「ふっ…ふふ…ふはははははっっ! 出来た…遂に出来たわっ」 ここは逆天号にある、私こと天才発明家ルシオラの研究室。暇な時間をフルに使用して、とうとう作ってしまったのだ。 何を? 決まっている。 妹のベスパにあって私に無いものを作り出す機械だ。 「名づけて…乳増強君壱号よっ!」 GS美神短編「豊胸大作戦 〜失敗は成功の呼び水〜」 『じゃじゃーん』っという何処からとも無く聞こえるBGMを背に、出来上がった乳増強君壱号(左と右)を掲げる。 簡単に形を言うなら足の無い大きいコップを逆さにして、中に触手をつけたといったところ。 もちろん、そんな単純な作りではないのだけれど。 「これあえあれば、ベスパに大きな顔されたり…よ…ヨコシマに…触ってもらえるかも!?」 『なんちゃってなんちゃってぇぇ』と悶えながら床を転げまわってしまう。 いけない、これでは人間の諺にある『取らぬ狐のきつねうどん』というもの。 …少し違うような気もするけど、まぁいいわ。 いそいそと服を脱ぎ…すこし脱力する。 いや、何時もの事ではないか。 それに、これを使えば『ブラをつける必要の無い素晴らしい胸』等とベスパに揶揄されることもなくなるのだ。 ゆっくりと仮眠用ベッドに横になり、乳増強君壱号を胸にセットする。 『なんやちっさい胸やなぁ…まぁワイを使うんやし、しゃーないとは思うんやけど』 「くっ!」 セットした瞬間に聞こえる乳増強君壱号の声。思わず握り潰したい衝動に駆られるが、それでは元も子もない。 やはり、魔界のアキハバラと呼ばれる電気街で買ったジャンク品を使ったのがいけなかったのか… 魔王様の印が押されてたのに… 「起動…んっ…んぁっ!」 私の言葉に反応して『シュッ』という音と共に乳増強君壱号の筒の中から空気が押し出され、胸が引っ張られる。 意外に、これ気持ち良いかも… って、そんな事を考えている場合ではない。 私の調査によると、胸は『引っ張りながら乳首を刺激するのが最も効果的』と出ている。 そう、乳増強君壱号の底に添えつけられている乳首刺激装置を起動させねばならないのだ。 ちらりと乳増強君壱号に吸われている胸に眼をやる。 …少しばかりの感動。この膨らんだ胸がもっと、もっと大きくなっていくのだ。 期待を胸に、左手に持ったボリューム摘みを少しづつ上げていく… 「ん…はぅ…んく…ぁんっ…な…に…これ…」 乳増強君壱号の中のぬめった触手が動き始め、私の乳首を刺激し始める。 予想外の感覚。 自分で触るのなんて比べ物にならないほどの気持ちよさ ぴりぴりとした、何とももどかしいながらも 確実に私に快感を与えて… って、そうじゃない。 私は自慰をするためにこれを作ったのではないのだ。 「そ、そっか…ん…弱くしてるから…んぁっ…気持ち良いのね…はふっ…」 そう、強くすれば…そう思ってどんどん上げて…上げ… 「ひぁぁぁっっ!!!」 軽く触れるだけだった触手が乳首に絡みつくように刺激し始める。 その刺激がボリュームを上げるごとに執拗に、かつ大胆な動きに変わっていく 「だ、だめぇ…これ…気持ち良過ぎっ…ふぁぁぁっっ」 腰が跳ね上がり、びくびくと身体が痙攣してしまう。 顎が反り、眼は見開き、空気を求めるがことく口は動く まるで、私という呪縛から解き放たれたかの如く ショーツが濡れていくのが判る。 脱がなきゃ、折角人間の町で買った新しい下着なのに… そう思うも身体はいう事を聞かず、身を襲う快楽に飲まれないように 『ぎゅうっ』とシーツを握る以外に動く術は無かった。 『ルシオラって、こんなエッチな顔もするんだね』 「ちが…違うのぉ…ヨコシマ・・・ヨコシマァっ!」 居ないはずのヨコシマの声が頭に響く。 このヨコシマは私の妄想なのは判っている、判って言うのに ヨコシマの卑猥な言葉にどんどん気持ちが高ぶってしまう。 『ほら、ルシオラ…こんな機械で…それも胸だけで絶頂(イ)かされる恥しい姿を俺に見せて』 「だめ…みっ…やだ…やだぁっ…も…っちゃ…イっちゃうからぁっ」 その時、触手の動きがさらに激しくなるのを感じた。 私の意識に反して、私の左手は触手の齎(もたら)す快楽を貪欲に求めて どんどんボリュームを上げているのだ。 『キチッ』という、ボリュームが最大になった音が… 「や…っちゃ…イっちゃうぅぅぅぅっっ…んっ…くぅぅぅっっっ!!」 同時に来る凄まじい絶頂。 私の身体ではないように、記録映像で見た陸(おか)に上げられて跳ねる『魚』の様に私の身体は『がくがく』と痙攣し 脳内を悦楽が焼いて回っていく。 「…ったく何だい騒がし…って、姉さん」 「ふぁ…ふぁぁ…」 絶頂の余韻に浸る私の耳に聞こえるベスパの声。これも妄想? それとも現実? 「ったく…いくら暇だからって全自動自慰装置なんて作らなくても…あぁあぁ仮眠ベッドこんなに汚して…ポチに全部バラすからね」 「ちょ、ちょちょっ…ちょっとまって…ヨコシマには言わないでぇぇぇ!!」 力の入らぬ身体に鞭打ってベスパに縋りつこうとするが、簡単に避けられてしまう。 床に倒れた瞬間に『クポンッ』という音と共に乳増強君一号が外れ 胸は元に戻ってしまっていた… いえ、乳増強君が当たっていた胸の周りに丸い跡が付き 散々触手に弄られた乳首はぷっくりと脹れて… 「ど、どうし…」 「い、いやぁぁぁぁぁっっっっ」 ヨコシマに見られた…どうしてヨコシマは何時も何時もこんなにいいタイミングで来るのよっ! もう、これはヨコシマに責任とって魔族になってもらって、お嫁さんにして貰わないと… そう、乳増強君弐号を作って! はしがき 久しぶりの電波SSをお送りしますゆめりあんでござります。 やっぱり電波は書くのが楽ですねぇ… 筆の進むこと進むことっ! 暇を見つけては、またちょくちょく書きたいものです。 では、また次回に。