新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ


第44.5話 将棋

「お〜い,ケンスケ。将棋でもやらへんか。」 「ああ,いいよ。暇つぶしにはもってこいだもんな。」 少し時間は遡り,作戦が始まる少し前のことである。ケンスケとトウジは将棋を打つこと にした。 「よし,いくで〜。」 「ああ,来いよ。」 こうして,二人はしばらく将棋を打っていたが,やがてケンスケから話しかけた。 「なあ,トウジ。今回の戦いなんだけど,洞木はどこかに避難しないのか。」 「ああ,惣流が言うには,まだ大丈夫なんやと。」 「でも,敵の戦力は圧倒的なんだぜ。いくら何でも勝ち目があるのかよ。」 「勝ち目か。そういや,惣流が変なことを言っておったな。」 「えっ,何だよ。」 「わいが将棋を打ってたら,いきなし惣流が近付いてきてな,『これはいける。』なんて 言うんや。でな,『どないしたんや。』って言ったらな,『アンタのお蔭で勝つ見込みが 出来た。』なんて言うんや。あいつも,全く分からんやっちゃな。」 「ふ〜ん,確かに変だな。でも…。」 「なっ,そう思うやろ。」 「あっ,そうか。分かったよ。そうか,惣流は将棋を見るのは初めてだったんだな。」 「まあ,そうやろな。」 「分かったよ,惣流が言いたかったことは。」 「えっ,じゃあ,教えるんや。」 「ああ,いいぜ。多分だけどな…。」 ケンスケは,小声でトウジに言った。だが,トウジはまだ分からないようだった。 (第45話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.7.5  written by red-x



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