「ポチ、ちょっと作業をやめてブリッジに来い」
「あ、はい。ベスパ様」

昼下がり、何時もの様に横島が逆天号の掃除をしていると、逆天号を仕切る3魔族の一柱…蜂の魔族ベスパが声を掛けてきた。
だが、何時ものような気だるさは無く、少し表情が硬い。
何かあるのかと横島は逡巡するが、現状便宜は図って貰っているものの、基本的に『NO』という選択肢を持たされていないので、思考を止めてベスパに付いていった。

それは、ここ逆天号で雑用係として働くようになってから、早一月が流れようとしたある日の事だった…


GS美神短編「砕けた人形2 〜美しき妻たち〜」


『プシュッ』と圧縮空気の抜ける音と共にブリッジに繋がるドアが開く。
中にはドグラマグラという土偶型兵鬼とルシオラが二人を待っていたようだ。

「あれ、パピリオは?」
「一応アシュ様から待機命令が出てたけど、暇だからって遊びに行ったわ。」

何気ないベスパの質問に、ため息を付きながらルシオラは答える。『気が弛んでる』等と愚痴を言うドグラの事は誰も見向きもしていないようだ。

「まぁいいか…姉さん」
「えぇ、はい…これ」

軽く一息吐くと姉ことルシオラに目配せする。
横島に渡されたのは、一粒の錠剤。
一見、何の変哲もないそれは、逆に怪しさが滲み出していた。

「これ、何ッスか?」
「ヌルに頼んで作ってもらったの」

横島の問いににこりと笑みながらルシオラは答える。

人間の霊基を魔族化する為の薬

「魔族…」
「あ、ううん。ヨ…じゃない、ポチがイヤなら飲まなくても良いし。うん、それに今まで一生懸命頑張ってくれたから、飲まなかったら…解放して…あげるし…」
「姉さん…」

小さく呟く横島の声が落ち込んでいるように感じたのだろう。
矢継ぎ早にルシオラは捲くし立てるが、声がどんどんと小さくなっていく。

姉であるルシオラの手をぎゅうとベスパが握る。
暖かい感触。言わなくてはとルシオラも思うが…

「『ヨコシマ』聞いて」
「えっ」

初めてだった。
『マッサージ』と称される二人きりの時だけしか呼ばれない名前を、パピリオを除く主要メンバーの揃うブリッジで言ったのだ。

「私は…出来れば、ヨコシマと離れたくない。ヨコシマに魔族になって貰ってずっと一緒にいたい」

ルシオラにとって、初めての願望…いや、切望が口から出た瞬間だった。

「アタシも、姉さんと同じ気持ちさ。勿論、パピリオや…ドグラ様も、だろ?」

涙を浮かべるルシオラの肩に手を置いて軽い声で…しかし、想いは込めてベスパは言う。
ドグラの『フン、使えんわけではないしな』とそっぽを向きながら言う所を見ると、ベスパの言葉は強ち間違いではないらしい。

「でもな…最後はヨコシマが決めな」

ベスパの優しい瞳。ルシオラの願う瞳。そして…

『ご主人様。小竜姫は、ずっとご主人様と居たいです』

心を砕かれながらも、生きる小竜姫の縋る瞳が

何を迷う? いや、迷う必要なんてない。
答えなど最初から決まっていた。

「後戻りは・・・ってもうちょっと考えんのか貴様は!?」

少し格好付けた口調でドグラが言おうとした瞬間の事であり、あまりにもあっさりとした行動に逆に驚かされていた。
横島は、何も躊躇せず、まるで飴かチョコレートでも食べるかのように錠剤を飲み込んだのだ。

「・・・ありゃ?」

何も変化しない。
痛くない。
横島としては、何か『ぐぉぉぉー』としたものが来るのかと思ったのに

「ふむ、流石ドクターヌルの仕事だな」
「で、でもドグラ様…俺、何も変わってない様な気がするんスけど…」

満足そうに頷くドグラに心配そうに問う横島。

「変わったさ」

耳元で聞こえるベスパの声。

同時に来る激痛。
痛いなんて物じゃなかった。
床をのた打ち回り、悶える。

「い、いぃぃぃ…痛いじゃないッスかぁっ! マジで死にますって!?」
「いや、死んでるさ。『人間』ならな」

ベスパは何とか痛みを堪えて立つ横島の左胸を指している。

そこは…

「何か『スカーッ』とすると思ったら穴が開いてるー!?」

心臓があるであろう部分に、指一本ほどの穴が開いていた。

「いや、こんな確認の仕方せ…ん…うわぁ…」

半泣き…いや、大粒の涙を大量に零しながらベスパに抗議したようと向いた瞬間

ベスパはルシオラに思い切り殴られていた。

「ベスパッ! なんで私のヨコシマに酷い事するのよっ!!」
「い、いや軽いジョークで…ほら、痛いだけだし…ってさりげなく『私の』とか言ってるし!?」

それから暫く『死ねー!』等の怒号が聞こえたが、本気で無いのは横島にも分かっていた。

「ここねっ このきょぬーがヨコシマに悪さをするのねっ! きぃぃーっ きょぬー死ねぇぇっっ」
「い、いやちょっと姉さんっ…そこ痛いっ…ていうか何か攻撃が胸に集中してる気がーっ!?」

・・・仲睦まじい姉妹喧嘩である。

多分。

半ば呆れたため息を吐きながら、ドグラは我関せずとばかりに退出していく。
喧嘩はしているが、逆天号の備品に傷を付ける様子はないから居なくても大丈夫だと思ったのかもしれない。


「と、取り合えず俺は医務室でハニワ兵に治して貰ぁぁぁぁっ」

ヨコシマの声が届いたのか、何かに反応したのか。
喧嘩しあっていた二人はいきなり息の合った行動で互いに横島の腕を持ち、引っ張っていった。
方向は医務室ではないが、大丈夫だろう。

「ぅわぷっ!?」

まるで安い荷物を投げるかの様に、ベッドに投げられる。
ベッドの柔らかい感触と共に来る、溶けそうな甘い匂い。
どうやらベスパの部屋だな、と横島は思う。
だが医務室でなく何故部屋? という疑問が浮かぶが、瞬く間に思考を削られてしまう。

ベッドに横島を投げて直ぐ、ルシオラは横島に飛び掛っていたのだ。

「ヨコシマ…ヨコシマぁ…」
「る、るるルシオラさ「ルシオラって呼んでよ!?」…る、ルシオラ…何を」

全身で『待てない』オーラを放ちながら、両手でズボンのベルトを外し、口でファスナーを下げるという凄まじい勢いで脱がせていく。
横島が何とか上半身を起き上がらせたときには、下半身には下着すらなくなっていた。

『様』付けで呼ぼうとする横島に噛み付くような視線を送り抗議したり、『ルシオラ』と呼び捨てにした途端ににへらっと表情を崩すルシオラは、横島にとって新鮮というか…何というか…

「あぁあぁ…全く…完全にトんでるね、姉さん」

後ろからベスパの声…と共に来る『むにゅっ』とした柔らかい感覚。
そして、脇の下から通される細い腕

「べ、ベスパさ…うひゃっ!」
「ふふ…ヨコシマはもう魔族なんだから、あたし達を『様』づけする必要なんてないさ」

ヨコシマの首筋に生暖かい感触と共に電気が走ったような感覚。

「あ、あの二人とも何を…」
「ん? 痛かったろう、アタシはヒーリング。まぁ、姉さんは明らかに違うコトがしたいみたいだけどね」

ヒーリングという割に後ろから抱きしめられる感覚で、明らかにベスパが裸だと分かる。
ベスパは『痛い思いさせたからね、サービスだよ』と笑みが浮かぶ。

だが、横島の頭は既にそれどころではなかった。

「ん…んふ…じゅる…ちゅ…よほひむんぉ…んちゅ…ほいひ…」

自慰をしながら貪欲に横島のいきり立つモノを咥えているルシオラがいるのだ。

「んっ…くっ…って、な…なんでルシオラはこんな…」
「あぁ、『テンコマンドメンツ』が横島に対して働かなくなったからだよ」

『テンコマンドメンツ』
確か、かつてメフィストがアシュタロスを裏切った要因を排除するために付けられたもので、それに抵触すると死に至るとかそういうものだった。と、横島は曖昧ながらもドグラから聞いた情報を頭に浮かべる。

つまり…

「それだけ…我慢してたって事さ」

ヒーリングを続けながら自嘲気味に呟くベスパの言葉に、横島は言葉が詰まった。

確かに多少なりとも好意を持ってくれていたのは気づいていた。
『マッサージ』と称して、色々な部分を触らせようとした事もあった。
でも、テンコマンドメンツに抵触するからと、互いに大事な所には触れられず
ルシオラが終わった後に一人慰めている事も知ってはいた。

「ヨコシマは小竜姫が欲望のはけ口になってくれるだろうけどさ、アタシ達にはそれがないんだよ」

『ずっと、溜まりっ放しなのさ』と耳元で艶っぽく囁かれ、右手を導かれたそこは熱く滴っていた。
もう、我慢の限界だった。

「んんっ…んっ…ん…はぁ…すごぉい…ヨコシマの、濃い匂いが…口一杯に…」

口内にほどばしる精液を愛しそうに溜飲するルシオラは、今まで見た事がないほどに美しく…そして艶やかで…

「じゃ、姉さんは口に出してもらったんだから、アタシは下の口に…」
「ちょ、ちょっとベスパ! 『初めて』は私が最初に貰ってもらうってさっき決めたじゃない!?」
「さぁ、知らないよ? アタシは…「だぁぁ、うるせぇぇぇっ!」」

…等と横島が考える間も無く喧嘩が始まる。
場の空気とかそんなものが微塵に砕ける事態に、流石の横島もキレてしまった。

「うわっ!」
「きゃあ!?」

ベスパを押し倒し、上にルシオラを多い被せる。
右手はルシオラのお尻に、左手はベスパの花弁に手を這わせながら

「もう、二人一緒にやる。それで良いだろ?」
「よ、ヨコシマ…その指だめ…感じすぎっ…て…嫌だ、ヨコシマのでいかせて…」
「ふぁぁっ…ヨコシマぁ…そんなお尻『くにくに』弄らないでぇ…」

もう殆ど聞いてない二人に小さいため息を吐くと、まずは上側のルシオラの秘部にあてがった。

「まずはっ」
「ひぐぅぅっ…よ…よひょひまの…一気に…おくっ…ぅんっっ」

入り口近くの抵抗も遠慮無く、一気に奥まで貫き

「つぎっ!」
「うっ…あぁぁっ…こんっ…太い…太すぎるぅぅっっ」

一気に抜き去ると、そのままの勢いで下側にあるベスパの秘部を貫いた。
二人とも全く痛みはないらしい。

「うっく…はぁっ…はぁっ」
「しゅ…しゅごいのぉ…あたま…まっひろれぇ…ひもひよしゅぎにゃのぉ…」
「ヨコっ…シっ…そんっ…強くされたら…あ、アタシ…んぁぁっっ」

奥まで貫き、一気に抜いてもう片方を貫く。
既に呂律の回らないルシオラは口を半開きにしながらベスパの胸に埋れ
ベスパの方は何とか正気を保っては居るものの、襲う悦楽に翻弄されているのは見るも明らかだった。

「ねっ…さぁ…たすっ…こんなのっ」
「らいひょうふだよ…べすぱ…わりゃひ…もぉ…イひっぱにゃひれ…ん…ちゅ…ちゅる…」

涙交じりの嬌声で姉であるルシオラに助けを求めるが、既に出来上がってしまっているルシオラには逆効果だったようだ。

「「んっ…んっんっ…んちゅ…ちゅ…んふっ…はぁむ…ちゅる…」」

これ以上は堪らないと、逃げるベスパの頭を両腕で抱えながらルシオラの唇が舌がベスパの口腔内を犯していく。

「うぅっ…もうっ…持たない…」

横島も限界が近付いていた。
どちらに出そうか、それとも外かと考える暇すらない。
その一瞬のスキが…

「「んひゃぁぁぁぁっっっんんんっっっ」」
「うっぐ…あぁぁっっ」

下側に感じる『ぷにっ』とした柔らかい優しい感触と、上に感じる毛の様な強い感触。
そして、竿を擦る上下の突起。
勢い余って間に突っ込んでしまったようだ。

間違えた、と思う暇すら無く二人のお腹の間に思い切り射精していく。

「もう…だ…め…」

唐突にルシオラの身体がぐらりと横に倒れていく。
驚いた横島は、何とか抱きかかえようとするが、どうやら気絶しただけのようだ。

それと共に、間に出した精液が姿を現す。
どれだけの量出したのだろう。と自分で思ってしまうほどの量だった。
軽くお腹辺りに出て終わりかと思ったのだが…

『それ』は、お腹だけでは止まらず、胸を超え、ベスパの顎すらも犯していた。

横島がその路を辿って行くと、ふとベスパと視線が合う。

絡む

そして

泣いた

「ふ…ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ」
「お、おいベスパ!?」

まだ身体に力が入らないのか、四肢を投げ出したまままるで赤子の様に泣き出すベスパにおろおろしてしまう。
取り合えず、とベスパのほぼ全身に飛び散った精液を拭って優しく抱きしめた。

「ヨコシマぁ…こわっ…怖かったぁぁっっ…訳わからなっ…アタシ…壊れ…ちゃ…かって…」

横島に泣きつくベスパは、魔族等関係なく、今この瞬間は確かに一人の『女性』だと横島は感じた。

確かに強力な力を持つかもしれない。

だけど・・・

ヒャクメの言葉じゃないが『だから何だ?』


泣き疲れてうとうととしだすベスパの頭を優しく撫でながら、もう片方の腕でルシオラを引き寄せる。

まるで子猫の様な仕草で擦り寄ってくるルシオラが愛しくて

泣き腫らした表情で腕の中で眠るベスパが愛しくて…


「今度は、小竜姫も混ぜるか」

最初は互いがいがみ合ったかもしれない。でも、互いを愛する自分ならきっと仲良くできる、そう感じる。

仲良くする方法はアレかもしれないが。


「ただいまーって皆何処に居るで…えぇぇぇー!?」

そうそう、パピリオもな…

混乱しながら喚きたてるパピリオの声を子守唄に、横島はゆっくりと意識から手放した。


はしがき
続き書いちゃったー!?Σ(´д`ノ)ノ

これだから妄想は怖いんです。
更に続きそうです、ヤバいですっ!?

今度は135分で書き上げちゃってるし!?


えぇもう、世の中不思議が一杯ですね(´▽`*)

そういう事にしておきます。

では、また次回に…

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