「はぁ・・・」 小さくだが私…小竜姫の口からため息が漏れる。 原因は隣の部屋 時折『とりゃーっ』とか『ふははは』とか『卑怯でちゅよー!』なんて声が聞こえる。 パピリオと横島さんがゲームをしているのだ。 私は無理だと思いつつもゆっくりと立ち上がり、隣の部屋へと向かう。 ここは妙神山。修行場であり、遊ぶ場所では無いのだ。 パピリオに会うためとはいえ、こんな辺鄙(へんぴ)な場所に来てくれる横島さんに感謝こそしても不平を言う権利など無いのだけれど… 「横島さん、お話があります」 小さくもはっきりとした声でドア越しに言う。 同時にぴたりと止む声とゲームの音 それを見計らい、ゆっくりとドアを開ける。 「あ、すんません小竜姫様…五月蝿かったっすか?」 「それ以前の問題です」 何かとパピリオが文句を言ってはいるが、曲げるわけには行かない。 「横島さん、今から貴方にここ妙神山最高の修行をして頂きます」 そう、私は静かに言い放った。 GS美神短編「結婚したい・・・?」 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ小竜姫様!」 何とも情けない声であぁこうだと言い訳を言い始める横島さん。 かのアシュタロス戦役では素晴らしい戦果を齎(もたら)した勝利の立役者ともあろう人が…そうも思うが、これが彼の地なのだ。 しかし、今回の私は違う。老師様に秘策を貰っているのだ。 「無事、この修行を完了できた暁には…全てをあげます」 「すべて!?」 驚く横島さんの表情。先ほどの情けない表情は一瞬で消し飛んでしまっている。 確かに魅力的な話だとは思う。だが、ここまでやる気が出ることなのだろうかと疑問も浮かぶ。 『全てをあげるですか?』 『うむ』 『ですが、その程度の事で横島さんが本当に本気になるでしょうか?』 『なる。ワシが保障する』 この秘策をくれた時のあの自身に満ちた老師様の顔が脳裏に浮かんでくる。 やはり、いい加減な態度を取る横島さんでも『強くなりたい』という願望はあるのだ。 だから『能力の全て』を上げると約束するだけでこれほどのやる気を出してくれる。 もちろん、能力を上げるとは言ってもそう極端な上げ方はしない。 なぜなら、身体が霊力に追いつかなくなるのだ。 規格外の身体能力に加え、魔族の魂を含んでいる横島さんなら相当の能力アップを行っても大丈夫だとは思うのだけれど。 「さぁやりましょうすぐやりましょう!」 目をらんらんと輝かせた横島さんが修行場に行こうと促してくる。 無駄な事を考えるのは止そう。このやる気が何時まで続くかもしれないのだから。 「ところで、何の修行なんスか?」 修行用の服に着替え、修行場に入った横島さんの最初の一言がこれだった。 『サルも居ねぇし…』等と小さく呟いている。恐らくサルというのは斉天大聖老師の事だとは思うが… 「修行は至って簡単です。私を倒す事。それだけです」 「うっス!」 やる気のある横島さんの返事に、私の頬がピクリと震える。 『武神である私を倒す』事がどれ程難しい事なのか判って…いや、判ってない筈は無いのだけれど。 「すぅ…はぁ!」 軽い深呼吸。 吐くと同時に一気に竜気を解放させる。 私の竜気に煽られた風が烈風となって横島さんに襲い掛かる…のに 彼は微動だにしなかった。 やはり、彼は強くなっている。 目を瞑り、下を向き、何かを呟いている。よくは聞こえないが… 「ふ…ふふ…ふはははははははっっっ!!」 「なっ!?」 横島さんの身体から解放された霊気が一気に私の竜気を押し返したのだ。 いくら人界で竜気が相当抑えられているとは言え、人間が追いつけるレベルでは無いのに… そう考えてはっとする。さっきの呟き。恐らくあれは圧縮言語の類だったのかもしれない。 頬が緩む。ちゃんと、ここに来ていない時でも横島さんは確りと修行していたのだ。 「妙神山が管理人…竜神にして武神…」 神剣を抜き、ゆっくりと構える。 竜気を溜め、鋭利に研ぐ。 「小竜姫…参ります!」 周囲の空気を吹き飛ばしながら一気に距離を詰め、気合一閃、神剣を薙いだ。 「っ!」 仁王立ちの横島さんの右腕から胴、そして左腕を神剣が薙いだその瞬間に横島さんが描き消えてしまったのだ。 幻像 そういえば、彼の魂の一部となった魔族は確か、幻覚を得意としていたはず。 私の思いに答えるかのように、周囲に何十もの横島さんの姿をした物が現れる。 「はぁっ!」 振り向き様に横に薙ぐ。 後ろに居た横島さんに神剣が吸い込まれ、再び消える。 これも幻像 「くっ!」 おかしい。神族である私が幻像などに騙されるはずが… そう思った次の瞬間 「ちぃ!」 いきなり現れた彼に驚きを隠しつつも、バックステップと同時に袈裟斬りを見舞う。 また幻像 「霊力を持った幻像…」 そう、全て彼と全く同じ質の霊力を持っている。 ありえるのか、と疑問が浮かぶが頭(かぶり)を振る。 『あえりえるのか』ではない実際に『ある』のだ。 だが、彼自体が消えている訳ではない。 恐らく文珠によって隠れているだけなのだ。 「ひゃっ!?」 いきなり蟀谷(こめかみ)を突付かれてびくりとする。 振り向くと横島さんが微笑んで立っていた。 「ま、真面目にやってください!」 「十二分に真面目っスよ。俺式にっスけど」 かぁっと頬が熱くなるのを感じる。 これの何処が真面目なのか…と思い、背筋が寒くなる。 今の行動は、つまり私のペースを乱すための物だと。 背筋にゾクゾクとした良く判らない物が走っていく。 やはり、強い。 多分、人という規格から大きく逸脱してしまっている。 今後横島さんが神人となるか魔人となるか…それに私は大きく関わる事となる。 嬉しさがこみ上げてきた。 妙神山管理人…いや、武神…これも違う…そうだ…私、小竜姫といういち個神として嬉しいのだ。 手は、抜けない。 「つぇい!!」 竜気を神剣に溜め、一気に周囲を薙いだ。 風が竜気に踊らされ、突風となり、竜巻となる。 同時に周囲に居た横島さんの幻像が消えていく。 頬を突付いてきた横島さんも幻像だったようだ。 そして・・・居た。 一人だけ消えない『横島さん』が。 ハンズオブグローリーを両手に出して竜巻から身を庇う横島さんに一気に距離を詰める。 「小細工など…私には効きません!」 渾身の力を籠め、一気に… 「なぁっ!?」 その姿で止まってしまった。 私が近付いた瞬間、彼はハンズオブグローリーを納めて両手を広げたのだ。 そう、まるで彼女を迎える彼氏のような… 「な、何やってるんですか! ちゃんと修行してく…」 怒りが込み上げ、怒鳴る私の言葉が一瞬で詰まってしまう。 首筋に何かが当たる感触。 まさか、と思った瞬間に目の前の手を広げている横島さんも消えてしまった。 これも幻像だったのだ。 「してますよ。チェックメイトっスね、小竜姫様」 優しい横島さんの声が後ろから聞こえる。 ちぇっくめいとと言うのは判らないが、勝負は決まってしまった。 「修行はこれで終わりです」 負けたのに、全く悔しくない。 圧倒的な強さ? いや、強さなら竜神である私に敵う筈が無い。 それを見越した幻像。 つまり、極限まで私の能力を潰し、優位に立つことで勝利を手にしたのだ。 まさに、人間の本懐という所か。 「約束どおり、全てをあげます」 「よっしゃー!!」 天に向かって雄叫びを上げる横島さんを見てくすりと笑みを浮かべてしまう。 恐らく、彼はどんどん強くなっていく。そして、それを私は見る事が出来る。 心の底から嬉しかった。 「さぁ行きましょうすぐ行きましょう!」 「えぇぇぇー!?」 …気付いたら、私は横島さんの胸に抱えられていた。 物凄い速さで私を抱えたまま母屋の方に走っていく。 なぜ? そんな疑問が浮かんでは消える。 『ぽふっ』という柔らかい感触。そこがベッドだと理解した時には横島さんに唇を奪われていた。 「んー!!?・・・ぷはっ! よ、横島さ…」 抗議の声を上げようとするも、真剣な彼の目に心臓がどきりと跳ねる。 声が…出ない 「いまさら、反故なんてしないっスよね」 小さくもはっきりとして横島さんの声。 再び唇が奪われた。 反故? 何を反故すると言うのだ。 私は『能力の全てをあげる』と言って… まて、言った? 確か…『全てをあげる』と言ったはず。 横島さんの唇が離れたと感じたら、優しく抱き締められていた。 「約束どおり、小竜姫様の全てを貰いますね」 「んっ…や…」 耳元で囁かれた後、耳に優しくキスされる。 今、彼は何と言った? 『小竜姫様の全てを…』 横島さんに全身を触れられた所為なのか、『そう』とも取れる…まるでプロポーズと誤解されてもおかしくない事を言っていた私自身の所為なのか、全身がかぁっと熱くなってきてしまう。 「俺、頑張って良い旦那になりますから」 見つめられながら言われた横島さんの言葉に、ボンッという擬音が聞こえる程顔が真っ赤になってしまう。 横島さんが…私の夫に… 「小竜姫の身体、凄い綺麗だよ」 「えっ…あ…」 私は、どうやら彼の『旦那』宣言に頭が働くなっている間に脱がされてしまっていたらしい。 らしい…というのはおかしな表現かもしれないが、実際に知覚出来なかったから仕方ないのだ。 …等と言い訳がましい事を考えている余裕など、私には既に持ち合わせる事が出来なかった。 「ほら、小竜姫の乳首…こんなピンク色で…ちゅ…」 「ひゃっ…そんな…吸っては…んぁっ!」 世辞にも大きいとは言い難い胸を執拗に攻められる。 胸を揉まれるたび、吸われるたびにびりびりとした電気の様な物が身体を走っていく。 「小竜姫の肌…まるで餅の様に手に吸い付いて…」 「そ、そんな撫でないで下さっ…きゃうっ」 振れ、撫で摩るたびにびくびくと震える私が面白いのか、笑みを浮かべたまま全身を愛撫してくる。 胸からお腹を通り、腰、そして…いや、何も無いかの様に足へ行き、太股と摩られる。 全身が…横島さんに触れられている それだけで興奮して…気持ちよくて… 「すげぇ可愛いよ…小竜姫」 「だ…んな…さっ…だんなさまぁっ」 そうだ…彼は夫。『横島さん』なんて他人行儀な呼び方は失礼なのだ。 呼び方を『旦那様』に変えた途端、更なる悦楽が身体を翻弄し始めていく。 今、この瞬間から…私は旦那様のものになったのだ。 「はん…んむ…ちゅ…ちゅる…んちゅ…はぁ…ちゅっ…んんっ」 最初のキスとは全く違う、舌を絡ませる濃いキス。頭の中がぼぅっとしてくる。 彼の手はとうとう、秘部にたどり着いていた。 最初は外側から揉む様に…そして、両側を外から優しく抓んで擦り合わせて 濃厚なキスの舌の絡まる音が、まる秘所から漏れる音の様に聞こえる。 「ん…そろそろ、いいかな」 旦那様が自分の手を見ながら呟いている。 手はぬるぬるした物が着いていた。 「ほら、こんなに塗れて」 「っ!!」 ・・・私のだった。 腰の下に枕を入れられ、自然と反った姿になる。 何の意味があるのかは判らないが… 「じゃ、そろそろいくよ」 「んっ…ん…んっ…」 そろそろ…なんて言いながら私の秘所に『にちゃにちゃ』と音立てながら何かをこすり付けている 見たい気もするが…見てはいけない。だって、こすり付けているものは… 「ゆっくり…くっ…」 「いっ…あっ…」 ぐっと押し付けられる感触と共に腰辺りがずきずきと痛み始める。 押し分けて来ている、旦那様が私の中に入ろうとしている。 でも、痛みが増すばかりで中々入ってくれない。 「小竜姫、深呼吸して」 「えっ…は、はい。」 急に何だろうと思うが、言われたとおりに始める。 ゆっくり吸う ゆっくり吐く ゆっくり吸う ゆっくり吐く 「はぁぁぁんっっっ」 吐くと同時に一気に入ってきた。 さっきまで入らなかったのに… 隙間の無い場所を無理矢理こじ開けられた、そんな感覚。 痛みより、旦那様と一つに繋がった嬉しさが強い。 「大丈夫?」 この人は優しすぎる。 私など気にせず好きにして良いのに、優しく頬にキスしながら私を気遣ってくれる。 その想いが嬉しくて… 「旦那様…好きに動いて良いですから…」 「じゃ、ゆっくりね」 ゆっくりと引き抜かれ、ゆっくりと差し込まれる ゆっくりだから、どんな動きでどんな…かたちを…しているか…とか… 「…っ…っ!」 気を抜けば声が漏れそうになる。 両手で口を押さえ、ぎゅっと目を瞑る私に『ふっ』と息が吹きかけられる。 びくりと震えて目を開くと『にやっ』と笑む彼の顔が映る 「あっ…」 「聞かせてよ、小竜姫の声を」 口を押さえていた手を無理矢理剥がされ、軽くキスされてしまう。 声…恐らく彼の言う『声』は… 「はぁうっ!?」 ゆっくりと引き抜かれていた彼の『もの』が、一気に奥まで貫いてきた。 思わず出てしまう声に顔がかぁっと熱くなる。 「可愛いなぁ…もっと聞かせてよ、ほらっほらっ」 「やっ…はぅっ…だ、だめ…きゃうんっ!」 ゆっくり引き抜き、一気に貫く。 じわじわとした気持ち良さと脳天まで稲妻に打たれたような強い悦楽が交互に襲ってくる。 声が…止まらない。 生まれて今まで出した事など一度も無い声。 痛みはもう感じない。 頭が痺れてぞくぞくが全身を回って止まらない。 「あぁ…もう可愛すぎるよ…我慢できねぇ…」 「んっ…はぁむ…んむっ…んっ…ちゅ…ちゅるっ…んんっ」 ぎゅうっと抱き締められ、『ちゅるちゅる』と何とも淫靡な音を立てながら舌を吸われる。 彼にももう余裕が無いのか、滅茶苦茶な突き。 がくがくと身体が震える。突かれる反動なのか、それとも… ふわふわして、何か大きな波の様な物に襲われていく感覚が襲ってくる 目の裏がちかちかして頭が真っ白になる 私が…私で無くなる 「んんーーっっっ…ん…」 身体の奥で何か熱い物が出される感覚。 身体が…全身が震える。 出されるその感覚すらも気持ちいい… その瞬間…がぶりと彼の舌を噛んでしまった。 本気で噛んだのではなく、痙攣の反動なので噛み千切る事は無かったが… じわりと、血の味が口に広がる。 なのに、そのまま彼は私にキスをし続ける。 痛いはずなのに… 「・・・っはぁ…ご…ごめんなさい」 「おー…すげぇ…痛かった」 べぇっと出す彼の舌からはたらたらと血が流れ続けていた。 「痛くて堪らないからさ、小竜姫が治してくれ」 「あ…はい…ヒーリングします」 そう言って、私達はもう一度キスを始めるのだ 「ん…ふぁ…」 深層から意識が昇って行く感覚。 どうやら何時の間にか寝ていたらしい。 目を開くと一番最初に見えた旦那様の胸元。 腕枕してくれていたのだ 「ふむ、そろそろ隠居できそうじゃのぉ…」 「ふぁ!?」 がばぁっと起きる。 一気に頭が覚醒する。 この声は 「ろ、老師!?」 ベッドの前に立つ斉天大聖老師は飄々とした顔でこちらを見ていた。 『ほれ、前を隠さんか』という声に、裸だというのに気付き、毛布で急いで前を隠すが… 「上手くいったようじゃの」 「え…」 上手くいった? 何が、とは聞かない。 つまりは、こういう結果になると判っていたということなのだろう。 つまり・・・ 「騙したのですか!?」 「阿呆な事を言うでない」 キセルを取り出し、徐に煙草を吸い始める老師。 何が阿呆だ。騙したではないか。そんな思いが込み上げるのに 「自分の気持ちすら気付けん阿呆な弟子の重い背中を押したのじゃろうが」 自分の気持ち? 視線が老師から旦那様の方に移る。 私が…横島さんの事を…? 気持ち良さそうな寝息を立てる彼の頬を優しくなでると、心がほんわかと暖かくなっていくのを感じる。 これが…好き? 「まぁ、これから500年位は小僧の修行をせねばならんから、隠居はもう暫く先じゃのぉ…」 『ふぇっふぇっ』と変わった笑い声を上げる老師はゆっくりと部屋を出て行ってしまう。 それを見計らったかのようにゆっくりと開く…旦那様の目。 「おれ、500年も生きられないんだけどなぁ…」 「起きてらしたのですか、旦那様?」 どうやら狸寝入りをしていたらしい。 真面目な顔にうっとりとしてしまうが、びくりと身体が跳ねてしまう。 お尻を撫でているのだ。真面目な顔をしたまま。 やはり旦那様は旦那様だ。と納得してしまう。たとえ『姿』が変わっても。 「大丈夫ですよ。もう旦那様は人間ではありませんし」 「えぇ!?」 ・・・もしかして気付いていないのだろうか。 確かにぱっと見た姿は大して変わっていない。 でも・・・ さらりと旦那様の頭を撫でると感じる『角』の感触 「今日から、旦那様は竜神の仲間入りですよ」 にこりと笑む私とは正反対に呆然とした旦那様の顔。 無理は無いのかもしれない。 いきなり全く違う存在になってしまったのだから。 「まぁ、気にしてもしゃぁないか」 「きゃあ!?」 いきなり立ち直った旦那様にいきなり押し倒される。 落ち込んでいた雰囲気はどこへやら。昨日の行為を思い出してしまう濃厚なキス。 だめ…逆らえない。 旦那様の優しい瞳が、キスが、全てが私の心を溶かしていく。 きっと、これが好きって気持ちなんだ。 何でも許してしまう。これではいけないと思うのに いや、それ以前に朝ごはんを作らないといけないのに 「くおら小竜姫! さっさと朝食作らんか!」 食堂の方から老師の怒鳴り声が聞こえる。 すいません老師。私は旦那様に逆らえそうにありません… 心の中で老師に謝りながら私は旦那様が与えてくれる悦楽に身を委ねるのであった… 「これはまた、阿呆なエロ話でちゅね」 「何を言うのです、この完璧な計画の何処が!」 侮蔑にも似たパピリオの声に大声で反論してしまう。 ここは妙神山の私書室。平たく言えば私の部屋。満足そうに私が計画書を読み返しているのをパピリオは後ろから盗み読みしていたようだ。しかも、阿呆なエロ話とは… 「どこが『完璧な計画』でちゅか。どう見ても3流エロ小説でちゅよ。無闇にヨコチマ強いでちゅし、スケベで煩悩の塊のヨコチマがいきなり紳士になってるでちゅし…」 「そんなことはありませんっ横島さんは強いですし、凄い優しいですし…きっとこの計画通りにやったら私と横島さんは…け…けけっ…」 あまりに恥かしくて『結婚』の言葉が出ない。 顔がかぁっと熱くなっているのを感じる。恐らく真っ赤になっていると思う… 「・・・だったら、後ろで血まみれになってるヨコチマに聞くと良いでちゅよ?」 「え・・・きゃぁぁ!!・・・よ、横島さん死んでは駄目ですー!」 『エロすぎっスよ…小竜姫様』という呟きを残しながら鼻血の海に沈む横島さんにあたふたしてしまう。 そんな、昼下がり。 私が横島さんと結婚できるのは、まだまだ先のようです。 はしがき はい、小竜姫様の妄想エロ話…もとい完璧な計画書の一部を書きましたゆめりあんでござります。 結婚したいのは横島君ではなく、小竜姫様の方でしたっ って、短編なのにこんなに長く書いたのは初めてですねー…これも愛ゆえに!? なんて事を言いつつ また、次回に