新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ


第82.5話 破竹の進撃

「来たぞっ!イラク軍だっ!」 イラク国境近くのサウジアラビアの都市、バダナの守備隊は、イラク軍を迎え撃とうとし ていた。この都市には、アラビア半島を横断するパイプラインが通っているため、戦略上 重要な都市だった。このため、戦争開始早々攻撃目標にされたのだ。 「撃てっ!」 イラク軍の戦車が10両ほど第一次防衛ラインを突破したため、守備隊長は迷わず攻撃を 指示した。戦車の砲弾が、ミサイルが、次々と発射される。 「やったか!」 状況を確認すると、敵の戦車が5両ほど破壊されたようだ。 「よし、いけるぞ。」 隊長がほくそえもうとしたその時、破壊された戦車の向こうから新手のイラク軍が現れた。 その数は、100両を超えていた。 「げえっ!た、退却だっ!」 だが、逃げるにはもう遅すぎた。30分後、守備隊は全滅し、バダナはイラク軍に制圧さ れた。 一方、トゥライフ、ラフハー、カイスーマといったパイプラインの通る他の都市も、イラ ク軍の攻撃を受けていた。そして、数に優るイラク軍に対抗出来るはずもなく、短時間で 制圧されていった。 だが、攻撃を受けた都市はそれだけではなかった。クウェート、カフジ、サファーニーヤ、 ダンマームといった都市も、次々とイラクの大軍に制圧されていったのだ。 また、カタールのドーハ、バーレーンのマナーマやアラブ首長国連邦のドバイやアブダビ といった海沿いの都市も、イラク海軍の攻撃の前に次々と制圧されていった。 国連で意味のない議論が行われている間に、イラク軍は破竹の進軍を続けていったのであ る。そして、軍人だけでなく、民間人にも多数の死傷者が出ていた。
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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2003.10.16 written by red-x



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