新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第97話

「さあて、話を整理するわね。ユキの見たシンジの芋虫は、この絵よりも大きかったと。」 「はい、そうです。」 ユキは力強く頷いたわ。 「で、ヒカリは全然見ていないと。」 「ええ、見ていないわ。」 ちっ、本当かしら。怪しいものね。でも、見ていないって言い張るから、追及するのは難 しそうね。 「で、相田君のソーセージは、シンジのよりも大きいと。」 「はい、そうだと思います。」 「でも、シンジの芋虫も大きくなって、相田君のと同じ位の大きさになったと。」 「はい、そうですね。」 「じゃあさ、ユキ。悪いけど、シンジの芋虫の絵を描いてよ。大きくなる前と、大きくな った後のをね。」 「ええっ、そんなの無理ですよっ。」 「駄目よ、描きなさいよ。そうしないとね、どっちが大きいのか分からないわよ。それじ ゃあ、困るでしょ。」 「えっと、困らないと思いますけど。」 「いいから、描くのよっ!」 「は、はいっ!」 アタシが一喝すると、ユキは焦って描き始めたわ。よしよし。 「でもさ、ヒカリ。鈴原君のは、見たことないの?」 「ううん、無いわよ。ある訳ないでしょ。」 ふん、とぼけちゃって。本当かしら。でも、どうも本当のようだし、まあいいわ。 「じゃあさ、男の子のアレが大きくなるなんて話し、聞いた事ある?」 「そうねえ。お姉ちゃんから聞いた事があると思うわ。男の人って、エッチなことを考え たりすると、アレが大きくなるんですって。」 「ふうん、それじゃあ、ユキが言ってたことって本当なのね。」 「そうねえ。でも、相田君は最初から大きかったそうだから、エッチなことを考えていた のかしらね。」 「ふうん、なるほどね。でもさ、シンジは体を揺すってから大きくなったでしょ。それに、 アタシの胸が当たるから大きくなったって言ってたわよね。それって、ちょっと矛盾しな い?」 「うん、そうねえ。でも、個人差があるんじゃないかしら。エッチなことを考えると大き くなる人もいれば、それ以外のきっかけで大きくなる人がいるかもしれないじゃない。」 「それとも、シンジがエッチなことを考えていなかったか。」 「そうね、その可能性もあるわね。」 う〜ん、でも真相はどうなのかしら。今度シンジに白状させるしかなさそうね。 「あっ、惣流さん。絵が出来ましたよ。」 どうやら、ユキが絵を描き終えたみたいね。どれどれ。 「うげっ。何なのよ、これ?」 そこには、かなりグロテスクな絵が描かれていたのよ。アタシは思わず顔をしかめたわ。 ユキって、良くこんなリアルな絵が描けたわね。アタシのいい加減な絵とは大違いだわ。 「どれどれ。うっ、これって…。」 ヒカリも顔をしかめたわ。やっぱりね。 「でもっ、本当にこんな感じでしたよ。」 んもうっ、ユキったら分かっていないわね。本物に近いから、うげっ、って感じなのに。 「うん、分かったわ。ありがとね、ユキ。後は、直接シンジを問い詰めることにしたから、 この話はおしまいにしましょ。」 こうして、アタシはこの話を強引に終わらせたわ。でも、何か忘れているような、そんな 感じがしていたんだけどね。 *** 「ねえねえ、話は変わるけど、ヒカリは鈴原君のどこが好きなの?」 アタシは、今度はヒカリを標的にしたの。だって、あのまま話を続けたら、かなり変な方 向に話がいっていた可能性が高いもの。それにね、ヒカリもなんだか聞いて欲しそうだっ たしね。 「えっとね、優しいところかな…。」 なんて言いながら、ヒカリは顔を赤くさせたわ。 「あっ、そうなの…。」 嘘でしょ。そう言いそうになったけど、アタシは寸前でその言葉を飲み込んだわ。本当の ことでも、言っていいことと悪いことがあるものね。そんなこと言ったら、友達をなくす わよね、普通。 「へえっ、鈴原君て、優しいんですか?見かけによらないですね。」 でも、ユキはちょっと問題発言よ。あとで注意しておかないとね。 「そ、そんなことないわよ。鈴原って、結構妹さん思いだし。ぶっきらぼうに見えるけど、 優しいところがあるのよ。」 でもまあ、さすがはヒカリね。ユキを怒ったりはしなかったわ。でもね、慌てて反論した わ。 「ふうん、でも、それだけじゃないわよね。デートの時も優しいのかしら。」 「う、うん、まあ。」 またしてもヒカリは顔を赤らめたわ。 「どういう風に優しいのかしら。詳しく知りたいわ。ねえ、ユキもそう思うでしょ。」 「はい、そうですね。私ももっと知りたいです。」 「え〜っ、そんなこと言われても〜。」 ヒカリはイヤイヤしたけど、どう見ても本気で嫌がっているように見えないわ。なんて言 うか、話したくてウズウズしているっていう風に見えたのよ。だから、根堀葉堀聞かない と失礼っていうもんよ。 「それじゃあ、初デートの様子から聞きましょうか。」 「ええっ、しょうがないわねえ。」 それから、たっぷり1時間はヒカリの惚気話を聞くはめになったわ。でも、ヒカリは話す だけ話して上機嫌だったし、ユキも色々と参考になったらしいわ。 つづく(第98話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  危ない方向に話がいきそうだったのですが、今回は途中で終わらせました。でも、アス カはシンジのアレを握った事をすっかり忘れているようです。 2003.12.31  written by red-x



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