「ごめんね横島君。わざわざ付き合ってもらって…」
「いや、良いって」
夏の深夜の学校のプール。
俺は机の九十九神である愛子と共に来ていた。
普段ならば愛子が来たくても、学校内で唯一来れない場所。
満月の夜というのもあって、俺にはとても神秘的に見えた。
…主に、愛子の水着姿が。
49999ヒット リクエスト短編「愛子のお願い」
「横島君、お願いっ!!」
夏休みにある登校日、俺は愛子から一つのお願いをされていた。
『プールで泳いでみたい』と。
「しかしなぁ…お前、そもそも机だろう? 水に濡れても大丈夫なのか?」
「ううん、全然大丈夫じゃないわ」
破顔一笑。屈託の無い笑みでの返答に起こる気力すら出ずに、俺は机に突っ伏してしまう。
濡れる事が出来ないのにどうやって泳ぐというのだ。
「だから横島君に頼んでるんじゃない。ほら、文珠?とかいうやつ。アレでちょちょいっと、ね?」
『お~ね~が~いっ』とシナを愛子が作ってのお願い。
愛子は机の九十九神ではあるが、俺の学校の中では非常に可愛い部類に入るため
この『お願いポーズ』がとても似合っている。
それを愛子も自覚しているのか、願い事がある度にこういうポーズをするようになって来ているのだ。
「しかしなぁ…お前も知ってるだろう、俺の霊力の元が何なのかをさ…」
俺の霊力の元は煩悩である。
要するに、スケベな事を考えたり行動したりしなければ急激に増える事は無い。
そして俺のポテンシャルぎりぎりの位置にある文珠は、極限まで煩悩を働かせない限り生成するのには数日の日を要するのだ。
「私…横島君になら…良いよ?」
「ぶはっ!?」
頬を染めながら胸のスカーフを取り、愛子が俺の方へとゆっくり近付いて…
「っつか、止めろよお前ら!?」
周囲を見れば、興味津々と言わんばかりにクラスメート達が俺たちの行動を態々教室の端まで退避した状態で見守っていた。
あいつら曰く『横島なら、そういう間違いがあってもおかしくは無い』との事だ。
「ふふっ 学校のプールに学校指定の水着に身を包んで…ううん、それだけじゃないわ。深夜に二人っきりっ! これも青春よねっ!!」
結果から言えば、OKさせられてしまった。
いや、あの状態でNOと言える男が居たらそいつは男ではないだろう。
何せ皆の前で俺に背中から抱きつき、耳元で『横島君といきたいなぁ…』って何度も囁くんだぞコンチクショー!?
「…どうしたの、横島君?」
きょとんとした顔で、本体である机の上に座ったスクール水着姿の愛子が俺の方を見ていた。
まさか今朝の事を思い出していたなんて、言える筈が…
「どうせ横島君のことだから、今朝私が抱きついてお願いした事とか思い出してたんでしょう? もぉ…横島君のえっちっ!」
「どーして判るんやー!?」
『えっち』の一言が胸をザックリと抉ってくるが、愛子の表情から嫌な感じはしていない様だった。
時計の方を見れば、既に1時。
いい加減泳いだ方がいいか、と事前に作っておいた文珠を出…
「じゃあ、作ろっか…横島君との…愛の結晶を…」
『とさっ』と重みを感じない音と共に愛子が俺の上に降りてくる。
文珠を出そうとした手に、愛子の指が絡んでくる。
愛子としては、文珠を作る為に煩悩を増やす手伝いをしたいのであろう
言葉や仕草からも俺を興奮させようとしているのだろう。
…九十九神と人間の間に事もが出来なければの話だが。
「ん…ちゅ…ふふっ」
肌を重ねながらのフレンチキスに、愛子は頬を染めながら俺に微笑んでくる。
ゆっくりと俺を抱き締め、熱っぽい吐息を耳元に吹き掛けながら…
「横島君に…ファーストキス捧げちゃった…」
『ドキリ』と胸が高鳴る。
何とも甘酸っぱい雰囲気でありながら、月夜の晩という幻想的な…まるで夢のような感覚。
「こうやって、深夜の学校のプールで想い人と添い遂げる…これも、青春よね」
「想い…人…?」
呆けたように呟く俺に、愛子が『くすり』と微笑む。
それは、人だとか妖怪だとか神だ悪魔だ…そんな事は関係なく、ただ一人の女の子がそこに居ると感じさせてくれる笑みだった。
「うん、私を…この学校に…あのクラスに招き入れてくれたあの日から…ずっと、横島君の事が…」
切なそうな愛子の瞳に俺の胸の鼓動がさらに強くなっていく。
頬が熱く感じるのは、きっと夏の暑さの所為では無いのだろう。
「きゃ…」
俺は愛子を抱き締めると同時に、プールサイドに敷いたシートへと押し倒す。
愛子の小さな悲鳴に一瞬戸惑ってしまうが、愛子はそんな俺に気付いたのか
首に腕を回し、先ほどとは違う濃厚なキスをしてくるのだ。
「ん…んふ…ちゅ…っはぁ…もう、よこ…じゃ、ないわね。忠夫君優しすぎよ?私も興奮してるんだから…だから…」
『今夜…忠夫君のものにして…』
潤んだ瞳での愛子のお願い。
俺の小さな小さな理性という名の堤防が、一瞬で壊された瞬間だった。
「ぁ…はむ…んちゅ…好きっ…ちゅる…んんっ…んぁ…忠夫…ちゅ…くんっ…ちゅる…」
技術とか、そういう気の利いたものは無い。
俺は本能の赴くままに愛子の唇を、口内を、舌を貪っていた。
もどかしい様に、ぴったりとしたスクール水着の横の隙間から手を差し込んで
柔らかく主張している愛子の胸を弄(まさぐ)り、少し固くなっている乳首を指で引っかく。
その度に、キスの水音と共に俺の名を呼ぶ愛子の声が、『好き』と言ってくれる愛子の想いが
俺を熱く興奮させていく。
「あっ…そこっ…んっ…」
「うぉ…」
触り辛い胸を諦め、股間の方へと手を伸ばせば
既にそこは熱く湿っており、水着の上から触っただけなのに『くちゅっ』と何ともいやらしい水音が俺の耳に響いていた。
愛子は『かぁっ』と顔を真っ赤にしながら顔を両手で隠し、俺が軽く水着の上から擦るだけで『びくびく』と可愛らしく震える。
か細く、愛(いとお)しい愛子の嬌声が月夜に照らされたプールサイドに響き
まるで、ここだけが現実から切り離されたような…そんな感覚に陥ってしまう。
しかし、そんな時でもふとした瞬間…現実に戻る時がある。
「なぁ愛子…もしかして、この水着ってお前の身体の一部なのか?」
「え? …うん」
俺の問いに、少しだけ気落ちした風に愛子が答える。
別に悪い意味で聞いたわけではない。
もしそうなら、色々出来ると思っただけで。
「じゃあさ、胸と股間の部分だけ無くしてくれないか?」
「えぇっ!? …わ、判ったわよ。想い人のえっちなお願いを聞くのも、また青春よね…凄く恥しいけど…」
そう愛子が顔を背けながら呟けば、胸と股間の部分だけが露(あらわ)になる。
うん、凄ぇ便利な水着だよな。
しかもこれって、何時ものセーラー服でも出来るはずだよな?
「うわ、忠夫君今すっごいエッチなこと考えてるでしょ!?」
「わはは…考えてるぞっ!」
それはそれで凄く楽しそうだ。
だが、今はこの扇情的な…いや、エロ水着に身を包んだ愛子を堪能しないといけないな。
「や、何この格好!? ちょっ…んぁっ!!」
俺は愛子のお尻を持ち上げ、愛子の身体を逆さに固定するようにシートと愛子の間に座ったままの俺の身体を滑り込ませる。
丁度俺の目の前に『トロトロ』と愛液の溢れる愛子の秘所が来る格好だ。
俺は秘所にむしゃぶりつきながら、『ぴんっ』と固く立っている愛子の乳首を指で転がしていく。
「んはっ…だめっ…ただっ…くんっ!…こんなっ…待っ!…今、感度落とっ…やぁぁっ!!」
もしかして、感度を上げていたのだろうか。
舌を膣内に滑り込ませ、上唇でクリトリスを弄れば
愛子は激しく痙攣を始め、声にならない声を上げて…
「もう、絶頂(イ)ったの…か?」
「はっ…は…はぁ…はぁ…」
虚ろな瞳で粗い息を上げる愛子の淫靡な姿。
何か応えてくれれば多少は俺の行動も変わったかもしれない。
しかし、今…俺を止める者は誰も居なかった。
「んぁぁっ!…だっ…忠夫くっ…あぁっ…絶頂(イ)ったばかりっ…帰って…来れなくなっちゃうぅっ!!」
愛子の膣内(なか)はとても熱く、少しでも進む度に俺のを不規則に締め付け
俺の物を離さぬとばかりに、奥へと導いていく。
それに逆らうように引き抜こうとすれば、膣壁が絡みついてきて
入れる時とはまた違った快感が俺の身を襲ってくる。
「やぁっ…凄っ…凄いのぉっ!…忠夫君…ただおくんっ!!」
「やべぇ…腰…止まらねぇっ」
もうキスする余裕すらない。
ただただ愛子を抱き締めて、我武者羅(がむしゃら)に腰を愛子に打ち付けるのみ。
さっきから愛子は『がくがく』と振るえっ放しだ。
その動きが膣内にも響き、さらなる快感が俺を射精へと導く。
「愛子っ!…も、もう出るっ…出るっ!」
「うんっ…膣内(なか)…いっぱい…出してっ…忠夫君の膣内射精(なかだし)で、私を妊娠させてぇっ!」
愛子の最後の言葉に、俺の頭は冷水を被ったように冷静になり
引き抜こうとするのだが、愛子は俺の腰に足を絡ませ
さらに奥へと誘(いざな)うように、腰を押し付けてくる。
「や…ぁ…絶頂(イ)っちゃ…忠夫くんっ…ただお…くっ…~~~~~!!!!!!」
「うっ…ぁ…」
俺の抵抗も空しく、激しい膣の動きに翻弄されたまま射精してしまう。
弓なりに背を逸らし、『がくがく』と震える愛子を抱き締めながら…
だが、唯の射精では終わらない。
射精している間も愛子の膣壁は俺のを扱き、愛撫し
その快感が射精間を長くするばかりか…
「愛子っ…もう、止めっ…またっ!…うぁぁっ!!」
「あぁっ…忠夫君のっ…また…びゅくびゅくって…いっぱい…はぁんっ!!」
そんな事が続き、結局三回連続で射精(イ)かされてしまった。
出した量で考えれば、下手をすれば10回分位はあったかもしれない。
「つ…つかれた…」
「えー…」
ぐったりと身を投げる様に仰向けに倒れる俺に、愛子の抗議の声が上がる。
明らかに不満顔であった。というか、お前は何とも無いのか?
「もうっ…こういう時は『凄く気持ち良かったよ』とか、『最高だったぜ』とか、『愛してるよ、愛子』とか言ってくれれば良いじゃないっ!…あっ、そっか…照れ隠しなんだね。うんうん、照れてる想い人を愛(め)でるのも、また青春よね」
一人で騒いで、一人で自己完結して
愛子は愛(いとお)しそうに、俺の頭を撫でる。
「あー…プール、どうする?」
「え? もう一回したいの?」
『泳ぎたかったんじゃないのかよ』と突っ込みを入れる気力すらなく、俺はただ『もう出ねえよ』と言うことしか出来なかった。
「だって、私の願いは叶ったんだもん」
「…へ?」
愛子はプールに来て、泳ぎたかったんじゃなかったのか?
水に濡れないように、文珠で『防水』とか入れて泳ぐんじゃなかったのか?
「真夏の夜のプールサイドでの告白と初体験っ! 十分…ううん、十二分に素敵だったわぁ…」
「うぉいっ!?」
顔を真っ赤にしながら両手を頬に当て、『いやんいやんっ』と身体をくねらせる愛子に
俺の突っ込みが出るのであった。
それから…
「ねぇ、何か愛子さんのお腹大きくない?」
「そういえば…でも、愛子さんって机の妖怪だったよね?」
始業式の日、教室のドアを開けようとする俺の耳に不吉な話し声が聞こえてくる。
愛子の腹が大きい?
本能が『逃げろ』と警鈴を鳴らしている。
だが俺の身体が反応するより早く、教室のドアが開かれた。
愛子の手によって。
「おはよう、忠夫君っ! ほら見て見て。 あんなに膣内射精(なかだし)されちゃったから、忠夫君の赤ちゃん妊娠しちゃったっ。学内妊娠っていうのも、また青春よねっ!」
『触って触って』と愛子は嬉しそうに俺の手を自分のお腹に持って行く。
確かに少し膨らんでいる。
…って、そうじゃなくて。
「えーっ!! 横島君が愛子さんを妊娠させたのっ!?」
「横島っ! 今愛子さんに、『忠夫君』って名前で呼ばれただろうっ!!」
そうだ、今ここに居るのは俺と愛子だけではない。
愛子は、一瞬で怒号の舞う混沌とした空間と化した教室から逃げようとする俺の腕を掴み
「出来ちゃった結婚、それも学内結婚って凄い青春よねっ!」
まるで、向日葵(ひまわり)のような眩しい笑みを浮かべる愛子…には悪いんだが!
「お、俺は嵌(は)められたんやーっ!!」
「やだ…填(は)めたのは忠夫君じゃない…きゃっ」
はしがき
というわけで、49999ヒットリクエスト短編をお送りしますゆめりあんでございます。
軽いノリの話とみせて、実は全て愛子の計算付くでしたというお話し。
怖いですねー。
膣内射精には皆さん気をつけましょうっ!
では、次のキリリクにて。
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