新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第25話

「そうね、初めてにしては上出来ね。アタシに万一のことがあっても、アタシの唇は守っ てよね。」 「うん。」 シンジはにこやかに言ったわ。 *** 「じゃあ、次は心臓マッサージよ。みぞおちの上、胸骨が別れる分岐点から中指と人差し 指を並べたその上隣の部分を中心に、両方の掌を重ねてあてて、自分自身の体重を利用し て一分間に80から100回くらいの割合で、掌底で胸骨を圧迫するのよ。」 「えっ、それじゃあ、良く分からないよ。」 「ははっ、やっぱり。」 しょうがないから、アタシが実験台になりますか。アタシはシンジの体で何度か実演して みせたわ。でも、ちょっと恥ずかしかったわ。 「とりあえず、シンジもやってみてよ。」 「うん。」 シンジは直ぐに始めようとしたわ。 「駄目よ。邪魔なものは取らないと。」 「ええっ。そんなことしても良いの?」 「あのねえ、生きるかどうかっていう瀬戸際で、そんなことは言ってられないのよ。分か るでしょ。実際にエヴァに乗っている時は、こんなのは付けてないし。胸を見るのが恥ず かしいからなんて、そんな下らない理由が原因で死にたくないもの。」 「うん、分かったよ。」 シンジはおそるおそるアタシのスポーツブラを外しにかかったわ。ちょっと緊張するわね。 「じゃあ、始めるよ。」 シンジは真っ赤になりながら、心臓マッサージを始めたわ。手が胸に当たっているから、 顔がどんどん真っ赤になるわ。良し、ちょっとからかってやろう。 「毎朝と毎晩、これをやるわよ。アタシの命がかかっているんだから、真面目にやるのよ。 いいわね。」 「うん、アスカの命がかかっているなら、一所懸命やるよ。」 お〜お。そう言いながら、顔はにやけちゃって。嬉しそうなんだから。 「で、夜はいつにする。風呂上がりがいいかしら。それなら何も着ていないし。都合がい いかしら。」 「う、うん。そうしようよ。」 「な〜んちゃって。嘘よ、嘘。本気にした?」 途端にシンジの顔がさらに真っ赤になったわ。 「か、からかうなんて、酷いよ。」 シンジの顔がむくれたわ。 「ふふふっ。ごめんね。でも、考えてもみなさいよ。風呂上がりだと、練習にならないで しょ。だから、寝る直前位が丁度いいかしら。」 「えっ。今度も嘘?」 「な〜に言ってるのよ。嘘って言うのは、風呂上がりっていうことよ。シンジったら、お 互いに素っ裸でやる所でも想像したんじゃない?」 「そ、そんなことないよ。」 ふふっ。シンジったら、うろたえちゃってさ。か〜わいい。 「あっそう。『ウン』って言ったら、1回位は風呂上がりにやろうかと思ったんだけど、 シンジったらそういうことに興味が無いのね。」 「ええっ。そ、そんなあ。」 シンジったら、物凄くがっかりした様子だったわ。やっぱり男は皆ドスケベね。そう思っ たら、アタシはちょっとシンジをからかいたくなったの。 「風呂上がりに心臓マッサージをやるのと、一緒にお風呂に入るのと、どっちが良い?」 「へっ。」 シンジは間抜けな顔をしたわ。でも、直ぐに悩ましげな表情を浮かべたの。こいつったら、 きっとエッチな想像をしているのね。 「えっと、一緒にお風呂かなあ、なんて…。」 やっぱり。下心見え見えじゃない。でも、アタシは思う所があって、こう言ったの。 「じゃあ、こうしようか。敵を倒したら、お祝いに一緒にお風呂に入ろうよ。でも、条件 があるわ。」 「えっ、条件ってなあに。もしかして、僕が敵を倒すこと?」 「逆よ。無理に敵を倒そうとしないで、アタシの指示に従って戦って欲しいのよ。特に最 初のうちはね。何でか分かる?」 「えっ、ううん、分からないよ。」 もうっ、シンジったら、鈍いんだから。 「シンジに万一のことがあったら、嫌だからに決まっているでしょ。格好付けようと思っ て、反対にやられて死んじゃったら、アタシは泣いて暮らさなくちゃいけないのよ。そん なの、嫌に決まっているでしょ。だからよ。」 「ア、アスカ。それほどまでに、僕のことを…。」 シンジは目にうっすらと涙を浮かべたわ。うっ、これじゃあ、今更冗談よなんて、言えな いじゃない。 「わ、分かってくれればいいのよ。じゃあ、続けるわよ。次は、人工呼吸と心臓マッサー ジを同時にやるのよ。人工呼吸を2回行い心臓マッサージを15回という割合を、交互に繰 り返すのよ。良いわね。」 「うん、アスカ。分かったよ。」 こうして、シンジはアタシを練習台にして、人工呼吸と心臓マッサージの訓練を何回もし たの。シンジもそれほど要領は悪くなかったから、一応サマにはなってきたのよ。これな らアタシの心臓が止まっても、即天国行きにはならないわね。 「シンジ、今日はこれ位でいいわ。」 「うん。」 そう言いながらも、シンジは名残惜しそうだったわ。 「どうだった、感想は?」 「ア、アスカの唇って、柔らかいなあって。それに、アスカの胸も、とっても柔らかいや。 それに、白くて綺麗だなあって。」 「あのねえ、シンジはそんなイヤらしいことを考えていたのかしら。」 「あっ。」 シンジは真っ青になったわ。どうも、思ったことをそのまま言っちゃったっていう感じね。 「ご、ごめんよ、アスカ。でも、真面目にやるつもりだったんだけど、アスカの肌が凄く 綺麗だから、つい…。」 シンジはそう言って俯いたのよ。まあ、アタシの魅力に溺れたって訳ね。それじゃあ、怒 るに怒れないじゃない。 「シンジ、良いのよ。でも、あまりイヤらしい目で見たらいやよ。愛情のこもった目なら いいけどね。そこのところは重要だから、気をつけるのよ。」 「えっ、許してくれるの?」 「許して欲しくないの?」 「もちろん、許して欲しいよ。」 シンジは少しだけだけど、顔に明るさが戻ってきたわ。しょうがない、もうちょっと明る くしてあげよう。 「じゃあ、許してあげる。で、ちょっと手を貸して?」 「えっ、ああ。」 アタシはシンジの手を掴んで、自分の胸に持ってきたの。 「あっ、アスカ。」 「アタシ達、まだ子供だから、今はここまでよ。後は、この感触をいつまでも覚えていな さいよ。良いわね。」 シンジは驚いて口をパクパクさせている。まだからかい甲斐があるわね。 「じゃあ、今日はこれで特訓終了よ。お疲れさま。」 アタシはそう言った後、シンジにキスをしたわ。もちろん、シンジの顔はにやけていたわ。 つづく(第26話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  初なシンジは、言い様にアスカに翻弄されます。でも、一般的に言って、美味しい状況 ですね、シンジ君は。 2002.6.18  written by red-x



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