夢…夢を見ている…

見たことの無い天井
見たことの無いベッドに寝る俺である横島忠夫。
こんな豪華な家に俺は住めるはずも無い。

だって、俺には霊能力が無いのだし
美神令子除霊事務所に二束三文で働いているのだから。
まぁ…二束三文なのは俺が高校生だからというより、所長である美神さんの色気に惚れてしまっている所為なのだが…

視線を巡らせれば台所があり、そこでおキヌちゃんが料理をしている

そんな筈は無い…

だって、おキヌちゃんは幽霊で


生きて無いのだから


5000HIT aki様リクエスト短編「蟷螂の夢 〜それは儚き虚構と現実〜」


ゆっくりと起き上がり、俺はおキヌちゃんの方に向かう

「あら、忠夫さん起きたのですか? いつもより早いですね」

俺の気配に気付いたのか、振り向かずにキヌが応える。

足音も、料理の音も聞こえない。でも、嫌にはっきりと聞こえるおキヌちゃんの声


これは、俺が望んでいる夢?


ゆっくりとおキヌちゃんを抱き締める

『きゃっ』という小さな悲鳴と共に伝わる暖かく柔らかい感触
そして、甘いおキヌちゃんの匂い…

「も、もぉ…忠夫さん、ご飯出来るまで…んっ…待ってって…んくっ…何時も…やぁんっ…」

なのに…こんなに悲しいのは何故だろう…


夢…だからか…


夢はまだ続く…
今度は見慣れた天井、狭い部屋…いつもの俺の家。

視線を巡らせれば、幽霊のおキヌちゃんが料理を作ってる。

「今度は幽霊か…幽霊に欲情したら終わりだよなぁ…」

小さな、ため息に似た呟きが漏れる。
でも夢は夢。

「楽しまなくちゃ…な」


現実なら幽霊には触れないけど、今は夢。
思い切り触らないとな、そう思いつつそっと近付く。

「ひゃっ! え、えぇ!?」

驚くおキヌちゃんの声、冷やりとした感覚と共に来る柔らかい感触。
巫女姿というのが俺の煩悩をさらに擽(くすぐ)っていく。

「あ、あああのあのあのっ…よっ横島さっ…んぁっ!」

おキヌちゃんの髪の毛を匂いながら、両手で胸のふくらみを楽しむ。
やはり夢だからか、匂いは感じない…

「な、なななんで触ってるんですかー!?」

何でって、これは俺の夢だからじゃないか。そう心の中で言いながら首筋に舌を這わせる
おキヌちゃんの鼻息に甘みが篭っていく…

驚きからか、おキヌちゃんが半分泣いたままの顔をこちらに向けた瞬間に唇を奪う。

「んっ!…んふ…ちゅ…はぁむ…」

やはり口の中も冷たい。
冷たいのに、頭の芯が焼切れるほどに熱くなるのを感じる。
味も感じないのに、おキヌちゃんの冷たさが…熱い吐息が…声が嫌にリアルに感じてしまう。

夢なのか、現実なのか判らなくなってしまう。


何を馬鹿な事を、と自嘲気味に心で呟く。
おキヌちゃんは幽霊で、霊力の無い俺が触れる筈も…ましてやおキヌちゃんが抵抗も無く俺を受け入れてくれるとも思えなかった。


巫女服の隙間から手を差し込み、胸に直接触れる。
『びくり』と震えつつも抵抗しない。
いくら『のほほん』としているとはいえ、男に直接胸を触られて嫌がらない女など居るはずが無いじゃないか。

そう、これは夢。


「んんっ…はふ…んちゅ…ちゅる…んんっ…」

うっとりと目を閉じながら、俺の指を舐めるおキヌちゃんの姿が
まるで、俺の物をしゃぶる姿に見えて…

「んはっ…乳首…気持ち…んぁ…」
「もっと…おキヌちゃんの可愛い声聞かせてよ。だって…」

だって…だって何だ?
おキヌちゃんの口を犯し、胸を弄りながら自問する。

言ってしまったら、この夢が…儚いこの夢が終わってしまいそうで…


それが怖くて…


「ん…はん…んちゅ…ちゅる…んふ…んっ…」

不思議そうにこちらを見詰めるおキヌちゃんの唇を奪いながら、濡れた指を股間の方に持っていく。

何も言わない。言う必要は無い。

俺の夢だから。


「んん!? っはぁ…よ、横島さっ…そこ…やめっ…んきゅっ…やぁぁっ」

濡れた指の所為なのかもしれないが、そこはもうぬるぬるになっていた。
小さい突起に指の腹が触れる度に、か細い嬌声がおキヌちゃんの口から漏れ、身体がびくびくと震える。

情けない…
あまりにも淫靡なおキヌちゃんの姿に頭の中は翻弄されて…俺はGパンの中に暴発してしまっていた。

『にちゃっにちゃっ』と指で摩る度に聞こえる淫音を
力も入らぬのか台所に身体を預け、びくびくと震えるおキヌちゃんの可愛らしい嬌声を聞きながらGパンとトランクスを一気に脱ぎさる。

視界の端に見える、一体何日出して無いのだと思うほどどろりとした濃い精液が映る。

そして、巫女服の下に手を掛け

「よっ…横島さ…待っ!」

一気に降ろす。

悦楽に彩られたおキヌちゃんの青い顔が、まるで生きた人間の様に紅く染まっていく。
恥しいのか、顔を両手で隠しながら…

「はぁ…はぁっ…」

何も…考えられない…

幽霊だとか
夢だとか

そんな事はもうどうでも良くなっていた。


「んぁぁっっっ!!」

ぐっとペニスを押し付けると、おキヌちゃんの苦悶の声が耳に届く…が、止まらない止められない

強い抵抗。

亀頭の部分すら中々入ってくれない。

「…たい…痛い…痛いです…よぉ…」

幽霊でも痛みを感じるのだろうか…
しかし、俺の頭に浮かんだそんな思いも1秒とすら残りはせず

貫きたい

そんな思いで心が埋まっていく


「ふっ!」
「ひやぁぁぁぁぁっっっっ!!!?」

今度は勢いをつけて一気に貫く。
『ミリッ』という、まるで肉を割きながら無理矢理入っていく感触
まるで絞め殺されるのではないかという凄まじい圧迫感。

我慢などする暇すら無かった。

声すら上げる暇も無く、おキヌちゃんの中に射精してしまう。
びくびくと震える事ですら痛いのか、おキヌちゃんはがくがくと身体を振るわせながら声にならぬ声で叫ぶ。

「おキヌちゃん…はぁ…はぁ…おキヌちゃん…」

すすり泣くおキヌちゃんの髪をそっと撫でながら囁く。
まだ、収まらない。

何で、夢なのに…おキヌちゃんは泣いているのだろう。

夢なのに…


そんな疑問にふと一つの想いが込み上げる。

『何故、おキヌちゃんの夢なんだ』と


目を瞑り…自嘲気味に笑む。
何の事は無い。そう、大した事ではない。

大それたことではあるが…


俺は、キヌちゃんが好きなんだ。
たとえ、幽霊であっても。


「好きだよ、おキヌちゃん」
「ーっ!?」

その想いを口にした瞬間、おキヌちゃんがびくりと震える。

『ぎゅう』っと抱きかかえる。

視線が重なる

涙に濡れた瞳。


「痛くして…ごめん。でも、俺…」
「わ、わたっ…わたっ…ったしも!」

ぽろぽろとおキヌちゃんの瞳から涙が溢れる。
でも、それは苦痛でも悲しみでもない。

思いが、想いが…

やはりこれは夢だ。


さんざん酷い事をして『俺の事が好き』?
ありえるわけがない。

でも、この淫らな夢の中だけでも相思相愛であれるのならば
それだけでも…


「はぁうっ!」
「うっく!」

ほんの少し動いただけでも物凄い快楽に俺の身体がびくりと震える。
なにより…おキヌちゃんの声が…

「感じて…くれてる?」

真っ赤になりながら『こくり』と頷いてくれる。

「動くよ」
「は、はい…あの…た、忠夫…さん」




夢が…続いている…

「…アンタ本当に歴史に載るわよ? 『幽霊を嫁にした男』って」
「お…おおおおっ…お嫁さんですかぁ!?」

呆れた声で呟く美神さんに、浮きながらもそっと手を繋いでくるおキヌちゃんが嬉しそうな声で驚く。

あれから一週間も経ったのに…夢が終わらない…

これは現実?
そんな思いも湧いてはくるが

「ちゅ…えへへ…」

おキヌちゃんのキスが、幸せそうな笑みが…現実なのか夢なのか曖昧にさせてしまう。

「っつか、何で俺幽霊に触れるんスかね?」
「アンタ馬鹿でスケベだからじゃないの?」
「もー美神さぁん! そこは、やっぱり…たっ…たたたっ…忠夫…さんとの…あっ…愛…っに…」

『あほらし…』という美神さんの声と、『決まってるじゃないですか…』という辛うじて聞こえるおキヌちゃんの声が重なって聞こえる。

でも…夢なら…

「夢なら、やっぱり美神さんと二股かけても全然OK!」
「そんな訳無いでしょうがぁ!」
「そんな訳無いですー!」

美神さんに飛び掛ろうとする俺に

美神さんの神通棍と
おキヌちゃんの平手が襲ってくる


やっぱ夢でも痛ぇや…



はしがき

はい、というわけでaki様リクの5000HITSSをお送りしますゆめりあんでございます。
おキヌちゃんを台所で後ろからーというお話です。

普通のおキヌちゃんでは面白くない? かもと思いまして
幽霊版おキヌちゃんとえっちする事に!

どうですかー? 良いですか〜?
ちょっち痛め(童貞&処女なので)になっちゃいましたけど、ラヴは多量に含ませて起きましたっ

今日が2008/04/13なので、一般公開は一週間後の2008/04/20になります。
aki様には当日報告、一般の方には事後報告になりますねぇ…


では、次回に。
キリリクの部屋へ

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