もう、いいよね?入れるよ?あたしのあそこに…ジャンのおちんちんを『じゅぷっ』て入れちゃう…拒んでも…無駄なんっ…あぁっ!!」 興奮しきったあたしは身体を起こし、ジャンのおちんちんを持って一気に膣奥へと導いていた。 頭が溶けそうな程の強烈な快感。 惚れた男に身体を捧げる幸福感に全身が焔かれる。 少しだけ怖かった。ここまでしておいて何だけれど、ほんの少しだけ、拒絶されたら…と。 だから、初めて入れるときはジャンの顔に背中を向けて入れていた。 ジャンは…受け入れてくれていた。 あたしのお尻を揉み、腰を掴むと、下から思い切り突き上げて来たのだ。 「んぃぃっ!?…ジャンッ!…すごっ…凄いよぉっ!!…ジャンの…おちっ…ちんが…あたしの膣奥まで届いて…子宮口に…ちゅっ…て…ひゃうっ!!…今…きたぁっ!…赤ちゃん作るところぉ…『ずんっ』てぇ…突き上げられて…すごい…良いのぉっ!!」 ジャンが起き上がり、あたしは地面に押さえつけられる。 徹底的に服従させられている。ジャンの、おちんちんの味を教え込まれている。 さっきまで怖くてジャンの顔が見れなかったのに、今では…ジャンの顔が見えなくて怖かった。 見て欲しかった…ジャンのおちんちんで…ジャンの全てで気持ちよくなっているあたしを。 でも、身体が動かない。全身が悦びに打ち震えて力が入らない。 「あぐっ!…いま…膣内(なか)…『ぐりぃっ』てなったぁっ!…はぁっ…ジャンっ…んぁっ!…凄いよぉっ…おかしく…なっちゃう…ジャンのことしか…考えられなくなっちゃうぅ…」 あの天真爛漫なナナエルさんが…僕に組み伏せられて啼いている。 片足を持ち上げ、身体を回してこちらを向かせれば 涙や涎に塗れ、溶けきった顔で僕を見つめる彼女がそこに居た。 相変わらず腰が抜けそうな快感が僕を包んでいる。 もう二回射精(だ)したのに、未だに萎えそうに無い。 僕はナナエルさんの両足を持ち上げ、覆い被さり、まるで杭を打ち込むように貫いていった。 「っく…はぁ…ナナエル…さん…射精…しますよ…ナナエルさんの膣奥(なか)…ううん、子宮口に思い切りくっ付けて…はぁっ…全部…一滴…のこっ…らず…っく…で、射精(で)るっ!!」 「あ…ぁ…やぁっ…ジャンの…おちんちんから…いっぱっ…『びゅくびゅく』ってぇ!…あたし…あたしもぉっ…ジャンに子宮内射精(なかだし)されながら…種付けされながら…絶頂(イ)…ちゃ…んっ…〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!」 ジャンが…あの奥手なジャンがあたしを犯している。 孕めとばかりに、子宮口に思い切りおちんちんを押し付けて、一滴も漏らすものかと射精している。 夢なのかと思うほどの行為が、強烈な絶頂とともに『これは現実なのだ』と教えてくれていた。 「き…気持ちよかったぁ…もう、あたしってば…ジャンに虜にされちゃったぁ…」 どれくらい射精されたのだろうか。既に日は昇って朝が過ぎる時間になってきていた。 …あ、まだ出てる。 「もぉ…ジャンってば射精(だ)しすぎだよぉ…そんなにあたしのあそこ…気持ちよかった?」 「え…?…あれ?」 あまりの快感に夢見心地…という感じではなさそうだ。 というか、『これ、夢じゃない?』とか言ってる。 「ほっほう…このあたしのオ○○コにずっぷし入れて、膣内どころか子宮にまでジャンの味覚えさせておいて夢で済ませようと…?」 「はうっ!?…な、ナナエルさっ…締めないっ…で…」 膣を『きゅっ』と締めてあげれば、なんとも可愛い声を上げて『びくり』と震える。 もしかしなくても、夢だと思っていたから…あそこまで積極的だったわけだ。 「あーっ! ちょっと朝から何し…きゃぁっ!?」 「ちょっとナナエル! アンタ、今さっき眠りの…わぷっ!?」 「きゃっ…ちょっとぉ…ジャンたら、もう回復して…」 眠りの魔法が切れたのだろう、続々と起き始めたキュート達に聖乳をぶっ掛けていく。 まるで精液を顔射されたような姿になった女の子たちを見たジャンのおちんちんがまたあたしの膣内で大きくなっていた。 一瞬で雰囲気の変わった女の子たちに何があったのか気付いたのだろう。 ジャンはあたしから抜くと、ゆっくりと女の子たちに近づいていった。 あたしは、単に騒がれるのが嫌いだからぶっかけただけなのだけれど… それに、人間に掛けたところで発情なんてしないし、力が抜けるなんてこともない。 でも… 「あぁ…あのヘタレなジャンが…凄いえっちな目で私を…」 「やだ…ジャンったら…凄い積極的じゃない…」 どうせ、皆ジャンのことが好きだから、ね? そうして私は、ジャンをハーレム第一号として天使と男たちによる『ハーレム千年王国』を作った…わけではなく。 「私がハーレムの第一号。つまり、一番目の奥さんなのよっ!」 私がジャンのハーレム第一号に納まったわけだ。