新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ


第49.5話 余波

「マヤ,ちょっといいかしら。」 ネルフ内において,珍しくリツコがマヤを呼び出した。 「はい,先輩。なんでしょうか。」 「これから,かなり忙しくなるわよ。覚悟して。」 「えっ,どうしたんですか。」 「急に予算が認められたのよ。新型エントリープラグに,新型兵器,その他諸々の開発に ついての予算がね。」 「ええっ,それって,物凄い金額になるんじゃ。」 「ええ,そうよ。でも,認められたからには,やるしかないわね。」 「そ,そうですね。頑張ります。」 「そこで相談なんだけど,アスカには新型エントリープラグの開発をやってもらおうと思 っているの。何と言っても,元パイロットだしね。そこで,マヤには新型兵器の開発をし て欲しいのよ。」 「へ,兵器の開発ですか。」 「ええ,そうよ。でも,これには作戦部と共同で開発する方が良いわ。作戦部が使えない 兵器を作ってもしょうがないしね。そこで,青葉君と組んで,兵器の開発をして欲しいの よ。良いわね,マヤ。期待してるわよ。」 「はい,先輩。」 これがシゲルに頼まれたアスカの差し金とも知らず,リツコの期待に沿うべく,マヤは張 り切った。こうして,マヤは巧妙に,シゲルと急接近させられることになるのである。 *** 「ええっ,奨学金を受けられるんですか?」 中学校では,ユキがミサトに職員室に呼び出され,大学を卒業するまで奨学金を受けられ るという話を聞かされて,大喜びだった。 対象者は,使徒が現れてから孤児となった子供全員だそうだ。学費と学業に要する費用全 額と,生活費及び家賃の補助が受けられるのだ。申請すれば,住居のあっせんまでしてく れるというのだ。まさに至れり尽くせりの制度だった。 ユキは,住居は既に確保しているため,学費等と生活費が支給される。それも,3人分で あるため,一気に家計が楽になるのだ。支給される金額を念のため確認してみたが,中流 家庭並みの生活が出来る位の十分な額だった。もう,家計を必要以上に切り詰めなくて良 いのだ。これで大学を卒業するまでは,生活費の心配をする必要もない。お洒落も人並み に出来るだろう。ユキにとっては,それが一番嬉しかった。 「ミサト先生。私は働いているんですが,大丈夫なんでしょうか。」 ユキは,ふと心配になって尋ねたが,ミサトは首を縦に振った。 「もち,大丈夫よ。働いた分を減額されることはないわよん。全部自分のために使いなさ ~い。お洒落に使っても良いわよ~ん。」 「でも,一体どうして急に。」 ユキは疑問に思ったが,ミサトからは答は返って来なかった。実は,これもアスカの発案 なのだが,ミサトは言わないことにしていた。ユキが負担に思うかもしれないと考えたか らである。 アスカは,後々のことも考えて,新たな財団を設立して,そこにネルフ職員の殉職者の遺 族に働いてもらうことにした。そして,この第3新東京市で親を亡くした子供が,奨学金 を受け取れるようにしたのである。 こうしておけば,仮に将来ネルフが解体されたりしても,奨学金制度自体は存続するし, 遺族の職場も安泰なのだ。資金はネルフから支出した。その資金を運用して,その運用益 で事業を継続するのだ。セカンドインパクト以前と違い,今の世界の利息は割合高い。こ のため,20億円の基金でも,年間1億円の運用益を生み出すことが可能だった。 それだけあれば,職員数人分の人件費と,一人当たり年間200万円の奨学金が40人分 確保出来るのである。もし,それで足りなかったら,基金を増額すれば良い。遺族の職場 には,他にも株式会社や社会福祉法人を充てる予定もあった。 これらの出来事は,全て『the sleeping thief operation』成功の余波だった。ネルフが 巨額の資金を確保したことによって,大きな歯車が回り始めたのだった。 (第50話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  アスカは,ユキが素直にお金を受け取るために,奨学金制度を創設しました。これで, ユキはケンスケとのデートに着ていく服が増えるでしょう。 2002.8.9  written by red-x



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