むかぁし、むかし・・・今の北欧と言われる場所に
「うぅ…さぁむぅいぃ…」
タマモという名の妖小狐と
「ほら、タマモ…こっちいらっしゃい」
美衣という名の、孤児(みなしご)であるタマモの親代わりの化猫と
「タマ姉ちゃん、母ちゃん暖かいよ〜」
ケイという、美衣の化小猫が小さな村の近くの山の麓(ふもと)に住んでいました。
アンケート企画 第一位 タマモ短編「タマモの手袋」
「で、でもそういう抱きついたりとか恥かしいし…」
実の母親の子ではないという負い目か、タマモは素直になれずにいました。
いくら生活が出来るようにと古木をくり貫いた所に住んでいるとはいえ、外はしんしんと雪の降る冬なのです。
美衣としては寒さを凌ぐだけではなく早く懐いて欲しいと思うのですが、中々上手くいきません。
タマモが赤く悴んだ手を擦り合わせ、『はぁ〜っ』と息を吹きかけるのを見て何かを思いついたように美衣は手をぽんっと叩きました。
「タマモ、今から村に行きなさい」
「えぇー!?」
美衣とケイは化猫であり、タマモは妖狐です。
普通の猫と狐でも嫌がられるのに、妖怪であるタマモ自身が村に行ったら…そう想像してしまい涙が溜まってしまいました。
「大丈夫よ、今術をかけてあげるから」
美衣は、泣くタマモの頭を優しく撫でると『えいっ』と何とも可愛らしい掛け声をかけました。
「さーーーーーむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!?!?!?!?」
するとどうでしょう。体毛に覆われたタマモの身体がまるで人間の少女の様な姿になったのです。
肌は雪の様に白く、目は炎の様に赤く、髪は金髪、そしてトレードマークというべき九つの尻尾は頭に九つのポニーテールとなっていました。
もちろん服なんて着ていませんから物凄く寒くなったのでしょう。
タマモは身体を赤くしながら全身をガタガタを痙攣したように震わせます。
「あ、あらごめんなさい…さ、これ着て」
美衣は苦笑しながらフードの着いたローブをタマモに着せてあげました。
服という物を着たことの無いタマモにとって、とても不思議な感触。
そして、とても暖かかく感じます。
「うん、大丈夫ね。じゃあよく聞いて」
ゆっくりと美衣はタマモに村の事を聞かせ始めました。
「ここを出て南に行くと村があるわ。村に着いたら3件目。そこに『横島手袋店』っていうお店があるから、そこのドアを開けたらローブの裾を太ももが見える程度まで上げてこう言いなさい」
『手袋下さい』
タマモは大急ぎで山を駆け下りました。
いつもの姿ではないので走り辛くて何度も転びながら。
村はとても暖かいらしい
暖かい食事もくれるらしい
美衣の言った、その言葉を信じて。
「はぁ…はぁ…んく…はぁっ…はぁ…」
村に入って、荒い息を吐きながら家を数えます。
いち、に、さん。
ここだ。
心臓はどきどきと鳴り止みません。
もしかしたら掴まるかもしれない、そんな不安があったからではなく
この先に暖かい場所と暖かい食事がある
その事で頭が一杯になっていたのです。
「んしょっ」
小さいタマモには重い、木の扉を両手で思い切り開くと、何とかタマモ一人が入れるくらいの大きさまで開きました。
『ドアを開けたらその場で』
そう美衣に言われたのに、ドアの隙間から漏れる光が、温もりがタマモの思考を奪ってしまいます。
ふらふらと中に入り
『太ももが見える程度に』
タマモは、一気にローブを脱ぎました。
「手袋・・・ください」
驚いたのは店主の横島君です。
夜になり、店じまいしようかとしたら、いかにも美味し…もとい美しい少女が入ってきたのです。
しかも、自分と目が合った(と思った)瞬間に服を脱いで裸になったのですから。
よくよく見ると少女であるタマモの身体は痩せこけていて、まともな食事をとって居ないのは直ぐに判りました。
「キミ、名前は?」
「えっ・・・あ・・・た、タマモ・・・です」
「そうか、俺は横島って言うんだ」
目の前に居た男の人に名前を聞かれたことを驚きながらも何とか返します。
すると、急にタマモの身体が宙に浮きました。
驚きから何が起きたのか気付くまでに時間が掛かりましたが、どうやら彼に抱き上げられて居たのです。
「わ・・・わ・・・」
驚きと、恥かしさ…そして、なにより欲しいと思っていた温もりに包まれて、思わずタマモは横島君に抱きついてしまいました。
「んむっ…ん…」
唇に触れる暖かくて柔らかい感触。
そして唇を割って、冷たいタマモの口の中を熱い何かが舐めていく感覚。
タマモは次第に頭がぼぅっとしてきました。
寒さはもう感じません。きっと横島君が暖めてくれたのだ、とタマモは思いました。
実はこの横島君は村で非常に有名でした。
いい意味での有名なら良かったのですが、彼はとってもとってもスケベな事で有名だったのです。
美しい女性であったら美幼女・美少女・美女・美熟女何でもござれなのです。
特にタマモの愛らしさは、横島君の好みでした。
ゆっくりゆっくりとタマモの口内を味わい唇を離すと、タマモは頬を紅く染めて粗く短い呼吸をしています。
「タマモ、俺の物になればここにずっと居てもいいんだぞ」
「ここ・・・に?」
耳元で囁かれ、ぞくぞくとした感覚を感じながらぼうっとした頭で考えました。
『ここに居ていい』
もちろん、『ここ』とはこの暖かい家。
きっと、居れば暖かい食事がいつも食べれる。
「私…ヨコシマの物になりたい…」
『物』というのがどういうものかはタマモには判りませんでしたが、あの山の古木の中の生活よりは何倍…いえ何十倍も良く感じました。
「ん…あっ…」
ぴりりとした不思議な感覚がタマモの身体を通っていきます。
横島君に胸辺りを舐められ摩られる度に身体が言う事を聞かずにひくひくと振るえてしまうのです。
「ん…んっ…ん…あっ」
「タマモ、声我慢しないで。俺はタマモの可愛い声が聞きたいから」
出す気も無いのに出てしまう声が恥かしくて、タマモは手で抑えてましたがあっさりと横島君に剥がされてしまいました。
「ひっ…ぁ…んっ…あぁっっ」
横島君の顔がタマモの股辺りに行った時、タマモの身体にまるで雷が落ちたかのような感覚が走って行きました。
身体はがくがくと振るえ、背中が弓なりに沿ってしまいます。
目の裏にちかちかと光が走り、タマモの全身にぞくぞくとした感覚が広がっていきます。
身体がふわふわと浮く感じが着たと思った瞬間
「〜〜〜〜〜っっっっっ!!」
今まで、タマモはこんなこえを出した事はありませんでした。
獣の咆哮と言えば聞こえは良いかもしれませんが、似ているだけで全く違う声。
まるで意識に大きな波が襲ってきたかのような感覚。
自分が自分じゃないような、そんな感覚。
「…っはぁ…っはぁ」
粗い息を立てながらタマモはゆっくりと意識を手放そうとしていました。
でも、横島君はそれを許してはくれません。
「タマモの絶頂(イ)く顔…すげぇ可愛かったよ」
そう言うと横島君はタマモに二度目のキスをしました。
先ほどとは違う塩辛い…そしてチーズに似た味が口に広がっていきます。
遠くで『にちゃにちゃ』と音が立っているのが聞こえてきます。
その音がタマモ自身の股間からだと気付くのが早かったか
「んあぁぁぁぁぁぁぁっっっっ」
身体の中から『ミリィッ』という何とも形容し難い音が聞こえた気がしました。
何かが身体の奥に入ってくる感覚。
同時に来る激痛
息苦しさと痛みで気絶しようとしてしまうタマモですが
「んんっ…んちゅ…はちゅ…ちゅる…ん…はむ…」
横島君の荒々しいキスがそれすらも許してはくれませんでした。
「う…っく…った…い…い…た……やっ…やっ…あっ…んんっ」
『痛い』と言いたいのに、何度も激しく抜き刺されて声すらまともに出てくれません。
貫かれるのは痛いのに
「はぁっ…はぁっ…タマモ…タマモぉ…」
熱っぽく名前を囁かれ、きゅうっと抱き締められる感覚が気持ち良くて
痛みと気持ち良さが頭の中でぐちゃぐちゃになって
「はぁっ…でっ…出るっ!」
「んっ…やっ…あぁぁぁっっっんっっ」
ぐぅっと思い切り奥を貫き押し上げられた瞬間に、『貫いたもの』がびくびくと震えてタマモの中に何かを吐き出していきました。
痛いのに、満たされる感覚。
気付けばタマモは、さっきよりも大きな波に意識を攫われ…
そのまま、眠ってしまいました…
それから、半年が過ぎ…
横島手袋店は他国に知られる程に有名な見せになりました。
なぜなら・・・
「タダオ、これどこ置く?」
看板娘であるタマモと
「忠兄ぃ〜外の掃除終わったよ〜」
同じく看板娘のケイと
「忠夫さん、朝食の準備が出来ましたよ」
優しく微笑む美衣が居るからなのです。
それからタマモとケイは横島君の愛奴として、横島君の子をお腹に宿す美衣は横島君の妻として、4人は仲睦まじくとても幸せに暮らしましたとさ
「って、ちょっと待ちなさいよ! この話はアタシの話でしょうが。なんでチョイ役の美衣が妻になってるのよー!?」
めでたし・・・めでたし・・・
「めーでーたーくーなぁぁぁいっっ」
というわけで、タマモの話をお送りしましたゆめりあんでございます。
元ネタ・・・判りました?
あー、もしかしてーって思った方居るかもしれませんね。
童話『きつねの手袋』を元にしています。
って、あっちはこんなにエロくはないですけどっ
タマモ一本物は結構書いてますから、折角ですしこうちょっと捻った物を作ってみました。
物語風なので、ちょっと作風が違うため『あれ?』と思う方も居るかもしれませんね…
読み難く感じましたら、メールか掲示板にお願いします。
あ、『面白かったー』も勿論おっけーですよっ
今度は2位のおキヌちゃんの方を書きませんと…
では、また次回に
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