来た…待ちに待った日…今宵は満月。 人狼である拙者…犬塚シロは満月の時に霊力が最大まで上がる。 そして…それは外見的特長にも大きな変化を齎(もたら)してくれる。 ゆっくりと、己の身体を見下ろす。 大きくも美しいメリハリのある身体。 何時もの貧相な身体ではない。 これなら…これならきっと… GS美神短編「月夜の宴」 「しかし、問題が一つあるでござるな…」 そう、服が無いのだ。 今着ているタンクトップのシャツは限界まで伸びており、今にも破けそうになっている。 服は…と考えるが、この大きな状態で着れる服などあるわけがない。 美神の服が借りれれば、とも思うが先生である横島に会いに行くためと言う超個人的理由な上に、今夜一晩しか効果が続かないとあれば、貸してくれるはずもない。 「仕方ない…この前掛けで我慢するしかないでござるな」 台所にあった前掛け…いや、エプロンを掛ける。 明らかに長さが足りていない。 下半身は完全に丸見えの状態であった。 ぐっと下に降ろせば何とか見えなくはなるが、大きくなった胸がエプロンから零れそうになってしまう。 「うぅ…心許ないでござるが、時間を無駄に過ごすわけにはいかないでござる」 そうだ、今夜を逃せば次の満月は一月先になる。 今夜はなんとしても… 「そう…せ…せせっ…拙者の…はじっ…はっ…ははっ…初めてを…せ…せんせぇに…」 そう考えてくるだけで全身が熱くなる。雄叫びを上げたくなる。 でも、ここは事務所の中。物音でも立てて美神が起きてきたら、計画は水泡に帰すのは火を見るより明らかである。 『カラリ』と窓を開けて、臭いを嗅ぐ。 人の臭いはしない。いまならいける。 「ふっ!」 全身に力を入れ…飛ぶ。 跳躍 夜風を一身に受け、向かい数十メートル先のビルの屋上に着地。 走り、飛ぶ シロの感覚では、横島のアパートまでそう遠くは無い。 一陣の風となるその姿は、知る者が見れば嘗ての狼神のようだと喩えたであろう。 10分と経たずにアパートに着いてしまう。 周囲に人影が無いかを確認し、ゆっくりと深呼吸を一つ 「すぅ〜…はぁ〜…」 心臓の高鳴りが止まらない。 もちろん疲れたわけではない。 カタカタと身体が震える 怖い? 違う、嬉しいのだ。 『やっと…やっと先生と一つになれる』 その想いだけで、シロの胸が張り裂けそうだった。 もう、ドアの前だ。 深呼吸する時はアパートの前だったのに、無意識に足は横島の家に向かってしまっている。 コン、コン…と小さく、二回ドアを叩く。 心臓が張り裂けてどうにかなってしまいそう。そんな思いが浮かんで消えてくれない。 恥かしいから出来るだけ見えないように…とぎりぎりまでエプロンを下に引っ張る。 それに反比例して胸がエプロンから零れそうになってしまう。 でも、手を離せば下が丸見え。 そんな事を繰り返しているうちに『カチャリ』と、ドアが開く音。 弾かれたように顔を上げ、目が…合った。 何時もの、本当に何時もの横島の顔だった。 「うぉ、何で俺の家に裸エプロンの美人のねーちゃんが?…って、シロかよ!?」 「せ・・・せんせぇ・・・」 判ってくれた…こんなに大きく成長した姿でも、判ってくれた その事が嬉しくて…思わず飛び付… 「タダオー、誰だったの?」 …飛び付けなかった。 「あら、シロじゃない」 「た…タマモ、で…ござるか」 そう、タマモだった。 月夜で妖力が上がって、自分と同じように成長している…はずなのに、何時もと全く変わらないタマモ。 いや、それだけなら良い。 タマモは、一糸纏わぬ姿だった。 いやいや、タマモだけではない 横島も… 「え…」 シロの頭に嫌な予感が過ぎる。 一大決心して来た自分が馬鹿みたいで… 「なんだ…そんな格好して…シロもタダオとシたいなら最初からそう言えば良いのに」 「え、え?」 …そんな事を考える暇すら与えられず、シロはタマモに部屋の中へと引っ張られてしまう。 何だ。何なのだ。 タマモと先生は恋人同士ではないのか。 混乱する頭で考えるも答えは出るはずも無い。 「ひゃっ!?」 薄暗い部屋に半ば無理矢理連れ込まれ、足元の布団らしき物に足を引っ掛けて倒れてしまう。 「うわ、もうグチョグチョじゃない…アンタも結構スケベなのねぇ」 「わ、ちょ…た、タマモ…や、やめるでござっ…きゃうんっ!?」 倒れるシロに覆いかぶさるようにタマモが背中に乗りかかり、秘所を遠慮なくまさぐり始める。 無遠慮ながらも、確実に悦楽を引き出すタマモの指使い。 『先生が見ている』という事もあり、興奮は更に増していく。 「ん…むぐっ!?」 いきなり口に入れられる『何か』 だがその味、その匂いが横島のモノであると認識させる。 熱い…硬く大きくなったソレが喉奥に突き入れられ。 「わっ…わぁ…シロったら、タダオのおちんちん咥えただけで派手にイっちゃって…ふふ…可愛い」 もう、シロは訳が判らなくなってしまっていた。 頭の中がぐちゃぐちゃになって、全身に電気が走って… 「シロ…気持ち良いでしょ…」 「気持ち…良い…で、ござる…」 気持ち良い ソレだけははっきりと判る。 耳元で囁くタマモの声 仰向けに寝かされた私…シロに覆いかぶさる先生 「んっ…あぁぁっっ」 何かが体の中に押し入ってくる感覚 痛みは…無い。 代わりに、全身にぞくぞくとした気持ち良さが広がっていく 「せ…んせ…せんせぇ…」 「そうよ、シロ。 貴女の膣(なか)に入ってるのはタダオ。 もっと気持ちよくなりたいでしょ? もっと…タダオと一つになりたいでしょ?」 甘い誘惑 抗える筈も無い だって… 「せんっ…せ…っき…すきぃ…すきぃ…で…ござるよぉ…」 優しい先生の顔 先生と一つになっている自分 嬉しさと気持ちよさが全身を支配していく 抗える訳が無い 「もっと好きになりたいよね、シロ」 「なりたいっ…なりたいでござるよ…」 肯定の声が終わるか否かの最中に聞こえる『カチャリ』という金属音。 ひやりとした冷たさが首に伝わる。 これは…首輪だ。 何故首輪が…そんな疑問を打ち払うかのように、タマモが首を見せてくる。 「見える、シロ? ほら、アタシと一緒」 「タマ…モ…?」 タマモと同じ。そう、タマモにも首輪があった。プラチナの細い首輪。 そして、タマモと先生の笑顔が… 「そう、今日…今、この時から…シロ、貴女は…アタシと同じ」 タマモの優しい口付け… 「タダオの性奴隷よ」 「はぃ…で、ござる…」 性の奴隷…何時でも、先生が好きな時に拙者を求めてくれる 最初に求めていた姿ではないけれど… 「だすぞ、全部受け止めろっ」 「はい、中に…膣(なか)に一杯出して欲しいでござるよぉっ!」 こんなに…幸せだから… 「・・・っていう夢を見たでござるよ、せんせぇ〜」 春うららな昼下がりに投下されたシロの爆弾発言。 夢なら胸の内に留まらせて置けば良いのに、と皆が思うがシロの口は止まらない。 「大体みんな酷いでござるよ。美神殿もおキヌ殿も先生と初体験済ませているでござるし」 「「えぇ!?」」 弾かれたように互いの顔を見る美神とキヌ 「タマモなんて…くんくん…今でも全身に匂いがこびり付いているでござる…せんせぇの精え…むぐぐ!?」 「わーわー!!」 タマモが叫びながら口を塞ぐがもう遅い。 春うららな昼下がり。美神令子除霊事務所では、台風並の春一番が吹き荒れて居たそうな… はしがき 眠い深夜に書き上げた凄まじい電波…むしろ毒電波?を受信して書き上げましたゆめりあんでござりまふ… ぶっちゃけますと、ネムイデス… 現在、0時41分… これも、某ERO王様が電波出しまくりのえっちなシロの裸エプロン絵なんて送ってくるからですっ …なんて責任転嫁をしつつ また、次回に。 コッチョリと加筆しました。