踊る、踊る。二人の影が重なって

時に激しく、時に優しく

私に睦言を紡ぐのは……誰ですか―――――――――?













世界が壊れた日















「いけ…ませんっ!!……ゆ…しく…んっ!」



口付けの合間にそういうと侑士君は私から唇を離し、私を抱きしめたまま私の耳を舌で犯しながら囁いた。



「なんで…?俺に欲情してたんやろ?」


「んっ…!!な、…何を言っているのです!?侑士君をそのような目で…見たことはっ!」



私は侑士に自分の夜の行為を知られているとは知らず、顔を朱に染めながら侑士君の束縛から逃れようとした。その様子を見て悲しそうに笑った侑士君はかすれる声で囁いた。



「じゃあ、じゃあ何であの時俺の名前呼んだん?俺に欲情して、あんなことしたんとちゃうん…?」


「…ど、どういう意味ですか?……………まさか」



―――――――まさか、私の行為が侑士君に知られている…?



自分の夜の行為を知られているのではないかと思い至り、蒼白になりながら聞き返してきた私に、侑士君は私を打ち砕く最後の一言を放った。



「ごめんな。俺、さんが毎晩自慰行為してるの知ってるんや…。さんが俺の名前呼ぶんも聞いてしもた…さんが一人であんなことするん見るのは耐えられへんねん」


「………っ!!!!!!」



私はあまりの恥ずかしさに唇を噛みしめ、拳を強く握り締めた。傷口が開いて先ほど巻いてもらったばかりの包帯に血が滲んでくるのにも気付かなかった。



―――――やはり、知られていたからあんな態度を…っ!!!



「そないに強く唇かんだら切れるで?」



侑士君は噛みしめられている私の唇を舌でなぞりながら私の体を愛撫し始めた。服の上から胸を揉みしだき、私の唇をなぞっていた舌先は私の流れる涙を掬い取っていく。私は体の奥からじわりじわりと湧き上がってくる快感に耐え切れず声を洩らした。



「…ふっ…ん」


「出来るだけ、優しくするから。俺を憎んでもええから…。今日この時だけは、俺を息子と思わんといて…?」



せつなげな表情でそういった侑士君は私の服を脱がすために私の着ているセーターを捲り上げた。私は肌が空気にさらされる冷たさで正気に戻って私に覆いかぶさっている侑士君の束縛から逃れようともがいた。



「いけません!!!侑士君!やめてっ!」


「ごめん。もう後戻りできへんねん。俺がさんに思いを伝えてしもた時から、俺は…!!痛くしたくないから暴れんといて。」



侑士君は私の背中に片手を添えて体を浮かしセーターを私の腕の辺りまで脱がせ、そのセーターで私の両腕を固定した。おびえと寒さで身を震わせた私は侑士君の前にさらされた自分の体を少しでも隠そうと縛られた手で胸元を隠した。



――――私の胸には…あの人のものであるという刻印がっ!!侑士君には見られたくない!



私のその思いもむなしく、侑士君は私の手を片手で頭の上に固定し、ブラジャーを取り去ってしまった。私の胸元に注がれる視線…。私は耐え切れなくなって目をつぶった。



私の胸に刻まれた蝶の刻印。それが私があの人のものであるというシルシ…。



「……親父、こんなことまでしとったんかっ!!もう一度、殺してやりたい…!!」


「侑士君…分かったでしょう?私は、汚れきっているのです…。私などと関係を持ってはいけません。貴方が…穢れてしまうっ!」



涙を目じりにためながら目をつぶったままそういうと、目元に口付けが下りてきた。



さんは、奇麗や。さんほど奇麗な女(ヒト)は見たことあらへん…」



私の耳元でそう囁いた侑士君は、私の目じりの涙を掬い取っていた舌先をその胸元の刻印をなぞるように動かし始め、今まで空気にさらされて冷えていた体に生暖かい感触を感じて身をよじらせた私の胸を手で愛撫してくる。胸の先端に長い指が当たる度に電流が流れるような感触を覚え、驚いて声を上げた。



「なっ!?…何?」



侑士君は私の困惑に逆に驚いたように刻印を舌でなぞるのをやめ、こちらを見やった。



「何って…。さんが感じてるんやろ…?親父にこういうことされてたんとちゃうん?」



侑士君は私に答えを促すように胸の先端を指で扱いた。



「は、んぅっ。そ、そんなこと、されなかっ…あっ」


「どういうことや?親父には抱かれてたんやろ?」


「いつも…抱かれて…。でも、下以外を触られるのは……」



私が恥じるように侑士君にそういうと、侑士君は怒りに震える声で私に言ってきた。



「親父は…さんをちゃんと愛してさえなかったんやな…。」



怯える私を見て侑士君は安心させるように微笑み、誓いの儀式であるかのように私の刻印に口付けした。



「つらいこと言わせて堪忍な?親父みたいなことは絶対せんから…――――」



口付けした唇をそのまま私のラインに沿って動かし、胸の頂まで来ると先端を口に含んだ。ちゅっという濡れた水音と先端を刺激してくる舌先に翻弄されながら、今まで感じたこともないような快感に溺れていった。



――――いけないこととわかっていても、私は……



「はぁっ…」


「声、我慢せんでもええで?」



侑士君はもう一方の胸を指で強弱をつけながら愛撫し、あいているほうの手で私のスカートをスルリと脱がした。



「んっ…んで…そんなに…ひゃんっ!」


「…?ああ、何でそんなに慣れてるんかって?まぁ、俺も高校生やから…。」



クスリと笑いながら答えになっているような、いないような言葉を返した侑士君は私の感触を楽しむように太ももを撫でながら私の中心に手を進めてきた。私は流石に恥ずかしくなって足を閉じた。



「………さん。いい子やから足閉じんといて?俺の手も挟まってるやん…。それとも、……誘ってるん?」



耳元で囁かれた最後の言葉に焦って足を開くと、侑士君は体を滑り込ませて足を閉じれないようにしてきた。そしてそのまま下着の上から割れ目をなぞるようにして指を這わせてくる侑士君に、私は言い知れない感覚を覚えて身をのけぞらせた。



「…っ!」


「…気持ちええ?」



侑士君は私の乳頭を舌で愛撫しながら話して来たけど、私は唾液に濡れた乳頭に侑士君の吐息がかかるたびにビクビクと反応してしまって、もう侑士君が何を言ってるのかすら分からなかった。



さん、ほんま可愛いなぁ。反応が処女みたいや…」



そういった侑士君は私の下着をずらし、直接秘部に触れてきた。



「もうこんなに濡れとる…」


「やぁっ!そんな…ことっ…………!!」


「俺に感じてくれてるんやろ?めっちゃ嬉しいで?」



そういって嬉しそうに目を細めた侑士君は、私の秘部の割れ目に沿って指を動かし、蕾を見つけるとクリクリと指で転がした。



「ああっ――――!!」



私があっけないほど簡単にイってしまうと、侑士君は一瞬驚いたような表情をして目を見開き、すぐに私に口付けてきた。



「んっ…ふうっ」



侑士君の舌を受け入れ舌を絡めとられながら、私は再び熱くなってくる自分の躯を感じ、困惑していた。



――――――あの人と行為をしている時は途中で果ててしまうようなことはなかったのに…?どうして…。



侑士君は唇を離して飲み込め切れずに私のあごを伝った唾液を舐めとると、止めていた指を再び動かし私の蜜壺に指を挿入した。



「やっ…!そこは……だめ……っはぁん」


「駄目やないやろ?こんなに濡れてるのに…。」



侑士君の声が私の太ももあたりで聞こえて驚いて目を開くと、侑士君はそのまま私の秘部を舐め始めた。



「いやっ!!!……ひゃぅっ!!汚いからっ…駄目です…っん…」


「…………」



ぴちゃっ



私の言葉を無視して蜜をおいしそうに舐め続ける侑士君を止めようと思って私は拘束されたままの両手で侑士君の頭を押しのけようとした。



「やっ…ん。………きゃあっ!」



力の入らない私の抵抗などものともせず指と舌で蜜壺を犯しつつけていた侑士君は私の蕾に唇を寄せて軽く挟み、吸い上げた。その瞬間頭が真っ白になってビクビクと震える体をもてあましながらしばらく呆然としていた。



さん、やばいわ…本気で可愛い。最後までいく気はなかったんやけどなぁ…。我慢できそうにない。…堪忍な?」



そういってジッパーをずらす音が聞こえ、侑士君が私の両足を抱えるのをぼんやりと見ていると熱くたぎるものが私の中に入ってきた。



「はっ…ぁあ」


「………っ…痛ぁない?」



私の中に入ったモノの質量に驚きながらも侑士君に首を振って見せた。



「動くで?」



そういって律動を始めた侑士君のモノが敏感なところに擦れる度に私の唇からは嬌声が漏れ、侑士君はその声を聞くたびに私の膣の奥深くまで自身を打ちつけた。



「ゆぅし…くっ!!…ふぅっん」


さん………っ」



侑士君の額から流れ落ちた汗は少しの間滞空し、胸の刻印の上に落ちる。その刻印に落ちた汗が私の穢れを祓ってくれたような気がして涙を流した。侑士君は私の涙を唇で拭いながら、ただひたすら私を優しく愛撫し、私の中にいる侑士君はただひたすら私を求めてうごめいた。膣に侑士君の性器が擦れることで結合部から止めどもなく溢れてくる愛液はもうどちらのものかもわからなかった。



「侑士…くん…わたっ……もうっ!」


「俺も…限界やっ…。一緒に…っ!………愛しとるで…―――――――」



「ひゃぁんっ―――――!」



そういって侑士君が一際激しく腰を打ちつけた瞬間、私は膣を激しくけいれんさせながら果てた。ビクビクと震え、収縮を続ける私の中で侑士君が小さく痙攣して果てるのがわかった。私は薄れる意識の中で侑士君の言葉に反応してイってしまったことに驚いていた。



――――――侑士君に愛しているといわれた瞬間果ててしまった……?私は、侑士君を…?



「……さん、愛しとる…。ホンマに、狂いそうなほど愛しとるで?」






侑士君の呟きが聞こえるか聞こえないかのところで、私の意識は完全になくなった。―――――――。















貴方の躯が私を求めて

私の躯が貴方を求めて…

どうしようもないほど熱くなるのです

貴方に愛しているといわれたときの

躯の繋がりよりも私を強く貫いこの感情は……何?

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