いくらなんでもありえない…。






   第3話 住処…?








リョーマと別れて一時間、はやっとの思いで自分が住むであろうマンションに辿りついていた。

(高級マンションだとはあの自称神様もいってたけど、夢の荘っていう名前からして大して凄くないと思ってたのに…。これは何ですか…?)

の目の前にそびえ立っているマンションはまさに高級感があふれていた。
エントランスホールの入り口前にあるマンション専用広場にはなぜか噴水が存在し、マンション自体も人気建築家が腕にモノを言わせてデザインしているのだろうと容易に予想できる美しさであった。

(見上げるだけでも首が痛い…。)



「…はっ、いかんいかん。さっさと住処確保しないと。…管理人さんに聞けばいいのかな…。」




目の前の状況に混乱しながらもエントランスホールに入ったは管理人が常駐しているカウンターのほうへ歩いていった。

そこには、高級感あふれるマンションには似つかわしくない、しかし人のよさそうなおばさんが座っていた。






「おはようございます。あの、すみません。 と申します。今日から此処に入居することになっていると思うのですが、このマンションで間違いないですか?」




(今日から入居じゃなかったらどうしよう…)





「おはようございます。ちょっと待ってくださいねぇ。……ああ!さんですね。確かに此処で間違いないですよ。案内しますから、そこで待っててくださいね。」

「はい。よろしくお願いします。」

「管理人の伊藤と申します。こちらこそよろしくお願いしますね。さあ、行きましょうか。」






移動中







「ここですよ。これがカードキー。オートロックなので気をつけてください。この階につながるエレベータはあのエレベータだけですので覚えてください。それからこれがこのマンションにりようについてのガイドブックです。とりあえずはそれくらいかしらねぇ。…あっ、そうそう。もう送られてきたあなたの荷物は部屋に運んでありますから。それでは、困ったことやわからないことがあったら気軽に相談してください。」

「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。それでは失礼します。」




は伊藤さんにお辞儀をし、伊藤さんが見えなくなるのを確認してからロックを解除して中に入った。そしてその部屋を見渡し、





「………すごっ!!!!!!!何気に最上階だし。ありがとう神様!!!!!アンタもう文句なしで神様だよ!!!」




と叫んだ。このマンションは防音設備も完備されているのでの声を聞くものはいないのだ。




「うわー。眺め最高!!しかも部屋が広い!リビングだけで軽く20畳はあると見た。ほかにはどんな部屋があるのかな〜っと♪」




といいながらドアを次々と開け放ちながら確認していった。



「フフフ。これなら人を呼んでも大丈夫ね。首洗ってまってろよ青学レギュラーたち!!」




もうすでに頭の中では妄想が始まっていた。この部屋に青学レギュラーが訪れることはあるのだろうか?それは神のみぞ知る…。





「今日はとりあえず部屋を住みやすくせねば!!私が向こうで使ってたものそのままこっちに来てるみたいだし♪」






どうやらは新生活を楽しくやっていけそうな予感のするスタートを切ったようである。










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