新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ
第107話
「ミサト、サンキュー!」
ネルフに着いたら、アタシは急いでミサトを見つけてお礼を言ったわ。まさか、こんなに
ミサトの仕事が早いなんて、まあ分かってはいたけど、でも想像以上だったのよね。きっ
と、結構無理しちゃってるんだわ。
でもね、ミサトはそんなことは微塵も感じさせなかったわ。ヘラヘラ笑って、気にしない
でいいのよと言ってくれたの。
「アスカやシンちゃんには命懸けで戦ってもらうんだもん。大人の私がこれくらいはちゃ
ちゃっとしないとね。」
う~ん、なんて大人なの、ミサトは。なんか、尊敬しちゃうわね。でもね、聞こえちゃっ
たのよ。
「葛城さ~ん、急に無理な仕事を押しつけないでくださいよ~っ。テニス協会の人、怒っ
てましたよ~っ。」
えっと、日向さん、だっけ?徹夜明けみたいな眠そうな瞼で現れたのは。
「はははっ、ごみん、ごみん。」
それを見たミサトは、手を合わせて謝り出したわ。
「ごみんもいいですけどおっ、お願いだからやれって言うだけじゃなくて、少しは手伝っ
て下さいよ~っ。」
前言撤回。単に優秀な部下に恵まれただけのようね。
***
「さあ、シンジ。帰りましょう。」
「うん、帰ろうね。」
エヴァの各種テストや訓練を終えると、アタシ達は、いつものように二人で仲良く帰るこ
とにしたわ。アタシの提案をミサトやリツコが受けてくれたおかげで、アタシ達の訓練や
テストは、レイとは時間をずらして行われるの。だから、シンジがレイと会うのは学校だ
けなのよ。
学校では3バカトリオが一緒にいるおかげでレイが入る隙間は無いから、シンジとレイが
仲良くなることは考えられないわね。
シンジとレイが仲良くなるのには、今はまだ早いわ。アタシとシンジの仲が磐石のものに
なってからじゃないとね。シンジは浮気者なところがあるから、今はレイと仲良くさせる
のは危険なのよ。
もっ、もちろん、アタシがシンジに惚れてるからじゃなくって、シンジがアタシ以外の人
間の言うことを聞くと困るからよ。あっ、あったり前でしょ、そんなこと。
でもね、レイも一人にさせておくのは可哀相だから、なんとか友達が出来るようにと考え
ているところなんだけど、これが思った以上に大変なのよねえ。アタシがいくら頼んでも、
レイに話しかけるような人はいないのよ。
とはいえ、レイをアタシのグループに入れるのも考えものなのよ。だって、シンジと顔を
会わせるチャンスが増えちゃうじゃない。本当に困ったわ。一体どうしましょ。あちらを
立てればこちらが立たずっていう状態なのよねえ。
う~ん、困ったわねえ。いっそのこと、男をくっつけようかしら。女の子って、恋をする
と信じられないくらいに変わるって言うものね。
だれか、レイに合うような男はいないかしら。美形で、頭がよくて、スポーツも得意で、
優しくて、明るい男の子なら異存は無いんだけどね。クラス中どころか、学校中見てもい
い男の子は見つからないわ。
だから、残念ながらレイを男の子とくっつけるのは、いい男が見つかるまでは無期限延期
ね。いくらなんでも、変な男の子とレイをくっつけるのは可哀相だもの。レイはアタシと
同じで、容姿端麗、頭脳明晰だから、釣り合ういい男がなかなか見つからないかもね。
アタシはシンジとおしゃべりしながらも、そんなことを考えていたの。そしたらね、さす
がの鈍感大王でも分かったらしいのよ。
「あのお、アスカ、僕の言うこと聞いてるの?」
アンタの話しなんざ聞いちゃいねえって言いたかったんだけど、さすがにそれはやめたわ。
シンジはまだまだ精神的に不安定だから、傷つけるようなことを言うと良くないのよねえ。
海に飛び込むくらいならいいけど、車道や線路に飛び込まれたら厄介だもの。
「あ、うん。聞いてるわよ。一体どうしたの?」
「う、うん、なんでもないよ。アスカがなんか、上の空のようだったから。」
「あら、そう見える?いやだなあ。でもアタシ、疲れているかもしれないわ。」
「えっ、そうなの。だったら早く帰って休まないと。」
「そうね、そうしましょう。」
アタシは、これ幸いと早めに家に帰ることにしたわ。
***
家に帰ると、アタシはシンジにテニスのお勉強をさせたわ。聞いてみたら、シンジは混合
ダブルスのことは全然分からないみたい。ルールさえ知らないみたいなのよ。こりゃあ、
シンジをいっちょまえにするのは、結構大変かもしれないわね。
アタシは散々悩んだ末、シンジが最も効果的に覚えるであろう方法を試してみたの。そう、
エッチなことをエサにすることにしたの。
「はい、これを覚えたら、今月は毎朝キスしてあげる。」
「はい、これを覚えたら、今月は夜寝る前にキスしてあげる。」
「はい、これを覚えたら、今月は寝ている時に胸を触ってもいいわよ。」
なんて感じでシンジにテニスの知識を覚えさせようとしたのよ。そうしたらね、シンジは
超人的な記憶力を発揮したのよ。男の子って、本当にエッチなのね。それとも、シンジが
特別なのかしら。
でも、今度の試合までにはシンジは何とか使えるようにはなりそうね。アタシは、少し安
心したわ。
つづく(第108話へ)
目次(目次へ)
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あとがき
やっぱりミサト。日向をこき使っているようです。一方、シンジですが、やっぱりドス
ケベでした。それとも、元々記憶力が良いのでしょうか。
2004.6.20 written by red-x
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