新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ
第55話
「は~い、リツコ。シンジを連れてきたわよ。」
今日は午後から、といっても夕方近くなってからネルフに来たのよ。
「あら、アスカ。早かったじゃない。」
リツコは少し驚いたようね。
「訓練を兼ねて、シンジと走って来たからよ。」
リツコにさりげなく、自分達が普段から訓練を欠かしていないことをアピールしたわ。
「じゃあ、早速プラグスーツに着替えて。もう準備は出来ているわよ。」
でも、リツコの反応は無し。ちょっとがっかりね。
「ええ、分かったわ。シンジ、更衣室へ行くわよ。」
「う、うん。」
アタシはシンジを連れて、更衣室へ行ったの。
***
「いい、シンジ。プラグスーツは、こうやって着るのよ。」
アタシは、、シンジに優しく教えてあげたわ。
「うん、分かったよ。」
でもね、シンジったら上手に着ることが出来なかったの。慣れないせいなのか、シンジが
不器用なのか、分からないけど、困ったものよね。急いで出撃するときなんか、ちょちょ
いのちょいって、着替えて欲しいのに。
「ん、もう~。そうじゃないでしょ。早く着てよね。」
「そ、そんなこと言ったって。」
「もう~っ、おっそ~いっ。」
アタシは、しびれを切らしてしまったの。そして、お約束ね。アタシの剣幕に驚いたシン
ジは足をもつれさせて、倒れてしまったの。
「キャッ!」
「あっ、ごめん。」
運悪く、アタシはプラグスーツを着ようとして下着姿になっていたのよ。そこに、シンジ
が倒れてきたの。でね、倒れた拍子に、アタシのブラが弾け飛んじゃったのよ。
「アンタねえ、どこ触ってんのよ。」
「わ、わざとじゃないよっ!」
そう、またもやお約束で、シンジの手は、アタシの小振りだけど綺麗な形をした胸を、し
っかりとつかんでいたのよ。
「だって、これで二度目でしょ。1回目は許したけど、今度はそうはいかないわよ。」
アタシは、仕返しとばかりに、シンジの小振りの松茸を握ってやったの。
「あっ、アスカ、止めてよっ。」
シンジの顔が赤くなったわ。
「ふん、じゃあ、もう二度と変なことしないって約束する?」
「うん、約束するよっ!だから、早く手を離してよ。」
ふふふっ。シンジったら、慌てちゃって。
「離して下さいでしょ。」
「うっ。」
へっ。どうしたのよ、シンジ?
「なっ、何よ。何があったのよ。」
あれっ、お腹の辺りが何かあったかくなったような。
「うううっ。アスカのせいだよ。アスカのせいで、間に合わなかったんだよ。」
えっ、一体何が起きたっていうのよ。アタシは、シンジが立ち上がると、お腹の辺りを見
てみたの。そうしたら、し、白い液体が…。こ、これはシンジのオシッコよ、きっと。
「信じらんな~い!なんてことすんのよっ!」
アタシは怒って、手を振り上げたわ。でもね、シンジが怯えて腰が抜けちゃったらしくて、
青い顔して動かなくなっちゃったのよ。
「ア、アスカ。ぶたないでよ~っ。」
本当は、思いっきりぶっ飛ばしたかったけど、半分泣きながら震えているそんなシンジを
見たら可哀相に思うじゃない。アタシは、急速に怒りが納まっていったわ。
「じゃあ、アンタのタオルで、このオシッコを拭いてよ。」
「あ、あの、アスカ…。これって、オシッコじゃないんだけど。」
「えっ、違うの?じゃあ、何なのよ?事と次第によっちゃあ、許さないわよっ!」
アタシが拳を握って振り上げたら、シンジったら震えちゃったわ。
「あ、あの、やっぱりオシッコです…。」
ふん、最初からそう言えば良いのよ。
「いいから、早くしてよっ!」
「は、はいっ!」
シンジは、急いでロッカーを開けて、タオルを取り出したの。
「早くしてよねっ!」
「アスカ、ごめんね。」
そう言いながら、アタシのお腹をゴシゴシ拭いたわ。
「ていねいに拭いてよね。」
あ~あ、こんなことしていると、遅れちゃうのに。参ったわね。でも、しっかりと拭いて
もらわないとね。何たって、汚い『オシッコ』がアタシの体についちゃったんだもの。
***
「リツコ~。ごめん~。」
「遅かったじゃない、アスカ。早く着いたのが帳消しよ。」
「うん、シンジが着替えに戸惑っちゃって。ほら、シンジも謝りなさいよ。」
「リツコさん、ごめんなさい。」
「まあ、良いわ。それより、早くテストを始めるわよ。」
「は~い。」
「はいっ。」
こうして、アタシとシンジはハーモニクステストを受けたの。
「シンジ君、落ち着いてね。気を楽にしてちょうだい。」
リツコがシンジに声を掛けたけど、あんなことがあった後じゃあ、落ち着けって言う方が
無理かもね。
「アスカは好調ね。良いわ、その調子で。シンジ君は、この前の戦闘の時のデータよりは
悪いわね。でも、2回目にしては上々よ。」
「はあ、そうですか。」
てな調子で、最初のハーモニクステストは、無事に進んでいったわ。ふうっ、まだまだ、
道のりは長いけど、頑張らなくっちゃね。
でも、その日のテストは10時過ぎまでかかったのよ。はあっ、睡眠時間が削られるわ。
睡眠不足は、お肌の大敵だから、今日は早く寝ようっと。
つづく(第56話へ)
目次(目次へ)
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あとがき
なんとかシンジにハーモニクスを受けさせることが出来ました。シンジを思わず殴ろう
とするところでしたが、何とかアスカは思い止まりました。あんなことをされても我慢す
るなんて、アスカは偉い?
2003.1.16 written by red-x
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