新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ
第47話
「ふう、お腹一杯や。」
そう言って、鈴原はポンポンとお腹を叩いたわ。なんか、行儀悪いわよね。
「アスカ、おいしかったよ。ごちそうさま。」
さすが、アタシのシンジね。礼儀正しいわ。
「惣流、ごちそうさま。おいしかったよ。」
今度は、相田ね。まあまあ、合格っていうところかしら。
「「「「綺麗なお姉ちゃん、ごちそうさまでしたっ！」」」」
これは、子供達よ。なんて、正直なんでしょう。やっぱり、子供は純真よね。嘘がつけな
いのよね。でも、本当のことでも、嬉しいわ。
「おそまつさまでした。次は３時のおやつよ。楽しみにして、待っててね。」
こうして、アタシは３時のおやつに取りかかったわ。で、悪巧み第２ラウンドの始動ね。
「じゃあ悪いけど、ヒカリと鈴原君で買い物に行ってちょうだい。」
「任せておいて。」
「おう、わかったで。」
こうして、二人は連れ立って買い物に出かけたの。さあて、うまくいくかしらね。まあ、
アタシとしては、チャンスは作った訳だから、あとはヒカリ次第よね。
「じゃあ、アタシ達はおやつの準備よっ！」
アタシはユキに力強く宣言したわ。
＊＊＊
「キャーッ！惣流さんたら、何やってるんですかっ！」
おやつを作っていたら、ユキがいきなり叫んだわ。えっ、今度は何をやらかしたのかしら。
「あっちゃあ〜っ！どうしてこうなるのよ〜っ！」
あっ、またやっちゃったわ。トホホホホッ。
「惣流さん、早く火を消して下さいっ！」
「えっ、あっ、やっちゃったあ〜っ！」
げっ。またまた失敗しちゃった。アタシもなかなか上達しないわね。
とまあ、色々とあったけど、なんとか、ケーキとプリンが完成したわ。ユキに手伝っても
らわなかったら、完成しなかったかもしれないけどね。
「さあて、うまくいったかしら。」
「ええ、大丈夫ですよ、惣流さん。」
「ちょっと不安だけど、まあ、何とかなるわよね。」
「そうですよ。じゃあ、子供達を呼びますね。」
あっ、待って。心の準備が。でも、ユキはアタシの心の中の葛藤に気づかずに、子供達を
呼んでしまったの。こうなったら、腹をくくるしかないわね。子供達はすごい勢いでやっ
てきたわ。
「わあ、おいしそう。」
「このケーキ、すごく大きいね。」
「プリンも大きいし、おいしそうだよ。」
「うわあい、うれしいな。」
子供達の目が輝いているわ。なんか嬉しい気分ね。それを見ていたら、アタシの不安も吹
っ飛んじゃったわ。
「「「「いただきますっ！」」」」
その声を合図に、子供達は一斉に食べ始めたの。
「うわあ、おいしいね。」
「本当だね。」
「こんなにおいしいの、食べたことないね。」
「うわあい、もっと食べたいな。」
なんて調子で、ワイワイガヤガヤ言いながら、楽しそうに食べているわ。うん、とっても
気分がいいわ。一所懸命作った甲斐があるってもんよ。
「はあい、お次はアイスクリームよ。欲しい人は、手を挙げてね。」
もちろん、全員が手を挙げたわ。アタシは、にこにこしながら子供達にアイスクリームを
器にたっぷりと入れて渡したの。
「わあい、アイスだ、アイスだ。」
「嬉しいなったら、嬉しいな〜。」
「冷たくって、気持ちい〜い。」
「売っているのよりも、ずっとおいしいね。」
ふと、ユキを見たら、真っ赤になっていたわ。子供がはしゃぐのは当たり前なんだから、
恥ずかしがらなくていいのに。でも、ヒカリ達、思ったよりも遅いわね。うまくやってい
るのかしら。
「お〜い、ただいま戻ったで〜。」
「お待たせ〜。」
あっ、二人ともやっと帰って来たわね。アタシは、素早くヒカリに近付くと、小声で聞い
たのよ。
「ねえ、どうだった。何か進展はあったの？」
「ううん、駄目だったわ。少し会話をしたけど、あんまり続かなかったわ。」
そう言って、ヒカリは少し落ち込んだようだったわ。よし、このアスカ様が何とかしてあ
げなくっちゃね。
「あっ、ごめん。」
アタシは、頃合いを見計らって、つまづいたフリをして、ヒカリにコーヒーをたっぷりと
ぶちまけたの。
「あっ、ごめんね、ヒカリ。」
「キャーッ！熱っつい！」
「まずいわ、早く服を脱がなきゃ。」
アタシは、ヒカリをバスルームにつれていったの。そして、手早くヒカリの服を脱がして、
ヒカリにはゆっくりシャワーを浴びるように言ったのよ。
「シミになっちゃうから、アタシはあっちでもみ洗いするわ。それでいいかしら。」
「うん、アスカ、お願いね。」
「ううん、本当にごめんね。」
アタシはそう言うなり、もう一つのバスルームに行って、ヒカリの服にシミ抜き専用の洗
剤を付けて洗ったの。そうしたら、物凄い悲鳴が聞こえてきたのよ。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ！」
ふっふっふっふ。これで、悪巧み第３ラウンドが成功したようね。アタシは、不敵な笑み
を浮かべたわ。
つづく（第48話へ）
目次（目次へ）
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あとがき
さて、一体何が起きたのでしょうか。バレバレではありますが。アスカの悪巧みは、果
たしてうまくいくのでしょうか。
2002.11.13 written by red-x