新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第91話

「アスカ、ありがとう…。」 「どういたしまして。」 なんて、アタシはにこやかに言ったけど、物凄く腹が立っていたわ。アタシみたいな清純 な乙女に、とても口には出せないような汚いモノを握らせて、自分だけ気持ちいい思いを するなんて。本当に最低男よね、シンジったら。 えっ、ナニを握ったのかって?とても口に出しては言えないモノよ。だから、そんなの秘 密よ、秘密。絶対に言える訳ないでしょ。 「あの、アスカ…。」 「なあに。」 「これからも、たまにはこういうことをやって欲しいな、なんて思ったりして。でも、や っぱり駄目だよね。」 そうよ、当然でしょ。アンタ、バカァ?なんて言いたいのを我慢して、アタシは心にも無 いことを言ったわ。と言うより思っていることと反対の事をね。 「そうね、シンジがアタシのことをもっと好きになってくれたら、考えるかも。」 「えっ。どういうこと。」 「アタシのことを好きなら、なんでも言う事を聞いてくれるわよね。本当に好きならね。」 「う、うん。何でも言う事を聞くよ。そういう約束だし。」 「でもね、嫌々言う事を聞くんじゃなくて、喜んで聞いてほしいのよ。どんなに嫌なこと でも、アタシが頼めば喜んでやるようになって欲しいの。約束できる?」 そう、例えばエヴァにも喜んで乗るとかね。 「うん、分かったよ。アスカは、僕にエヴァに乗って欲しいんでしょ。それも、自らの意 思で進んで乗って欲しいんでしょ。」 あら、シンジのくせに良く分かったじゃあない。 「それだけじゃないけどね。」 「他に何があるの。」 「シンジからは、エッチなことをしないで欲しいの。でも、一緒に暮らしていて欲しいの。 結構辛いとは思うけど、いいかしら。」 少し間が開いたけど、シンジはアタシの期待通りに応えたわ。 「う、うん…。分かったよ。アスカに嫌われたくないから。」 ふん、やっぱり。今度は露骨に顔が歪んだわ。こっちの方がエヴァに乗ることよりも辛い ようね。やっぱりシンジはドスケベだったようね。 「じゃあ、約束よ。」 アタシは、シンジと固く指切りしたの。 *** 「あら〜ん、アスカったら。またもやお盛んねえ。」 女湯に戻ったら、案の定ミサトがいたわ。やっぱり見られていたのね。 「うっさいわねえ。」 アタシは、思いっきりふくれっ面をしたわ。話を逸らそうとしてね。でも、無駄だったみ たい。ミサトは追及の手をゆるめなかったわ。 「どうだった?シンちゃんのナニの感触は。」 げえっ。変なものを思い出させないでよね。もう一回、石鹸でようっく手を洗おうっと。 「思い出したくない。」 「火星人の手みたいな感触じゃなかった?」 はあっ?ミサトったら、訳分からないことを言うわねえ。もっとも、加持さんのは、そう いう感触なのね。 「わかんないわよ、そんなもん。」 「で、シンちゃんは喜んでいたの?」 「そうね、物凄くね。」 「良かったじゃない。」 とんでもないって言おうとして、アタシは口ごもったわ。ミサトの前では、アタシはシン ジのことが好きってことになっていたのを思い出したのよ。 「そうでもないのよ。」 「あら、どうしてよ。」 「だって、そうでしょ。アタシはエヴァのパイロットだから、最後の一線は越えられない し。でも、シンジだって我慢には限度があることだし。」 「ふうん、それじゃあエヴァのことが無ければ、最後の一線は直ぐにでも越えていいの?」 「まあ、そう思ってもらっていいわね。」 んな訳ないでしょ。でも、こう言わないとまずいわよね。 「でも、エヴァのパイロットである限り難しいと。」 「そうよ、その通り。」 「じゃあ、どうするの。」 「それをこれから考えるのよ。でも、なんとかなりそうね。もっとも、5年も10年もっ て言うのは無理でしょうけど、数年なら何とかなると思うわ。」 「ふうん、自信あるのね。」 「でもね、ミサトが変なちょっかいを出したら逆効果になる恐れがあるから、その辺は気 をつけてね。」 「はいはい、分かりましたよっと。」 もうっ、本当に分かっているのかしらね。アタシは、深いため息をついたわ。 *** 「アスカ、随分長かったじゃない。」 部屋に入ったアタシに、ヒカリがニヤニヤ笑いながら聞いてきたわ。 「まあね。温泉なんて滅多に入れないと思って、ちょっと長湯をしたのよ。」 「碇君と一緒に?」 「ああ、あいつなら結構前に出たわよ。鈴原君にでも聞いてみたら。」 「あっ、そうなの。」 ヒカリは意外そうな顔をしたわ。今までアタシとシンジが二人っきりでイチャイチャして いたと思っていたみたいなのよ。 「で、これからどうしようか。あっちの部屋に行ってみる?」 「そうね。でも、何をしようかしら。」 アタシ達が迷っていたら、ユキが笑顔で言ったわ。 「こういう時は、トランプですよ。最初の予定通り、そうしましょうよ。」 その一言で、トランプ大会が開かれることに決定したわ。でもね、次にどんな格好で行く かっていう問題が出てきたのよ。 アタシがね、水着にTシャツの格好で行こうって提案したんだけど、ヒカリもユキも反対 したのよ。 「ねえ、ヒカリ。鈴原君の気を引くために、少しは色っぽい格好をした方がいいわよ。」 「ええっ、恥ずかしいわ。」 「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。もっと鈴原君の気を引くようなことをしない と、鈴原君が他の女の子に取られちゃうわよ。いいの?」 「そ、それは嫌だけど…。」 「じゃあ、決定ね。ヒカリは、上はタンクトップ。下はミニスカート。もちろん、全員ノ ーブラよ。これで決まりね。」 ユキが抗議の目を向けてきたけど、無視よ、無視。 「鈴原は喜ぶかしら。」 「もちろんよ。ヒカリにクラクラってなるかもよ。頑張りなさいよ。」 「ええ、分かったわ。ユキに負けないように頑張るわ。」 「私は、頑張っていないんですけど。」 「「嘘つけ!」」 で、結局3人とも下はミニスカートになったの。上は、アタシは素肌の上に赤いTシャツ で、ユキは同様に黄色いTシャツにしたの。さあて、今夜は何かが起きるかしら。アタシ は、ちょっとだけ期待に胸が膨らんでいたわ。 つづく(第92話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  さて、アスカ達はノーブラでトランプに臨みます。ヒカリやユキは、果たしてトウジや ケンスケとの仲が進展するのでしょうか。 2003.10.30  written by red-x



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