新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ
第42話
「ふうっ。腹一杯や。委員長に、惣流、感謝するわ。」
「いいえ、どういたしまして。それより、アスカ、アイス美味しかったわ。」
ヒカリと鈴原は、なかなか良い雰囲気になってるわね。
「森川さん、惣流さん、美味しかったよ。有り難う。」
「ちょっと、量が少なかったかしらね。惣流さん、アイス美味しかったわ。有り難う。」
こっちも、なにげに良い感じね。
「アスカ、いつも有り難う。」
「良いって事よ。喜んでもらって嬉しいわ。」
3バカがアタシ達にお弁当とアイスクリームのお礼を言ったわ。ヒカリとユキもアイスの
お礼を言ってきたの。みんなに喜んでもらえたようで、アタシとしても嬉しかったわ。こ
れからも、アイスクリームを持って来ようかしら。
で、それからしばらくは、お弁当の話になったんだけど、頃合いを見計らってアタシがユ
キに声を掛けたの。
「ねえ、森川さんにお願いがあるんだけど、いいかしら。」
「えっと、何ですか。」
「アタシ達、明日、テニスウエアを買いに行くつもりなんだけど、森川さんにも一緒に行
ってほしいのよ。アタシ達、素人ばっかりだし、森川さんが一緒だと心強いんだけど。」
「明日ですか。行きたいんですが、ちょっと今回は都合が悪いんです。」
「えっ、どうして?」
ムッ。当てにしていたのに、残念だわ。
「日曜日に、惣流さんの所に行く約束でしたよね。2日続けて家を開けるのはまずいんで
すよ。私には、小学生の妹と弟がいるので、土日のどちらかは家にいて、面倒を見なけれ
ばならないんです。」
なんだ、そんな事か。だったら、簡単じゃない。
「それなら、こうすれば。日曜日は、妹さん達も一緒に来ればいいじゃない。ねえ、ヒカ
リにも妹さんがいたわよね。一緒に子供達で遊んでもらえば良いと思わない?」
「ええ、私もそうしてもらえると助かるわ。」
「おい、トウジ。お前も妹さんを連れて来いよ。」
あら、相田も良い事言うわね。
「そ、そないなこと、急に言われても、困るやないか。それに、惣流の迷惑になるんやな
いか。」
あら、ヒカリが少しがっかりしたようね。でも、大丈夫よ。
「そんなことは無いわよ。大歓迎よ。良いから、連れてきなさいよ。」
「ほ、ほんまにええんか。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうやないか。」
ふふふっ。鈴原が妹さんを気にしているのは知っているのよ。おそらく、土曜日に誘って
も、断られるんじゃないかと思っていたけど、この分だと大丈夫そうね。
「じゃあ、アタシ達6人に、小学生が4人ね。ヒカリ、お料理の腕を振るいましょ。」
「ええ、アスカ。」
しめしめ。これで仕込みは十分ね。ヒカリと鈴原を、上手く、くっつけられそうだわ。
鈴原の妹が、ヒカリの料理を食べて喜ぶでしょ。そしたら、又食べたいって言わせるのよ。
でね、ヒカリにウンって言わせるの。そしたら、何と、いつの間にか家族ぐるみの付き合
いになっちゃうって言う訳よ。
ヒカリの妹と、鈴原の妹を仲良くさせるっていう方法も良いかもしれないわね。そして、
鈴原の妹がヒカリの家で夕食を何度もごちそうになって、そのうちに鈴原もお呼ばれしち
ゃって、いつの間にかいつも夕食を一緒に食べるようになるのよ。
相田は、ユキの弟と遊ばせて、遊んでくれる良いお兄ちゃんって思わせるのよ。そしたら、
一緒に遊園地とかに遊びに行かせて、仲良くさせちゃうのよ。ナ〜イス、何て良いアイデ
アなんでしょう。
ヒカリも、心なしか嬉しそうな顔に見えるわね。でも、もう一押しが必要なようね。
「そこで、提案があるんだけど、お料理会は土曜日にして、テニスウエアを買うのは日曜
日にしない?ヒカリも、森川さんも、鈴原君も、日曜日をフリーにしたんでしょ。そうし
ましょうよ。」
「そうやな。その方がええな。」
「私もその方が都合がいいわ。」
「そうですね。私もその方が賛成です。」
こうして、テニスウエアを買うのは、明後日の日曜日になったのよ。
***
「よろしくお願いします。」
「お願いします。」
放課後になって、アタシとヒカリは、テニス部の練習に参加したの。もちろん、シンジも
一緒に参加したんだけど、練習は男女別なのよ。アタシも男子と一緒に練習したいと思っ
たけど、今の所はヒカリもいることだし、我慢することにしたわ。
最初は体操やら、筋トレやらを一通りやったのよ。そうしたら、ユキが近付いて来たわ。
「あの、二人とも、テニスの経験はあるのかしら?」
「ええ、中学生になってからはあまりやらなくなったけど、昔は結構好きだったから。」
あら、ヒカリが?あまりテニスをやるようには見えないのにね。
「それで、惣流さんはどうかしら。」
「ああ、アタシはラケットを握ったことが無いの。でも、昨日一晩みっちり頭に叩き込ん
だから、かなり出来るわよ。もう、テニス部最強と思ってもらっても良いわ。」
「あ、あの、惣流さん…。」
あら、やだ。何でユキったら、引いちゃうのよ。ムッ、ヒカリ、あんたもよ。
「わ、分かったわ。洞木さんは、2年生に混じってストロークの練習を。惣流さんは、1
年生と一緒に素振りの練習をお願いするわ。」
「嫌よ。アタシは3年生と一緒に練習したいのよ。」
当然よね。アタシは、おそらくテニス部最強なんだから、3年生だって相手にならないわ
よ、多分。
「そ、惣流さん。今日は、初めての練習ですから。じゃあ、洞木さんと一緒に2年生に混
じってストロークの練習をお願いします。」
ちっ。なんで、アタシがちまちまとした練習をしなきゃならないのよ。嫌になっちゃうわ
ね。これは、早急に手を打たないと駄目なようね。でも、今日はしょうがないか。
「ええ、分かったわ。今日は肩慣らしだし、軽くいくわ。」
「ええ、お願いします。」
ユキったら、まだ顔が引きつっているわ。でも、もうすぐ驚きの顔を見せてあげるわね。
つづく(第43話へ)
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あとがき
果たして、アスカのテニスの腕は、いかほどでしょうか。
2002.10.10 written by red-x