所詮はニンゲン。
そう甘く見ていた。
奴らはアタシたちに傷一つ付ける事すら叶わないと
虫けら以下の存在。興味なんて沸く筈が無いと
なのに…アイツだけは…
ポチだけは違った…
アイツは興味が尽きない…
アンケート企画 第一位 その二 「好奇心という名の好意」
アイツに出会ったきっかけは大した事ではない。
魂の結晶を奪った嘗ての姉であるメフィストの転生体から取り戻すというアシュ様の命令を遂行している時だった。
「へぇ…今の軽く300マイト越えたよ」
霊力を収束して放ち、私達を絶対零度近くまで凍らせた男。
この男に最初に興味を持ったのパピリオだった。
私の妹パピリオは興味の出た生き物をペットにするという少し変わった癖がある。
寿命の短い私達を、少しでも覚えておいて欲しいという思いから来てるのかも知れない…
『ポチ』と名づけられた男は大した抵抗もせずに檻の中でじっとしている。
何故だ?
あれだけの力があるなら、直ぐにでも檻から出られるはずなのに…
「姉さん、PC借りるよ」
「へ? 珍しいわね」
私の姉ルシオラは機械弄りが得意で、私達の中で唯一PC…アシュ様のデータベースに接続できる端末を持っている。
私の勘が囁く。
あの男は唯のニンゲンでは無いと。
「っ!?」
何か有名どころかと思えば…有名なんてレベルではない。
あの男の働き、これはもう英雄と呼ばれるに等しいほどの活躍をしていたのだ。
GS界に入り込もうとしたメドーサの一件から、スナイパーであるハーピーに
今回の指令である結晶を使った計画の一端を担う中国や月の計画にまで関わっている。
「ふ…ふふふっ…はははははっ」
これは驚いた。あの普通然としていたあの姿こそがあの男の隠れ蓑だったのだ。
名は…横島忠夫…か…
恐らくこの男は人類最大の懐刀。
最高にして最強の存在。
それを人類規模で秘匿する事でこちらを油断させているのだ。
そうなると、私達を凍らせたあの力は…
手加減していた?
真逆(まさか)、と思うがこれだけのデータを目の前にすればそれも頷けるという話。
「くぉらベスパ! そろそろ妙神山の地点に着くぞ!」
「はいはい」
近くのスピーカーから上司である土偶羅魔具羅の叫びが聞こえる。
神族の最後の霊的拠点である妙神山。
ここさえ潰せば神族は手出しできなくなる。
できなくなるけど、今までがあっさりし過ぎていた所為でやる気など大して無い。
今見ているデータを吟味している方が遥かに有意義というものなのだが…
魔族とて縦社会なのだ。
上司に逆らうわけには行かない。
しぶしぶメインブリッジに行けば半キレ状態のドグラの喚き声が耳を貫いてくる。
…経過すら面倒臭い。
結果を言えば一撃で妙神山は消し飛んでいた。
・・・だが
「あら! 皆逃げてる」
なに・・・?
旧式の武器で無謀にも抵抗していた低脳神族と腰抜け魔族が…?
真逆…あの男が何か指令を出したのか?
「ベスパ!」
土偶羅魔具羅に言われるまでも無い。
「了解。アタシの眷属で各個撃破してやるさ」
妖蜂に命令を出して散り散りになっている奴らに目掛けて放っていく…
…さぁ、どう出る?散開しても無駄だよ。
次々に落ちていく奴らに気を取られ、あの男が何処にいるかを失念していた。
アタシとしてはとっくに逃げているものだと思っていたから。
鈍い音と激しい振動。
「爆発だと!」
「妖蜂のコントロールがっ!」
しまったと思っても既に遅い。
そうだ、ペットが居る場所は霊波エンジンのシリンダーが近くにあったんだ。
急いで向かえば、パピリオのペットの一匹のケルベロスが暴れている。
あの男は…いやそれだけではない。
確かペスと名付けた神族の情報官も居なくなっている。
苛つきをケルベロスにぶつけ、怒鳴り散らす。
まんまとしてやられた…逃げなかったのは神族を助ける為だったのか…
もう暫くは逆天号も最大出力は出せない。
こちらを混乱させ、生き残った神族を逃がし
さらにこちらの戦力を削る。
これだけの事をこれだけの短時間でやってのけた…
流石に超広範囲爆撃によって人間界に居た神族の殆どは消し飛ばしたが
痛み分け…いや、こちらの方が分が悪く感じる。
だって…
「よこ…いや、ポチ。そこに居るんだろう?」
『ゴゥッ』と烈風音のするケルベロスがあけた大穴に言う。
普通の人間なら振り落とされていておかしくないはずなのだが、アタシには判る。
あの男がそこに居ると。
だから、皆が居なくなってアタシだけになってから言ったのだ。
本気で戦えばニンゲンであるポチがアタシに勝てる道理など無いから。
さぁ、殺すか?
いや…殺すなんてそんな面白くない事はしない。
「いやぁ、ビックリして落ちそうになっちゃったんスよー」
へらへらと気の抜ける笑顔を向けながら『よっこいしょ』と大穴からこちらに入ってくる。
…ほら、居た。
面白い、この男は…本当に面白い。
「あ、でも檻壊れちゃったんスけど…」
壊した本人が言う言葉か?
『埴輪たちに言って置くから、雑用でもすれば良いだろう』
そう、わざと興味の無い素振りをして後ろを振り向く。
ゾク・・・
そう、奴に背を向けた瞬間に身の震えるほどの凄まじい何かが背中を走る。
なんて感覚だよ…思わず自分の身体を抱き締めたい衝動に駆られるのを必死に抑えてメインブリッジへと連れて行く。
気が抜けない…
弱いニンゲン相手なのに…
一瞬でも気を抜けば組み伏せられる自分の姿が脳裏に浮かぶ。
壁に押さえつけられる自分の姿が浮かぶ。
泣いて哀願する自分の姿が…
それこそ真逆だ。
だが、奴の気配を一身に受けていると身体が熱くなってくる。
これほど緊張したことなど、創造主たるアシュ様の前にしてもなかった事。
「あーっ ポチー!!」
メインブリッジに入ればパピリオが、まるでアタシの姿は見えないと言わんばかりに
アタシの後ろに完全に隠れていたポチ…いや、もうこの名前で呼ぶのはやめよう。
横島に飛びついた。
一番力の低いパピリオとはいえ、横島が傷つけられるとは思えなかったが
アタシの視線がパピリオを追っていく…
満面の笑みを浮かべて飛びつくパピリオを…横島は両手を広げて抱き上げたのだ。
ズキリ・・・
と…胸が締め付けられる不思議な感覚。
アタシの身に何が起きた?
はっとするも原因はわからない。
「もうベスパ、苛々するのは判るけど…」
「えっ?」
姉さんに言われるまで気付かなかった。
そんなに苛ついた顔をしていたのか…
それからアタシの横島観察は続いた…
「シャワールームの水漏れも直してくれた?」
「へいっ!! やらせていただきましたっ!!」
掃除洗濯のみならず、簡単な修理を手際よくやり
細かい所にまで気が利くのだ。
これは全てブラフなのか、それとも…
「じゃあ私の部屋も片付けてくれないかしら? 最近散らかっちゃって酷いのよ」
「へいっ!! 喜んでっ!!」
自分の部屋など自分で掃除すればいいのに、これ幸いと姉さんが横島に掃除を押し付けている。
そんなだから嫁の貰い手が無いというのに…
横島も満面の笑みを浮かべて了解しているが…
「あっ…しまった」
最近考え事が多い所為…いや、横島が気が利き過ぎる所為…いや勝手に所為にしてはいけないが
とにかく、そのお陰でシャワーを浴びて気付いてしまう。
…石鹸がなかった。
「ポチ、ちょっと石鹸とってくれない?」
「はいベスパさ…ぶほぁっ!?」
態々アタシ達がシャワーを浴びている間に新しい着替えを持ってきてくれる横島に
二、三歩歩けば届く位置にある石鹸を取って貰うのだが
…アタシを見た瞬間鼻血を噴出して倒れてしまった。
何処かにぶつけたのかとも思ったが…と考えて、データベースにあった横島の資料を思い出す。
そういえば横島は巨乳が好きだったんだっけ。
そして、ニンゲンの男は極度に興奮すると鼻血を出してしまうと確かデータにあったはず。
ということは、アタシの裸を見て横島は興奮した?
魔族であるアタシを?
…なんだろう
この暖かい気持ちは…
アタシからだけではない。
横島もアタシに興味を持ってくれている。
…あぁ、それが嬉しいんだ。
抱き起こす序でに、サービスとばかりに胸を押し付ければ
『ここに桃源郷がー!?』等と訳の判らない叫びを上げながら気絶してしまう。
…ちょっとやり過ぎたかな?
「ベスパ、最近良い事あった?」
「ん、何で?」
ブリッジで雑誌を読んでいるアタシに姉さんが問いかけてくる。
『だって、凄い良い笑顔だし』と姉さんがアタシに笑顔を向けてくれた。
確かに良い事はあった。横島がアタシに…
はっとする。
もしかして、これすらも奴の策略だとしたら?
あれは本当に出した血ではなく、実は偽物だとしたら?
疑心暗鬼に囚われる…
胸が…苦しい…
横島に問うた所で本心を教えてくれるはずなど無い事は判っている。
でも、聞きたかった。
いや、違う…
嘘でもいいから、アタシに興味があると
そう…言って欲しかったんだ。
既に姉さんの姿は無い。
恐らく横島は今洗濯物を干してる最中のはず…
「…っ!?」
頭がぐらぐらする
呼吸が出来ない
今アタシは何を見た?
甲板に洗濯物を干してる横島と…姉さんが…
抱き合っていた…
「…っは…」
苦しい…なんで、何でこんなに苦しいんだよ…
背中を壁に預ければ、膝ががくがくと振るえ
そのまま床に『ぺたり』と座り込んでしまう
視界が…歪む…
いや、歪んでるんじゃない。
泣いてるんだ…アタシは…
そして、その時に気付いたんだ。
アタシは何時の間にか
横島に恋していたって。
…だからと言って何か出来るわけは無い。
自分の想いに気付いたのに行動に移せない苛つきが消えない。
もやもやが残ったとしても計画は着実に進んでいく。
空母という海に浮かんだ鉄屑を使って攻撃してきたニンゲン達が
アタシの苛つきを増長してくる。
「てめぇ!! これでも食らいやがれ!!」
アタシは戦闘機という空飛ぶ鉄屑を引っ張って空母に突っ込んでいく。
ゾクリ・・・
アタシの直感が避けろと叫ぶ。
半身ずらせば、アタシが引っ張ってきた戦闘機が真っ二つにされたではないか。
「こ、こいつ…本当に人間か!?」
至近距離とは言い難い、どちらかと言えば長距離にあるこの鉄の塊を真っ二つに出来る人間など聞いた事が無い。
この時、アタシはキレていた。
だから…人間共の策略にまんまと嵌ってしまった。
「銀の弾丸!?」
空母に降り立てば全身を打つ銀弾。
怪我をする程の威力ではないが、集中力を奪うには十分な威力だった。
「しまっ…!」
目の前に居る、先ほど戦闘機を真っ二つにしたニンゲンがアタシに向かって武器を振りかざしている。
避けられない…
そう思った瞬間、閃光が降り注いだ。
「ルシオラが潜行装置を修理した! 撤退だ!!」
「ポチ…」
有無を言わさぬ強い言葉。
跳ね返り感のあるアタシなら、何時ものアタシなら言う事なんて聞かないのに
横島の言葉が素直にアタシの心に届いてきた…
横島が…アタシの心配をしてくれたのが嬉しくて…
「よし、決めたっ!」
何を…と聞くのは野暮というもの。
アタシは…横島に初めてを捧げる事にしたのだ。
ぐだぐだと悩むのはアタシの性分に合わない。
横島に命を助けてもらった。
もう…十分だから。
アタシの想いに嘘は付けない。
・・・でも
横島に初めてを捧げる服が無い…
「ど、どどっ…どうしよう…」
タンスを引き出すも色気も素っ気も無い服ばかり。
無い、無い、無い無い無い無い無い…な…
「あっ…」
バサリと広げた服は、前のアタシなら『ふざけるな』と一蹴してしまう
何とも可愛らしい服だった。
でも…
「・・・これ、姉さんのじゃないか」
姉さんの服ならウエストは緩くても胸がキツくて入らない。
でも、今夜を過ぎれば逆天号は修理するために小さくしないといけない。
今夜しかないのだ。
「よ、よし…せぇのっ!」
医務室にあった包帯を力任せに胸に巻いていく。
痛いなんてレベルじゃない。胸が潰れて中身が噴出すんじゃないかと思ったほど。
でも、こうでもしないと入らないのだ。
「く…くる…し…」
何とか巻き終わったが、苦しすぎる。
空気すらまともに吸えない。
それどころか、ちょっと力を加えれば包帯は無残に千切れてしまう事は想像するよりも容易い。
背に腹は変えられないのだ。
「これ…これで…よし…」
何とか入ってくれた。
今の状態ですら胸がキツい。
どれだけ小さいんだよ…
出来るだけ力を入れずに、ゆっくりと横島の部屋へ。
今の時間なら既に部屋に居るはず。
いや、居てくれないと…色々と危険な事になりかねない。
主に服とか…
「はい、何ス…ってベっ!?」
『ベスパ』と言おうとしたのだろう、ドアを開けた横島にアタシは無言で抱きつく。
出来れば『好き』の一言でも言って抱きつきたかったが呼吸もまともにできなくてふらふらしているのだ。
「よ…こし…」
アタシをベッドに寝かせる横島の顔…見たことも無い怖い顔。
いや…恐らくこれが横島本来の顔なのだろう。
やっぱり…アタシの恋は片思いで終わっ…
「何で胸が無くなってるんやー!? 偽チチかっ 偽チチだったのか!?」
「はぇ?」
『俺の唯一のオアシスがぁぁっっ』と雄叫びをあげている横島。
そんなにアタシの胸が好き…だったんだ…
『ミリッ』と不吉な音を聞いてしまう。
ほっとして半端な力が回ってしまったのだ。
亀裂が入れば破れるのは早い。
『ビリビリビリッ!!』という包帯の千切れる音と
『ブチブチッ!』という服のボタンが飛び散る音が同時に鳴る
「あっ…あはは…」
「す…すげぇ…」
姉さんの服では納まりきれないアタシの胸だけが弾けるように服から飛び出してしまった…
恥しい…これでは服を着ている意味が無…
「んはぁっ!?」
『むにゅぅっ』と胸を揉まれる感触に思わず喘ぎ声が出てしまう。
真面目な顔をした横島が、両手でアタシの胸を揉んでいるのだ。
「本物…だよな…偽物や無かったんやーっ このチチは俺んだーっ!!」
「ひゃぁうっ!? こ、こら横しっ…そんな強っ…んぁぁっ!」
それからというもの
揉むは吸うわとアタシの胸を好き勝手に弄くり回してくれる。
凄く…嬉しい…というか…
「うぉ…凄ぇ濡れてる」
「やっ…ばっ…そこっ…さわっ…やぁぁっ」
好きな奴に触られて感じない奴なんて居ない。
そんな風な事が雑誌に載っていたのをアタシは鼻で笑っていたが、土下座したい気分になってしまう。
こんなに…気持ち良いなんて…
『にちにち』といやらしい音が横島の指の動きに合わせて鳴っている。
身体がまるでアタシの物ではないかのように、意思に反して『びくびく』と痙攣してしまう。
軽い興味で自分で触った時とは大違い。
身体が仰け反り、顎が反り、頭の中が真っ白に塗りつぶされていく…
「〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!」
何か一際大きい物が来た、そう思った瞬間吹っ飛ばされたような感覚が全身を襲う。
自分の身体はベッドの上から動いていないのに、何処かに行ってしまうような感覚。
「もう絶頂(イ)ったのか、感じ易いんだな」
これが…絶頂?
粗い息を吐くアタシの口が横島の唇に塞がれる。
苦しい…けど…
唇を割って入ってくる横島の舌がアタシの口内を舐め
アタシの舌を擽(くすぐ)るその感覚が凄く気持ちよくて
やめて欲しくない…
もっと、もっと…とアタシは横島の首に腕を回しさらに深くキスをしていく。
キスって、こんなに気持ち良いんだ…
キスすればする程に横島の事が好きになって行く。
好きが止まらない…
何か熱い物が股間に当てられる。
なに? そう思った瞬間、『ぐちゅっ』という水音と共にアタシを貫いて来た。
凄まじい激痛
死ぬ…そう、直感した。
横島に殺されるならそれでも良い…そう思う。
「…っはぁ…入ったぞ、ベスパ」
「はい…た…?」
まるでアタシを慈しむような横島の笑顔。
私を殺そうとしたんじゃないのか?
痛い…入った…何か中でびくびくしてる…
思い当たる物が一つ
『かぁぁっ』と顔が熱くなっていく…
もしかして…
「これ…横島の…おち…」
「おう、痛かっただろ。ベスパがキスして放してくれなかったからさ。俺も我慢できなくなってたんで半ば無理矢理入れちまって…ごめんな」
ゆくりと頭(かぶり)を振る。
嬉しい事この上ない。
今、アタシは横島の繋がったのだから。
そして、この瞬間から…
アタシの中にあるテンコマンドメンツが発動した事だろう。
テンコマンドメンツ
それは、アシュ様を裏切る可能性がある行為を禁じるもの。
その中に、ニンゲンとの生殖行為がある。
もう、アタシは一日後か一時間後か…はたまた一秒後かに死ぬ事が決まってしまった。
それでもいい…それでも…横島に想いが伝わり、一つになる事が出来たのだから。
「我慢できねぇ…動くぞ」
「ん…一杯動いて…沢山犯してっ」
あとどれくらい持つかは判らない。
痛みは残っているが、横島の気持ち良さそうな顔が
アタシの膣内(なか)で気持ちよくなってる横島がアタシの心を気持ちよくしてくれる。
「はぁっ…横島っ…好きっ…好きぃっ!」
「ベスパ…俺も…俺もっ」
この言葉が本心かどうかなんて、アタシにはどうでも良かった。
アタシの事を嘘でも好きと言ってくれる事が嬉しくて…
「っく…出っ…」
『ぐぐっ』とアタシの中に入っている横島のモノが大きくなる
射精(だ)すんだ…
でも、横島は抜こうとしている。
だめ…抜いちゃダメ…
「うぉっ…ペスパっ! 足! 絡めたら…中に…膣(なか)…くぁぁっっ!!」
「あっ…あぁっ…熱い…熱いよっ…横島っ…のっ…いっぱ…くんっっ」
ぎゅうと抱きつき、足を横島の腰に回して膣奥に迎え入れた瞬間
アタシの子宮を押し上げながら『びくびく』と震えてアタシの中で…一杯射精(だ)してくれた。
「…っは…すげ…3回分位出たぞ…って、おいベスパっ!?」
「まだ…出して…アタシで一杯気持ちよくなって…」
涙が出てくる。
出してくれた…それだけで十分嬉しいのに、欲が出てくるのだ。
横島との子供が欲しいって…
叶わないって判ってるのに…
そんな不安を打ち消すように、アタシは乱れて嬌声を上げ
悦楽に身を振るわせた。
アタシが死ぬ…その時まで…
「あっ…やっ…また絶頂(イ)くっ…んぁぁぁっっ」
「っく…ベスパっ…締めすぎ…また…出っ…」
あれからどれくらい経っただろうか…
もう子宮内は横島の精液で一杯で、今出してくれた精液は溢れ帰り
横島のでぎちぎちに広がっている膣内の隙間から噴出している。
「…はぁ…はぁ…ベスパ…そろそろ…」
「や…もっと…もっと…いっぱい…ん…ちゅ…」
離れようと、抜こうとする横島に抱きついて唇を奪う。
もう殆ど身体に力が入らないけれど、死ぬその瞬間までは繋がって居たいから…
「くぉらぁぁぁっ 何時まで寝ている…んなぁ!?」
「ヨコシマー、ベスパが居ないんだけ…えぇー!?」
「二人とも朝から煩いでちゅね…って、きゃぁぁぁっ!?」
ぼんやりした頭に姉さんとパピリオと土偶羅様の声が届いてくる。
…もう朝?
アタシ…生きてるんだけど…
「あのなぁ…お前ら…」
あ、何か土偶羅様がプルプルしてる。
「ワシが昨晩必死扱いて報告書作ってポチ…いやいや、ヨコシマは仲間だと報告したというのに…お前らはワシの苦労も知らず一晩中ちちくりあってたのかぁぁっっ!!!」
『ぷぴー』と放射能を撒き散らしながら土偶羅様が叫んでる。
…えっと
横島は仲間だと報告した?
…もしかして、横島はテンコマンドメンツ対象外?
死ぬと思って乱れまくってあんあん嬌声あげまくって散々恥しい思いぶつけまくったけど、結局アタシは死ななくなったって事?
「横島…後は頼むね…」
そう呟いてアタシはゆっくりと意識を沈めていく。
『無責任言うなー!?』とか叫んでるけど、横島も散々気持ち良くなったからいいよな。
暫く・・・現実逃避させて・・・
「うーん…」
「何悩んでるんだよ、忠夫?」
パンパンに膨らんだアタシの腹を見ながら忠夫が唸ってる。
アタシを散々騙し続けてくれた真面目な顔。
この真面目な顔の裏で散々スケベな事を考えてるのは
アタシには十分判っている。
「いや、お腹とチチとどっちが大きいかなと」
「・・・馬鹿?」
ほら、やっぱり。
「忠夫…アンタね、もう新しい魔王になったんだよ? そんな馬鹿な発言を公衆の前でやったら吹っ飛ばすからね」
「そんな事言ってもなぁ…まさかアシュタロスが簡単に俺に魔王権与えてくるとも思ってなかったしさ」
『よく判んないんだよ』と照れた表情を浮かべながら後ろ頭を掻いている。
多分…ううん、きっとこの忠夫の性格は何千年経とうとも治らないのは判ってる…判ってるけど
「全く、ベスパは堅いな。魔王は好きに生きたら良いのだ」
「だからアシュは忠夫を甘やかすなと何度言わせるんだっ!」
ふざけた事にアシュ様はアシュタロスの姿を捨て、女の姿になって忠夫の妻に納まった。
数百年前まではアタシの創造主だった相手が『くすくす』と妖艶な笑みを浮かぶ女に変わってしまったのだ。
勿論、アタシとアシュ以外にも何百という妻が居るのだけど…特にアシュは忠夫を甘やかし過ぎる。
その事が『主従』だったアシュとアタシの関係を『対等』にしていた。
「まぁまぁ、そう怒鳴るなって」
そう言いながら忠夫は頭をなで、アタシの頬にキスしてくる
だめだ…これをされると…
「ん…」
幸せになって…全てを許してしまうから…
はしがき
というわけで、胸プルなベスパをお送りしますゆめりあんでございます。
長くなっちゃったー!? ものすっごい長いです…約710行とか…
ベスパがどうやって横島を好きになったのかを書いてたらこうなりまして…あはは…
興味が好奇心を呼び、胸の内にある好意を呼び覚ます。
初恋らしく書けたでしょうか…
ラストは、何気に魔王になっちゃってます。
アシュ様TS化してます。
色んな場所に喧嘩売ってそうですねぇ…
でも、久しぶりに書いてて楽しかった一作でもありましたっ。
では、また次のアンケートにて…
2008/06/24 追記
MASA様より誤字の指摘がありましたので修正いたしました。
2008/08/12:はっかい。様より頂きました絵を掲載しました。
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