注:このお話はオリジナル作品です。他著作権作品の二次創作SSとは全く関係ありません。
ご理解頂いた上で、お読みくださいませ…




「ゆめー、ちょっと来てちょうだい」
「ん〜?」

頭がふら付くほどに暑い真夏の昼下がり。
盆も近いというのに、異常気象なのか夕立も降ってくれない。

私は気だるくベッドから起きて、台所に居るであろう母の元へ向かい
大した事でもない用事を聞かされることになるのだ。


Gemini69様&はっかい。様より頂きました記念SS「にーさまの性癖」


「なに、お母さん?」

台所に入れば、息が詰まりそうな熱気と共に甘ったるい香りが鼻腔を擽(くすぐ)って来る。
眼前に広がる黒い物体の山山山。

一体幾つ作れば気が済むのだろうか、と嘆息(たんそく)してしまうほどの
恐らく100は超えるであろう、凄まじい数の『おはぎ』であった。

「ちょっと母さん作りすぎちゃってね…折角だからお向かいさんに持って行ってくれないかしら?」

そう言って、テーブル一杯にあるおはぎとは別に取ってあったのだろう
恐らく私の家にある一番大きいタッパーに、それこそ隙間がないほどの数のおはぎが入っている。

お向かいさんは父母兄妹の4人家族だと言うのに、ざっと見積もって20個は入っているであろうタッパーを持たされて
私は向かいの家へと行く事になった。

拒否権はないのか? そんなもの、あるわけがない。
一度でも拒否すれば、恐らく…いや、確実に『おやつ抜き』や『晩御飯抜き』という陰惨な制裁が待っているだけなのだ。

「あつい…」

ほんの数メートル先にある家に行くだけなのに、家のドアを開けた瞬間に全身を襲いかかる真夏の熱気が
私の意欲を悉(ことごと)く削り取っていく。
だが、美味しいおやつの為、晩御飯の為にも
私はこの死地を通り、数多の屍を超えて任務を遂行しなければならないのだ。



「・・・あれ?」

立ってるだけでも汗がだらだらと流れ落ちる。
私は必死にお向かいさんの呼び鈴を鳴らすが、全く反応が返ってこない。
留守なのか、と半ば諦めたままにドアに手をかければ

「開いてるじゃない。無用心ね」

都会とは違い、鍵を掛ける人が少ないと言うのもあるのかもしれないが
流石に無人のままに鍵を閉めない家は少ない。

開くという事は誰か居るという事なのだろう、と顔を家の中へ入れ…

「うわ、なに…涼しい〜…」

何とも電気代の無駄遣いをしているのではないかと感じてしまうほどに
玄関ですら空調の効いた涼しい空気が漂っていた。

しかも微かに空気が流れており、ただ立ってるだけでも十二分に涼を取る事が出来る。
うちとは大違いだ。 家の大きさは大して変わらないのに…


「ごめんくださーい。妹ちゃーん? にーさまー?」

日頃から親しいこの家に住む兄妹を呼ぶが、返事がない。
そういえば、と足元を見れば靴が一足しか無いのだ。

その一足は…私が『にーさま』と呼んでいる人。
別に大して格好いい訳ではない。
ちょっとスケベだし、凄く…

「いよっしゃぁぁっ!!」

変態さんなのだ。

私は二階から聞こえるにーさまの声に嘆息し、『居るなら返事くらい…』と愚痴を零すが
よくよく考えてみれば、にーさまが一人で居る時は出迎えてくれた試(ためし)が無かった事に今更ながら気付く。

苛立ち混じりに靴を脱ごうとして、はたと気付く。
ここの空調のお陰で汗は引いたけど…服を匂ってみれば、凄い汗臭い。
だからと言って黙って置いて行くのも変だろう。
それに一度家に戻った所で、また来た時には汗だくになっているのは確実なのだ。

そうだ。悪いのはにーさまなのだ、と心の中で頷き
私は少しだけ足早に、にーさまの部屋へと向かった。


そういえば、にーさまの部屋に入るのは小学生の時以来の気がする。
中学に入ってから、何となく気恥ずかしくて入り辛く
精々お茶の間とか、妹ちゃんの部屋にしか入らなくなっていた。


にーさまの部屋の前に立てば、扉越しに変な音楽と共に
『どたどた』という…もしかして踊っているのだろうか? 足音が聞こえてくる。

ちょっとスケベで
すごく変態さんでも…
この部屋に入れなくなった理由…それは…

ただ、ドアのノブを握っただけなのに頬が『かぁっ』と暑くなってくるのを感じる。
別に何もするわけじゃない。
ただ、『お母さんがおはぎ作りすぎたから、お裾(すそ)分け』とでも言って
後は回れ右して帰ればいいのだ。

入らなくていい、ただおドアを開けるだけで…


ゆっくりと深呼吸をし…

「おぉ、ゆめちゃんじゃないか。こんにちわ」
「うきゃぁぁっ!?」

思い切り息を吸い込んだ瞬間にドアが開かれ、吸い込んだ息よ全て無くなれとばかりに
私は力一杯叫んでいた。

同時に私の手からタッパーが滑り落ち、おはぎは全て床にぶち撒け…

「おっと、危ないな…そんなに驚いたか? ごめんな」

…る前に、にーさまの手に受け止められていた。

「ああああのあのあのねっあのねっ…おかっ…おかっ…えと、えと…おはぎっ! で、針は入ってないからっ!」
「意味判らないって…っていうか、針って何? 入って無いのが当たり前だと思うけど」

頭が混乱して、口がまともに動いてくれない私を
にーさまは優しく撫でながら、部屋へと招き入れて…後ろ手でドアを…いま、『カチャ』って…

「え、えとえと…わ、わたっわたっ!…きゃぁっ!?」

混乱したまま導かれるまま、部屋の中央まで連れて行かれ
必死に言葉にしようとする私の両肩を、にーさまがいきなりつかんで来たのだ。

「とりあえず落ち着け。 要するに、ゆめちゃんとこのママさんがおはぎを作ってくれてお裾分けに持ってきてくれたんだろう?」

口にすれば変な事を言いそうで、私は無言のまま必死に首を縦に振った。
振る序でににーさまの服が見える。

凄く、変な服。
ごわごわと固そうなのに、至る所から紐みたいなのが並んで伸びている。

「お、ゆめちゃんもこの服の魅力に気付いたのか?」

魅力と言うより、変な服だと思ったのだけれど
それを口にするより早く、上機嫌になったにーさまが色々と服の説明をし始めた。

私の言葉など耳に入らない、と言わんばかりに…

「…わかったか?」
「うん、カウボーイの服なんだね」

10分位は聞かされていた様な気がする。
でも結局判ったのは、この服が『カウボーイ』が着る服だという事だけ。

カウボーイって…たしか、ずっと昔のアメリカの人…だっけ?


頭の中に疑問符が残る私に、何時の間に取り出したのだろうか
そのカウボーイ服に似た服を私に押し付けてくる。
『さぁ、着てみないか』と、満面の笑みを浮かべながら。

だめだ。この笑顔にいつも騙されているのは自分でも判っているのに
それでも、この笑顔に抗(あらが)えない自分がいる。

私の口から『嫌』というたった一言の言葉が出ずに
ただ、頬を染めて頷くのだ…私の命令を無視して。


「こっち、見ないでよ?」
「おう、勿論さ」

一階は部屋の仕切りという物がない不思議な作りのこの家では、各自の個人の部屋しか着替える場所がない。
しかも、おじさんとおばさんの部屋は鍵が掛かって(どうもにーさまが悪戯するかららしい)おり
妹ちゃんの部屋は…えと…コメントしない方が良いかも知れない。

と、兎に角この部屋しか無いのだ。


私は背中を向けたにーさまを見届けてから後ろを向く。
本当は、不穏な動きをしないか観察しながらの方が良いのかもしれないけれど
いくら後ろを向いているとは言っても、恥しすぎるのだ。

「う…」

シャツを脱ぐ瞬間に臭ってくる自分の汗の臭いに顔が歪む。
このまま着てもいいのだろうか、と悩んでしまう。
見れば、渡されたこの服は卸したてなのだ。

「あ、あの…シャワー浴び…って、こっち見ないでぇぇっ!!」

にーさまに声を掛けた瞬間、にーさまは何の躊躇(ためら)いもなくこちらを振り向こうとする。
私は今上はブラしかつけてないというのもあって、真っ赤になりながら叫んでしまう。

しかし、そこは妹のいる兄といった所か。
全く気にした風も無く『どうせ汗掻くんだし、洗うから気にするな』と。

汗を掻く? まさか、あの『どたどた』言わせてた踊りでも踊らされるのだろうか?
そんな私の心配も他所に、『早く着替えないと観察するぞ』と脅迫紛いの言葉を投げかけてくるのだ。


「う…きつい…」

一番下に着るシャツだけど、伸縮性に富んでる割に凄く締め付けてくる。
スポーツブラに近い感じ。 って、もしかしてブラを付けるなって意味?

仕方無しに、シャツを首に掛けたままにブラを外し…

「…見てないよね?」
「おう、見てないぞ」

なんとなく背中に感じた視線に聞いてみれば、にーさまは例え嘘だとしても『見てない』と応える。
その間も背中に視線を感じるのだ。

だからと言って、後ろを向いてもしにーさまがこっちを向いていたら…
うぅ、顔が熱くて頭がくらくらする…


えぇい、迷うなっ!と一気にホックを取り、そのままの勢いでシャツに腕を通す。
やっぱり胸がキツい。
もしかすると…いや、恐らく私用のサイズでは無いのだろう。

さて、次はスカー…

「ほんとに、見てないよね?」
「見てないぞー?」

私の問いに間髪要れずににーさまは返してくれるけど
スカートのファスナーを下ろす辺りから、お尻辺りに視線がちくちくと刺さってくる感じがするのだ。

軽く息を吸って、手の力を抜けば
『ふわっ』と音も無くスカートが足元へと落ちる。

そして、凄く小さく聞こえる『喉を通る唾』の音。

…やっぱり、見てる?

でも、確認する術を今の私は持っていない。
…いや、一つだけあった。

恥しい…恥しいけど…

「っ!?」

息を呑む音。今度ははっきり聞こえた。
流石に中屈みになってショーツまで下ろすなんて思っても居なかっ…

って、結局私が余計に恥しくなっただけじゃない!?


無言のままにショーツを上げ直し、ズボンに足を通す。
ギミックの凝ったベルトのバックルが少し付け辛い事を除けば
後は何事も無く着る事が出来た。

「終わったよっ」
「ん、そうか?」

勤めて明るく後ろを振り向けば、そこにあるのはにーさまの背中。
やっぱり後ろを振り向いたままだったのかな?

にーさまは私の声に反応して、今度は控えめにこちらを確認してから
こっちを向いてくれる。


どうだろう、綺麗?可愛い?…それとも、格好良いかな?
どんな陳腐な言葉でも良い、感想が欲しかった。

…でも


「おぉーおぉー!!」

突然懐から取り出したデジタルカメラを片手に、奇声を上げながら『パシャパシャ』と写真を撮り始めたのだ。
しかも、『腕を上げて』とか『力瘤(ちからこぶ)作って見て』とか色々注文してくる。

「…こんな感じ?」
「いいね、いいね! まるで現代のカラミティ・ジェーンだよ!!」

…誰それ?
後から聞いた話だけど、どうやら開拓時代に活躍した女性の名前らしい。



一通り撮り終えて、もう私には興味無しとばかりに
にーさまは先ほど撮った画像を心底楽しそうに眺めて…

「って、俺のデジカメがっ!?」

流石に苛付きが振り切れた私は、にーさまの手からデジカメを奪い取って詰め寄る。
私は感想を聞きたかったのに、一言も無く30分間撮り続け
さらには、終われば用無しとばかりに放置したのだ。

許されるわけが無かった。


「折角着たのに…感想は無いの、にーさま?」

私の怒りが通じたのだろうか、にーさまは神妙な面持ちで考え始める。
しかしにーさまから出た言葉は、私の予想を斜め上を行くものだった。

「色気が足りんな」
「んなっ!?」

色気が足りないのは私の所為ではなく、この無骨な服の所為なのに
いや、この服自体が色気が足りないと言ったのかもしれないけれど
それでも、恥しいのを我慢しながら着替えたのに…せめて、『可愛い』でも…


「やっぱり、こうでないとっ!」
「きゃぁぁぁっ!?」

なんと、にーさまは私のシャツをたくし上げたのだ。
伸縮性に飛んだこの服のシャツは、私の胸の上で止まってしまい
自ら下げようとしない限り降りてはくれない。

湯気が出るほどに真っ赤になりながら叫ぶ私を、にーさまはたくしあげたシャツを掴んだままに

引っ張った


「あ…な…ななっ…に…にっにっ…ににっ!」
「ほら、予定通り…汗掻こうか」

胸を肌蹴たまま抱き締められ、痛いほどに高鳴る心臓の音を聞きながら
何時もとは違う低い声で、耳元で囁かれる。

膝に力が入らない…

「んむっ!?…んっ…んんー!…ちゅ…はっ…にーさっ…んちゅ…待っ…はん…」


『がくっ』と膝を折る私を抱き上げ、にーさまが私の唇を乱暴に奪ってくる
喋ろうとする私の口に、にーさまの熱い舌が滑り込んで私の舌と絡んでくる


そうだ…思い出した…
私がにーさまの部屋に入れなくなった本当の理由…

当時私が小学生の時に
高校生だったにーさまに…キス…されたんだ…
今されてるような…あたまがぐちゃぐちゃになって、身体に力が入らなくなって
何も考えられなくなる…それでいて、ずっとして欲しくなるキス。

怖かった…自分が自分で無くなる様で
私が、違う私に支配されるようで…

忘れてた…

忘れてた…?
違う、忘れてなんて居ない。


私は…ずっと、待ってたんだ。
また、こんなキスをしてくれるのを…

でも、怖かった。夢じゃないかって。
本当は、あんなキスしてくれたわけじゃなかったんだって…そう思ってしまうのが怖かったんだ。


「にーさっ…にーさまっ…」
「俺のものになれ…」

必死にしがみ付く私の耳元で、にーさまが囁く。
『彼女』ではなく、『もの』に…

「きゃっ…あ…」

何かに足を取られ、床に倒れてしまう。
私が身じろぐ前に、にーさまが覆い被さってくる
太股に感じる熱いにーさまの手の感触…

って、いつの間にズボン脱がされたのだろう…
私の足を取ったのは、外されずり落ちたズボンだったのだ。


「や、やぁ…嗅いだらだめぇっ」

汗だくになったまま、何もしていない身体を…
それも特に臭う胸の谷間ににーさまの息を感じて、背中に『ぞくぞくっ』とした物を感じる。

でも、私の言葉など聞こえないとばかりに…いや、聞こえたからこそさらに鼻息を粗くし
『すぅはぁ』と鼻を擦りつけながら臭いを嗅がれてしまう。

にーさまが顔を動かす度に、私の胸が『ふにっふにっ』とにーさまの顔の形に歪むのが見える。
手とか、舌で…愛…撫…されてるわけでもないのに…凄く…感じて…

「ゆめ、凄ぇドキドキしてるな。 ちゅっ」
「ひゃうっ」

左胸に耳を当てたかと思えば、にーさまが右胸にキスをしてくる
『ぴりっ』とした物が身体を走り、思わず小さな悲鳴を上げてしまう私に
にーさまは『くすくす』と笑み始め…

「ん〜…ちゅっ…ちゅる…んちゅ…」
「きゃっ…きゃうっ…ひゃんっ…きゃぁっ!」

まるで、小鳥が啄(つい)ばむ様にキスしてきたのだ。
多少の心の準備が出来ていれば、こんな恥しい声を出さなくて済んだのに
突然の事だったため、一度漏れた声は更なる声を呼び
余りの恥しさに、私は口を手で塞ごうとしても
にーさまに腕を取られて、塞げないままに恥しい声を上げてしまう。

「ダメダメ…もっとゆめの可愛くえっちな声を聞かせてくれないと…」
「えっちって…違っ…きゃん…ひゃっ…ひゃうっ…んにぁっ!」

突然、にーさまが『びくり』と震えて私の顔をじっと見つめてくる。
だんだんと、唇の端が上がって…こ、怖っ!

「ゆめ、『にゃっ』て鳴いてみてくれないか?」
「ふぇあっ!? い、言えるわけ無いじゃないっ!」

でた、この変態さんめっ!
私は猫じゃないのに、猫の真似とか…しかも…こんなことしてる最中に…


「んーじゃあ…」

少しだけ考える素振り。
にーさまは私の唇に指を当て、にっこりと微笑む。

嫌だ、この笑み…

「出来るだけ顎閉じて。あ、唇に力を入れちゃダメだからね」
「わ、判った…」

逆らえなくなるから…



「ん…んに…んにぁっ…んっ…にぁっ!」
「うんうん、可愛い子猫ちゃんだなぁ」

するとどうだろう、気持ち良いのが身体を走った瞬間に顎が反り
声がでれば…まるで猫が…発情…してるような…声が出て…

私なんかより、にーさまの妹ちゃんの方が猫っぽいのに…


「んにぁぁっ…はぁっ…やぁっ…んにぁうっ!」

『ゆめの汗の匂い、俺好きだなぁ』と言いながら、にーさまは私の乳首を唇に含み
舌で転がしながら、反対の胸を…乳首を指で愛撫してくる。
『このへんたいぃっ!』って叫びたいのに、私の口から出るのは発情した猫のような声だけ。

…ちがう
私が…発情してるんだ…だって…

「ん、結構良い濡れ方してるな…ほら、パンツの上から擦(さす)っても『くちくち』言ってるの聞こえるだろう?」
「やだっ…言っちゃ…やだぁっ!」

こんなに…感じてるんだもん


「ゆめのここ…汗とゆめのえっちな汁の匂いで…っはぁ…頭がくらくらしてくるよ」
「匂いっ…嗅が…きゃうっ…音立てて吸っちゃやだぁっ!!」

絶対わざとだ…
『じゅるじゅる』と、にーさまは聞いていて恥しくなるほどに激しく吸い立てて
私の身体に電気が走って、腰が浮いて背中が弓なりに反ってしまう。

それだけでは飽き足らず、にーさまは『にちゃにちゃ』と舌でも舐め…

「んにぁぁぁっ…〜〜〜〜っっっ!!!!」

まるで鈍器に殴られたように、一瞬意識が飛び
呼び戻された瞬間にまるで狂ったように全身が痙攣する。

私じゃない私が叫んでる。
人でない声を上げて、にーさまが与えてくれる快感に酔いながら



「…っはぁ…っはぁ…はぁ…はぁ〜…くぁ…」
「…立てるか?」

普通、『大丈夫か?』とか聞くのでは無いのだろうか。
にーさまは『ぐったり』と力の抜けた私の腰を持ち上げ、半ば無理矢理立たせる。
膝ががくがくしてるのに…

「ほら、そこの棚掴んで…」
「う…ん…」

でも、力が入らなくて掴むというより掴まるといった感じで
真っ直ぐに立っているのは、にーさまに支えられた下半身だけ。

まるで、にーさまの方にお尻を突き出しているような…そんな格好…

「入れるぞ」
「待っ…あぁぁぁぁっ!!!!!」

情けも容赦もなく、熱く滾ったにーさまの固くなったのが私の膣内(なか)を
まるで杭を打つように、抉(こ)じ開ける様に無理矢理入ってくる。

「にっ…さ…わ…わたっ…はじめっ…んにぁっ!」
「ほら…根元まで入ったぞ」

人の話を全く聞いてないにーさまが、私を後ろから抱き締めながら私の耳元で囁いてくる。
入ってるのは判るけどっ!
痛いやら気持ち良いやら…それ以前に立ったまま後ろから入れるという、何とも普通じゃない初体験に頭がぐちゃぐちゃになって…


「お、ゆめも結構感じてきたみたいだな…よし、少し激しくっ!」
「ちがっ…ちがぁっ…ひゃめっ…足上げちゃやぁっ!」

勘違いも甚(はなは)だしく…確かに気持ち良いのは気持ち良いけど
痛みも結構あるのに、今度は私の左足を持ち上げて激しく腰を降り始めたのだ。

先ほどよりも更に奥に入ってきて、『とんっとんっ』と何か奥を突付き押し上げられる不思議な感覚。
私のお尻と、にーさまがぶつかる『ぱんっぱんっ』という音と
繋がってる所から聞こえる『にちゃっぐちゅっ』というねばついたいやらしい水音
そして…

「はぁっ…ひゃふ…んにぁっ…あぁっ!!」
「はぁっ…はぁっ…」

耳に感じるにーさまの粗く熱い吐息と、私じゃない発情した私の喘ぎ声が混じって
それら全てが私を戻れない所まで引っ張って行って居る様で…

「やっ…やだっ…怖っ…にっ…にーさっ…にーさまぁっ!!」
「ぐっ…そろそろ…出っ…」

夜中にベッドの中でこっそりして感じるような絶頂とは全く違う
本当に、死んでしまうのではないかと感じるような…自分が消えてしまうような感覚。


「わ、わりゃひ…こわりゃ…んにーひゃ…んぃーひゃまぁっ!!!」
「う…出…○○っ!!」

膣奥まで貫いたままの射精。
『どくっどくっ』と、まるでにーさまの血が私の中に流れ入っているような感覚。
それと同時に…私は…絶頂を…

…まて、今にーさまは誰の名を呼んだ?
○○って、妹ちゃんの名前じゃない!?


「…はぁ…はぁ…凄ぇ気持ち良かっ…うおわぁっ!?」

膝に力が入らないけど、床にへたり込んだにーさまの上に座り込むくらいは出来る。
とっさににーさまのを掴み、狙いを定めて一気に腰を落とした。

「にーひゃまぁっ! いま、妹ちゃんの名前呼びながら射精(イ)ったでしょうっ!」
「うっ…くぁっ…ま、待てっ!…い、射精ったばかりで…って、違うっ…気のせいだぁっ!」

『嘘だぁっ!!』と、半泣きになりながら叫び
足に力が入らなくて縦に振ることは出来ないから、膣内(なか)を捏(こ)ね回す様に動かす。

膣内射精(なかだし)した癖にっ!
私を孕ませようと膣奥まで入れて射精(だ)した癖にっ!

そう、何度も叫びながら。


私は所詮彼女にはなれないのは判っていた。
血は繋がっていても、傍目から見ても異常と言えるほどに愛し合う兄妹の姿を
私は小さい頃から目の前で見てきたのだから。

それでも、悔しくて…悲しくて…
『孕んだら、絶対降ろさないからっ』と叫びながら、何度も…何度も膣奥でにーさまの熱い精液を感じていた…




「はい…はい、大丈夫ですよー。 ちゃんと私が料理しますから…はい、では…」

あれからどれくらい経っただろうか…
日は落ち、夜の帳が町を覆っていた。

私が自分の家に電話をすれば、まるで計った様におばさんから電話がかかってくる。

『今日は、出先で泊まる』って
『ゆめちゃんが居てくれるなら安心だ』って


「うー、お袋からか?」
「あ、起きたの?」

にっこりと笑いながら言えば、『ひくっ』とにーさまが苦笑いしてる。


「今日の晩御飯はおでんだよー。って言っても、市販のおでん出汁使ったけど」
「そ、そうか。 あ、あはは…美味そうだなーうんうん」

にーさまが悪いのに。
私をあんなにしながら他の女の名前を呼んだにーさまが悪いのに。

最も、その後はずぅっと私の名前を呼んでくれたけど、ね。


「なんだこの『ぶにっ』てしたやつ…」
「『ちくわぶ』だよ。出汁をひたひたに染み込ませて食べると美味しいんだよ?」

少しやつれた顔のにーさまは、『さっきのは夢だ』と言わんばかりにおでんを口一杯に頬張って食べ始める。

「ふぅ…ん…まだ少し固いかな…ちゅ…ちゅる…んふ…」

私はにーさまが除けるちくわぶを皿にとって、わざといやらしい音を立てながら口で弄(もてあそ)ぶ。
『何やってるんだ』と、にーさまは言いながらも生唾を飲んでるのがテーブル越しからも判る。

「何って…こうやって…ちゅっ…先から出る…んっ…出汁を吸ってるんだよ?」

結局、恥しいと思う事が恥しい事なのだ
それを判らせてくれたのもにーさまだ。

ちょっとスケベで、凄く変態なにーさま。
私の事だけを好きになってくれる事は無いけれど

「そうそう、今夜おばさま達は出先で泊まるって言ってたよ…にーさま?」
「…ごふっ!?」

何を想像してるのかわかり易い、にーさま。
今夜だけ…今夜だけで良いから…

にーさまの、一番で居させてくださいね。



はしがき

ながぁぁぁいっ!?
トップクラスの長さを誇ってしまった某所のにーさまX私のSSをお送りしますゆめりあんでござります。

えぇ、某所です。某所。
敢えて名前は伏せますよ、ね…○狗にーさま?

Gemini69様との確約でして
『絵を描いたら、その絵を元にエロSSを書く』なんて言ったら
まさか私の絵が来るなんて、思いもよりませんでした。

しかも、はっかい。様がえっちシーンの絵を描いてくださいまして…


本当に、お二方には感謝感謝でございます…


では、また…

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