周りのお嬢様方の視線が痛い……。
第7話 うれしはずかし編入初日!!!
私、 は担任の教師に引き連れられながら教室に移動しています。
先生はなにやらいろいろ私に話しかけていますが、私はそれどころではありませんでした。
だって、私が編入するクラスは3−6!!!
ええそうです!猫丸くんはいいとして、魔王とか黒い人とか不二君とかいう方がいるんですよ!!!!
物凄く美形だけど明らかに黒いであろう性格……目を付けられたら生きては行けまい…。
(冷静に行くのよ。きっとうまくいくわ。不二君に目を付けられるんじゃなくて、気に入られればいいのよ!!………はっきり言って自信なし。)
そうやって必死に自分に言い聞かせ、心の準備をしている。しかし神様はにそんな時間を与えてくれはしなかった。
「ここだぞー。おらおら何騒いでるんだぁ!?さっさと静まれー。ということで今日は転校生を紹介するぞーーー。
さあ、入って自己紹介したまえっ!!!!」
突然前を歩いていた教師が立ち止まり、プレートに3−6と書かれたドアを開き、教室で騒いでいた生徒たちを静まらせると、思いっきり不意打ちでに教室に入るように指示してきた。
(ちょっ!?イキナリ何してんですか!!!!まだ心の準備が出来てないのにっ!!!ああでも早く行かないと変に思われるよー!!!ええいっ、なるようになるでしょ!)
一瞬のうちにそう判断して私は教室に入り、突然のことにざわつくクラスメイトにむかって一礼し、営業スマイルを貼り付けて自己紹介した。
「はじめまして。と申します。これから1年間、よろしくお願いしますね?(にっこり)」
挨拶を終えたあと、私はなんとなく教室を見渡した。ほとんどの人は、営業スマイルでノックアウトされている。
(さすが私!!!伊達に十年も猫被って生きてないわ!つかみはバッチグー♪)
そんなことを思いながら、ふと強めの視線を感じてそっちに目を向けた……。そして、私が一番恐れている人とばっちり目が合ってしまった。そう、あの黒いと評判の不二様と。
(…………。どうしよう、目が合っちゃたYO!何でこっち見えるんですか…。おかげで目がそらせなくなっちゃったじゃんか!!!!!今そらせば良いなんて思ったやつ!!!それは甘い考えだよ?目をそらすなんて恐ろしいこと私には出来ません!!!!!!!!)
私は目をそらしたら私の人生が終わってしまいそうで不二が目をそらすのをひたすら待った。だが、不二は一向に私から目をそらそうとはしなかった。私と不二の間で絡み合う視線。はたから見れば、お互いに熱く見つめ合っているように見えるだろう。不二は何で私を見ているのかわからないが、私はそんな『萌え』なシチュエーションを楽しんでいる場合ではなかった。
(何でまだこっち見てるのよ!!!!!早く目をそらしてよ!ああっ、神様助けてーーーー!!!!!)
そんな私の願いが天に届いたのだろうか、担任の先生が私に救いの手を差し伸べてきた。
「んじゃ、は不二の横の席に座れ。おい、不二。手を上げろー。…あそこだ。わかったか?」
(…………。先生、地獄から救ってくれたのか、更なる地獄に突き落としてくれたのか、とても微妙ですよ……?ああ、心なしか周りのお嬢様方の視線がいたい……。私はこのクラスでやっていけるのかしら…。)
さっきより4割ぐらいきつくなった視線をその見にあびながら私は不二の隣の席に座った。
そして自己紹介のときよりもいささか引きつった笑みで挨拶した。
「よろしくね。不二…君?」
「こちらこそよろしく。さん。わからないことがあったらなんでも聞いていいからね?(にっこり)」
そういって、以外に黒くない笑顔を向けられた私は不覚にも頬が熱くなるのを感じて顔をそらすと、物凄く興味津々と言うようなキラキラした目を向けて来ている菊丸と目が合ったのでまたしても急いで顔を前の先生に向けた。
(うわっ。やばいっ!!!!お持ち帰りしたい!!!!!……どっち向いても理性が危ない!!!!!!!!………いろいろ大変な席だねここは。女の子の視線は痛いし、不二は美人だし、菊丸は爆裂可愛いし…。これからが大変だぁー。)
「くすっ。なかなか面白い子みたいだね。しばらくは退屈しないですみそうだよ……。」
ぞくり。
(!?今なんか黒いオーラが……。気のせいかな。気のせいだ。そういうことにしておこう…。)
そんなことを頭の中でぐるぐる考えているうちにどうやらホームルームも終わったようだ。クラス委員が「起立。礼!」と号令をかけた後先生は教室から出て行った。
とりあえずこんな風に私は青学3年6組に無事転校したのだった。周りの女の子の視線と、不二のスマイルと菊丸のキラキラした瞳にやられかけてはいたけどね…。
(女友達、出来るといいなぁ……。)