新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第72話

「さあて、メシや、メシッ!」 お昼になったらがぜん鈴原が騒ぎだしたわ。そうそう、鈴原って「ブラックジャージマン」 っていうあだ名以外にも「食欲魔神」っていうあだ名があるのよ。まあ、いつものお昼の 様子を見れば頷けるわ。 鈴原って、本当に一杯食べるのよ。だから、ヒカリがいつも重たいお弁当箱を持って可哀 相なのよね。 でね、先日その件で鈴原に文句を言ったのよ。そうしたら、鈴原がお弁当を断るなんて言 うもんだから、アタシは慌てちゃったわ。そうなったら、ヒカリに恨まれるじゃない。だ から、ヒカリの家まで迎えに行って、お弁当箱を自分で持つ様にって言ったのよ。 そうしたら、「なんや、最初からそう言うてくれや。」なんて言って、ほっとしていたわ。 やっぱり、鈴原はヒカリのお弁当が好きになっているみたい。味が良くて量が多いもんだ から、『もう、やめられまへんな。』状態のようね。 で、今は一緒に登校してるのよ。おかげで、ヒカリからは感謝感激雨あられっていう感じ で大喜びされたっけ。 「うわあっ、なんやこれっ。」 おっと、鈴原が驚いているわ。 「えっ、どれどれ?」 「どうしたんだよ、ドウジ?」 シンジも相田も、鈴原の方へと首を突っ込んだわ。 「うわあ、凄いや。これを作ったのってだあれ?」 シンジの問いかけに、アタシが直ぐに答えたわ。 「3人で作ったのよ、当たり前でしょ。」 「ふうん、でも凄いや。結構手間がかかったでしょ。」 さすがお料理に詳しいシンジ。良く分かってるじゃない。えっ、話が見えないって。えっ とね、実は今日のお弁当はおにぎりとパンだけのはずだったのよ。なるべくゴミが出ない ようにってことでね。 でも、それだけじゃあ味気無いっていうことで、アタシの発案で、ハンバーガーのご飯版 を作ったのよ。ライスバーガーっていう奴ね。アイデアとお金はアタシ。技術はヒカリ。 実行したのは3人で。という訳なのよ。 でもね、それだけじゃあみんなは驚くだけで喜ばないわよね。だからパティにあたる部分 を工夫したのよ。チキン、お好み焼き、フィレステーキ、海老フライ、カニ、っていう具 合にね。 それに、鈴原達も気付いたみたい。 「おおっ!カニや、カニがあるで。」 「海老フライもあるぜ。うわあ、豪勢だなあ。」 それを聞いて、アタシ達は嬉しくなったわ。だって、そうじゃない。自分の作ったものを 喜んでもらえるなんて、作った甲斐があったっていうもんよ。 「はい、じゃあ食べてちょうだい。一杯作ってあるからね。」 アタシが言うと、鈴原が物凄い勢いで食べ始めたわ。相田とシンジも、それにつられるよ うにして、いつもよりも勢いが良かったわ。 「良かったわね、ヒカリ。喜んでもらえたようね。」 「アスカのおかげよ。」 ううん、そうじゃないわ。ヒカリの技術があればこそよ。ライスバーガーって、素人には 作るのが難しいんだもの。でも、ストレートには言わなかったわ。 「3人で、頑張って作ったからよ。」 アタシがそう言うと、ヒカリもユキも笑って頷いたわ。 「でも、早く食べないと、自分の好きな奴が無くなるかもね。」 アタシがそう言うと、二人とも少し顔を青くして、カニバーガーに手を伸ばしていったわ。 でも、アタシは海産物はいま一つなじめないから、チキンとフィレステーキにしたの。 実はね、この中では一番チキンの値段が高かったのよ。超高級品のチキンにしたからよ。 えっ、何でですかって?だって、アタシが食べるものが一番高いに決まってるでしょう。 そんなの当然よねえ。 でね、お好み焼きを食べるのは鈴原だけで、後は思ったよりもカニの人気が高かったわ。 チキンは思ったよりも人気が無かったわ。だから、鈴原以外には、アタシとシンジしか食 べなかったの。 えっ、何でシンジがチキンを食べたのかって。そりゃあ、アタシが言ったからよ。『チキ ンは、アタシが焼いたのよ。』って。だから、シンジはチキンを2つ食べて、後はお好み 焼きを除いて1こずつ食べていたわ。へへへっ、シンジもいいところあるじゃない。ちょ っと見直したわ。 女性陣はというと、だいたい2個ずつ食べて、後はサンドイッチをいくつか食べたの。で も、鈴原はやっぱり食欲魔神よね。全部3個ずつ食べたのよ。合計15個よ、15個。1個当 たり、おにぎり2個分近いのボリュームがあるっていうのにね。 ライスバーガーを各7個、計35個作ったんだけど、お好み焼きが4個、チキンが1個し か余らなかったの。今日の夜食にと考えていたんだけど、鈴原がこれほどとは思わなかっ たわ。ちょっと甘かったわね。 おそらく、余った分も夕方までには無くなるわね、絶対に。そうなると、ホテルに夜食を 頼んでおいた方が良さそうね。 *** 「アスカ、お腹一杯になっちゃったね。」 「そうねえ、しばらくは動けそうにないわね。」 そう、お腹一杯食べたもんだから、ちょっと体が重いわね。こういう時は、そうね、砂浜 で寝ころぶしかないわね。 「そうだ、シンジ。日焼け止めを塗ってよ。」 「う、うん。いいよ。」 シンジの声は、少しうわずっていたわね。シンジもうぶね。まっ、そういうところがいい んだけどね。 「アスカ、塗るよ。」 シンジはそう言って、アタシの背中に日焼け止めを塗ってくれたの。う〜ん、良い気持ち。 砂浜で寝ころぶのが、こんなに気持ちがいいもんだとは、思わなかったわ。 ちらっと横を見たら、ヒカリも鈴原に日焼け止めを塗ってもらっているじゃない。ふふっ、 ヒカリったら、赤くなっちゃって。 でもね、ユキは日焼け止めを自分で塗るって言って、相田が手伝おうかっていうのを断っ ているのよ。んもう、それじゃあ良い雰囲気がぶち壊しになるじゃない。 「ねえ、ユキ。こっちに来なさいよ。シンジは、ちょっと退いて。」 「あっ、はいっ。でも、良いんですか。」 ユキは、アタシの隣から追い出されたシンジを見て、おそるおそる言ったのよ。 「大丈夫よ、シンジは優しいから。ねっ、シンジ。」 「う、うん。どうぞ、森川さん。」 「じゃあ、お言葉に甘えて。」 そう言って、ユキはアタシの隣で寝そべったの。そのユキに、アタシは小声で言ったわ。 「ユキ、アンタなんで断るの?」 「でもっ、さっきも塗ってもらいましたし。」 「相田と付き合うって言ったのは、嘘だったの?」 「そっ、そうじゃありませんけど、何か頼むのが恥ずかしくて。」 「じゃあ、アタシから言えばいいわよね。」 「えっ。ええ、そうですね。」 こうして、話はまとまったわ。 「相田君、こっちに来て。ユキの背中に日焼け止めを塗ってちょうだい。」 その瞬間、相田はパッと明るい顔になったわ。ふ〜っ、アタシも結構気を遣うわね。でも、 今のところはどの組も良い雰囲気になってるわ。 えっ、シンジが可哀相ですって?そんなことないわ。シンジは、アタシの足のマッサージ を喜んでしているもの。特に、太股を念入りにね。だから、全然問題無いのよ。 でも、気持ち良くって寝ちゃいそう。ごめんね、シンジ。 こうして、アタシの意識は、次第に薄くなっていったの。 つづく(第73話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  なんと、シンジ。ラッキーが続きます。でも、アスカの太股の感触は、シンジにとって は刺激が強いかも。 2003.6.3  written by red-x



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