部活、どうしようかなあ……?








                 第9話 部活見学。










は悩んでいた。なぜならこの学校は委員会もしくは部活動、どちらかに絶対参加しなければならないのだ。今は帰りのホームルームなので、ある程度目星を付けて放課後に見学にいかなければならない。






(はっきり言ってめんどくさい…。……やっぱり見学行きたくないし、幽霊部員でもいいところに入ろう。)




「………ということだ。そろそろ進学も考えた勉強を始めるように!以上だ、委員長、号令を頼む。」


「起立!」



そう心に決めて委員長の号令とともに立ち上がった。すぐに教室から出て行けるようにちゃっかりかばんも持っている。



「礼!」



「「「「「「「「「ありがとうございましたー」」」」」」」」」



「おう!気をつけて帰れやー。」







挨拶が終わり、私は担任にも負けないくらいの速さで教室から出て行こうとした。だが、それは3人の声によって阻まれた。




「あれー?もう帰るの?部活とか見ないの?」

「そうだにゃー。何かの委員会か部活に参加しないといけないんだぞー?」

「ふふっ、のことだから見学に行かなくても済むような、楽な部活にでも入ろうと思ってたんでしょ?」




(不二君怖っ!!何でそこまでわかってるのよ…。しかも名前呼び捨てだし。別にいいけどさ。)





「えーっと、………やっぱり見学行こうかなぁー。」





私は不二の言葉の裏に隠された「帰ったらどうなるかわかってる?」というメッセージに怯え、帰ることを諦めた。






「じゃあさ、テニス部見に来なよ!あ、もちろん男テニじゃないわよ?あそこは女の子が群れててウザイだけだし。」


「ひどいにゃ亞江香!それは男テニが悪いんじゃないし!!!男テニ見に来てよちゃん!」


「英二、は女の子だから男テニには入部できないよ?まあ、男テニに入る方法はほかにもあるけどね…。でも、そうだね。見に来てくれたらうれしいな。」


「何言ってるのよ!は女テニに見学に来るに決まってるでしょ!?だいたい…………!!!」





3人は私をほったらかしてどんどんと話を進め、いつの間にやら私の(男、女)テニス部見学は決定事項になってしまった。




(私の意志はいったい……。最近ないがしろにされてるような気がするのは気のせいかしら…?)




私はそんなことを考えながら、話もまとまり私を連れていく気満々の3人を見やり、ため息をつきながら言った。



「わかったわ…行くわよ。行けばいいんでしょう?でも先生に呼ばれてるからその用事が済んでからね。」



すると三種三様の答えが返ってきた。そのうち一人は脅してきたけどね…。



「おっけー!んじゃ、先に行って練習してるわ。」


「やったにゃー!!頑張るから絶対見に来てにゃ!!」


「めんどくさくなって帰ったりしないでね?来るって言ったんだからさ…(開眼)」





「………帰ったりしないって。」




女テニだけチラッと見学に言った後、忘れたふりして帰ってやろうなどと考えていたのを読まれていた私は冷や汗を書きつつそう答えた。





「じゃあねー。先生に何言われるのかわかんないけど、頑張れー!!!」

「うん、頑張るよ!(何を頑張るのかよくわからないけど…)」



「待ってるにゃー。」

「まあ、あまり期待せずに待っててよ。」



「寄り道せずにまっすぐ来なよ?」

「ワカリマシタ……。」



私の返事を聞いた三人は満足そうに私に挨拶して、教室をあとにした。
それを見届けた私も職員室に向かうべく教室をでた。








(とは言ったものの、男テニの見学に行くにはあの女の子の群れをくぐり抜けないといけないのよね………。ああ、めんどくさい…。)







果たしては無事に男テニを見学することが出来るのだろうか……?










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