「オマエ、面白いでちゅね…よし、ペットにしてやるでちゅっ」

一体何が起きたんだっけ…
確か、京都で戦ったアシュタロスとかいう魔王の部下が美神さんを探してて
そいつらと戦う事になったんだよな…

どんどんと離れていく地上世界をぼぅっと眺めながら横島は心の中で呟いた。


GS美神短編「砕けた人形」


「今日からここがポチの家でちゅ」

『ゴゥッ』という空気音と共に聞こえた…たしか、パピリオとかいう魔族の声。
背中に走る鈍痛に『いてぇぇっっ』と思わず叫んでしまうが、魔族達は気にした風もなく説明を続けている。

「…という事だ。ペスと喧嘩するなよ?まぁ、ペスは喧嘩する力もないだろうけどな」

背中の痛みが引いたと同時に説明が終わってしまったらしい。
殆ど聞こえておらず、分かったのは『ペス』というもう一匹?が一緒に居る事だけだった。

横島はゆっくりと辺りを見回した。まるで生き物のような壁と天井、どうやら牢屋のような場所らしい。全く枷を付けられなかったのは運が良かったなと横島は思う。
あの3柱の魔族に勝てる気はしないが、逃げるだけならどうにかなりそうだ。

「通信鬼」

横島の言葉に反応して通信鬼…神魔が使っている通信用の鬼…が現れる。
繋がるか? と一抹の不安を覚えたが、呼んだ瞬間から聞こえる間抜けなヒャクメの声が払拭してくれた。

『無事に敵の基地に入れたのねー?』
「おう、どうやらすげぇ高いところにあるみたいだぞ」
『妙神山が機動戦艦に消し飛ばされたらしいから、多分それかもしれないのねー』

ちょっと待て、『消し飛ばされた』?
もしかして、3姉妹との戦闘に神族はヒャクメしか来なかった理由はそれなのか、小竜姫様は…と色々な事が頭に浮かび、ヒャクメの言葉が耳に入らなくなっていた。

「…というわけで…って、横島さん聞いてるのねー?」
「わ、わりぃ…」
「もぉ…簡単に言うと、何とか魔族に取り入って中の情報をこちらに遂次送信して欲しいのねー」

ぶちぶちと文句を言いながらも、簡潔に説明してくれる。
だが、ヒャクメの言葉からは小竜姫様の事は出てこない。

「あの…さ…」
「小竜姫の事は忘れるのね」

ぐさりと突き刺さる言葉。
忘れろとはどういうことなのか。

「おい、ヒャク…「小竜姫の生存確率は絶望的なのね。横島さんは自分の役目を全うすれば良いのね」」

俺が間違っているのか、それとも神族は得てしてこういうものなのか
非常事態なのは横島にも分かってはいるが、納得なんて出来るわけもない。

「お前は小竜姫様の友達じゃなかったのかよ!」
「だから、何なのね?」

二の句が告げれないほどの辛らつな言葉。
ふつふつと怒りが込み上げてくる。

「う・・・」

悪口雑言を喚き散らそうとする横島の耳に、小さなうめき声が聞こえてきた。
そうだ、ここには『ペス』とかいうのが居たのだ、と急いで通信鬼を消して周りを伺う。

そう、ここは敵地なのだ。
『ペス』だって仲間になってくれるかどうかすら判らない現状。無用心に通信鬼を使うのではなかったと後悔の念を覚えるが、今となってはもう遅い。

『ペス』の姿を捉える。この牢屋の隅に居た。
蹲っている…人…いや、あれは…

「しょ…小竜姫…様…」

あの赤い髪、片方は折れているが見覚えのある角、服は無いがあのそこはかとなく主張を残した胸。
あえて言えば、素っ裸の小竜姫様だった。

だが、横島は飛びつく事が出来ない。
横島が知るものが一つだけ無かった

背中の逆鱗

強引に毟られたような赤い跡だけが見え、そこからはじくじくと血が流れている。
そう、ここは『魔族』の基地。『神族』である小竜姫様が無事で転がされる理由は無かったのだ。

「だ、大丈夫ッスか小竜姫様?」
「う・・・あ・・・」

唇は切れ、痣に塗れた顔には涙の跡がこびりついていた。

「あ…ごめんなさい御主人様もう抵抗なんてしませんからっ」

目が合う、その瞬間弾かれたように土下座を始める。
痛々しいほどに振るえる小竜姫に、横島は思わず無理矢理起き上がらせた。

「俺です、横島ですよ小竜姫様!」
「ごめっ…なさい、ごめんなさいっ」

泣きながら横島に誤る小竜姫。
いや、小竜姫の目には横島は映っておらず、3魔族の幻影が見えているのかもしれなかった。

横島の目に涙が浮かぶ。
ここまでされなければならない理由があったのだろうかと。

神族と魔族の仲が悪いのは分かる。
『抵抗』と言っていたから、恐らく戦ったのだろう。
そして、死なない程度に痛めつけられて…

『ジィ』という音が横島の耳に届き、思考を中断させられた。
何の?と横島は思うが、すぐにそれは分かった。

「しょっしょっ小竜姫さま!?」
「御主人様…私の所為で不快な思いをさせてしまって申し訳ありませんでした」

『ご奉仕させていただきます』と、感情の篭らぬ小竜姫の声。
機械的な動きだが、確実に横島の感情を高ぶらせていく。

「だ、ダメっすよ…くっ…」

感じるわけにはいかない。『何時も』の小竜姫なら喜び勇んで始める所だが、今の小竜姫は目の前に居るのが横島だとは恐らく判って無いのだ。

「すごい…おっき…はぁむ…んちゅ…」
「うっ…うぁぁ…」

何時の間にかGパンが脱がされていた。暖かく、柔らかい物に包まれる感触。
そして、甘い刺激。

止めようと視線を下に向けたのがいけなかった。
うっとりとした表情で咥える小竜姫の姿は、あまりにも淫靡で…

「ぁは…硬くなってきました…もっと…気持ちよくなってください」

甘い刺激が突然強くなる。
唾を溜め、ストロークを始める小竜姫の口から『ぐじゅっ』といやらしい音と共に、艶のある吐息が混ざる。

横島の腰が悦楽に反応して跳ねる。このままでは小竜姫さまの口に出してしまう。
そう思って、半ば無理矢理小竜姫様の口から抜こうとして…

気付いてしまった。
小竜姫の両手は小竜姫自身を慰めていたのだ。

左手は乳首を抓り、右手は良く見えないが恐らく…

『にちゃっにちゃっ』という音が横島の『モノ』を加える小竜姫の口とは別の所から聞こえる。

止まらない。止められない。

『早く止めろ』と頭の中の『俺』が叫ぶが、もうだめだ。
獣の様な声が横島の口から漏れ、爆ぜた。

「んぶっ…んんっっ…ん…んく…んっ…んっ」

口に出されたものを小竜姫は躊躇無く…いや、まるで大好物の物を溜飲するかの如く嬉しそうに、ゆっくりとゆっくりと飲み込んでいく。

淫靡なその姿に横島の『モノ』は硬さは衰えるどころか、さらに大きさを増していた。

「淫らで…御主人様の事を思うだけで濡れてしまういけない私を、御主人様のモノでお仕置してください」

床に寝転がり、膝を立て、両手で花弁を押し開く。
『にちゃぁ』といやらしいおとが横島の頭にこびり付き、小竜姫の『おねだり』に横島の脳は焼き切れてしまった。

「はっ…あぁぁんっ」

どれほどの調教を受けたのだろうか、赤く腫れ上がってしまっている花弁は軽い水音と共に難なく横島のモノを受け入れてしまう。

「はぁっはぁっ」という横島の粗い呼吸音に小竜姫の嬌声が混ざる。
『小竜姫様は正気じゃない』『冷静になれ』と頭の中に声が響くが、腰の動きは止まらない。

相手を思わぬ、横島の獣の様な荒々しい腰使いですら小竜姫には悦楽をもたらして行く。

「ご主人様ぁ…小竜姫は…もう、イってしまいますぅっ」
「おっ…俺…も…出そ…」
「中に…ナカにぃっ!」

このまま膣(なか)に出したいという欲求が全身を駆け巡るが

一瞬…そう、一瞬…

小竜姫の瞳が

瞳に、横島自身が映っていないのを見てしまった。

「だ、ダメ…イく…イきますぅぅぅぅぅぅっっっ」

ぎゅうと締め付けられ、射精を促す急激な律動が横島を襲うが横島が絶頂(い)く事は無かった。

涙が溢れる。
俺は、何をやっているんだと。

絶頂の余韻でひくひくと震えていた小竜姫が弾かれたように飛び起きる。

「申し訳ありませんご主人様。次こそは気持ち良くさせて頂きます」

「だから、打たないで」…土下座しながら、そう哀願する小竜姫があまりにも痛々しくて。

「小竜姫…小竜姫ぃっ!」
「んぐっ…んぶっ…んん!」

でも、劣情は抑えられなくて
小竜姫の顔を捕まえて、思い切り口内を犯す。

泣けよ。
嫌がれよ。
頼むから・・・

そんな横島の願いも叶わず、口腔内を犯されながら小竜姫はとても幸せそうな顔をしていた。

「うっ…くっうぅ…!」

二度目の射精。
喉奥を突きながら、出しながら腰を、小竜姫の頭を振るのに
小竜姫はうっとりとしながら飲み下していく。

「はぁっ…はぁ…はぁ…」
「こんな私の口に出して下さいまして、ありがとうございますご主人様」

小竜姫の顔を離し、荒い息をつく横島の目に
幸せそうな表情で言う小竜姫が映る。

助けなくちゃいけないのに、なのに…何をやっているんだ
懺悔の念が横島を襲う。

「ポチはペスと仲良くなったみたいでちゅね」
「パピリオ…様」

パピリオという魔族の声。
気付けば横島の横に立っていた。

「さぁ、出るでちゅよ」
「・・・へ?」
「・・・忘れたんでちゅか?」

何を・・・と思う、もしかしたら聞いていなかった『説明』の時に何か言われたのかもしれないと少し青くなる。

「まったく…下半身は元気の割にオツムは少し弱いみたいでちゅね」

明らかな侮蔑のため息がパピリオから漏れる。
殴り飛ばしたい気に襲われるが、勝機など万分の一も無いのだ。

「もう一度言ってやるでちゅよ。ポチは雑用関係に長けていると調査報告を受けたでちゅから、この逆天号の雑用係という有り難い職に就かせて奴でちゅ」
「雑用ッスか?」

横島が理解したのが嬉しいのか、にこりと笑むと満足そうに頷く。

「そうでちゅ、ハニワ兵達では直すのが遅い場所が結構あるでちゅ。そういうところの修理とか、わたち達におやつを運んだり…」

一枚の紙を渡しながらパピリオは説明を続ける。
意外に書かれている事は多いが、何とかなるレベルであった。
それに、内部の事を…

『だから、何なのね』

『ごめんなさいっごめんなさいっ』

ズキリと胸が痛くなる。
冷たく言い放つヒャクメと怯え哀願する小竜姫が脳裏に浮かぶ。

「あの、パピリオ様」
「…だからで…ん、何でちゅか?」
「一つ、お願いがあるんスけど…」

強力な結界を張る妙神山を消し飛ばしてしまう魔族。
仲間がちょっと行方不明になっただけで、生死も確認せず簡単に切り捨てる神族。

「いいでちゅよ。どうせ弄っても面白くないでちゅし…まぁ、ポチの頑張り次第でちゅけど」

横島の提案をあっさり快諾してくれた。

『ペスをポチ専用のペットにさせて欲しい』

勿論ペットというのは方便だが、神族…いや、友にすら見捨てられた小竜姫様の仲間は自分しかいない。
だから、一生懸命働く事を条件に出したのだ。

紙に書いてあることは美神の所に居た時の事を考えれば難しくない話。
それに…

「ま、まぁどうしてもというならポチをペス共々、魔族に受け入れてやらないこともないでちゅ」


よくよく話してみれば、悪い奴らでは無いのだ。
まだ、『あの』ヒャクメと比べれば温かみがあった。

どちらが悪いのかは横島には分からない。
だが、少なくともパピリオ達が完全な悪だとは横島には思えなかったし

「ただいま、小竜姫。良い子にしてたかい?」
「あっご主人様っ…はい、小竜姫はお優しいご主人様の帰りをずっと待っておりましたっ」

すでに魔族となってはしまったが
この、幸せそうな表情を浮かべる小竜姫を放したくは無かった。


「横し…じゃなくてぽ、ポチ…え、えっと…そ、そうそう…ちょっと疲れたから『マッサージ』して欲しいんだけど…」
「あ、はいルシオラ様。今すぐにっ」
「や、そ…そんなにやる気十分だと恥かしい…」

この3人とも離れたくないしな?


はしがき

暗いデスカ?
偽バルタンさんのSSに触発されて一気に書き上げてしまいました。
『ヒャクメの代わりに小竜姫が掴まったら?』というコンセプトの元書いてみました。
武神である小竜姫なら、本気で抵抗するだろうと。そして、あの3姉妹なら抵抗する小竜姫を徹底的に痛めつけて、二度と抵抗する気が起きない様にするだろうなと。
そう、色々と想像しながら書いてみました。

エロいですか? オカズになりましたかっ!?(トマレ

妄想が暴走してますねぇ…あはは…

では、次回に。

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